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2014年8月 6日 (水)

ストーカー規制にSNS、徘徊

 毎日新聞(8/6)から、

 「摘発強化へ期待感」一方で、「重い刑罰で抑止」にも限界もあると書く。

 昨年1年間に全国の警察が認知した被害件数が初めて2万件を超えるなど深刻化するストーカー犯罪を受け、新たな対策のあり方を検討してきた検察庁の有識者検討会が5日、報告書をまとめた。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)によるメッセージの連続送信などを新たに規制対象にするよう提言した。検討会の提言内容が実行されれば犠牲者の増加に歯止めがかかるのか。捜査現場や専門家の声は。

 有識者検討会の報告書をストーカー事件の捜査に当たる現場はどう受けとめたのか。

 SNSによる連続送信を新たに規制対象にすべきだとしたことについて、千葉県警の捜査幹部は「若い人たちはLINE(ライン)などSNSのメッセージ機能で連絡を取り合うのが主流。メールに限定していたのは時代遅れだった」と評価する。

Sns1  検討会は被害者の自宅周辺をうろつくなどの「徘徊」も規制すべきだとした。現行のストーカー規制法は「見張り」や「押しかけ」をつきまとい行為として規制しているが、「徘徊」も不安を与えることに変わりはなく、配偶者暴力防止法(DV防止法)では規制されているためだ。

 Sns2 この点でも、「警告・摘発がやりやすくなる」(千葉県警捜査幹部)などと指示する声が多いが、法制化の際には明確な線引きを求める意見もあった。福岡県警の担当者は「被害者宅近くのコンビニに加害者がいるのを見つけた場合、買い物なのか徘徊なのか判断に困るケースも出てくるだろう」と指摘。警視庁捜査幹部も「たまたまその場所にいただけと言訳するような加害者もいる。はっきり定義されればよりきめ細かく対応できる」と話す。

 警視庁によると、全国の警察が昨年4〜6月にストーカー行為容疑で逮捕した85件のうち、実刑判決を受けたのは4件だけ。このため検討会は「多くの加害者は執行猶予や罰金などの判決を受け、短期間で釈放されている」として、罰則の強化も提言した。

 その効果について、警視庁捜査幹部は「釈放後の仕返しを懸念して被害届の提出をためらう被害者も多く、罰則強化は被害者の背中を押すことにつながるだろう」と期待。千葉県警捜査幹部は「(女子高生が殺害された)東京・三鷹の事件のような捨て身の加害者に対しては罰則をどれほど重くしても防ぎようがないのでは」と限界も指摘した。

また、提言は加害者対策について「関係省庁や医療機関と連携して更生プログラムの実施を検討すべきだ」と記述しただけで具体策は盛り込まなかった。それでも福岡県警の担当者は「規制強化で被害を減らせてもゼロにするのは難しい。加害者対策はどんどん進めるべきだ」とし、提言が加害者治療の必要性に言及したことを歓迎した。東日本の警察本部の担当者も「加害者対策まで手が回らない。対策には関係機関との連携が不可欠になる」と話した。

 一方で、中部地方の県警幹部は「加害者へのアプローチは重要だが、県内に専門の医師はおらず、体制を整えるのは難しい」と不安も口にした。

 ストーカー相談を数多く受け、警察庁の検討会にも委員の一人として参加したNPO「ヒューマニティ」(東京)理事長の小早川明子は「報告書は全体でみれば70点」という。
 評価すべき点としては
  ①禁止命令などの見直し
  ②被害者支援を巡る関係機関の連携 などを挙げる。
 小早川によると、警察がストーカー加害者に警告を出す場合、口頭警告が主流だった。文書警告には被害者から調書を取るなど最低でも約1週間かかる事情があったためとみられるが、「早期の文書警告や禁止命令は強く望んできたことで、法改正を視野に踏み込んだ文書が盛り込まれたことは良かった」と評価した。

 また、被害者支援を巡って報告書が「各機関にまたがる対策を実効性あるものにするよう関係省庁は会議の場で検討すべき」としたことについて「そうした会議の必要性が明記されたのは前進だ」と話す。

 最大の焦点だった加害者対策についても、報告書が警察と医療機関との連携を提言したことを評価。その上で、警告時に加害者に治療プログラムを紹介する事業が警視庁で試行されていることに触れ、「任意なので受診率の低さが問題だ。釈放された後でも服役中でもプログラムを受けられるよう検討すべきだ」と具体策を進めるよう求める。

 一方、加害者の治療に取り組んでいる精神科医の福井裕輝は「報告書は課題として言われてきたことを無難にまとめた印象。海外の先進事例などを研究して抜本的な対策を検討すべきだ」と辛口の評価だ。

 例えば、警察が警告した直後の加害者は「不安が最も高まって被害者への襲撃リスクが高まる」といい、海外では警告を出す前に「警察や専門家がプロファイリングするなどして加害者のリスクを評価する」と指摘。「日本でやろうとしても今の警察のマンパワーでは足りないし、法改正が必要になるかもしれないが、警告のタイミングで『警告を受けるか、治療を受けるか』を加害者に選択させるくらいは可能。そうすることで受診率が上がるかもしれない」と提案する。

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