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2014年10月11日 (土)

スマホ不振 業績急降下 サムスン曲がり角

 毎日新聞(10/11)から、

 サムスン
 韓国の巨大財閥サムスングループの中核企業で、世界最大の電機メーカー。2013年売上高は228兆ウォン(約23兆円)、営業利益は36兆ウォンで、売上高は韓国の国内総生産(GDP)の約2割に相当する。グループは1938年に創業した「サムスン商会」が起源。当初は貿易が中心だったが、機械、化学、金融などにも事業を広げた。サムスン電子の創業は69年。87年にグループ会長に就任した李健熙(イ・ゴンヒ)氏のリーダーシップで大規模投資を進め、急成長した。14年7〜9月期の売上高(速報値)は前年同期比20・5%減の47兆ウォン、営業利益は59・7%減の4.1兆ウォン。営業利益の減少は4四半期連続で、失速が鮮明化している。

 1韓国の半導体・電子機器最大手、サムスン電子が苦境に陥っている。主力のスマホ事業が中国勢を中心とした低価格攻勢で伸び悩んでいるためで、2014年7〜9月期の連結営業利益は前年同期比約6割の大幅減となった。日本メーカーもかつては液晶テレビや半導体で世界をリードしながら、低価格を武器にしたサムスンに追い抜かれた経緯がある。サムスンが日本メーカーと同じ道をたどるのか、注目が集まっている。

 「サムスンの方が高級だけど、他メーカーの最新機種も性能はあまり変わらないよ」。北京市内の携帯電話販売店で、店員は客に中国メーカーのスマホを勧めた。サムスンの最新機種「ギャラクシーS5」は4500元(約7万7000円)前後だが、中国華為技術(ファーウェイ)の最新機種は2800元前後。古い機種なら700元程度と値ごろ感が強い。

 中国には約400のスマホメーカーが乱立しているとされるが、特に台頭がめざましいのが10年創業の新興メーカー、小米科技(シャオミ)だ。最新機種の「小米4」は1999元で、低価格を最大の武器に急成長している。

 世界最大のスマホ市場となった中国で、同国メーカーの激しい攻勢にさらされ、サムスンの勢いは低下している。米調査会社IDCによると、14年1〜3月期の中国のスマホ出荷シェアでサムスンはトップだったが、4〜6月期にはシャオミなどに抜かされ5位に退いた。上位は中国勢が独占している。

 4〜6月期の世界シェアでサムスンは依然トップだが、先行きは厳しい。シャオミは今年、マレーシアやフィリピン、インドなどにも進出し、勢力を拡大。ファーウェイは9月末、サムスンのお膝元である韓国でスマホ販売を開始するなど、サムスンの牙城を切り崩す勢いだ。

 中国勢が低価格を実現できるのは、デジタル製品の製造現場で分業が進んだためだ。電子機器の製造・組み立てのみを行なう企業が台頭。メーカーは部品を指定して組み立ててもらえば、安価なスマホが完成する。これに対し、サムスンは自社工場での製造が基本。変化する市場環境への対応に、サムスンは苦慮している。

3中国勢から追い上げられ、勢いを失うサムスンは、かつての日本メーカーの姿と重なる。

 日本メーカーは1980年代後半、半導体で世界シェアの半数強を占め「黄金時代」を築いた。だが90年代以降、サムスンなどの低価格攻勢を受けるなどして業績が悪化。NEC、常陸製作所、三菱電機は半導体部門を切り離してルネサスエレクトロニクスに合流するなど合従連衡を余儀なくされた。

 薄型テレビも2000年代半ばまで、日本勢は世界で優位だったが、サムスンやLG電子をはじめ韓国勢の攻勢などでシェアは低下。パナソニックはプラズマテレビ生産から撤退し、ソニーはテレビ事業を分社化するなど抜本策を迫られた。

 そのサムスンが今は中国勢から攻められ、業績悪化に直面している。サムスンは今月、約1兆6000千億円を投じて半導体の新工場を建設すると発表。バイオ医薬品工場も建設し営業利益の6割強を稼ぐ「スマホ一本」から脱却を図ろうとする。

 日立や東芝も立て直しのため、テレビなど一般消費者向け事業を縮小し、テレビやエレベータ−などの社会インフラや法人向けビジネスを新たな稼ぎ頭に育てている。元日本サムスン顧問の石田は「サムスンはスマホの次の成長の柱が見えない」と話し、新たな柱の構築が鍵となる。


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