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2014年5月 8日 (木)

年間約10万人、突然死を防ぐには

 毎日新聞(5/8)から、

 突然死は、医学的には「病気の症状が出てから24時間以内の予期しない死」と定義される。日本不整脈学会によると、突然死した年間約10万人のうち約6割は心臓の異常が引き金だ。3月に亡くなった安西マリア(60)の死因は心筋梗塞、山本俊彦(67)は虚血性心不全だった。2011年にはサッカー元日本代表の松田直樹(34)が心筋梗塞で亡くなっている。

 心臓突然死の殆どが、心筋梗塞や虚血性心不全を含む虚血性心疾患によるものです。虚血とは、動脈硬化などにより心臓の筋肉への血流量が減り酸素不足に陥った状態で、心筋の一部が壊死(えし)していれば心筋梗塞と診断されます。虚血性心疾患で最も怖いのが『心室細動と呼ばれる不整脈を合併することです。心室細動を起こすと、発症後数分で心臓が止まり死に至ります」。帝京大学医学部付属病院循環器内科の一色高明教授が説明する。

 心筋梗塞は心臓を取り囲む冠動脈が急に詰まって起る。「中には前触れとして、胸が圧迫されるような痛みがしばらく続く人がいます。時間が経ってから完全に冠動脈が詰まる恐れがあるので、一旦治まったとしても、すぐに循環器科のある病院へ行きましょう」と一色は話す。

 心臓は四つの部屋に分かれているが、心室細動は右心室か左心室が1分間に200回以上の異常な早さで脈打ち心臓が収縮しなくなった状態だ。脳や全身に血液が流れず、すぐに心臓マッサージやAED(自動体外式除細動器)で救命処置をしないかぎり命を落とす。もともと心臓病だった人だけではなく、普段元気な元気な人にも起るのが怖い。

 予兆はあるのか。「一瞬ふらついたり、数秒間、意識を失ったりした経験が一度でもあれば心室細動の前触れの可能性があります。突然死した家族がいる人や心電図を受けたことがない人は一度、検査を受けてみてください。肥大型心筋症や、先天的な病気であるブルガダ症候群、QT延長症候群など心室細動につながる特殊な病気が見つかるかも見つかるかもしれません」

 ところで、安西マリアは胃の痛みを訴えていたとの報道がある。「右側の冠動脈が詰まった時には腹部に痛みを感じることがあります。特に、喫煙習慣、高血圧、高脂血症、糖尿病、家族に心筋梗塞や脳梗塞を起こした人がいる場合は、胃の内視鏡検査で異常がなければ念のため心臓の検査も受けた方がいい。また、心臓の弁に異常が起る弁膜症のせいで息切れが起っているのに、単なる加齢によるものと勘違いしているうちに急に倒れることもあるので要注意です」(一色)。「年のせい」と思っていたひどい息切れが突然死の予兆かもしれない。

 一方、昨年末、歌手で音楽プロデューサーの大滝詠一(65)の急死の原因となったのは、心臓から全身へ血液を運ぶ大動脈が突然裂ける解離性動脈瘤だった。心臓に近い部分が裂けると突然死する危険が高い。「この病気にはほとんど予兆がなく、裂けた場所によっては緊急手術が必要になる。50〜60代の高血圧の人に起りやすいので、減塩と薬物治療による血圧のコントロールが大切です」(同)

 心臓病の次に突然死の原因にななりやすいのが脳卒中だ。レスリング女子の全日本コーチだった吉田勝栄(61)は運転中、脳卒中の一種のくも膜下出血の襲われた。脳を覆うくも膜と軟膜の間にある動脈瘤が突然破裂して起る。「経験したことのない激しい頭痛が起ったら、くも膜下出血の初期症状かもしれません」と、東京慈恵会医科大学付属病院神経内科の井口保之教授は話す。

 また、高齢化の進展で増えているのが脳の血管が詰まる脳梗塞。「医学の進歩で脳梗塞による突然死はまれであるものの、意識を失ったままで長期間入院してなくなったり、後遺症が残ったりするのが怖いところです。特に、心臓の心室ではなく心房が痙攣を起こす『心房細動』と呼ばれる不整脈によってできた血栓(血の塊)が、脳の血管に詰まって起る脳梗塞は重症化しやすく危険です。手首に指を当てて脈を測ってみて1〜2拍飛ぶようなら、心房細動の予兆かもしれないので検査を受けてほしい」と井口は語る。首相在任中に倒れた小渕恵三(62)は、発症から1カ月半後に帰らぬ人となった。

 そういった不整脈以外に脳梗塞では、「からだの片側がしびれ、手足に力が入らない」といった前触れが出ることがある。こういった前兆は一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれ、一旦治まっても48時間以内に脳梗塞を起こす危険性が高い。小渕元首相も、急に言葉が出なくなる前兆が表れていたとされる。

 突然死を起こす病気の中には、残念ながら前兆がないケースがある。「月並みかもしれませんが、喫煙習慣、高血圧、糖尿病といった動脈硬化の要因を減らし、検査で危険な不整脈を早く見つけることが大事です。無理や過労も禁物です」と井口は話す。

こんな症状があったら 危険な病気の前触れかも
心臓病
 急にふらついたり意識を失いそうになったりした
 突然、動機が激しくなった
 階段を上がった時の息切れがひどい
 左胸やみぞおちの辺りが圧迫されるように痛む
 胸、背中、首が焼けつくように痛い

くも膜下出血
 突然の激しい頭痛

脳梗塞
 体の片側がしびれ、手足に力が入らない
 足がもつれて歩けない
 話したのに、急に言葉が出なくなる
 ろれつが回らない
 人の言うことが一時的に理解できない
 ものが二重に見える
 片目が見えない。または視界の半分が見えない
 食べ物が一時的に飲み込めない

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