偽ブランド品など、輸入差し止め3万件超
毎日新聞(3/5)から、
《ブランドに弱い国民性に付け入られる模倣品の数々。見事なほどに日本に攻め入る。輸入差し止めはその数、初の3万件超に。》
財務省は4日、偽ブランド品や人気キャラクターの模倣品など知的財産権を侵害する物品の輸入を税関で差し止めた件数が2014年は3万2060件に上ったと発表した。前年比14%増と大幅に増え、初めて3万件を超えて過去最多となった。全体の92%が中国からの持ち込み。高級ブランド品だけでなく、日常的な品目にまで広がっているのが特徴だ。
品目別で最も多かったのは、高級ブランドの偽物が目立つハンドバッグや財布などの「バッグ類」で全体の33・9%。ただ、前年から12・5%減少した。増えたのが、人気キャラクターを違法にデザインしたスマートフォンのケースなど「携帯電話及び付属品」。前年の2倍以上に急増し、全体の9・4%を占めた。衣類も前年の1・5倍超となり、全体の21%を占めた。
差し止め件数が過去最多を更新したのは3年連続で、中国からの持ち込みが9割を超えたのは6年連続。増加に歯止めがかからない背景には、模倣品が横行しているとされる中国側の対応の甘さがある。また、日常的な品目が増えた背景としては、日本の景気停滞で消費者の低価格志向が強まったことに加え、インターネット販売の普及がある。個人が安さに釣られて偽物と気づかないまま注文するケースがあるという。
財務省は差し止め品が全て本物なら約180億円に相当すると推計している。ただ、専門家は「差し止め品は氷山の一角」と指摘し、偽物の市場規模は5000億円以上に達するとの見方がある。政府は成長戦略の一環で日本製のアニメやゲーム、音楽などを海外に売り込む「クールジャパン」を推進しているが、「偽物がはびこる国と見做されれば、日本ブランドの信用力も低下しかねない」(経済官庁幹部)との懸念もあり、政府は取り締まりを強化している。
世界の著名ブランド75社が参加して知的財産権の保護活動を行う「ユニオン・デ・ファブリカン」(本部・パリ)の堤・東京事務局長は「偽ブランドの売上金はテロなどの犯罪資金に流れるケースも多い。国家間のハイレベルな協議で抜本的な低策を講じる必要がある」と話している。
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