子の返還 母に命令
毎日新聞(3/25)から、
ハーグ条約 国際結婚に初適用(東京家裁)
国境を越えて連れ去られた子の扱いを定めたハーグ条約に基づき、東京家裁がトルコに住む父親の申し立てを認め、母親と日本に帰国した長男をトルコに戻すよう命じる決定を出したことが関係者への取材で分かった。昨年4月に日本で条約が発効して以降、同家裁で子の返還を命じる決定が出されたのは初めてとみられる。
トルコ人である父親の代理人の本田正幸弁護士によると、父親は日本人の母親とトルコで結婚し、長男が生まれて同国で生活していたが、昨年12月に母親が長男を連れて日本に帰国した。
トルコに残された父親は「無断で子を日本連れ去られた」として、代理人弁護士に依頼してハーグ条約に基づいて日本の外務省に子の返還の援助を申請。今年2月初旬、東京家裁に裁判手続きによる子の返還を申し立てた。
同家裁では、調停や和解といった解決方法も摸索されたが、成立せず、今月20日に同家族がトルコに子を返還するよう命じる決定を出した。
ハーグ条約に基づいて子を元いた国に戻すかどうかを判断する裁判は、国内では東京と大阪の2家裁だけで非公開で行なわれることになっている。
大阪家裁では昨年11月、スリランカに住む日本人の父親が、同じく日本人の母親が日本に連れ帰った娘の返還を求めた裁判で、国内初の返還命令が出されている。大阪のケースは日本人夫婦が争った事案であるのに対し、今回は国際結婚の夫婦間の争いで、初めてのケースとみられる。
【ハーグ条約】
正式名称は「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」。一方の親が了解なしに子どもを国外に連れ出した場合、もう一方の親の返還要求に基づき、原則として子どもを元の国に戻す義務を規定している。主に国際結婚で破綻したケースが想定されているが、同じ国籍の夫婦にも適用される。日本では2014年4月に発効し、同年7月には日本人の子の返還命令が英国の裁判所で初めて出された。加盟国は93カ国。
参照 ハーグ条約 日本人母の5歳児海外へ返還 2014/11
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