フグの稚魚混入のシラスの釜揚げ
毎日新聞(11/26)“なるほドリ”から、
《寡聞にして自分の目、耳には届いていなかったものだから、知らずに好物のチリメンジャコやシラスの釜揚げを、食卓に並べば都度食べていたのだが、昨日も購入したものがある。今日まで何もなかったので、それほど神経質になることもない、これも食するつもりだ。》
チリメンジャコや釜揚げシラスなどにフグの稚魚が混じっていて回収されるニュースがあったらしい。今年8月ごろから、千葉、神奈川、岡山、島根、大分などのスーパー、生協の店舗などで、主に体長約1〜2㌢のフグの稚魚が、イワシの稚魚「シラス」や、豆アジなどに混じって見つかり、商品が回収されている。一旦、回収のニュースが伝わると消費者が気づくようになり、回収が相次いでいるようだ。
Q 食べても大丈夫?
A 大きく育ったフグが肝臓や卵などに致死性の神経毒(テトロドトキシン)を持っていることは誰でも知っていることだ。もともと卵に毒があるので、卵から生まれたばかりの稚魚にも、ごく微量の毒があると考えられる。フグの毒性研究で知られる長島裕二・東京海洋大教授によると、大人が死ぬ最少の致死量は推定で約2mgだそうだ。フグの稚魚を調べた正確な調査はないものの、稚魚に含まれる毒のは検出できないほど少なく、「まず心配ない」そうだ
Q それなら回収しなくてもよいのでは?
A 厚生労働省監視安全課に聞くと、フグの稚魚の混入自体は昔からあったが、死者も含め食中毒が起きた例はないという。それでもフグは有害な物質を含むため、有害な物の販売禁止を定めた食品衛生法6条違反と解釈でき、厚労省は「回収は妥当」との判断だ
Q 水揚げしてから店頭に並ぶまでの間にフグを取り除くのは大変?
A 水産庁によると、浜の加工産地では選別装置でしっかり除去しているという。東京都内の大手流通業者が調べたところ、4㌔のシラスに多くても1匹程度の混入だった。約60〜80㌘のシラス丼を食べても、まず見つからないだろう
Q シラスに混じる小さな生き物を探すことに熱心な人もいるそうだ
A シラスをとる漁網の中にはサメ、タコ、エビ、タツノオトシゴ、ハリセンボンなどの稚魚がいたりして、チリメンジャコに加工後にも見つかることがある。2004年に「きしわだ自然資料館」(大阪府岸和田市)がこれらを「チリメンモンスター」と呼んで有名になった。食べないことを条件に無選別のチリメンジャコを販売している業者もいる。面白い世界もあるものだ。
| 固定リンク
最近のコメント