2015年2月15日 (日)

NYを走る黄色いタクシーが、すべて日本車になる?

 毎日新聞(2/15)から、

 日産自動車のミニバン「NV200」は、米ニューヨーク市名物の黄色いタクシー「イエローキャブ」の次世代モデルに選ばれた。ミニバンの特徴である車内の広さに加え、現地のニーズにも対応して同市のコンペを勝ち抜いた。

 ニューヨーク市は2009年、排ガス中の二酸化炭素削減や渋滞の緩和を狙い、次世代タクシーの開発を公募した。同市はNV200の燃費の良さや、小型でも車内が広いことなどを評価。最終選考に残った米フォードなどを退けた。イエローキャブ約1万3000台が、13年から入れ替わり始めている。

 ミニバン特有の社内の広さや、乗降を助ける補助ステップ、景色を楽しむための透明な天井パネルなど、基本仕様は日本モデルと同じだ。

 しかし、日本向けはエンジン排気量が1・6㍑だが、イエローキャブでは2・0㍑に大型化し、力強い走りを好む米国の乗客に対応した。銃犯罪が多い米国の事情も考慮し、オプションで防弾ガラスも用意している。また、タクシーは一般の車よりも走行距離が長いため、日産が各タクシー会社に整備方法などを教える体制も整えている。

 ニューヨーク市では現在、トヨタのハイブリッド車「プリウス」など20車種以上がタクシーとして利用されている。同市が、NV200を独占的に採用することには、地元タクシー団体から不満も上がり裁判になったが、ニューヨーク州高裁は昨年6月、同市の判断を「合法的で適切」と認める判決を出した。

 日産はイエローキャブ向けをメキシコの工場で生産し、価格は2万9700㌦(約356万円)。北米日産の広報ダイレクター、トラビス・パーマンは「乗り心地など、評判はいい。毎日約60万人が利用するニューヨークのタクシーは、当社の商品力を世界中に披露する絶好の機会だ」と話している。

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2014年12月27日 (土)

人間の万能細胞を精子や卵子の始原生殖細胞に

 毎日新聞(12/26)から、

 人間の万能細胞を精子や卵子のもとの始原生殖細胞に変えたと、英ケンブリッジ大とイスラエルのワイツマン化学研究所の研究チームが24日付の米科学誌セル電子版に発表した。マウスでは京都大の齋藤通紀教授らが成功しているが、人間で効率良く成功したのは初めてと英ケンブリッジ大などは発表している。

 使った万能細胞は胚(成長した受精卵)からつくった始原生殖細胞(ES細胞)と、体細胞に遺伝子群を導入して作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)。始原生殖細胞に変わる際に「SOX17」という遺伝子が重要な役割を果たしており、マウスの場合と違っていた。

 万能細胞からの始原生殖細胞を精子や卵子に変えるには技術的な課題があるが、将来実現すれば精子や卵子の形成過程の解明に役立ち、新たな不妊治療の手段になるという。

 齋藤教授らのマウス実験では、始原性細胞を精子ができない変異マウスの精巣に移植して精子に成長させたり、卵巣の体細胞と一緒に培養した後に卵巣に移植して卵子に変えたりしたが、人間で同じ方法を取るのは難しい。

 人間の万能細胞から精子や卵子ができた場合、安全性の確保や生命倫理上の問題があると考えられ、日本では政府の総合科学技術・イノベーション会議の生命倫理専門調査会が受精まで認めるか、研究者からヒアリングを重ねて検討している。

《生殖産業は不妊治療という免罪符のもと、ますます神の領域に入り込んでいく。》

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2013年4月 5日 (金)

銃規制強化法が成立(米、州レベル初)

 毎日新聞(4/5)から、

《さすが、あれだけの惨事があった後だ。何もできないじゃ民主主義の国アメリカの名折れだろう。今後、何年かかるか分からないが、1州にとどまらず全米に広がって行くことを期待しよう。》

 児童ら26人が犠牲となる小学校銃乱射事件があった米東部コネチカット州で4日、包括的な銃規制強化法が成立した。事件の遺族らが立ち会う中で法案に署名したマロイ州知事は「極めて感慨深い日だ」と語った。

 新州法では、銃犯罪の経歴がある人物の登録制度が導入された。州レベルでは全米初で、捜査当局による「危険人物」の監視が強化される。また、販売禁止の対象となる殺傷能力の高い攻撃用銃器が100種類以上増えたほか、10発以上の弾薬を装填できる弾倉の販売も禁止される。

 銃乱射事件のアダム・ランザ容疑者(20)=自殺=は母親が所有する銃器を持ち出しており、銃の所有者による保管義務の内容も厳格化された。

 知事の署名に先立ち、州議会上院と下院で3〜4日にかけて法案が可決された。両院とも民主党が多数派だが銃規制に慎重な議員もおり、上院では22人中2人、下院では98人中13人の民主党議員が法案に反対した。また、州議会周辺には銃の権利擁護団体のメンバーらが終結。米国での銃規制の難しさを浮かび上がらせていた。

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2012年1月30日 (月)

人口 2048年、1億人割れ

 毎日新聞(1/30)から、

 参照 2020年、1人暮し世帯(単独世帯)が34・4%に 2009/12

 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は30日、2011〜60年の将来推計人口を公表した。10年に1億2806人だった日本の総人口は、48年に人を割り、60年には今より3割減の8674万人になると予測している。推計の前提となる合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの数に相当)は、60年に1・35になるとみて前回06年推計の1・26から上方修正したものの、60年には総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)が4割に達し、超高齢化の進行に歯止めは掛かりそうにない。

《相変わらず数字をいじるだけで、「ならばその対策は」の問題提起もない。24日に報道されたフランスの出生率「2」超えは、手厚い出産奨励策が後押ししているとはいえ、事実婚が背景にあり婚外子が5割を超え、根本的に日本人の国民性からは受け入れがたいものだ。》

 Photo_2 推計人口は10年度の国勢調査に基づき算出した。最も可能性が高いとみる「中位」のほか、厳しく見積もった「低位」、その逆の「高位」の3推計を示した。60年の総人口8674万人は中位の数値。

 推計は昨年3月の東日本大震災の影響による「産み控え」などを考慮、11年末〜12年にかけて出生数が減り、12年には合計特殊出生率がごくわずか低下するとみているものの、13年以降への影響は小さいと判断している。

 今回、将来の同出生率を上方修正したのは06年以降実績が上昇基調に転じ、10年には1・39に回復したため。前回の06年推計は、基準の05年に過去最低の1・26に落ち込んだことを織り込み、大幅に下方修正していた。ただ、長期的には出生率が低下する傾向は変わらないとみている。

 中位推計によると、40年代には総人口が毎年100万人単位で減っていく。1年間で和歌山県クラスの全人口が消失する計算だ。

 10年の実績と60年の推計値を年齢層別に比べると、0〜14歳は1684万人(総人口の13・1%)から791万人(同9・1%)、15〜64歳も8173万人(63・8%)から4418万人(50・9%)へほぼ半減。一方、65歳以上は2948万人(23・0%)から3464万人(39・9%)に増える。1人の高齢者を支える働き手の数は、10年の2・8人から1・3人に減る。

 平均寿命は、10年は男性79・64歳、女性86・39歳だったのが、60年には男性は84・19歳、女性は90・93歳に伸びる。


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2010年10月 4日 (月)

卒業から3年は「新卒扱い」に

 毎日新聞(10/4)から、
 高木美明文部科学相は4日、若者の雇用対策をめぐり日本商工会議所の岡村正会頭と会談し、高校や大学を卒業した既卒者について少なくとも3年間は「新卒」と同様に扱うことや産業界としての雇用枠の確保などを求めた。これに対し岡村会頭は「われわれにできることがあれば最大限努力したい」と応じた。文科相は同日、日本経団連の米倉弘昌会長にも要請した。文科相は会談で雇用確保に加え、長期間に亙る就職活動が学生生活に悪影響を与えないよう、企業の新卒採用の行き過ぎた早期化の改善も要望した。

《一見、既卒者にとって希望が持てそうに思われるが、そうでない面もある。3年分の大群衆と、高校から現役で大学入ったものと比べると、誰でも入れる大学では、現在ではそう多くはないだろうが、2浪、3浪で大学に入ったものは、高校から現役入学の新卒者との年齢差は卒業後の2、3年と、もともとの年齢差のハンディを持っての競争になる。加えて同じ土俵であっても、新卒者の優秀な人材は、先に停滞するものがあっても妨げにはならない。企業は玉石混淆の中から若くてきらりと光る人材を見出す専門家が宝石を見極める。企業のパイが広がったのなら既卒者にもチャンスはあろうが、人材は投網にかかる魚ではない。優秀な稚魚を大魚に育てるのに企業は膨大な投資を必要とする。そうでなくても入社後3年そこそこで退社していくひ弱な落伍者が多い。今回の文科相の要請で、チャンスをつかむことができるか、敗残者となるかは、これまでどのように生きてきたか、これからどう生きるのか、将来を見据えたビジョンを持つものが、選ばれる、成長期の企業は少数の質の高い人材と、普通の多くの労働者で支えてきた。当時の企業には余裕があって、それまで言われていた利益追求から「社会貢献」を声高に唱えていたが、リーマンショック以降は恥も外聞もなく、利益追求に舵を切り直した。甘ったれ気分では就職戦線は乗り切れない。言い古された言葉だが、「企業は人なり」は真実だし、その人とは、数ではなく、一人一人、質の高い知性と人間性豊かな人材を求めているのだ。》

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2010年9月 9日 (木)

鯨肉窃盗 環境団体の2人に有罪判決

 毎日新聞(9/7)から、
 盗っとの屁理屈は通らず、当然の判決がなされた。裁判までの経緯については『鯨肉窃盗裁判]として8/31のブログに書いた。

  調査捕鯨船の船員が自宅に送った鯨肉を運送会社の倉庫から盗んだとして、窃盗罪などに問われた国際環境保護団体「グリーンピース・ジャパン」(GPJ)メンバー2人に対し青森地裁は6日、いずれも懲役1年、執行猶予3年(求刑・懲役1年6月)を言い渡した。弁護側は「船員の鯨肉横領を告発する正当な行為」と無罪を主張したが、小川賢司裁判長は「許容限度を逸脱している」と退けた。2人は判決を不服として即日控訴した。

 小川裁判長は「(GPJの)調査が公益目的で正当なものであったとしても、他人の財産権や管理権を侵害することは法と社会が許さない」と述べた。また被告らの告発によって「調査捕鯨で一部不明朗な点があった鯨肉の取り扱いが見直された」としながらも、メンバーが盗んだ鯨肉は「(船員が)不正に入手したものと断定できない」とした。

 判決によると、GPJメンバーの佐藤潤一(33)、鈴木徹(43)両被告は08年4月16日、運送会社の青森支店(青森市)に侵入し、船員が自宅に送った段ボール箱入りの鯨肉約23・1キロ(5万8905円相当)を盗んだ。

《内部告発が『善』として社会的にも大手を振って罷り通り、メディアも精一杯報道するところだが、今回の事件は多少様子が異なり、メディアの筆も鈍いものだ。事件は内部告発とはいえず、単なる外部の人間の建造物侵入に加えての窃盗事件だ。法治国家としては断じて屁理屈に屈してはならないものだった。》
 

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2010年8月 4日 (水)

原爆投下 米で肯定6割

 毎日新聞(8/4)から、《 》内は私見。
 広島・長崎への原爆投下の是非について、米国民を対象にした昨年の世論調査では6割の「正しかった」と回答し、依然、肯定派が多数を占めている。

 世論調査は09年7〜8月、全米の有権者2409人を対象に米コネティカット州のキニピアック大学が実施した。原爆投下に賛成は全体の61%で、反対の22%を大きく上回った。年齢別だと、55歳以上で賛成が73%に上る一方、18〜34歳の若年層では50%だった。

 また、カナダの研究機関が07年に行ったインターネット世論調査によると、米英仏の各国で「戦時における核兵器使用の是非」を質問したところ、「正当化される」と答えたのは米国が25%で、英国(17%)、フランス(15%)を上回った。

《原爆の投下は今から65年前のことだ。当時の世界は戦火の中にあってお互い「敵殲滅」を合い言葉に、より強力な武器の開発に邁進していた。勿論日本も原爆の開発には著名な科学者が集められ、敵に遅れを取るまいと取り組んでいた。今にして思えば幸か不幸か、資金力、頭脳に勝るアメリカの科学者が一歩先んじて完成させた。ヨーロッパの戦線で、南方やアジアの戦いで、多くの戦死者を出していたアメリカが、自国の被害を抑え、敵国への被害を甚大なものにするのに躊躇なく日本に原爆を落とすことを選んだとしても、何の不思議もなかった。》

《このことを反対側から見れば、同じように日本の原爆開発がアメリカを越していれば、日本がアメリカに向けて原爆を落とすのに何も躊躇する必要もなかったであろうし、落としたであろうと確信を持って言い切れる。そして、現時点で同じ世論調査を行えば、日本人もアメリカ人と同様の回答「正しかった」とするだろう。戦争とはそういうものであって勝つためには当然のことなのだ。第1次世界大戦後の反省から、毒ガスや細菌の使用は国際的に禁止とされていた。だが、毒ガスはナチスがユダヤ人の大量殺人で使用したし、細菌は日本軍(七三一部隊)が中国で使用したことは明白になっている。私は米国民のように原爆を投下したことが正しかったとは思わないが、現時点でも「やむを得なかった」と思うものだ。》

《しかし、65年が経過した今日、この原爆投下を評価すれば、時の流れは今後、決して原爆投下を許さないという結論になることも当然のことだ。65年前の世界の価値観と、65年後の秩序を取り戻した現在のそれは、違って当たり前のことだ。アメリカに今でも正しいと思う6割の人間がいるということは、投下国の後ろめたい影の反映だろう。現在、原爆反対、核なき世界を念じて運動を続けることは世界中の願いでもあるのだ。》

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2010年7月27日 (火)

平均寿命、4年連続過去最高

 毎日新聞(7/27)から、
 厚生労働省は26日、09年の日本人の平均寿命を公表した。
      09年    前年
 男性  79・59歳  79・29歳
 女性  86・44   86・05歳
 と男女ともに延び、4年連続で過去最高を更新した。女性は25年連続で世界1位、男性は前年の4位から5位となった。

 前年からの延びは男性 0・30歳(前年は0・10歳)、
         女性 0・39歳(同  0・06歳】。
 医療技術の進歩で癌、心疾患、脳血管疾患の「3大死因」による死亡率が改善していることに加え、肺炎で亡くなる人が減少したことが平均寿命の延びにつながったとみられる。

《4月に開かれた第84回日本感染症学会総会で、国立病院機構三重病院呼吸器内科の丸山貴也氏が、高齢者施設入所者(平均年齢84・7歳)1006人を対象にした無作為比較試験で、23価肺炎球菌ワクチンの接種が、高齢入所者の肺炎の発症を抑制し、死亡率を低下させると、発表した。》

 平均寿命は現在の死亡率で推移した場合、0歳児が平均で何歳まで生きるかを予測した数値。09年生まれの子どもが90歳まで生きる確率は男性22・2%、女性46・4%で女性の半数近くが90歳まで生きると予想されている。

 【平均寿命の長い国・地域】
♢女性
 1、日  本  86・44歳
 2、香  港  86・1 歳
 3、フランス  84・ 5 歳
 4、ス イ ス   84・ 4 歳
 5、スペイン  84・27歳
♢男性
 1、カタール  81・0 歳
 2、香  港  79・8 歳
 3、アイスランド   79・7 歳
 4、ス イ ス   79・7 歳
 5、日  本  79・59歳

《苦しむために生きているようなことの多くある世の中、長生きする(できる)ことが人間の幸せなのかどうか、考えたくなる。》

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2010年7月 6日 (火)

ラジオ、13年にデジタル化

P7050119_2 P7050118 昨年暮れから治療していた歯、昨日終了。私の体は特殊体質なのか、少年時代に歯の健康優良児であったことの自信過剰と、そのためかどうか、休む間もなく働くには都合良く、若い頃から歯の痛みで苦しんだことがなく、虫歯の進行には全くの無頓着であったため、上下共に酷い状態になっていた。「1年はかかるかな」と診断されて始まった治療だった。もともと頑健だった歯は、総入れ歯にはならず、部分的な入れ歯ですんだ。ただ、残った歯が「これから先、何年もつかな」とのことだが「余命と根比べですよ」、と笑って終えた。しかし、口の中の異物感はひどく邪魔で、慣れるのには長時間かかりそうだ。

【閑話休題】
 毎日新聞(7/6)から、
 総務省の研究会は5日、13年秋にもラジオのデジタル化を目指すことを柱とする報告書をまとめた。11年7月の地上波テレビの完全デジタル化後、空き地となるアナログ放送の1〜3チャンネル(V-Low)を活用。音質の向上や、画像、文字データの同時配信のほか、携帯電話などの端末できるようにする。

 総務省はV-Lowに既存メディアを割り当てず、新たな使い道を検討するとしていた。しかし、ラジオ各社の経営が厳しい状況にある一方、災害時の情報源としての役割を強く期待されていることから、デジタル化でラジオを活性化させる必要があると判断した。地域性の高い番組作りを支援するため、首都、近畿、中部の3大都市圏単位と県単位での放送に加え、コミュニティー放送の枠も用意した。

 デジタル化のハードルになりそうなのが、デジタル設備への投資負担の重さ。世帯カバー率が90%になるよう放送設備を整備するには約700億円かかるとされるが、総務省は民間資金での整備を求めている。ラジオ局側の負担を軽くするため報告書は、デジタル放送施設を整備するハード事業者を1社に限定、ラジオ局側はソフト事業者に徹し、施設を借りて放送すべきだと提案した。

 『なるほドリ』欄から、 《 》内は私見。
 《強引に、鳴り物入りで切り替えを進めてきたテレビのデジタル化だが、まだ対応できていない家庭も多いのに、今度はすっからかんになって余る電波帯を「ラジオで使え」とでもいうように、動きだした。ラジオのアナログをデジタルにすることででれだけのメリットがあるのだろうか。》

 テレビのデジタル化は、携帯電話の急速な普及で日本の電波が過密状態に陥ったため、国策として実施された。データを大幅に圧縮できるデジタル放送に移行すれば、テレビに割り当てる電波の周波数帯はアナログ放送の3分の2ですむ。空いた周波数帯を総務省は、車、人の位置情報を電波で集め、渋滞や事故を防ぐシステム(ITS)普及の他、次世代携帯電話など新たなサービスに活用する方針だ。

 Q ラジオのデジタル化も国策なのか

 A そうじゃない。ラジオの周波数帯(中波など)は、携帯電話(極超短波)などとは異なるので、空きができても利用価値はさほど高くない。それよりも、ラジオの魅力を高めることを目指しているという。若者のラジオ離れに歯止めがかからない中、ラジオの広告収入は10年間で35%減った。このままではラジオ局の存続も難しくなるが、安価な受信機で聴取できるラジオは災害時の情報提供手段として極めて重要だ。そこで総務省は有識者による研究会で、活性化策を検討してきた。

《テレビのデジタル化が決定した時点で、当然、そこに空きが生まれることは分かっていたことだ。》

 Q 結果は?

 A テレビのアナログ放送1〜3チャンネルで使っている周波数帯の跡地でのデジタル化を提案。13年秋にもデジタル化するスケジュール案も示された。

 Q デジタル化でラジオの魅力は高まるのか

 A デジタルにすると音質が良くなるだけでなく、映像も同時に配信できるようになる。すでに首都圏と関西の8都府県で8月末まで実施されている、パソコンでラジオ番組を聴ける試験放送「ラジコ」では、番組表や楽曲タイトルも確認できるようになっている。デジタル化すれば、ラジオで流れた曲(音声データ)や歌手の動画、歌詞(文字データ)を購入して、受信端末に蓄積することも可能になる。

 Q 今持っているラジオは使えなくなるのか

 A 各放送局の判断だが、総務省は「聴取者がいる限り続けてほしい」としている。さらに、携帯電話や多機能情報端末「iPad(アイパッド)」、カーナビなど、さまざまな端末で受信できるようにすることも検討している。突然、「ラジオとさよなら」にはならないはずです。

《突然、「ラジオとさよならにはならないはずです」とは無責任に放り出したような言い回しだ。そうなっても、仕方ないでしょ、とでも言いたいようにも聞き取れる。私が何十年に亙って聴いているラジオはFM放送だが、FM波はデジタルなどよりも格段に音質が良い。手元のテープライブラリーはその音質で、全国の民謡から琴や三味線、尺八からシャンソン、アルゼンチンタンゴやモダンジャズなど、クラシックはほとんどの作曲家を網羅している。音質に関しては、音の加工には便利なデジタルでも、人間の耳に入るのはアナログのスピーカーからだ。デジタルそのままでは聴けないのだ。そのため、最終的には音の良し悪しはスピーカーの良し悪しとなる。》

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2010年6月17日 (木)

もみじマーク代替案

 毎日新聞(6/17)から、要約と 《 》内は私見。

Photo なんともお粗末なデザインを考え
 たものだ。これじゃ、現行のもみ
 じマークの方が余程優れている。
 世間が嫌うほど悪いデザインとは
 思わない。私の車には現在も
 もみじマークがしっかりついてい
 る。色褪せたため100円ショップ
 で買い替えて2代目だ。

 左は<デザイン候補>
 ①四つ葉のクローバーを
 モチーフにシニアの「S」を図案化

《色使いは若葉マークともみじマークの単なる組み合わせだ。それに「S」はシニアとも、シルバーとも、セーフティとも解釈は可能。説明されないと「S」には見えない。シニアにこじつけは不要だろう。》

 ②色とりどりの線がさまざまな人生を表現

《やはり基本的には若葉ともみじの色使いだが、何せ線が細すぎて印象が薄い。説明もこじつけに近い。白っぽいボディの車では遠目・夜目には判別不可能だろう。》

 ③高齢ドライバーを稲穂の実とハートを支える手のひらに例えて図案化

《やはりここでも枯れ葉色に拘っているようだ。くどくどと説明が必要なものは図案ではない。》

 ④鳥にハートと手のモチーフを組み合わせて図案化

《私のような昭和一桁には、子どもの頃頬張った一粒○○メートルのグリコキャラメルそっくりに見える。全体の図案としては手の印象はどこにもない。どちらかといえば可愛いヒヨコだ。色を新鮮な感じのものにすれば若葉マークにこそ似つかわしい。(よちよち歩きのヒヨっ子か、と今度は若者から反発を食いそうだが・・)》

《結論は、現行のものがデザインとして一番優れている。》

 現行もみじマークも含めた5点からアンケートなどを実施して、今秋にも決めるという。もみじマークを巡っては「枯れ葉を連想させる」などデザインの見直し論が高まり、変更を含めて検討してきた。

 4点は、公募で集まった1万4573点から同庁の検討委員会が選んだ。警察庁のホームページ(HP)で公開し、メール、ファクスまたは郵送で1カ月間、一般から意見を募集する。また、運転免許の更新手続きに訪れるドライバー3000人と日本グラフィックデザイナー協会会員約2500人を対象にしたアンケートも実施する。

 意見募集とアンケートの結果を参考に、検討委が1点に絞る。四つの代替え案のいずれかが選ばれた場合は、国家公安委員会の決定を経て採用する。もみじマークの支持が最も高い場合、変更を見送る可能性もある。

《どう比べても、代替え案のどれもが新鮮みに薄れ、出来ばえは見劣りする。》

 もみじマークは、97年の道路交通法改正で75歳以上を対象に導入された。01年に対象年齢を70歳以上に拡大した。子の時点では表示は努力義務だったが、07年の法改正で75歳以上の表示を罰則付きの義務とした。これに対し「高齢者いじめ」との反発があり、09年の法改正で努力義務に戻した。

 義務化論議とともに、デザインも「枯れ葉」や「涙」を連想させるといった意見が上がった。警察庁が09年4月に行ったドライバーへのアンケートでは、もみじマークが「気に入っている」が51%、「気に入らない」が46%だった。

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