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2014年8月21日 (木)

アルコール依存の女性急増

 毎日新聞(8/21)から、

 全国で推計100万人を突破したアルコール依存症患者。中でも女性患者の急増は深刻だ。女性の社会進出や、子育てや介護に追われて支援を受けにくい家庭環境に加え、女性の消費拡大を狙う飲食店やメ−カーの競争があるとされる。専門家は「浸食の問題を個人の責任にせず、社会全体で支えることが必要だ」と訴える。

《何でも「責任は社会にあり」とするのが専門家と呼ばれるせんせい方の主張だ。個人の趣味で喰らう飲酒までも世の中に責任ありという。何ごとも「男がなすこと女もできる」と、男女同権で突っ走ってきた戦後、酒が例外であるはずもないのだが。その結果、女性にアル中がうまれても何も不思議はない。》

 依存症の女性を対象にした関東地方の自立訓練施設で生活支援員として働く女性(51)は、かつて自身も飲酒の問題を抱えていた。23歳で長男を産むと、育児不安などで昼間から酒に手が伸びるように。間もなく夫と始めた自営業も忙しく、酒量が増えた。夜になると家事の前に「ガソリンを入れるように」焼酎を一気飲みした。手が震えて家事を満足にできなくなり、3人目を出産後、夫から離婚を告げられた。

「孤独感から酒に走り、周囲に迷惑をかけては孤立を深めた」と、当時の悪循環を振り返る。17年前、地域で当事者が経験を語り合う自助グループ「AA(アルコホーリクス・アノニマス」に参加、ようやく自分を見つめ直すことができ、飲酒への欲求も消えた。

 飲酒の相談にくる女性たちは、アルコールやうつ病、摂食障害など、複数の問題が絡み合うケースが多くなっている。女性が依存症になると、性被害やDV(家庭内暴力)などに巻き込まれる危険性も高まるが、対応できる窓口は不足気味だ。

《ここでまた、DVが出てくるが、DVは男の得意技ではなくなっているのだ。従来からDVが持ち出される度に、男女間の縺れにはその原因が必ずある、と説いてきた。やはり最近は、肉食女性から受ける草食男子のDVが表面化してきた。最早、女性はDVを口にすれば問題解決になるような男女間の問題ではなくなった。》

 依存症に気づかなかったり、認めたがらなかったりする女性も多い。東京都の元高校教諭(70)は、同僚と未明まで深酒しても「時代の先端にいる自立した女性」と自身をイメージし、対人関係に支障が出ても問題を直視しなかった。47歳で心身の不調が限界に来て退職したが、原因ははっきりせず、アルコール依存を自覚したのは15年後だったという。

 飲酒する男性の割合は、1980年代に9割に達した後、最近は約8割で推移しており、女性が新たな消費拡大のターゲットになっている。家庭内の飲酒が表面化しにくい側面もある。一方、6月には依存症の治療や防止に国の責務を明記した「アルコール健康障害対策基本法」が施行された。NPO法人「アルコール薬物問題全国市民協会」の今成代表は「体格が小さい女性は男性よりアルコールの分解が遅く、依存症になりやすい。医療や行政は、女性特有の問題にも配慮した治療や相談体制を作るべきだ」と指摘する。

  参考:京都府精神保健福祉総合センター
     心の健康のためのサービスガイドから抜粋
 <アルコール依存症への進行がはやい>
 男性の場合、20年前後の年月を経てアルコール依存症におちいる場合が多いのですが、女性の場合は5~6年、早い人で1年程度の短い飲酒期間でアルコール依存症になってしまいます。40歳代に飲み初め、40歳代に入院という例が相当あります。

《「堕胎天国日本」のほかに「依存症大国日本」が加わった。》
 成人の依存症について調べている厚生労働省の研究班(研究代表者=樋口進・久里浜医療センター院長)は20日、パチンコや競馬などギャンブル依存の人が成人人口の4・8%に当たる536万人に上るとの推計を初めて発表した。インターネットから離れられないIT 依存の傾向がある成人は421万人となり、5年前から約1・5倍に増えた。また、アルコール依存症の人は初めて100万人を超えて109万人に達し、女性は2008年の8万人から14万人に急増した。

 研究班は昨年7月、成人約4000人に面接調査を実施した。その結果、ギャンブルについては、国際的に使われる指標で「病的ギャンブラー」(依存症)に当たる人が男性の8・7%、女性の1・8%だった。海外の同様の調査では、米国(02年)1・58% ▽香港(01年)1・8% ▽韓国(06年)0・8%⎯⎯⎯などで、日本は際立って高い。

《昔は日本人の性格を「熱しやすく冷め易い」と評したものだが、どうやら「深入りして陥る」性格に変わったようだ。これも専門家のせんせいたちに言わせれば、社会のせいになるのだろう。》

ギャンブル依存症
 病的にギャンブルにのめり込み、衝動を抑えきれなくなる精神疾患の一つ。家族など自分が大事にしていたものよりもギャンブルを優先するようになり、仕事や人間関係の破綻などの問題を起こす。ギャンブルを中断すると、落ち着かなくなったり、いら立ったりするなどの症状が出ることもある、

 ギャンブル依存は、秋の臨時国会で本格審議されるIR推進法案(カジノ法案)が成立した場合の患者増を心配する声もある。研究班の尾崎米厚・鳥取大教授(環境予防医学)は「パチンコなど身近なギャンブルが、全国どこにでもあることが海外より率が高い原因ではないか」と分析する。

 IT依存は、国際指標で「問題使用者」に当たる人が男性の4・5%、女性の3・5%に上った。若いほど高く、20〜24歳は男性の約19%、女性の約15%が該当した。スマホの普及が影響しているみられる。

 一方、飲酒は「1年間で1度でも飲んだ」という男性は約84%、女性は約63%で、10年前と比べて女性が横ばい、男性は約3ポイント下がった。だが、アルコール依存症の推計数は03年の83万人から増えた。樋口院長は依存症対策について、「啓発と学校などでの予防教育、治療や社会復帰のシステム作りが必要だ」と話した。

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