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2014年2月 2日 (日)

高松塚古墳

 毎日新聞(2/2)”社説・今後に教訓を生かそう”から、

 参照 古代文化罪は 母国に変換して 2010/04
    無残!! 高松塚古墳 2008/05

《やはり、というべきか。杜撰な管理が原因で、あたら国の宝物をカビだらけの廃物同様のものにしてしまった。》

 高松塚古墳(奈良県明日香村)の極彩色壁画が修復後も当面、古墳に戻せない見通しになった。2007年に壁画が描かれていた古墳内の石室を解体、搬出して、現在、近くの施設でカビ被害などを修復中だ。

 「当面」がいつまでなのかわからず、考古学の大原則である「現場保存」は極めて難しい状況だ。教訓を今後の文化財政策に生かしたい。

 高松塚古墳(7世紀末〜8世紀初め)は2段構造の円墳。石室は切り石16枚で組み立てられていた。1972年に「飛鳥美人」を含む男女群像や四神(青竜や白虎など)、星宿(星座)図など、極彩色の壁画が見つかり空前の考古学ブームになった。古墳は特別史跡、壁画は国宝に指定された。

 壁画は古墳内に現地保存されることになり、文化庁が保存管理や定期点検をしてきた。ところが、カビの大量発生による劣化や作業中の人為的ミスによる損傷などが発覚した。激しい議論の後、石室を解体し、搬出して修復することになった。

 1月31日に開かれた古墳壁画の保存と活用を考える検討会では、壁画が描かれた石材の強度が不足し、現状では石室の再構築は不可能だと報告された。さらに文化庁は、壁画を古墳内に戻すとカビなどの被害が進む可能性が高いうえ、石室内の温度や湿度を適切に保つ有効策がなく、石室などを組み直しても地震などで倒れる危険性があるとした。

 ただ、具体策は示されないのの、石室の解体を始めるに際し、「環境を確保して現地に戻す」とした保存方針は、今も堅持している。もし今後、現地に戻さないと決めれば、石室も壁画もない古墳を特別史跡としてのままにしておいていいのかという議論が起きかねない。そんな事情を指摘する声もある。

 今後は古墳の近くに壁画をしっかりと保存する博物館のようなものを設け、壁画を傷めない範囲で公開するのも一つの方法ではないか。

 ここに至る経緯を振り返れば、反省点が多い。保存に携わり、壁画を見ることができたのは、ごく限られた担当者たちだけだった。もう少し、古代史や保存科学の専門家にも公開して、劣化を防ぐために衆知を集めるべきだったのだろう。

 一旦決めた保存方法右が妥当かどうか、定期的に見直す作業も必要だった。事情を明らかにしない文化庁の体質も、よく問題になった。

 高松塚古墳は日本の壁画古墳の象徴的存在だ。文化財は地域の誇りであり、人類の宝だ。文化庁は今回の反省を踏まえ、カビを始めとする劣化対策はもちろん、文化財行政とはどうあるべきか、その方法と理念を作り直すことが求められる。

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