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2015年2月24日 (火)

大都市の私大、定員を厳格化

 毎日新聞(2/23)から、

 文部科学省は、首都圏など大都市部にある私立大学の学生数を抑制する方針を決めた。入学定員を超えた入学者の割合(定員超過率)を厳しくする。現在、定員8000人以上の大規模大学の場合、定員の120%以上なら私学助成金を交付しないが、これを110〜107%まで減らす方針だ。大都市への学生集中を抑制し、地方からの学生流出に歯止めをかける。「地方創生」の一環。定員8000人未満の私立大も、現行の130%から120%へ引き下げる。私立大は授業料収入減につながりかねず、反発も予想される。

〖私学助成金〗
 正式名称は私立大学等経常費補助金。私立大や高等専門学校を対象に、教育・研究環境の向上や学生の負担軽減のため補助する国の制度。国費を財源に「日本私立学校新興・共済事業団」が教職員数や学生数に応じて交付する。私立大収入の約1割を占め、2013年度は880校に計3204億円を交付した。

 対象となるのは、首都圏(東京都、埼玉、千葉、神奈川)▽関西圏(京都、大阪、兵庫)▽中部圏(愛知県)の私立大。2014年度の私大入学者は、首都圏20万4287人 ▽関西圏7万6677人 ▽中部圏2万9206人。この3大都市圏で計約31万人に上り、全私立大の入学者の65%、国公私立合わせた入学者のおよそ半数を占める。

 このうち入学定員を超過した人数は、3大都市圏で計約3万3000人。規模別では定員1000人以上の大学に集中している。私立大側は財政を安定させるためにもできるだけ学生を受け入れたいのが本音で「定員超過している大学は基準ぎりぎりまで学生を取っている」(大学関係者)のが現状という。

 2日本私立学校振興・共済事業団によると、定員の110%以上の学生がいる大学は全国で約170校あるという。文科省の調べでは、3大都市圏で定員の110%以上の学生数は約2万6000人で、新基準が適用されると、現在の超過人数の多くが不交付対象になるとみられる。

 文科省の方針について、関西圏の大規模私大の担当者は「財政を直撃するだけに深刻だ」と話す。大学財政の根幹は学費収入だ。さらに「合格しても入学しない受験生の歩留まりを読むのは難しい。今よりも透過率の基準が厳しくなれば、どうなるのか」。

 一方、東北地方の私立大幹部は「定員割れしている地方大には一定の効果はある」と見る。四国の私立大関係者も「ありがたい話」と歓迎。ただ「それで受験生が地方大を向くかというと、そう単純な話でもないと思う」とも指摘する。

 政府の地方創生総合戦略は今後、大都市圏への集中を解消し、地方の学生が自分の住む県の大学に進学する割合を2020年までに36%(13年度は33%)に引き上げる目標を掲げる。国立大の定員超過率も現行の110%から引き下げを検討する。

 私立大全体を見ると、46%が定員割れ(14年度)状態で、都市部集中が進んでいる状況だ。解消には入学者抑制と同時に、地方大学の機能強化と地方の雇用創出も必要だとして、文科省は地方大学への支援策を来年度から強化。都道府県単位で複数の地方大学が地元の自治体や企業と連携して雇用創出など地元定着率を上げる計画に対し5年間支援する補助事業も始める。

<解説>
 大学の入学定員は国が教育環境上「適正」とする標準規模だ。本来、超過は許されない。それでも一定の幅で認めるのは、受験生が他大学にどの程度流れるかを見極めるのが難しいことや入学後に中退する学生が出ることから、大学は多めに合格者を出さざるを得ないからだ。

 大都市圏の大規模大学の中には、推薦入試などで「入学者数を調整することができる」(大学関係者)ことを利用し、基準ぎりぎりまで学生を受け入れているところも少なくない。授業料など学費収入を増やすための経費戦略でもある。

 定員超過率を厳格化すれば、定員自体を増やす大学や、助成金不交付を覚悟で多めに入学者を取る大学が出る可能性もある。地方創生を狙うのであれば、定員の基準や助成金の交付条件を地方大学に有利になるよう見直したり、大学の地方移転を財政支援する仕組みも必要だろう。

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