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2014年11月13日 (木)

「40人学級復活で人件費86億円削減」できる

 毎日新聞(11/11)から、

《お役人が数字ばかりを追いかけて、本質を見ない的外れなことを思いつく愚策の代表だ。一方、保護者は家庭内の育児教育の放棄から、ただ、規則がそうだから程度の考えで、子どもを預入先の保育所から次の小学校に預け先を入れ替えるだけ。小学生になった子どもたちは、せんせいのお話を椅子に腰掛けて静かに聞くこと、教室の中を歩き回ったり、走り回らない、勝手に大きな声でおしゃべりをしないことなどを親や保護者から教えられていない。最近の医学では「それもそうなる病気がある」と病気のせいにする説さえ生じた。ここまで来ると教師は本来の教師の職務に加え、親や保護者に代わって、子育てと医師の領分の問題まで押しつけられることになる。今回の40人学級案は、金勘定面でしか問題を分析することができないお粗末な頭脳の財務官僚だから導き出した結論と言えるのだ。》

 参照 “学級崩壊”は親の責任 2006/06
    キレる小学生 2005/09

【閑話休題】
「教育は未来への投資」という考えは通用しないのか。財務省は先月末、現在公立の小学1年で導入されている35人学級をやめ、40人学級を復活させる案を提示した。「いじめや学力向上に明らかな効果がみられない」という言い分だが、教育関係者からは当然、猛反発が。財務省の思惑とは・・・。

 「あり得ない話です。もう腹が立って、腹が立って」。電話越しに怒りをあらわにしたのは、教育評論家の尾木直樹さんだ。「財政難は分かるけど教育の論理が1%も入っていません。導入わずか3年ぐらいで効果なしと判断するとは、どういうことですかっ」と一気にまくしたてた。

 大蔵省(現財務省)と予算折衝の経験がある元文部官僚で京都造形芸術大教授の寺脇研さんに至っては「なんでこんな低次元の話しかできなくなったのか。私が尊敬していた財務官僚の姿ではない」とまで言う。

 論議の的、少人数学級は十数年前から秋田県、山形県など地方自治体が先行する形でスタート。民主党政権時代の2011年に義務教育標準法が改正され、同年春から全国の公立の小学1年生が35人以下となった。「小1プロブレム」など問題行動が顕著化し、きめ細かな教育が必要との配慮からだ。これに対し財務省は10月27日、財務相の諮問機関で予算編成や財政のあり方を議論する「財政制度等審議会」に従来の40人学級に戻す案を提示した。

 参照 小1プロブレム 2007/05
    バカ親クソがき そして 2007/07

 各省庁の予算要求を査定する財務省主計局の「文部科学係」の説明では、提言の理由は主に2点だ。
 ①小1のいじめ認知件数に点いて、小学生全体に占める割合は導入前の5年間の平均で10・6だったが、導入後2年間の平均で11・2%と微増。暴力行為も3・9%から4・3%に増えた。このため「明確な効果はみられない」と評価した。

《その数字が何を意味しているのか、推察する能力さえ持ち合わせていない脳みそだ。それらの背景にある家庭内教育の「無力」さが駆け足で子どもたちの生活を破壊している現実さえ見抜けないのだ。教室内の子どもの頭数の問題では決してないのだ。本来は親は親の義務としての義務教育を受けさせるために、小学校に入れるまでに、生まれたままで、ただ動物として育ってきた「個」に、人間としての社会的生活の初期規範を家庭内で準備し、教えておかなければならないのが躾の初歩なのだ。それもしないで学校に、教師に丸投げで預け,本来親がしなければならない躾まで教師がするものと錯覚する。それもできていない、ただの「個」の集団が、問題を起こすのは当然のことだ。それを、背景まで推量できず、教室内の子どもの数の問題としか捉えられないとは余りに情けない発想だ。》

 ②「小学1年の35人学級」とは別に、各自治体が独自で進めている少人数学級の効果を、10年度と13年度の「全国学力テスト」(小6と中3対象)の国語や算数などの平均正答率で調べた。12年度から少人数学級を導入し13年度の学力テストを受けた小中学校の平均正答率は、少人数学級未導入の10年度より、いずれも低かった。ゆえに学力向上の効果はみられない。

 主計局の担当者は「『教育は政策効果が見えにくい』といわれますが、福祉や雇用対策など他の政策と同様、予算がついた政策の効果は検証されるべきです。効果がないものに予算はつけられない」と主張する。背景には財政状況の悪化と、教員の人件費の問題がある。例えば1学年で36人の児童がいれば18人ずつの2クラスに分け、教員が2人必要になるので、その分人件費がかさむ。40人学級に戻せば、教職員約4000人、約86億円を削減できると試算したのだ。

 それにしてもたった3年で明確な成果を求めるとはあまりに性急すぎないか。

          ーーーーーーーー つづく

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