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2014年6月11日 (水)

集団的自衛権 - 3 -

 たまたま昼飯時、二人の党首、海江田万里、安倍晋三の党首討論(民主党の持ち時間は確か28分とか言ったな)なるものを見ていた。安倍には質問者海江田の「話などどうでもいいや」と傲岸不遜、傲岸無礼な態度に終始。嘲笑とも取れる笑いを浮かべながら民主党を笑い話のネタにして議場の自民党の笑いを誘う。肝心の質問の核心を逸らし、だらだらと余計な自説の説明を繰り返す。討論の持ち時間の半分以上を揶揄とちゃかしで潰し、議長から「回答は簡潔に」の注意を受けても知らん顔。これほど胸くその悪い質疑応答は見たことも聞いたこともない。海江田を完全に見下し、喋らしてやっているのを有難いとも思え、とも見える感じだ。

 海江田の後、質問に立つのは石原慎太郎だ。現在の政治家の中で、安倍以上の右翼思想の持ち主が彼だ。質問は聞かずとも分かる。吐き気がする中継など見ることもない。

 毎日新聞(6/11)、専門編集委員の与良正男の
   熱血!与良政談“民主主義の危機だ!”から、

 日本維新の会の分党で私が一番驚いたのは、石原慎太郎共同代表が結成する新党に23人もの議員が参加するということだった ――。コメンテーターとして出演している大阪・毎日放送のニュース番組「VOICE」で先週、こんな話をした。

 石原氏についた議員の一部には「今後、自民党と選挙協力ができるかも」という願望もあるようだ。だが、わたしからすれば石原氏の新党は戦後政治史の中で恐らく最も右寄りに位置する政党となるはずだ。そこに当初の予想を大きく上回る23人もが参加する時代になるとは・・・・。

 私はしゃべりながら最近の政界の軸足自体がますます右に寄ってきている現実を改めて思い知った。

 石原氏らの新党は集団的自衛権の行使を認める憲法解釈変更をはじめ安倍政権に協力姿勢を示していくだろう。「自民党1強」状況は強まる一方だ。対する橋下徹氏らが合流を目指す結いの党は今度の解釈改憲に慎重姿勢を示しているが、橋下氏らは元々前向きだ。これをどう調整していくかはっきりしない。

 野党第1党の立場を辛うじて守っている民主党も集団的自衛権の問題では相変わらず党内が一致せず、海江田万里代表が夏以降も続投するかどうか、内向きの争いが続く。共産党と社民党は解釈改憲に猛反対しているが国会内では少数勢力だ。

 皮肉なことに、こうして見ていくと今最も野党らしい役割を果たしているのは、集団的自衛権の問題を一つ一つチェックしている与党の公明党かもしれない。番組で私はこうも話した。

 しかし、与党協議にはおのずと限界がある。今国会中の閣議決定を急ぐ安倍晋三首相は急速に圧力を強め、政府は行使容認に向けた閣議決定の原案を早々とまとめたそうだ。今後は国民に見えにくい水面下の調整が進む可能性がある。

 わずか衆参1日ずつだったが、この問題に関する先月末の国会集中審議は、さまざまな問題点や矛盾点を国民の前に明らかにしてくれた。それにもかかわらず、まるで議論を無視するかのように戦後安保政策の大転換があれよあれよという間に進もうとしているのである。

 これは野党の危機ではない。議会制民主主義の危機である。「野党再編」の主導権争いなどしている場合ではない。

《うがった見方をすれば、安倍晋三は中国、韓国、北朝鮮が、これまで以上にもっと日本を敵視し、派手に行動することを望んでいるのではないか。その反動として、戦争を知らない特に呑気な与党の国会議員たちが先頭に立って、現在でもそうだが、近隣3国を危険国家として声を荒げて国民に刷り込み、歴史を学んでこなかった戦後世代の若者たちは、安倍政権の右寄り政策に煽られ、「それは危ない」と一層の右傾化を支える力に化けるのを期待しているようにも思える。その意味では、中国、韓国、北朝鮮は、自民党政権を強力に支えていることになるのだ。そして、自衛隊は男だけで構成されているのではない。外国の軍隊同様他国へ出向き、女性も兵士として第1線で戦闘に参加し、普通に戦死することにもなるのだ。日本の憲政史上、まれに見る最低、最悪の首領が日本を牛耳っているのが現在日本の姿だ。》

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