子ども遺棄・置き去り891人
毎日新聞(8/16)から、
《社会問題にすり替えられるが、基本的には性道徳の乱れ,破綻だ。憲法は一夫一婦制だが、夫のあるままに別の男性との間に子どもをもうけ、300日問題を惹起しても、現在の世間の風潮は夫、妻のどちらに正当性があるとみるか。歯止めのない性の乱れは出版界やインターネットなど多くの媒体を通じて若い、いや幼い思春期の男女の性道徳に、目に触れ耳に入って悪影響を与えていることが元凶だ。さらに、その上に親の育児監督責任の放棄が加わる。そうして緩んだタガは結婚前の妊娠を、性衝動の当然の結果としての「できちゃった婚」と呼び、「おめでた婚」に、遂には「授かり婚」と名づけ、不道徳を賛美するかのように様変わりする。が、当然のように不安定な性衝動の結果は、次の相手を求めて「性格の不一致」という便利な言葉で離別となる。でき婚の8割以上は5年以内に離婚、結婚全体の25%はでき婚といわれるが、結婚していようが未婚だろうが、目覚めた性衝動で結ばれた二人の間に「できちゃった子」が邪魔になる。ここまで乱れた日本の性倫理、どう対処すればいいの?》
今年3月までの過去5年間で路上などに遺棄されたり自他などに置き去りにされたりして、全国の児童相談所(児相)が対応に当たった子どもが891人だったことが全国調査で分かった。2歳以下が約4割を占め、遺棄だけで120人に上ったことも判明。戸外に捨てられたことで、中心体温(直腸温)が35度以下で生命の危険もある低体温症に陥っていた乳児も含まれており、幼い命が脅かされる遺棄や置き去りの実態が判明した。
♢遺棄・置き去りの子ども
厚生労働省によれば、遺棄は「(路上などに)捨てられて保護された時に親が不明」で、置き去りは「判明している親が監護を放棄し、知人宅や自宅に放置された」としている。国は赤ちゃんポストの問題などを受け、09年度から自治体にそれぞれの人数の報告を正式に求めるようになったが、特に置き去りについては、その期間の定義などを巡って自治体間にとらえ方の違いがあり、統計上の数字に差が出る要因となっている。
今年6〜7月、児相を設置する47都道府県▽20政令市▽中核市な――の計69自治体に対し、国が把握を求め始めた2009年度以降の遺棄と置き去りの内容を尋ねた。
それによると、発見時の状況から各自治体が13年度に「遺棄された」と判断した子は23人、自宅などに「置き去りにされた」とみた子は111人だった。12年度はそれぞれ24人と183人で、今年3月までの過去5年間では120人と771人だった。
置き去り891人の内訳は、
0〜2歳が 39・8%
3歳〜就学前 25・1%
小学生 24・1%
中学生 6・9%
遺棄の120人に限ると
2歳以下 72・5%
3歳〜就学前 11・7%
小学生 6・7%
自治体別で見ると
東京 139人
神奈川 123人
大阪市 116人
遺棄に限ると、東京15人 ▽熊本市12人
遺棄されていた乳児で発見場所が確認できたのは36人。集合住宅敷地内や民家近辺6人 ▽病院やその近く6人 ▽公園4人 ▽スーパーなどのトイレ4人 ▽児童養護施設や乳児院の近辺3人――などで、23人が屋外だった。
36人のうち、低体温症や低体温だったのは少なくとも7人。昨年3月と11年4月、宮崎市内で同じ母親から遺棄された2人は、へその緒が適切に処理されないことでチアノーゼに至る恐れがある多血症も併発していた。11年10月に千葉市内のコンビニのトイレのゴミ箱から見つかった女児は、胃からの出血もみられた。
また、置き去りでは昨年9月、さいたま市の自宅アパートで母親不在の間に衰弱し、紙おむつを食べていた1歳男児を保護。昨年2月には九州の自治体で、親と数日間連絡が取れず、保育園に置き去りにされた2歳児が保護される出来ごとがあった。
宮島清・日本社会事業大准教授(児童福祉)の話
親権者は児童福祉法上、育てるのが難しければ公的機関に相談するという責務がある。預けた上で子の命を保つことも親の責任だという認識を広げることが大事。国は孤立しがちな親向けにきめ細かい相談体制を用意し、遺棄による犠牲者を出さないよう医療機関での出産につなげる必要がある。
《宮島のようなのんびりした常識的な対策で、解決に向かうほど現在の日本の性道徳はまともじゃない。相談に行ける立場や状況ではないから置き去りや遺棄が発生することになるのだ。「来るものは拒まず」と言ったところで、開店休業だろう。置き去りや子捨ての大きな背景を何一つ理解していない。》
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