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2014年2月 3日 (月)

高2の娘に交際相手が

 毎日新聞(2/2)”Dr.北村の女性クリニックへようこそ”から、

 Q 最近、高校2年生の娘にボーイフレンドができたようです。帰りが遅くなると居ても立ってもいられません。娘は「心配するなって!」と笑っていますが・・・。(46歳主婦)

 日頃は「ボーイフレンドの一人や二人いないの?」とけしかけていたのいに、ボーイフレンドができた途端、心配の種となる滑稽さ。これは世の親の誰もが体験することです。娘さんが「心配するな」と返しているわけですから、温かく見守るのも親の役割だと思われます。妊娠されたら困るとばかりに、居間に招き入れて、「コンドームはこうやって使うのよ」と教える親はおませんものね。羨ましいのは、ボーイフレンドができたことを母娘の会話の中で話題にできていることです。僕の娘にだったら「二度と訪れることのない思春期を大切に生きよう」と励ますに違いありません。

 自立からほど遠い子どもが妊娠騒動に巻き込まれることを願う親はいません。包括的性教育という言葉をご存知でしょうか。望まない妊娠や性感染症はセックスの結果として起るわけですから、性交開始年齢を僅かでも遅らせる(性交開始を焦らない)、仮に性交が行なわれるとしたら避妊や性感染症予防を考慮した責任ある行動がとれるように促す教育を意味します。禁欲教育の対極をなすものです。

 以前、3000人を対象に実施した《参照1》「男女の生活と意識に関する調査」結果から、この包括的性教育の課題に迫るヒントを得ることができました。紙面には限りがありますので、僕自身が興味を持った項目と、回答者の平均性交開始年齢だけをご紹介します。

 参照2 人工中絶 20年で6倍 2011/07

 ▽母親に対して「産んでくれて、育ててくれて感謝して
   いる」(19・6歳)
 ▽「嫌い、うっとうしい」(17・4歳)
 ▽父親に対して「育ててくれて感謝して
   いる」(19・6歳)
 ▽「嫌い、うっとうしい」(18・3歳)
 ▽(中学生の頃まで)親と「よく話をした」(19・5歳)
 ▽「まったく話をしなかった」(18・2歳)
 ▽親が性に対して厳しかった(19・8歳)
         厳しくなかった(18・9歳)
 ▽行動や考え方に影響を受けたのは、
  近所の人々(20・1歳)、インターネット(17・4歳)

 僕たちの行動は、親の態度と、学校や地域から得る知識に大きく影響を受けるとされます。これらの、結果から考えても、何でも話せる母と娘の間に不安材料は見つかりません。とはいえ、ひとり悩んでいる様子でしたら、日本家族計画協会の思春期ホットラインの番号に、「何かあったら相談してみたら」と書いたメモを添え、机の上に置いておいてください。
 (日本家族計画協会クリニック所長、北村邦夫)

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