祖父の精子で118人の赤ちゃんが誕生
毎日新聞(7/28)から、
不妊治療を行なっている長野県の「諏訪マタニティークリニック」(根津八紘院長)で1996年から2013年に、79組の夫婦で妻が夫の実父(妻の義父)から精子提供を受けて体外受精により計118人の赤ちゃんが誕生したことが分かった。妻が義父から精子提供を受けた夫婦は110組あった。東京都内で開かれる日本受精着床学会で根津院長が31日に発表する。
匿名の第三者からの提供精子による非配偶者間人工授精(AID)は60年以上前から行なわれているが、匿名が前提。近親者から精子の提供を受ける不妊治療には「家族関係が複雑になる」などの指摘があり、議論を呼びそうだ。
根津院長によると、夫の無精子症などを理由に計146組の夫婦が近親者から精子の提供を受けた。内訳は夫の実父が110組、夫の兄弟が28組、その他が8組。夫の実父やその妻の理解を得られやすく、最近は夫の実父からの提供を望む人が多いという。
夫の実父から提供を受けた110組のうち86%に当たる95組が妊娠、72%に当たる79組が出産に至った。同様の方法で2回目の出産をしたケースが17組、3〜4回目の出産に至ったケースもあった。
近親者からの精子や卵子の提供は過去に日本産科婦人科学会で「子どもの福祉の観点から将来予期しない事態が起こりうる」と指摘されている。
《当事者たちが望んで行なうことだ。他人があれこれいうことではないだろうが、夫の実父の精子からの子は、夫の弟か妹ということになる。しかし、そこには倫理や宗教上のほかにも法的問題も抱えているのだ。出生届、或いは戸籍謄本には、続柄をどう記入することになるのだろうか。普通に夫婦の間の子として記載されれば、秘匿することによる文書偽造になるのだろうか。すでに生きて生活している118人がいる。118人の中には、2回目、3、4回目の出産で弟か妹(夫にとっても)のきょうだいもできている。最初の子が誕生してから既に18年が経過している。その間、家族全員には何の問題もなく平和な暮らしが続いているのだろうか。》
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