人間の万能細胞を精子や卵子の始原生殖細胞に
毎日新聞(12/26)から、
人間の万能細胞を精子や卵子のもとの始原生殖細胞に変えたと、英ケンブリッジ大とイスラエルのワイツマン化学研究所の研究チームが24日付の米科学誌セル電子版に発表した。マウスでは京都大の齋藤通紀教授らが成功しているが、人間で効率良く成功したのは初めてと英ケンブリッジ大などは発表している。
使った万能細胞は胚(成長した受精卵)からつくった始原生殖細胞(ES細胞)と、体細胞に遺伝子群を導入して作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)。始原生殖細胞に変わる際に「SOX17」という遺伝子が重要な役割を果たしており、マウスの場合と違っていた。
万能細胞からの始原生殖細胞を精子や卵子に変えるには技術的な課題があるが、将来実現すれば精子や卵子の形成過程の解明に役立ち、新たな不妊治療の手段になるという。
齋藤教授らのマウス実験では、始原性細胞を精子ができない変異マウスの精巣に移植して精子に成長させたり、卵巣の体細胞と一緒に培養した後に卵巣に移植して卵子に変えたりしたが、人間で同じ方法を取るのは難しい。
人間の万能細胞から精子や卵子ができた場合、安全性の確保や生命倫理上の問題があると考えられ、日本では政府の総合科学技術・イノベーション会議の生命倫理専門調査会が受精まで認めるか、研究者からヒアリングを重ねて検討している。
《生殖産業は不妊治療という免罪符のもと、ますます神の領域に入り込んでいく。》
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