2014年7月26日 (土)

「ダメ男」にばかりほれて、と宣う「ダメ女」

 毎日新聞(7/17)から、
  “現代恋愛模様”ノンフィクション作家・亀山早苗

 男を見る目というのは、一朝一夕に養えるものではない。一生かけても、人は他人の本性をそう簡単に見破れないのかもしれないとさえ思う。

 「男運が悪くて」と嘆く女友達がいる。化粧品関係の仕事をしているアヤノさん(34歳・仮名)は20代初めから、つき合う男がみんな「ダメ男」なのだという。ダメ男とは、どういうものなのか。また、最初からダメだったのか、彼女とつき合ってからダメになったのか。

 「いちばんひどかったのは、半年前に別れた4歳上の彼。つき合って1年で一緒に住み始めたけど、その1カ月後にいきなり退職。政治家になるとか、喫茶店を始めるとか、夢みたいなことばかり言いながら、実態は家でゲームばかり。小遣いを上げてましたよ、私が。しまいには『少ない』と文句まで言い出した。彼のためならと頑張っていたけど、とうとう頭に来て、1年後には追い出しました」

 彼女は会社でもチームリーダーとして活躍している。たより甲斐があるように見られてしまうのかも知れない。

 「20代の頃につき合った人たちも、みんな最初は会社員なのに、気がつくとアルバイトとかフリーターになってる(笑い)。私は相手の夢を後押ししたり、この人のためならと頑張ってしまうんだけど、結局、いつも裏切られてばかりです」

 メジャーなミュージシャンになりたい。立派な役者になりたい。司法試験を受ける。そんな男たちを後押ししてきた彼女だが、さすがに今回ばかりは懲りたらしい。

 「相手は年上だし、結構いい会社に勤めていたので、私の方も結婚してもいいかなという期待があったんですよ。そういう打算が働くと、恋はうまくいかないものかなあ」

 頼られてばかりいた女性が、頼ってみようと思ったものの、うまくはいかなかった。人によって、恋愛にはパターンがあるのかもしれない。あるいは彼女がいうように、「ダメになる男」を引き寄せてしまうのか。

 お互い好きなのだから、甘え合ってもいい。あるいは、女性がサポートを必要とする仕事に就いているなら、男性がその役を買って出ることもあるだろう。どちらかが辞めてもいいとは思う。

 ただ、特に事情もないのに仕事を辞めて、恋人に依存するするのは言語道断。ヒモならヒモに徹底してくれればいいが、アヤノによれば彼はセックスも回避しつづけたらしい。

 「ダメ男」は、女性の中にある「かわいそう、私がなんとかしてあげたい」という心理を微妙についてくる。最初のうちは「必要とされる歓び」が満たされるから、つい深みにはまる。

 ダメ男に付け入られないようにするには、「私がなんとかしてあげたい」という意識を捨てるしかない。「必要とされる歓び」より、「対等に交わる歓び」の方がきっと楽しい。

《(アヤノさん)。彼女は生涯に亘って「ダメ男」以外の男性とは知り合いになれないだろう。彼女の心の中には男性はダメなもの、という心理が刷り込まれてこびり付いている。幼い頃から両親を見てそう思える育ち方をしてきたのか、成長途中、知識として知った「男尊女卑」への精神的反動なのかわからないが、完全に「女尊男卑」的精神構造の女性のようだ。それぞれの男性の行為は、アヤノの自己満足(彼女がいう必要とされる歓び)を満たしてやるために見せた男の行き過ぎた行動だったろう。自分自身の男を見下す上から目線の「ダメ女」の部分に気がつかない限り、幸せは来ないだろう。》

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2008年3月13日 (木)

男(校長)と女(生徒)

埼玉県市立川口高校の校長、市川容疑者(56)と教え子の間にあったうす穢い男と女の関係。若い女が家庭のある年寄りとの生活に飽きて別の男をつくった。男は未練たらたら脅迫を始めた。そうだ、2006年3月にアメリカであった10年間監禁されたとして訴え出た女性監禁事件として騒がれた、学校の用務員と女生徒との関係とそっくりだ。海の向こうの男は教師でも校長でもなかったし、当初は14歳の少女の38歳の用務員への恋心からだったという違いはある。

どちらも思春期の女性の好奇心を利用した男の犯罪だ。市川容疑者(当時48歳)は、00〜01(平成12〜13)年度の期間教頭をしていた埼玉県立行田女子高(現進修館高校)で、当時2年生(13歳)であった女生徒に近づき、交際が始まった。そして、在学中の02年1月ごろから肉体関係を持つようになった。07年3月ごろ女性から別れ話を切り出されたが、交際は完全には終わらないままに12月に女性が県警に相談するまで断続的に続いていた。

その後女性が別の男性と交際していることを知って、市川容疑者の脅しが始まったようだ。調べや関係者の話によると、脅迫はメールや封書が送られ、男性のことを調べたことが分かる内容であったり、女性の裸の写真を交際相手の男性に送りつけるなどの脅かしを繰り返していた。メディアは女性を20歳代としているが13歳で知り合って8年が経過している。すでに大学生か社会人だろう。その間ずっと女は不倫、男は浮気の関係を続けていたのだ。

人が人を好きになるのに年齢や社会的地位など関係ない。何歳離れていようと現在では逆に流行現象になっているぐらいだ。不倫も流行現象に近い。しかし、校長はまずかった。そうなるのは不可能でも「聖職」を求められている職業だ。嫌がらせを通り越した脅迫は度を超したものとして逮捕されるに至った。

11日、今年度卒業生の保護者も含め、約500人が参加した保護者説明会を開いた。同日付で校長職務代行者に決まった稲葉教頭(49)や市教委の坂本大典・学務課長が事件の概要を説明し、謝罪した。

保護者からは「校長として考えられない犯罪。市教委は責任の取り方をどう考えているのか」「これから就職活動のある子どもが苦労しないか心配している」などの批判が相次いだという。

メディアは校長を責めるのに躍起になっている。しかし、保護者が校長を責めてどうなる。女の保護者は年端も行かない中高生の娘が不倫の関係にあることを察知できないほどわが子には無関心だったのか。毎日の生活に、何の変化や変調も見なかったのか。娘を持つ保護者たちは、「他山の石」、対岸の火事ではないはずだ。事件の彼女の親は、そのような状況に陥った娘から、何の相談も受けることのできない親だったということなのに。娘を持つ保護者たちは、同じような状況になった時、相談してくれるという自信があるのだろうか。それとも、「私の娘に限って」と自惚れるだろうか。保護者会は学校や先生たちを責める場にしてはならない。

確かに校長のやったことには弁解の余地はないし、その罪は弾劾する。だが、思慮も分別もあると思われた1人の男が、若い女の色香に迷った末辿った情けない顛末に哀れをもよおすだけだ。

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2007年12月10日 (月)

海外留学に彼は・・

毎日新聞(12/10)、「愛したい」欄の相談から。
「社内恋愛中です。彼は29歳。結婚も視野に入れて付き合いを深めています。ただ、私(23歳)は2〜3年後に海外の大学院へ留学する夢があります。(中略)以前、彼は遠距離恋愛の失敗を経験している。「遠距離になるなら付き合いをやめる。そばにいてほしい。ただ夢も応援したい」と言います。彼が大好きなので別れたくありません。でも小さい頃からの夢も諦め切れません。別れを切り出されるのが怖くて、彼に相談できません。両方欲しい私が欲張りなのでしょうか。

回答者はリリー・フランキー(私は何ものか知らない。何でもオカンとボクと・・・)なる人物。
 結構まともなことを言ってる。『「まず、あなたが1番大切に思うことな何なのか。結婚も考える大切な男なら、絶対に別れてはいけない。大学院の勉強とは、本当に海外でなければできないことでしょうか? 女性は「仕事と恋愛、どちらを取るのか」みたいな考えに陥りがちです」。女性だって、男性から「おれ、今マジで仕事を一生懸命やりたいから別れてほしい」って言われたら、「小さい男だな」って感じませんか? 両方ともできるはずですよ。

「夢」という言葉が何を意味するのかも気になります。「留学すること」が夢になっていませんか? 留学して、その後どうするのかが「夢」の話であり、行くことで終わるなら、行く意味がない。留学したことの知識を身につけ、それを生かして、どう社会貢献したいのかを、彼に話せば彼も理解してくれると思いますよ。

これからの人生、何が起きようと愛情を優先する人であってほしいと思います。本当は離れないことが一番だけど、結婚、子どもとなれば違う価値観も見つかる。夢はその気さえあればいつでも叶う。でも、愛情は少しでも日なたに出したら傷みますよ。だからこそ、より丁寧に扱わなければいけないんです。彼と一緒に生きながら、夢を叶える道を考えてください。』

《これから先は私流に表現してみよう。まず、この女性、リリーも言うように、紙面からだけでは何の目的があって海外留学するのかさっぱり分らない。私がどれだけ彼から想われているか、自慢したいだけだ。彼が、過去の苦い恋愛から、遠く離れれば、異国の地で女性が心変わりすることを、トラウマとして確信に近い感情で抱いていることを忖度(そんたく)することもできないようだ。かれがただ甘えん坊の煮え切らない男のような表現をする。彼女自身話しているように彼は「遠距離恋愛で失敗した経験がある・・」それを恐れているのだ。世の中を見ても、海外で短期留学にしろした女性タレントや芸能人たちの多くは、寂しさか、日本恋しさか、欲求不満かは不明だがそうなり、当地に居残ったり、家庭を持ったりする例は結構転がっているのだ。

昔のような性道徳のしっかりしていた時代なら、離ればなれになることは、なお一層お互いに思いが募る、ということもあったろうが、自由恋愛の世の中で育った現代っ子たちだ、物理的な距離は即、心の疎遠ともなってもおかしくはない。相談の件について言えば、どうしても海外留学がしたい必然があるのなら、結婚も諦めて、彼には残酷だが、彼とは今直ぐに別れた方が良い。そうすれば彼にも次の生き方を考える時間が持てる。その際にはくれぐれも、刃傷沙汰や、男のくずのようなストーカーにはさせないよう、じっくり話し合いの労は惜しまないでほしい。

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2007年1月 8日 (月)

離婚後300日以内誕生の子は前夫の子

酒乱、暴力、浮気など離婚(法的な婚姻関係の解消、或いは解消以前の別居)の理由はさまざまだが、離別後に早々に子をなし、出生届を提出しても、多くの夫婦が「今の夫の子」として受理されない例が増えている。「えっ、なぜ」と「法の壁」に戸惑っている。

厚生労働省の人口動態統計によると、04年の婚姻件数は72万417件あり、再婚率は夫17・8%、妻15・9%。94年の夫12・9%、妻11・4%に比べるとそれぞれ高くなっていることから、同様のケースは増えているとみられている。05年に設立されたNPO「親子法改正研究会」(大阪市)には、20件以上の相談が寄せられている。同会は「裁判など手続きの大変さから、子を戸籍登録しないままの人は少なくないのではないか」と問題の重大さを指摘している。

問題は重大であるかも知れないが、法治国である以上は現行法に従うのがもっと大事なことだ。ないも同然の性道徳、不倫、浮気を恋愛と呼び、男女の仲は乱れ放題の世の中だが、民法(改正第5編法律134号、施行2004(平成16)年4月1日)の第2章 婚姻、第733条(再婚禁止期間)には、◎女は、前婚を解消し又は取り消しの日から6箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。◎女が前婚の解消又は取り消しの前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。

とし、当然のことながら第3章 親子 第1節で定める 実子の項第722条(摘出の推定)で、◎妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子とする。続いて ◎婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取り消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する、とある。

異常がなければ通常は受胎の後10月10日して赤子は生まれて来る。法律を守れば、再婚の禁止期間を考慮に入れ、6ヶ月後に再婚しその日に懐胎したとして、どんなに早くても出産は前婚の解消後およそ480日後でなければならない。初婚であっても出来ちゃった婚がはやる当世だ、夫が暴力を振るおうが、酒乱だろうが、300日以内の出産は、前夫の子でなければ、古くは不義密通として、発覚すれば裸馬に男女後ろ手に縄掛けられて、市中引き回しの辱めの上、磔刑となるところだ。現在でも不倫であり、裏切りだ。それを『「法の壁」当事者に負担』とは勝手に過ぎる言い分ではなかろうか。再婚禁止の6ヶ月前の懐胎であれば、法律違反の適用をうけても文句は言えまい。

新聞には東京都世田谷区に住む女性(32)の相談がある。
03年8月、前夫と別居。離婚は04年6月だった。新しい相手は別居から4ヶ月後。1年間の交際を経て、離婚から半年後の04年12月に結婚。05年1月に女児を出産。《法的には前夫と婚姻中に、他の男性との間の子を懐胎したことになる。しかし、法としては婚姻中である前夫の子として受理することが正しい。これを次の夫との間の子として戸籍に登録するためには、前夫に「親子関係はない」と裁判で証言してもらうことが原則として必要になる。顔も見たくはない、と別居した前夫に逢わねば解決できない。この女性はDNAによる親子鑑定書などの資料をもとに、娘の親権者として今の夫を相手に認知を求める調停にこぎつけた。》
 前夫の証言がいらない手続きで、家裁からは「特別に事情を考慮した」と言われたという。05年4月から3回の調停で、6月に娘と現夫との親子関係が認められた。

次は盛岡市に住む女性(39)の例
17年間の結婚生活で子ができず、「どうしても子どもがほしい」と思っていた時、今の夫と知り合い、06年2月に前夫と離婚。離婚後266日に女児出産。こちらも再婚禁止期間を置いた少なくとも480日以降の出産ではない。出産時38歳を考えれば再婚を焦っていたこともあるだろうが、いとも簡単に男と女の関係に入れるものだ。民法の規定を知ったのは、夫が市役所に出生を届け出た時だった。12月に前夫を相手取り、親子関係不存在確認の訴えを家裁に提出。調停は4回ほどになるらしい。DNA鑑定も行うことになる。彼女は「裁判所とは無縁と思っていたのに、まるで悪いことをしたみたい」と言うが、《そのとおり、法律を破る悪いことをしたのだ。「知らない」ことで何事も済ませられれば気楽な世の中になるだろうが、世の中、そんなに甘いものじゃない。子づくりを急ぐ前に、男と女、結婚、離婚、性モラル、社会規範などのことをよくよく考えて行動することだ。》


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2006年8月17日 (木)

60歳の父に彼女が

6月に2本取り上げた。一本は夫の携帯を盗み見して嫉妬する女。もう一本は好きでもなく結婚した夫意外の異性にこそこそとメールをやり取りする女(40歳)。

回答するのは後の相談者を取り上げた栗原美和子(プロデューサー)42歳。
今回の相談は何も知らない母を気遣う娘(自営業)から。「心配と憤り、どんなお仕置きがいいでしょうか。」というもの。日頃の行動を怪んだ娘は父親の携帯電話を調べて確実に証拠を掴む。相手はスナック勤めの女性で、つき合って短くても3年。母親は気づいていない。曲がったことの嫌いな母が知ったら、離婚にいたる気がして、娘としては心配と同時に父に怒りを覚えます。私がお仕置きをして上げようと思うのですが、どういう手段がいいでしょうか。というもの。

回答者の第一声。「何かをするというのなら、かまをかけてみるというのはどうでしょう」だ。とても考えられない、第一、父親の携帯電話を盗み見することは立派な犯罪行為なのを分かっているのだろうか。立場が逆でも、子が未成年なら親は監督責任、管理責任から調べる権利も、必要もあるが、彼女はすでに40歳、許しがなければ調べることは出来ない事になっている。禁を犯せば間違いなく犯罪だ。まして子が父親の携帯を覗き見る。それを教えることもせず、のっけから父親をたぶらかすことを耳打ちする。続いて「知っているということを、それとなく聞いてみて、どの程度本気なのかを探りましょう」だ。

何を言っても父親から「お母さんにだけは言わないで」とは言わせないこと。それは共犯者になることだから、とまで悪知恵をつける。そうしておいてチクチクやって“生殺し”にするのが一番だって。相手の名前を知ったのなら、自分の友だちの名前に使って、何かとかまをかける。「こんな針のむしろは嫌だ」と思わせたらいい。

回答者も基本的には夫婦間の問題であることだから、相談者が未成年の子どもで、夫婦の関係で不利益を被るようなら話は別だけれど、複雑な人間関係に首を突っ込むことはないだろう、と。お父さんが本気なら、お母さんとの別れ話も口に上りもしたろうし、女の方からも何等かの働きかけもあったでしょう、それに、お母さんが知って知らぬ振りをしているだけかも知れない、ということもあります、との回答。

そして、男と言うものは、という数行が書かれているのだが、この‘男’と‘女’という字をそれぞれ入れ替えてもそっくりそのまま通用する内容になっている。それはこう書かれてある。
 それに、‘男’の人は多かれ少なかれ欲張りなもの。スナックやクラブなど、‘女性’が寄り添う店が山ほどあって、奥(旦那)さんや恋人がいても、‘女性’に囲まれていい思いをする。善し悪しは別に、日本にはそういう文化があります、と。

女性も男と変わらず酒を嗜み、クラブに通う風潮が目立ち、不倫をし、浮気をする。毎日新聞の相談窓口に来る内容も、その手のものが圧倒的に多い。読者の中の女子高生からのそれに関する投書も載った。これから人を愛し、いい出合いに希望を持つ若い世代も読むのに、なぜ、こうも大人は浮気や不倫の相談事ばかりするのですか、と。

親の携帯を盗み見しての相談事に、まともに回答を載せること自体、根本的に編集のあり方に疑問がある。

参照「自業自得の女」06/06/13
参照「汝 姦淫するなかれ」06/06/05

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