「プリン体ゼロ」体にいいの?
毎日新聞(1/11)“なるほドリ”から、
発泡酒に「プリン体ゼロ」と書かれたものを店頭でよく見かけるけれど、プリン体って一体何だろう。プリンといっても、甘い菓子とは全く関係ないものだ。肉や魚など食品の細胞に含まれる成分で、細胞核を構成している。例えば筋肉を動かすエネルギー物質(ATP=アデノシン三リン酸)やDNA(デオキシリポ核酸)もプリン体の一つで、うまみ成分でもある。
Q ゼロだと何かよいことでもあるんだろうか
A 食品を食べて体内に入ったプリンは尿酸となり、その尿酸が増えると足の指の激痛で知られる痛風になる可能性が高くなる。プリン体がゼロなら、ごくわずかとはいえ、その分だけ尿酸となる量を減らせるわけだ
Q プリン体は発泡酒に多いの?
A そんなことはない。公益財団法人痛風財団によると、通常のビールは銘柄で差はあるものの、100㍉㍑当たり約5〜10㍉㌘程度、発泡酒だと約3〜4㍉㌘含まれる。ウイスキーやワインは0.1〜0.4㍉㌘程度、日本酒は1㍉㌘程度だから、アルコール飲料同士で比べるとビールに多いというわけだ
Q 他の食品は?
A 脅かすわけではないが、レバー、白子、エビ、イワシ、カツオ、鶏肉や牛肉など肉や魚類には、ビールの10倍以上(100㌘当り約100〜300㍉㌘)も含まれて切る
Q それなら、プリン体ゼロの発泡酒をどんどん飲んでも構わないということか
A そこに落とし穴がある。実は「アルコール自体が尿酸値を上げる要因の一つだ。アルコールを過剰に摂取しないことがとても大事」(金子・帝京大薬学部教授)だそうだ。プリン体がゼロでもアルコールをたくさん飲んだり、つまみに肉や魚をたくさん食べたりすれば、むしろその方が健康によくないわけだ
Q 「ゼロ」表示に惑わされないようにしなくては
A その通り。「プリン体に注意しすぎて、肉や魚を食べないと今度は蛋白質の欠乏を招くこともある。食べすぎない、飲み過ぎないことが基本」(迫・日本栄養士会専務理事)。尿酸値は男性で上がりやすいことも知っておきたい。すでに痛風の症状がある人が、プリン体のない発泡酒を楽しむくらいの気持ちがよいようだ
〖参考〗(Business Journal)より抜粋。
「プリン体0・糖質0」の発泡酒を飲んでいれば、本当に痛風は防げるのでしょうか?
プリン体は、プリン骨格という構造を持つ物質の一種です。一般に「ビール=プリン体」というような印象が持たれていますが、それは大きな誤解です。特にビールだけに含まれているものではなく、穀類や野菜、豆類、肉類、魚類など、ほとんどの食品に含まれているといって過言ではありません。しかも、ビールに含まれる量は少ないのです。例えば、白米には100㌘当り25.9㍉㌘、豚ロース肉には同90.0㍉㌘、鶏レバーには同312.2㍉㌘、カツオには同211.4㍉㌘のプリン体が含まれます。これに対して、ビール350㍉㌘に含まれるプリン体は、わずか12〜25㍉㌘にすぎません。
では、どうしてビールや発泡酒のプリン体がやり玉に挙げられるのでしょうか?
尿酸は腎臓から尿の中に排出されますが、尿酸の量が多くなると、排泄能力を超えてしまい、体内に蓄積されて痛風の原因となります。プリン体は体内で尿酸に変化するので、プリン体の多い鶏レバーやカツオなどを毎日食べていると、尿酸値が高くなってしまいます。
さらに、アルコールの作用が加わることによって、尿酸値が上がりやすくなってしまうことがわかっています。アルコールを毎日飲んでいる人は、痛風になる危険度が確実に上がるといいます。特にビールや発泡酒がクローズアップされて、実際以上に悪者にされてしまうのです。
ところで、「プリン体0・糖質0の発泡酒はまずい」という声をよく聞きます。それもそのはずです。実はプリン体は、アミノ酸、脂肪と並ぶ三大うま味成分の一つなのです。そのプリン体をゼロにしてしまっているのですから、おいしいはずがありません。各メ−カーでは、調味料や酸味料、甘味料などの添加物を加えて、なんとか味を整えようとしていますが、本来の発泡酒の味を出すことは到底無理なのです。
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