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2014年12月12日 (金)

電子たばこ 喫煙誘引の懸念

 毎日新聞(12/11)から、

《誘引をいうならば、たばこに限らずノンアルコール飲料、博打、危険ハーブやパチンコ、賭け事などいずれも負けず劣らずにその要因を持つ。》

 香りのついた蒸気を吸引する電子たばこの市場が世界で急拡大している。「紙巻きたばこより有害性は低い」という報告もあるが、広告などの規制がないため新たな喫煙を増やす、と世界保健機構(WHO)は各国に規制を求めている。厚生労働省も健康影響の調査を始めた。

 Photo 「たばこより有害性が低い! 健康を考えて切り替えよう」 東京都内の売り場には、電子たばこのメリットを強調するポスターが張られていた。たばこを吸わない記者が吸ってみると、紙巻きたばこのときと同じように気分が悪くなった。味に違いはないようだ。

 電子たばこは吸入部と専用カートリッジ、ヒーターで構成され、カートリッジに香りのついた液体(フレーバー)を入れて電気で加熱し、発生した蒸気(ベイパー)を吸って楽しむ。2004年に中国で登場し、▽充電式で液体を交換しながら繰り返し使えるため経済性が高い ▽燃焼に伴うタールや一酸化炭素などの有害物質が発生しない ▽副流煙が出ないので周囲に迷惑をかけない ⎯⎯⎯ などを売に世界で普及している。WHOによると、14年時点で約500種の製品があり、フレーバーは約8000種。世界全体の売上げは30億ドル(約3500億円)以上に及ぶ。蒸気の吸引を指す「VAPE」はオックスフォード英語辞典の「今年の単語」に選ばれた。

 WHOは、急拡大する市場に警戒感を強める。最も問題視するのは、電子たばこの広告が未成年の喫煙への関心を高め、喫煙習慣の入り口につながりかねない点だ。米国や韓国で実施された中・高校生対象の調査では、電子たばこ経験者は米国で6・5%、韓国で約10%おり、未使用者に比べて喫煙を始めやすい傾向が報告されている。

 さらに、電子たばこ喫煙者の呼気が、空気中のニコチンや発癌物質のアセトアルデヒド類などの濃度を微量ながら上昇させることが報告されている。WHOは「規制がないまま電子たばこが普及すれば、長年の喫煙防止の取り組みが無に帰す」と、屋内での使用禁止と未成年者への販売禁止、広告の規制を求める報告書をまとめ、10月にモスクワで開かれた第6回たばこ規制枠組み条約締約国会議でも各国に規制を求めた。

《それほど人間の健康や生活に悪影響があると知りながら、幾世紀にも亙り栽培や販売を許し、加えて国家は税と称して売上利益の上前をはね、国庫の収入源の一部とする。いつの日にか、「たばこの木」や代替品が地球上から絶滅することがない限り、「たばこの煙はいけない、いけない」と言いながらも必要悪としてこれからも存在し続けるだろう。》

 厚労省が11月に開いた専門委員会では、液体成分を加熱すると、発癌性物質のカルボニル類が発生することが報告された。国立保健医療科学院の欅田・生活環境研究部長は「液体成分には発癌物質はほとんどない。加熱されることで発生したと考えられる」と説明する。

 日本では販売が規制されているニコチンを含む製品も、個人輸入なら入手可能で、電子たばこの普及で広がる可能性もある。国立癌研究センターの望月・たばこ政策研究部長は「液体成分には、香料と称してさまざまな化学物質が含まれ、それらを加熱して吸った場合の安全性は不明だ。海外では子どもの誤飲なども起きた。家庭用品規制法など既存法による迅速かつ包括的な規制を検討すべきだ」と話す。

 電子たばこの「禁煙補助効果」を科学的に検証し、利用を図るべきだという意見もある。禁煙指導に詳しい大阪府立成人病センターの大島・癌相談支援センター顧問は「特定の発癌性物質が検出されたとしても、紙巻きたばこの煙に多く含まれる発癌性物質に比べれば危険性ははるかに小さい。海外では禁煙支援に使って成功したという報告もある。適切に規制し、紙巻きたばこの代替として喫煙者が使えるようにすべきだ」と指摘する。だが、望月部長は「禁煙支援の有効性は証明されておらず、新たな喫煙や危険ドラッグの誘発になりかねない。容認すべきではない」と否定的だ。

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