幼児の医薬品誤飲事故
毎日新聞(2/1)“なるほドリ”から、
《幼児の医薬品誤飲事故はどうして起きるのだろうか。平常から身の回りが片づけられない親の不注意からくることが大半だが、そうとばかりは言っておられない。》
身近な暮らしの事故を調べる消費者安全調査委員会(消費者事故調)の報告書によると、5歳以下の医薬品の誤飲事故情報は2012年に8388件もあり、うち869件は眠気や嘔吐など何らかの症状が起こっている。事故件数が5000件台だった06年以降、増加傾向にある。
Q 幼児の手の届かない場所に薬を置いておけば、良さそうなんだが
A 親がわざわざ薬を高さ1㍍以上の場所に置いた場合でも、子どもが予想外の行動をとっていることが消費者事故調の調査で分かった。例えば1歳7カ月、身長79㌢の子が座椅子2脚と子ども用の椅子を足場にして、高さ136㌢の棚に手を伸ばし、扉を開けて薬を口にしたと思われる事例があった。この他、▽奥行き63㌢の台所の奥にあった甘いイチゴ風味のシロップ薬を、兄と協力して手にした ▽錠剤状の菓子と間違えた ▽クローゼットを自分で開けて探し出した⎯⎯⎯⎯などと推測される誤飲の報告もある
Q 信じられない。事故が特に多いのは何歳?
A 1〜2歳が全体の7割を占めるようだ。この年齢は、身近にあるものを何でも口に運んだり、周囲への興味や関心が高まって、保護者を真似て誤飲したりする時期のようだ。子どもの本能といえる行動なので、父母の想像以上に成長が早いことを考慮して、対策をとらなければならない
Q どんな薬に注意が必要なのか
A 実は大人用の薬の誤飲が多く、特に処方量が増えている向精神薬*での発生が目立っている。誤飲した子どもがふらついて壁に頭をぶつけたとの報告もある。このほか気管支拡張剤や血圧降下剤、血糖降下剤は中毒症状のリスクが高いとされている
《向精神薬(こうせいしんやく) ‥‥ 精神医学の分野で研究され、精神科で用いられる精神科の薬。中枢神経系に作用して、生物の精神活動に何らかの影響を与える薬物の総称。服用すると、上半身が揺れる、痙攣が続く、などの副作用が出ることがある》
Q 防止するにはどうしたらいいのか
A 事故調によると、親が服用した際に通常の保管場所に戻し忘れた事例が多かったので、気をつけること。手が届かないのに加え、施錠できる置くのも大切なこと。さらに事故調は、子どもが簡単に開封できない容器包装の開発による防止策も検討している。誤飲した場合、事故調は夜間休日の小児救急電話相談(全国同一、短縮番号#8000)などを相談機関として挙げている
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