子宮頸癌ワクチン 重い副作用
毎日新聞(9/12)から、
《子宮頸癌は遺伝などには関係なく、性交経験がある女性なら誰でもなる可能性のある病気で、20代後半から30代に急増しており、特にその世代の女性が発症する全ての癌の中では第1位となっている。現在日本では、年間3500人、1日に約10人の女性が子宮頸癌によって死亡している。》
【閑話休題】
副作用が相次いで接種勧奨が中止されている子宮頸癌ワクチンについて、今年3月末までに重い副作用が確認された患者は1112人に上るとの分析結果を、難病治療研究振興財団(坂口力理事長)の研究チームがまとめた。厚生労働省が集計した176人の6倍以上に上る。チームは「厚労省は症例を狭くとらえ過ぎだ」と指摘。調査方法の見直しを求めている。13日から長野市で始まる日本線維筋痛症学会で報告する。
子宮頸癌ワクチンは2009年12月から今年3月末までに約338万人が接種し、約2500人の副作用報告が寄せられた。厚労省の有識者検討会は、発熱や失神など安全上の心配はないと判断した症例を除き、運動障害などの176人を詳しい分析が必要な重い副作用と判断した。その上で、原因はワクチンそのものではなく、注射の痛みや不安を引き起こす「心身の反応」によると結論づけた。
一方、同財団のチームは約2500人の症例について、救急搬送の必要性や後遺症の恐れなどを分析した結果、半数近い112人を重い副作用と判定した。多かったのは中枢神経障害(けいれん、歩行障害、記憶力の低下など)▽視力や聴力の感覚器障害 ▽広範囲の痛み⎯⎯⎯などで、症状が重なったり変化したりするケースも多かった。
チームには神経内科、小児科、精神科などの臨床医約10人が参加。チームの医師が実際に治療した44人は、接種から重い症状が出るまでの平均期間が約8・5カ月だった。「接種後1カ月以上してからの発症は因果関係が薄い」とする厚労省検討会の見解とは異なる結果となった。
チームリーダーの西岡・東京医科大医学総合研究所長は「一連の症状は、心身反応よりも、ワクチンに含まれる免疫補助剤に反応して脳神経が炎症を起こしていると解釈した方が合理的だ」と指摘する。日本医学会などに働きかけ、治療指針の策定を急ぐという。
厚労省結核感染症課の担当者は「176人は追跡調査をするが、それ以外の症例の再調査予定はない。副作用の情報収集は報告の項目を増やすなど強化する」と話している。
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