2014年8月 1日 (金)

平均寿命、男性 初の80歳台

 毎日新聞(8/1)から、

 《高い航空運賃を湯水のように使って世界に媚を売って回る安倍晋三のような頭領がいる日本で、男性の寿命が80歳台になったところで、今に、若者(当然男も女も)は戦争に狩り出され、またまた敗戦当時の平均寿命40歳台の国に逆戻りし、奇しくも新大関が口にした『大和魂』が大声で叫ばれる国になるだろう。戦争を知らない若者には恰好のいいことばなのだろうが、それを叫んで敵艦に体当たりしたり、戦場で死んでいった肉親を身内に持つ身には、二度と聞きたくない言葉だ。》

 1 厚生労働省は31日、2013年の日本人の平均寿命を公表した。男性は80・21歳(12年79・94歳)、女性は86・61歳(同86・41歳)で、男性は明治期に集計を始めて以来、初めて80歳台に達した。一方、女性も過去最高を更新し、2年連続「世界一」となった。厚労省は「まだ延びる余地はある」と説明している。

 平均寿命は、その年に生まれた0歳児が平均で何年生きるかを予測したもの。13年は12年に比べ、男性は0・27年、女性は0・2年それぞれ延びた。同省は「3大死因」とされる癌、心疾患(心筋梗塞など)、脳血管疾患(脳梗塞など)の治療や診断技術の向上が要因とみている。

 13年の日本男性の平均寿命は世界で4番目。終戦後の47年には50・06歳だったが、71年には70・17歳と初めて70歳台となった。主要国・地域のうち、13年までの最新データで男性が80歳を超えているのは、香港(80・87歳)▽アイスランド(80・8歳)▽スイス(80・5歳)▽シンガポール(80・2歳)▽スウェーデン(80・09歳)・・。

 女性は10年まで26年連続世界一で、11年は震災によって2位になったが、12年には再び1位に返り咲いた。

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2014年7月30日 (水)

ハーグ条約 日本人初適用

 毎日新聞(7/29)から、

 国境を越えて連れ去られた子の扱いを取り決めたハーグ条約に基づき、母親とともに海外に滞在していた日本人の子を日本に戻すよう命じる判断が英国の裁判所で出されていたことが関係者への取材で分かった。日本では、今年4月に同条約が発効。外務省によると、日本の子の返還命令が出されたのは初めて。

 関係者によると、日本へ戻すよう命じられたのは別居中だった日本人夫婦の7歳の子。母親が今年3月末、子を連れて英国に渡り、5月になっても戻って来なかったため、父親が同条約に基づいて子の返還を求めていた。父親からの返還の援助申請に対し、英国政府が5月末に援助を決定。ロンドンの裁判所が今月22日、「出国後に母親が父親と約束した期間を超え、5月以降も子を英国に滞在させていることは、ハーグ条約上は違法な状態に当たる」と判断。今月30日に子を日本へ戻すよう命じた。日本の家裁では現在、母親側から離婚調停と、どちらが子を養う「監護親」となるかを決める審判が申し立てられている。

 1 父親側の代理人の本多弁護士は「日本でハーグ条約が発効していなければ、母親の意向で今後の子の扱いが決まっていたと思われる。子を速やかに元の国に戻した上で、話し合いや裁判が進められることになり、適切な判断が出された評価している」と話す。

 一方、母親は関係者を通じ「子を英国に連れて行ったのは仕事上の都合であり、違法に連れ去る意図は全くなく、今回の司法判断にかかわらず、7月末に子をいったん帰国させることを決めていた。子は4月以降、通っていたイギリスの学校を気にいっていた」と語った。

《母親の言い分は、通らない。父親と約束した5月中とは母親に都合の良い7月末のことではない。また、子がイギリスの学校が気に入っていることと、5月の返還命令とは何の関わりもない。日本国内と同じような日本女性特有の甘えの感覚でしか国際ルールが理解できていないのだ。》

<ハーグ条約>
 「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」の通称。国境を越えて一方の親に連れ出された16歳未満の子の扱いを規定する。主に国際結婚の破綻のケースが想定されているが、同じ国籍の夫婦にも適用される。残された方の親が子の返還を求めた場合、相手国の裁判所が元の国に戻すかどうか判断する。また、海外に連れ出された子との面会を求めた場合、相手国の支援を受けられる。今年5月時点の加盟国は92カ国。

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2014年6月30日 (月)

北朝鮮 ミサイル発射

 《神経質に騒ぐことはない。これまでも北朝鮮は何度も日本海や太平洋方向に向けてテポドンやミサイルを発射している。稀には日本海でもロシア沿岸に沿って発射したこともあるが、たまたま発射する方向に日本海があり、太平洋があるだけだ。日本を或いは米国を目標に撃ったことは一度もないと思っていい。》

《思い返せば、軍部が4年後に開戦となる南方進出を企んでいた1937(昭和12)年に発表された『愛国行進曲』という国民歌謡がある。“見よ東海の空明けて、旭日高く輝けば・・”。ここに出てくる東海は、日本からの「東」は太平洋になるが、現在、北朝鮮や韓国が名称変更で「朝鮮東海」、「東海」とそれぞれ「日本海」の名称変更を提案している名前だ。もしも、これが認められることにでもなれば相手は発射したのは自国領海内と言うだろう。》

 毎日新聞(6/30)から、
 政府は29日、北朝鮮の東岸の江原道元山付近から同日午後5時ごろ、弾道ミサイルが日本海に向けて発射されたと発表した。韓国国防省関係者によると、スカッドと呼ばれる短距離弾道弾ミサイル2発とみられ、発射地点から東に約500キロ離れた日本海の公海上に落下した。航空機や船舶の被害は報告されていない。

 北朝鮮軍の西南戦線司令部は26日、韓国軍が黄海の北朝鮮側水域へ向けて事前通報なしで砲弾を発射したと非難する「重大報道」を発表していた。聯合ニュースは、中国の習近平国家主席が7月3日に訪韓するのを前に存在感を誇示しようとした可能性もあるという見方を伝えた。

 日本政府は29日、中国・北京の外交ルートを通じて抗議した。7月1日に北京で開催予定の日朝局長級協議は予定通り行なう意向だ。

 安倍晋三首相は東京都内の私邸に谷内国家安全保障局長と西村内閣危機管理監らを呼び、報告を受けた。
 関係省庁に
 ①米国・韓国など関係諸国と連携し情報収集・分析に務める
 ②航空機、船舶等の安全確保の徹底
 ③国民への迅速的確な情報提供――を指示した。

 ●北朝鮮外務省の当局者は29日、北朝鮮が短距離弾道弾ミサイルを発射したことについて、「通常の軍事訓練だ」とし、日朝局長級協議に「影響はない」と述べた。

 ●日本と北朝鮮の外務省局長級協議が7月1日、北京で開かれる。北朝鮮は29日に弾道ミサイルを発射したが、日本政府は拉致問題の進展を優先し予定通り実施する。北朝鮮が設置する拉致被害者を巡る「特別調査委員会」の体制について説明を受け、実効性があると判断すれば、週内にも国家安全保障会議(NSC)の閣僚会議を開き、独自制裁の一部を解除する。

《少年老い易く 学成り難し。2014年の前半が、後2時間少々で過ぎ去り、明日から後半の2分の1の6カ月が始まる。》

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2014年4月 4日 (金)

国際結婚破綻、子ども連れ去りに早くも面会申請

《日本テレビの19時から、ネプ&イモト世界番付大実験!! を見ていた、スタジオには馴染みのレギュラーの20カ国ほどの外国人を招いてテーマに沿った話題も混じる。

 先ずは、『困った外国人助ける優しい国は?』。街頭アンケートの対象は駅への道を尋ねる外国人への対応。ダントツで日本人の対応がトップだったが、スタジオにいる日本人は大喜びだ。道を尋ねられた日本人の中には、「フォロー・ミー」が口にできる人もいたが、おおかたの人は会話ができないことでジェスチャー混じりに駅の近くまで付いて案内していた。当然調査対象国では1位。

 次いで『お嫁さんにするにはどこの国の人?』。旅行中か在住かは分からないままに質問相手は外国人だ。100人中約6割の男性は日本女性、と答えていた。》

《このことを踏まえて。「ハーグ条約」が1日、やっと日本で発効した。街頭アンケートにあるように、外国人にはちょっと見の日本人女性はチャーミングで可愛らしく、お嫁さんにしたくなるようだ。中には「マナーも躾けられて魅力がある」と回答する男性もいたが、マナーの身についた日本人女性を何処で見ることができたのか、尋ねたいくらいだ。彼らの外交辞令が多くの日本人女性に錯覚を起こさせ、国際結婚の流行をうんでいるようだ。結果は、こんなはずじゃなかった、と子どもを連れて逃げ帰る。刹那で結ばれ、刹那で分かれる。外国人との結婚がどのようなものか、或いは不幸にも離婚となった時、その国の法律はどうなっているのか、少なくとも調べてから結婚し、或いは離婚する心構えさえなく。》

 毎日新聞(4/2)から
 国際結婚が破綻して子を外国に連れ去られた場合、残された親が子の返還や面会を求める手続きを定めた「ハーグ条約」が1日、日本で発効した。「息子たちが元気がどうかだけでも知りたい」。2009年6月に8歳と6歳の息子をロシア人の元妻に連れ去られた東京都内の自営業の男性(48)は、初日に書類が届くよう3月31日に弁護士を通じて外務省に面会交流援助を申請、海外でも面会を求める動きが出始めた。

 男性は39歳の時に日本で結婚、2児をもうけたが徐々に子どもの教育方針をめぐって衝突が絶えなく鉈。離婚調停を申し立てると、元妻は子どもを連れてロシアに帰国。一時はインターネット電話で会話していたが、再び離婚の話し合いを始めると交流は途絶えた。

 離婚裁判を申し立てた結果、今年2月に自身に親権が認められる形で離婚が整理した。条約発効前の連れ去りのため返還申請はできないが、男性は「面会交流の手続きがあると知り希望が見えた。会えるか不安だが、安否が分かれば」と話す。

 外国在住の親が日本に住む子どもへの面会交流援助を申請した場合、外務省は援助の可否を審査した後、連絡を仲介したり、仲裁機関を紹介したりする。援助が決定すれば、外国の親は子ども居場所が分からなくても家裁に面会交流を求める審判や調停を起こせる。

 参照 国際結婚とハーグ条約 -3- 「離婚」 2009/10
    国際結婚破綻、勝手な子どもの連れ去りは「甘え」だ 2013/08

1 米国では日本に子どもを連れ去られたと主張する親ら約30人が3月31日、米国務省と在米日本大使館を訪れ、子どもとの面会などを求めた。03年から娘と会えずにいるポール・トランド(46)は「日本の裁判所はこれまで、我々と子どもとの接触を保証しないという結論を出してきた。同様の結果になることを恐れている」と語り、日本政府のさらなる取組みを要求した。

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2014年4月 1日 (火)

南極海の調査捕鯨中止

 毎日新聞(4/1)から、

《エイプリルフールの話題ではない。これまで日本の食文化と頑に言い張ってきた捕鯨が、世界には認められない趨勢となった。確かに和食が危機遺産に近い現状の中で取りあげられたように、現時点では鯨を食することは最早食文化とは言い難い。敗戦後間もない日本の余りに貧しい食料事情を見かねたGHQが、南極海(南氷洋)の捕鯨を認め、捕鯨船団が遠く南極海まで出かけた。その当時、庶民の最も安価な惣菜として、脂身だけのちりちりになったベーコンがひもじい腹を癒してくれたことは事実であった。だが、それから半世紀以上、スーパーにも滅多には並ばないし、好事家だけの食べ物で、私自身はクジラの一切れも口にしたことがない。今回の国際司法裁の判決がいい機会ではないだろうか。最早、時代の波に逆らうことは無理になったのではないkだろうか。これまでの持論では、ブログを通し(2006年〜今回で30本目になる)捕鯨については肉食文化の国から横槍を入れられる筋合いはない、と主張してきた半面、調査捕鯨の調査内容の杜撰さ、不明朗さについて疑問を呈してきた。調査の内容、何をどのように、をどこまで日本国民に情報開示してきたか、マスメディアもそのことについては殆ど触れないできていた。捕鯨とセットでテレビや新聞で報じるのは、決まってシー・シェパードの横槍だけだった。》

 南極海での日本の調査捕鯨が国際捕鯨取締条約に違反するとして、オーストラリアが国際司法裁判所(ハーグ)に差し止めを求めた訴訟で、同裁判所は31日、豪州側の主張を全面的に認め、調査捕鯨は同条約が例外的に認めた科学調査でないうえ、商業捕鯨による捕獲数を1986年からゼロと定めた一時停止(モラトリアム)にも反すると判断した。さらに、今後の南極海の調査捕鯨も許可しないよう命じた。裁判は1審制。日本政府代表の鶴岡内閣審議官は「判決を受け入れる」と述べた。これで87年から続いていた南極海での調査捕鯨は中止されることになった。

 一方、判決の結果を受け、消費面の影響は限定的と強がっているが。
 国際司法裁判所(ICJ)の南極捕鯨裁判の判決が、調査捕鯨の前提である「科学的目的」を否定したことで、南極海での調査捕鯨継続は困難となった。鯨料理を「伝統的な食文化」としている日本政府は、商業捕鯨再開に向けた政策の全面的な見直しを迫られる。一方、鯨肉の国内流通量はピーク時の2%まで減少しているほか、南極捕鯨で捕獲した鯨肉は国内流通量の2割にとどまっており、消費者への影響は限定的との見方もある。

 1☻議論尽くしたか
 秋道智弥・総合地球環境学研究所名誉教授(生態人類学)の話
調査捕鯨での捕獲数は全体の個体数に影響を与えないという議論が国際捕鯨委員会(IWC)で行なわれており、科学的な議論を尽くした判決だったのか疑問だ。ただ、調査捕鯨の必要性を、その調査結果できちんと示せるよう日本側も再考しなければならない。

 ☻中止するいい潮時
 森川純・酪農学園大特任教授(国際関係論)の話
1987年の調査捕鯨開始以来、日本は1万頭に及ぶクジラくを捕っており、もはや「調査」ではない。商業捕鯨だと判断されても仕方がない。南極海まで遠出する遠洋漁業が「伝統文化」と言えるのか。国際的にはクジラを食べる国は殆どなく中止するいい潮時。時代の流れに耳を傾けた方がいい。

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2014年3月31日 (月)

ハーグ条約発効

 毎日新聞(3/31)“社説”から、

 参照 ハーグ条約 2013/05

《国際的には遅れていて、いろいろとトラブルもあった日本の条約加盟、遅まきながらやっと、国際的に仲間入りができた、ということだ。》

 国際結婚が破綻し、一方の親が無断で子どもを連れて出国した場合、原則としていったん元の国に子どもを戻す国際的なルールを定めたのがハーグ条約だ。日本が加盟を決めたこの条約が4月1日に発効し、昨年国会で成立した関連法が施行される。

 日本人と外国人の国際結婚は年間4万件前後。結婚関係が破綻し、子どもの監護権をめぐり争いになることも少なくない。「子ども連れ去り」に発展した場合、元の国から誘拐で指名手配されることさえある。

 欧米の主だった国が条約に加盟し、既に91カ国に上る。日本の早期加盟を求める声は強かった。子どもの利益を最優先に、国際社会の枠組みで紛争解決を図る第一歩としたい。

 条約と関連法で決まった手続きは次のようだ。無断で外国から子どもを日本に連れ帰った場合、配偶者の申し立てがあれば、外務省が子ども所在調査をし、東京、大阪家裁のいすれかで返還の是非を決める。逆に、日本から無断で外国に子どもを連れ去られた場合、外務省が相手国と交渉し、相手国で返還の是非を判断する。

 子どもは元の国に戻すのが原則だが、例えば連れ去った理由に配偶者の暴力などがあれば、返還拒否が拒否できる規定がある。ドメスティックバイオレンス(DV)については、各国で既に司法判断の実績が積み重ねられている。そうした事実も参考にしながら、子どもにとってより良い解決の道を探るべきだ。

 子どもの帰属をめぐる争いは、「返す」か「返さない」かの二者択一だ。「返す」となれば、母親と幼い子どもを引き離すといった作業も伴う。親が子どもを抱えて抵抗した場合、子どもの精神的ダメージを考慮して、裁判所の執行官は無理強いしないといった対応も細かく規定されている。

 できれば、穏便な解決が望ましい。実は、条約には裁判外の調停での話し合い解決が望ましいと書かれている。例えば、子どもを連れ去った母親が、配偶者と子どもの面会を認めれば、配偶者が返還請求を放棄するといった解決が現実には少なくない。

 国内でも、東京や大阪の弁護士会が、紛争解決センターなど既にある裁判外の調停組織を活用して問題解決を図る準備を進めている。条約の運用実績の長い英国やドイツなど欧州では、児童心理士や精神科医といった専門家が、こうした話し合い解決の場に加わっている。

 だが、日本では法律家以外の専門家が加わる体制はまだ不十分だ。例えば子どもの返還命令が出た場合、当事者を落ち着かせたり、外国から子どもを連れ戻した後に、日本での生活に早く慣れさせたりといった場合も、こうした専門家は不可欠だ。しっかり体制を整えたい。

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2014年3月22日 (土)

アフリカに広がる反同性愛

毎日新聞(3/22)から、

 アフリカで同性愛者迫害が広がっている。ナイジェリアで1月、ウガンダでは2月下旬に同性愛禁止を強化する新たな法律が制定、施行された。欧米各国や国際人権団体は両国への批判を強めるが、西洋の影響で同性愛が広まったと信じる反欧米感情や、米国からアフリカに進出するキリスト教保守派の影響も指摘され、「反同性愛」機運の高まりの背景は複雑だ。

2 ナイジェリアのジョナサン大統領が1月署名し発効した新法では、同性婚関係となったカップルに対し最高で禁固14年が科せられる。ゲイクラブや同性愛団体などの運営に携わったりした者にも最高で禁固10年が科せられる。

 一方、ウガンダでは先月24日、ムセベニ大統領が新法に署名。こちらは、同性愛関係を持った者に対し「初犯」の場合は禁固14年、未成年と関係を持つなど「悪質」と判断されると最高で終身刑を科される。

 国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」(本部・ロンドン)によると、アフリカ(54カ国)で、同性愛を違法としている国は36カ国あり、モーリタニア、スーダン、ナイジェリア北部、ソマリア南部・・では最高で死刑が科せられる。

 国連はナイジェリア、ウガンダ両国の新法を人権侵害とみなして批判。米国も強い不快感を示し、デンマーク、オランダ、ノルウェーは即座にウガンダに対する援助停止を決めた。

 欧米の懸念が強まる一方で、英紙デーリー・テレグラフによると、ウガンダでは新法支持者が97%に上る。

 同性愛は西洋文化が持ち込んだもので「反アフリカ的」との見方が社会に一定程度広がり、反同性愛の世論を支えている。アフリカ各地では同性愛者への攻撃も報告される。新法を批判する欧米に対し、ムセベニ大統領は「社会帝国主義」と反発を強める。

《古代ギリシャやローマからの同性愛の歴史を考えると、2000年以上の年月をかけてやっと 「偏見による犯罪」禁止法の成立をみることになった国もある。にも拘らず、そのことを背景に、アフリカに「右に倣え」と迫るのは短兵急、余計なお世話というものだ。アフリカの歴史において自身が、同性愛や同性婚を認めるのはこの先10年、いや100年かかっても不思議ではない》。

 参照 米「偏見による犯罪」禁止法 2009/10/

 反同性愛の法制化には政治的動機があるとの指摘がある。ウガンダの人権活動家、ケネス・バロンゴ(43)は本紙の取材に「2016年の(ウガンダ大統領・議会)選挙をにらんだ政治的利用だ」とし、実際に法案署名後、大統領の人気が上昇していると話す。

 一方で、ウガンダなどアフリカ各国に進出する米国のキリスト教保守派の影響が法制化につながったとの見方もある。ナイジェリア、ウガンダでは英植民地時代の法律を継承する形で従来同性愛は非合法だった。だが、かつては、ナイジェリアではシャリア(イスラム法)が敷かれる北部に比べ、南部では同性愛に寛容で、ウガンダも同様だった。

 しかし、現在のアフリカでは、キリスト教の中でも同性愛を批判する保守派の福音主義者が勢力を拡大している。アフリカ南部のザンビア出身の英国国教会司祭で米シンクタンク研究員のカピャ・カオマ師は論文で「米国の保守福音主義者がアフリカでのホモフォビア(同性愛嫌悪)を促進するのに大きな役割を果たしている」と主張する。保守派が同性愛の「危険性」を訴えることで、人権擁護に熱心なキリスト教主流派を追い込んでいると分析した。

 バロンゴ氏も今回の法制化について、「米国の福音主義者は表面には出て来ないが、背後から支援している」と指摘した。

 参照 米、同性婚容認に賛否 2013/06
    同性愛者受難(南アフリカ)2012/06
    セサミストリートの人気キャラに同性婚させてと署名に活況 2011/08
    同性婚禁止は「合憲」2006/10

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2014年2月14日 (金)

安楽死 年齢制限を撤廃、ベルギー近く法改正へ

 毎日新聞(2/14)から、

《国民性、宗教観、死生観などの違いを考えても、判断力の備わっていないと思われる年齢にまで及ぶ制限の撤廃は、日本人には遠く推量の範囲を越えるものだ。》

 ベルギー下院は13日、世界で初めて安楽死の年齢制限をなくし、子どもでも実施できる法改正案を賛成多数で可決した。上院は昨年12月に法案を可決しており、国王が署名し次第発効する。ベルギーは2002年、国家としてオランダに次いで安楽死を合法化しており、今回は対象を拡大した。ただ、改正法案は、死期が迫った子どもが文書で明確に安楽死を希望し、親と主治医が同意するなど厳しい条件を定めており、実際に適応される例は限られそうだ。

 ベルギーの安楽死法はこれまで、患者が18歳以上の大人か、16〜17歳の「独立した未成年」の場合に安楽死を適用。通常、
 ▽意思能力や意識がある
 ▽安楽死の希望を自主的に繰り返し述べている
 ▽治療の希望が無く、耐え難い苦しみがある ―場合、
安楽死を実施、補助する医師の違法性を問わないとしている。主治医は実施前に他の医師の意見を聞く義務もある。

 今回の法改正は、年齢制限をなくす一方で、死が「短い期間に予測される」ことや、親が同意することなどを条件に加えた。未成年の安楽死についてはオランダが12歳以上で「(安楽死)の利益を合理的に理解している」ことを条件に認めている。ベルギーも実態的にはこれに近いものになりそうだ。

 ベルギーの安楽死は12年に1432件行なわれた。09年の調査では40〜79歳が73%を占めており、それ以下の年齢で行なわれるのは「まれ」という。

 年齢制限の撤廃については少年、特に幼児が安楽死についての合理的な判断ができず、親の意向に左右されるのではないか、との懸念があり、ベルギー国会周辺では12日に反対デモが行なわれた。

 いわゆる「安楽死」は
 ①本人の意思に基づき、医師の援助で死亡する
  「積極的安楽死」
 ②本人の意思で不必要な治療を拒否する
  「尊厳死」のような延命措置停止 ――
に大きく分かれる。積極的安楽死を国として合法化したのはオランダ、ベルギー、ルクセングルク。スイスは医師の処方など条件を満たした「自殺幇助」の違法性を問わない方針を取る。しかし積極的安楽死については議論が大きく分かれ、導入は停滞している。

 延命措置停止については、患者が指示書を事前に作成し、死期が迫った場合に医師が受け入れる慣行は世界的に広がる。しかし、健康な障害者や認知症など死期が迫っていないは議論が分かれ、英米では裁判で措置停止が例外的に認められるケースもあるが一般化はしていない。

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2014年1月11日 (土)

ナチス戦犯の88歳を起訴

 毎日新聞(1/11)から、

 第二次大戦中、ナチス・ドイツがフランス中部オラドゥール村で村民642人を虐殺した事件に関与したとして、ドイツ西部ドルトムントの検察当局は8日、ケルン市在住の元ナチス親衛隊員の男(88)を殺人罪で起訴した。一方でハーゲンの裁判所は同日、戦時中のオランダ人虐殺に関与したとされる元ナチスの被告(92)について、証拠不十分との理由で審理を打ち切った。

 ドイツ(西独)はナチスの戦犯追及のため、1979年に謀殺(計画的殺人)に関する時効を廃止し、現在も元ナチスの戦犯を裁く審理が続く。しかし、戦後70年近くが経過し、関係者の多くが死亡または高齢化する中、戦犯追及は「時間との闘い」になりつつある。

 起訴された男は犯行当時19歳。1944年6月10日、オラドゥールで他の隊員と共謀して25人を殺害、さらに数百人の虐殺に関与したとされる。倉庫や教会に閉じ込めた住民を機関銃の一斉射撃や放火で殺害し、犠牲者の中には200人以上の子どもも含まれていた。

 戦後、オラドゥール村は独首脳の訪問を拒否してきたが、ドイツのガウク大統領は昨年9月、独首脳として初めて訪問し、オランド仏大統領と共に犠牲者を追悼した。

 戦犯情報が徐々に風化する中、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の戦犯を追跡するユダヤ系人権団体サイモン・ウィゼンタール・センター(本部・米ロサンゼルス)のエフライム・ズロフ氏は昨年、ベルリンで記者会見し、「ここ数年が最後のチャンス」と情報提供を呼びかけた。同センターには100人を超す戦犯情報が寄せられ、うち約80人はドイツ国内に潜伏しているという。

《戦犯追及の凄まじさには驚くと同時に、尊敬の念すら抱く。一方では、喉元過ぎれば戦犯でさえもを神として靖国に祀り、「国のために命を捧げた・・・」とする日本の情けない戦犯の責任追究放棄のバカさ加減には、戦いで親兄弟や親族を失った身内にとっては、断腸の思いで死にきれない。》

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2013年12月18日 (水)

女性器切除許せない

毎日新聞(12/14)から、

《紙面のページを繰り、眼に飛び込んできた大きな活字「女性器切除」に驚いた。家族に娘でも居たら、慌てて紙面を閉じていたろう。まだ後進国を「未開の国」と言っていた私の若かった頃だが、男性器の包茎を切除する割礼(1640年ごろ、グイド・レーニが生誕間もないキリストの割礼の儀式を描いた画もある)は聞いていた。しかし、同時に女性器の割礼も耳にしたが、何をどうするのかは全く未知の世界だった。》

<Wikipedia から>
  女性器切除(じょせいきせつじょ、Female Genital Mutilation、略称FGM)あるいは女子割礼(じょしかつれい、Female Circumcision)とは、主にアフリカを中心に行われる風習であり、女性器の一部を切除あるい切開する行為のことであり成人儀礼のひとつ。女性器切除とはこの風習に対して虐待であると批判する人々が使う呼称であり、一方で批判の文脈とは独立に、男性器の包皮切除を行う男子割礼と同等の儀礼であると考える文脈では女子割礼の語が主に使われる。

 概要
 歴史的に見てFGMは2,000年もの間、赤道沿いの広い地域のアフリカで行われてきた。現在ではアフリカの28カ国で、主に生後1週間から初潮前の少女に行われる。アフリカの人口増加に伴い、以前より多くの少女達が性器切除を施されている。

欧米においては、この慣習の存在する地域から移民した人々の間においてもFGMが広く行われていることが昨今の調査で明らかになり、それに対して法的な規制を制定する国も増えてきている。

ムスタファ・アキオル:イスラムにおける信仰と伝統の対立
目的

大人の女性への通過儀礼。
結婚の条件とされている。
結婚まで純潔・処女性を保てると信じられている。
女性の外性器を取り去り性感を失わせることで、女性の性欲をコントロールできると信じられている。
ソマリアでは、「女性は二本の足の間に悪い物をつけて生まれた」と言われており、陰部封鎖させる。

 名称
 女子割礼、女性性器変質あるいは女性性器の切れ込み (Female Genital Cutting) 等、この風習を呼び表すために様々な言葉が用いられてきた。そんな中、1990年に開催されたインター・アフリカン・コミッティ(IAC)の総会において、今後は女性器切除(Female Genital Mutilation)という名称を用いることが決定された。これは、「割礼」という表現がFGMの本質である性器の切除という事実を正確に伝達するものではないばかりか、むしろ、その非人道性を曖昧にしてしまう点を改善しようとするものである。現在このFGMという呼称はEUやアフリカ連合等で正式に採用されている。

     分布
1_4  定義と分類

 国際会議などでは、WHO(国際保健機構)の定義を使うことで同意されている。

 ▽タイプ1:クリトリデクトミー(clitoridectomy)
クリトリスの一部または全部の切除。
 ▽タイプ2:エクシジョン (excision)
クリトリス切除と小陰唇の一部または全部の切除。地域によっては出産を楽にするためとしてさらに膣が切除されるが、実際には逆に困難にしてしまう可能性が高い。伝統的に成年に達した際の儀式として行われるが、最近では若年化が進み、もっと幼い少女に行われる。FGMを受ける少女のうち、タイプ1とこのタイプを合わせて約85%である。
 ▽タイプ3:陰部封鎖(ファラオリック割礼、infibulation)
外性器(クリトリス、小陰唇、大陰唇)の一部または全部の切除および膣の入り口の縫合による膣口の狭小化または封鎖。その際尿や月経血を出すための小さな穴を残し、少女の両脚をしっかり縛って数週間傷が治るまで固定する。主に4歳から8歳の少女に行われ、こちらも若年化が進んでおり、生後数日に行なわれた例もある。FGMを受ける少女のうち、約15%がこのタイプになる。
 ▽タイプ4:その他の施術(タイプ1-3に属さないもの)
その他、治療を目的とせず、文化的理由のもとに、女性外性器の一部あるいは全部を削除し、あるいは女性の生殖器官を意図的に傷つける行為のすべて。

 性器切除に伴う体への弊害
先述の施術方法で行われることが多いため、大量出血、施術中の激痛、回復まで続く痛み、様々な感染症などを引き起こす。また、手術中のショックで意識不明や死亡に至る場合もある。
後遺症としては排尿痛、失禁、性交時の激痛、性行為への恐怖、月経困難症、難産による死亡、HIV感染の危険性などが挙げられる。
痛みを恐れて排尿しなかったために逆に一回の排尿量が増えるため、尿が傷口を刺激し、さらに痛みを増すという。
陰部封鎖の場合、結婚初夜に夫が縫い閉じられた陰部を切り開く部族がいる。自力で花嫁の陰部を開いて性交を果たせなければ面目を失うという。

 国際的世論と廃絶
国際社会において、特に1970年代頃から著しい女性虐待であるとして非難の声が強く上がっていた。対する当事国では、そうしたプレッシャーは自国の文化を否定するものとして、文化相対主義的論議が起こった。しかし昨今では国際的世論とアフリカ連合内からの廃絶の声とが手を取り合った動きが活発化し始めている。2003年7月11日にはモザンビークの首都マプトにおいて、女性器切除の含めたあらゆる性暴力、性差別を禁じ、男女同権を定めた、人及び人民の権利に関するアフリカ憲章に関するマプト議定書 (Maputo Protocol) が採択された。(2011年現在署名46カ国、批准28カ国)
最近の動向では、西アフリカの指導者や、ケニアでは性器切除を禁止しているものの、その後まったく実効が上がっていない。
FGM廃絶の国際運動を行っているワリス・ディリーが1999年発表したデータによると年間に200万人、日間に5500人近い少女が性器切除を受け、性器切除された女性は1億3000万人以上で、累計では13億人にも達すると推定している。
女性器切除廃止のための女性団体、La Palabre(ラ・パラーブル)が設立された。同団体の欧州メンバーとして性器切除、性的暴力や強制結婚を綴った自伝「切除されて」の著者であるキャディ・コイタがいる。

【閑話休題】
 北東アフリカなどに残る女性器切除(FGM)の習慣が、移民の増加で英国内に広がっている。恥ずかしさや周りからの圧力でその体験を公表する女性が少ない中、英国の弁護士でソマリア系移民のニムコ・アリ(29)は昨年、自身のFGM体験を公表し、その撲滅を訴えている。アリさんに体験を聞いた。
(聞き手・小倉孝保*ロンドン)

 ‥‥ どうやってFGMを?

 ✦ 7歳の時だった。当時、英マンチェスターに住んでいた。母の出身地であるソマリア北部に帰ると、会ったこともない不気味な女性が家に着た。何をされるのか説明されないまま性器を切られた。

 ‥‥ 痛みは?

 ✦ 切除される前に麻酔薬を飲まされた。そのため肉体的な痛みは覚えていない。処置が終わって最初にトイレに行ったとき、痛んだ程度だ。自分の体に何が処置されたのかわからなかったため精神的には苦痛で、処置について知りたいという気持ちから混乱した。

 ‥‥ 英国に帰ってからは?

 ✦ 教師に相談したが当時、ほとんど関心を持たれず、教師から「あなたたちの文化だ」と説明された。しかし、その後、自分が性器を切除されたと知って怒りが湧いてきた。何の説明もなくバカげたことをされたと知り、今も精神的な苦痛を感じている。

 ‥‥ 公表した理由は?

 ✦ 昨年、同じ経験を持つソマリア系女性と会った。彼女はFGMをなくすため自分たちの体験を多くの人に聞いてもらうべきだと考えていた。私も同じ思いを抱いた。勇気ある女性を孤立させるべきではないと思い、体験を語る活動を始めた。

 ‥‥ 家族の反応は?

 ✦ 今も公表や撲滅活動に反対している。なぜ私が怒っているのか、家族は理解していない。しかし、若いソマリア系女性に私と同じ思いをさせたくないから、(家族の反対を押して)活動を続けている。

 ‥‥ 異なる習慣・文化を尊重すべきだとの声もあるのでは?

 ✦ FCMは女性の能力を発揮することを妨げるもので、男性が女性を管理するための習慣だ。本人の選択の機会も与えていない。私にとってはレイプ同様、女性への暴力だ。

 女性器切除は、ソマリアやエジプト、スーダンなどアフリカに残る習慣。結婚前に性交渉しないことや性欲を抑えることなどを目的としているとされ、主に10代前半の女性が処置される。不衛生な場所で医学的知識のない者が処置を行なうことがあるため、障害が残ったり死亡したりするケースもる。また、麻酔なしで処置され、トラウマ(心的外傷)の残ることもある。

 アフリカ移民の増加で1980年代以降、欧州各地で社会問題になり、英国は85年、特別法を制定して英国内でFCM処置をすることやFCM目的で子どもを海外に送ることも禁止した。しかし、事実の把握が難しいことや親の責任を追及することになるため、過去に起訴されたケースはない。こうした現状に」英議会(下院)内務特別委員会は来年1月、FCMの刑事責任追及がなされない原因などを探る公聴会を開催することを決めている。ロンドンだけで過去3年半に2世や3世を中心に移民女性約2000人がFCM関連の治療を受けたとされる。国連やアフリカ連合(AU)は、女性虐待に当たるとしてFCMの撲滅を目標に掲げている。

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