小便小僧ならぬ・・・
NHK 衛星放送で長年続いている「世界ふれあい街歩き」という番組がある。
2008年5月に放映分の『クロアチアのドブロブニク』再放映が4日にあった。現在は60分枠になっているが以前は45分枠だった。録画したあと、DVDにダビングして眺めていた。
番組の終に近く、高台に上る途中、ウェディングドレスを仕立てる(これまでに街の花嫁の300人近いオーダーのドレスを縫い上げてきたという)寡婦と会話した後、暇(いとま)を告げて城壁を上に向かう途中、婦人の工房の屋上花壇を通り過ぎる途中、それを発見した。
撮影クルーは興味を惹かれて立ち止まって眺めていると、中の階段から追いかけるように婦人が屋上に顔を出し、「面白いものを見せるわ」と案内したものが、小便小僧ならぬ小便婦人だった。
「3年前に亡くなった主人が、小便小僧があるんだったら、小便婦人があってもいいや、と造って飾ったのよ」と説明しながら、止まっていた水道水の栓を開いた。女の石像は股間から勢いよく小便を迸らせた。
女主人は、亡くなった夫のいたずらを懐かしむように語りながら、再びクルーを室内を抜けて海の見えるテラスに案内して、ドブロブニクの景色を自慢した。
《以前より『小僧』があるのなら、『少女』か『女』があってもよかりそうなもの、と考えていた。世の中には、同様に不公平さを作品に、と考えつく人もいるものだ。或いは考えても、実践して像を創る洒落っ気のある芸術家がいなかっただけなのだろうか。》
| 固定リンク
最近のコメント