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2013年12月30日 (月)

注意!! 高齢者の低栄養

 毎日新聞(12/30)から、

《虚弱で生まれた幼児からこのかた、麻疹以外に病気に罹ったことがない体だが、60歳を最後に体重はおろか、体温、体重、血圧など測ったこともなく、医者とは無縁できたが、元々低血圧気味の体が80歳を過ぎてからの昨今、貧血気味になることを感じ始めてきた。頭部からすーっと血の気が引くような気分になることがあって、入浴時など気をつけるようになった。今日の紙面で長年の魚と野菜中心で高齢まで生きてきた老人に、注意を促す食事の取り方が載った。》

油っぽいものや肉は避け、野菜や魚中心の食生活を送っている高齢者は少なくない。こうした食事が続くと、低栄養に陥る可能性があるという。元気で長生きするための食生活とは・・・。

 高齢者の栄養と寿命の関係を研究している東京都健康長寿医療センター研究所(東京露板橋区)の研究部長、新開は「低栄養の高齢者は3割近くいるのでは」と推測する。

 1991年から8年間、65歳以上の約1100人を追跡調査した。この結果、低栄養と思われる人の死亡危険度は、そうでない人に比べ1・5倍以上高かったという。

  1 高齢者の栄養状態を知る指標は4項目ある=表。基準値より 値が高い人と低い人を比べると、それぞれ4項目とも低い人は高い人に比べ死亡危険度が50〜65%ほど高かった。=グラフ。「死因別では脳卒中や心臓病などの心血管病が特に多い。このほか、転倒骨折事故や免疫力低下による肺炎、認知症のリスクも同時に高まることが確認された」と新開は説明する。

 一方、「自分は低栄養状態」と自覚している人は少ない。3食食べない日が週2〜3日以上ある ▽肉は体によくないので、もっぱら魚を食べる ▽牛乳や乳製品を取るのは2日に1回以下 ▽野菜は生で食べることが多い ▽主食は食べず、おかずだけで済ませることが多い ▽年をとったら、あまり食べなくてもいいと思っている・・・などに該当する人は要注意だ。

 「現在の栄養指導は、取り過ぎのリスクを問題にし過ぎており、下限値の基準がほとんどない。高齢期を元気に過ごすための栄養指導に切り替える必要がある」と新開は指摘する。

 全国18カ所で料理教室を開く「ベターホーム協会」(東京都渋谷区)は今秋、60歳以上の人の低栄養状態を防ぐレシピ本「つるかめ食堂」を出版した。

《なーんだ、本を売らんかな、だった。》

 「1日3食きちんと食べる。肉と魚は毎日同量のバランスで取る。炭水化物はしっかり取り、野菜もたっぷり目に。牛乳も毎日飲んでほしい」。同協会の加藤美子はアドバイスする。

 主食のほか、肉類 ▽魚介類 ▽卵 ▽牛乳 ▽大豆製品 ▽緑黄色野菜 ▽イモ類 ▽果物 ▽海藻 ▽油脂類 ― の10種類を毎日、満遍なく取る。肉と魚は1日各80グラムで、卵1個、豆腐100グラムを加えると、1日に必要な蛋白質を補える。

 こうしたバランスの取れた食事を手軽に作るには、肉や魚の買い置き ▽電子レンジの活用 ▽ひじきの煮物など常備菜の作り置き ▽残りおかずのアレンジ ▽うどんなどの冷凍食品やレトルト食品のストック ― などを心がける。

 ここで「ふわふわ鶏団子」や「鶏団子のつくね」「ささみの酒蒸し」などを常備しておくと不足しがちな蛋白質を補うことができる、と。

 加藤は「食事をおろそかにすると栄養不足で老化が早まります。食事はおいしい食べ薬と思って、しっかり食べるようにしましょう」と話している。

《私は、先に上げられた10種類の食品のうち、子どものころから(大豆製品)豆腐は「もめん」以外はあまり好きになれなかったし、納豆も殆ど食べない。舞鶴は若狭湾の漁村に近く、新鮮でおいしい魚に恵まれたおかげで、肉は殆ど食べないで今日まできた。ただ、関東にきてからほぼ半世紀、日本海で取れた魚に勝る新鮮でおいしい魚に出会った試しがない。とは言え、うなぎと川魚は全く口に合わず、食べたことがないに等しいが、今更、肉を食べたいとは思わない。それに、推奨するような買い置き、作り溜め、などの無駄はしない。平均寿命は過ぎた。寿命にはとんと執着しないから、これからも魚、野菜中心の食生活を続けるつもりだ。》

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2013年12月26日 (木)

安倍晋三 靖国詣で

 毎日新聞(12/26)から、要約と私見

 参照 首相 靖国参拝見送り 2013/07/
    靖国と安倍外交 2013/07/
    合祀から外し「家」の墓に 2006/04/

 安倍晋三は政権発足1年を迎えた26日午前、東京・九段北の靖国神社を訪問した。彼は靖国神社参拝に意欲を示してきたが、中国、韓国との関係改善を優先し参拝を見送ってきた。参拝を受け、冷え込んでいる中韓両国との関係のみならず、靖国参拝の自制を求めてきた米国との関係にも影を落とすと見られ、日本外交全体に大きな影響を及ぼすのは必至だ。

《歴史の上からは、中国、韓国との関係が問題ではない。日本人自身の歴史認識からは、戦場に向かわせ、死ぬことを命じた戦犯と、その戦犯に命じられて戦場に散った英霊とを、どう区別して参拝するのだろうか。最初に「国のために命を捧げて散ったあなたたち」、続いては「今日は東條たち戦犯を拝みに来たのではないのです」とでも言訳けしたのだろうか。それとも、どちらも死ねば神として祀られたんだから、皆一緒とでも考えているだろうか。》

 安倍は参拝後、記者団に「残念ながら参拝が政治、外交問題化している。その中において安倍政権の歩みを報告した。二度と戦争の惨禍に人々が苦しむことがない時代をつくる決意を伝えた」と語った。また、「中韓の人々の気持ちを傷つける考えは毛頭ない」と強調した。

《何と白々しいことか。隠している二枚目の舌で彼は、あわよくば憲法改正を実現させ、再び天皇を元首とし、国軍を持ち、女性兵士まで編成し戦場に送り出して戦わせることさえ考えているのだ。》

 現職の首相による靖国神社参拝は2006年8月15日の当時の小泉純一郎首相以来、7年ぶりとなる。

 靖国神社によると、安倍は献花し、「内閣総理大臣 安倍晋三」と記帳する予定という。首相周辺は「私的参拝」と語った。

 安倍は昨年の自民党の総裁選で、「第1次安倍内閣で首相在任中に参拝できなかったことは、痛恨の極みだ」と表明。その後も「国のために命を捧げた方々に尊崇の念を表することは当然」などと繰り返し述べ、在任中の靖国参拝に強い意欲を示してきた。

《テレビカメラは彼の参拝姿を映し出したが、何が私的参拝だ。税金を使い、公用車の周りをがっちり警護させて登場し、降りても身辺警護に固められて行動していたのだ。私的というのなら、単身で身軽に参拝すればいい。》

 一方、A級戦犯を合祀している靖国神社への参拝に強く反発している中国、韓国との関係を優先し、4月の春季例大祭、8月の終戦記念日、10月の秋期例大祭とも参拝せず、真榊と呼ばれる供え物や玉串料の奉納にとどめてきた。

 しかし、参拝を1年間見合わせたにも拘らず、中韓両国との関係改善は進まず、靖国参拝を今後見送ったとしても改善は見込めないと判断し、靖国参拝を決断したとみられる。

 安倍は第2次政権は経済成長を優先すると表明し、靖国神社参拝は当面見送るとの見方が強かった。菅官房長官や外交プレーンの谷内内閣官房参与ら周辺も、参拝は当面見送るよう安倍に求めていた。

 安倍が靖国神社に参拝したことで、安倍の歴史認識を問題視していた中国や韓国の反発は必至で、さらに関係改善への道筋は遠のいた。安倍に冷静な対応を求めてきた米国も、日本に対する不信感を再燃させるとみられ、日本外交全体への悪影響は避けられないとみられる。

 岸田外相は26日の閣議後の記者会見で、靖国の参拝について「承知していない」と事実確認を避けつつも「参拝は個人の心の問題だ。いずれにしても、こうした問題が政治問題化、外交問題化することは避けなければならない」と間接的に懸念を示した。

 安倍は、日米関係を日本外交の基本としている。日中。日韓関係の悪化を憂慮する米国内では当初、安倍を「タカ派」とみて警戒する見方もあったが、終戦記念日や秋期例大祭の参拝を見送ったことなどで、米国には安倍への信頼感も出ていた。それだけに、政府関係者も「唯一の頼みの綱の米国にそっぽを向かれてしまう」と危機感を募らせる。

 小泉純一郎が靖国を参拝した当時は、日米関係の悪化は招かなかったが、「小泉とブッシュの個人的な関係が強かったから大丈夫だった。安倍とオバマにそういう個人的な関係はない」と懸念する声もある。

 尖閣諸島や防空識別圏問題を抱える中国とは20日、岸田と程永華駐日大使が初めて公式会談し、対話による戦略的互恵関係の推進で一致したばかり、韓国とも17日、東京で外務次官級協議が行なわれ、外務次官同士の日韓戦略対話を年明けに行なう方向で調整していたが、それへの影響は確実だ。

《国民無視の国会運営や閣議決定で下り坂を滑り出した自民党の頭領として、起死回生の人気取りのつもりになったのか、切羽詰まったのか、靖国詣でとなった。第1次政権を握った時に感じた危険なキナ臭さ、ヒットラーにさえ酷似して見える唯我独尊の考えや行動には、一日も速い安倍の凋落、終焉を望んでいる。》

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2013年12月24日 (火)

復讐ポルノ被害甚大

 《性道徳など疾っくに捨て去られたような世相の中で、性風俗の話題やニュースは盛り沢山に次々に転がり出てくる。その場の雰囲気で簡単にくっつき、飽きれば簡単に別れる。今日もまた、どっちもどっちの下らない男と女たちの話題だ。女の一方的な被害、被害と大騒ぎになるが、起因は自分の蒔いた種でもあることを知ることだ。》

 毎日新聞から、

 元交際相手らのプライベート写真を、ふられた腹いせなどからインターネット上に流出させる「リベンジポルノ」が広がりつつある。スマートフォンなどの普及で簡単に画像のやり取りができることが背景にあるとみられ、交際中に裸の画像を求められた体験を持つ「被害予備軍」の少女らも少なくない。流出すれば完全な削除は不可能だけに、捜査関係者や専門家は「どんなに親しくても、撮らせないで」と警告する。

 「交際を継続しないと写真をばらまく」。警視庁は7日、元交際相手の女性を脅したとして、東京都青梅市の無職の男(30)を強要未遂容疑で逮捕した。男は約7年前から都内の30代女性と付き合っていたが、別れ話を切り出されたことに立腹し、交際中に撮った女性の裸の写真4枚を携帯メールで送りつけたとされる。女性がすぐに相談し、ネットへの流出は避けられた。

 ネットが身近な子どもたちの世界は、さらに深刻だ。通学客が行き交うターミナル駅の東京・秋葉原。今月上旬、女子高生ら約40人に聞いたところ、約8割が交際相手から裸の画像を求められた経験があると話した。

 高3女子(18)は、中学時代から数ヶ月前まで4年間つき合った10歳上の男性に頼まれ、全裸や下着姿の写真を送ったことがある。「彼氏だから断る理由もなかった。独占欲が強い人だったので他人には見せられない画像が欲しかったんだと思う」。流出の不安がないのか尋ねると「そんなことをする人じゃないので怖くない」と答えた。

 別の小3女子(18)は、出会い系サイトで知り合い、交際した同学年の高校生から「胸の写真がほしい」とせがまれた。考えた挙げ句、「別れた後のことを考えると、写真を送るのは怖い」とネットで見つけた他人の画像を送った。

 警視庁によれば、交際相手以外にも、LINE(ライン)やツイッターなどで知り合った男に「住所をさらす」などと脅され、画像を要求されるケースもある。同庁は今年1〜10月、18歳未満の少女に裸の写真を送らせたとして計21人を児童ポルノ禁止法違反容疑で摘発したが、リベンジ(復讐)ポルノの適用罪名は強要や名誉毀損などケース・バイ・ケースで摘発件数は集計していない。

 捜査幹部は「画像を渡した後ろめたさや恥ずかしさから、本人が警察に相談に来ることはほぼない。事件化しているのは本当に氷山の一角」とみる。

 「特定の人しか見られないサイトヤ」ラインで画像をさらされ、本人さえ気づかないこともある。実際の被害はもっと多いはず」。そう話すのは民間相談機関「全国webカウンセリング協議会」(東京都港区)の安川理事長だ。子どもたちをリベンジポルノから守るにはどうすればいいのか。

 安川理事長は保護者や学校などの役割として、流出して困るような画像の撮影はしないことを徹底させた上で「自身もネットの知識を増やし、使い方について子どもと話し合うことが重要」と指摘する。最近はゲーム機や携帯音楽プレーヤーでも画像のやり取りができる。画像が流出した場合は、警察や相談機関を通じてなるべく早くサイト運営者に削除要請することが必要だ。協議会に寄せられる問い合わせは、年間10件程度だった3年前から今年は約50件に。画像を求められた女子中高生らが「嫌われたくない」との心理から送信し、被害に遭うケースが目立つという。

 警察当局は猥褻物頒布や名誉毀損罪など既存の法律による取り締まり強化で対応する方針だが, 米カリフォルニア州では今年、最高6カ月の禁固刑を科すなどリベンジポルノ自体を処罰する法律が制定された。また、自民党女性局は今月12日、勉強会を設置し、サイト管理者に画像削除を義務づけるなど新たな方整備も含め対策を検討するとしている。
 
 

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2013年12月23日 (月)

52歳。性交痛は年齢のせいか

 毎日新聞 掲載日は前後するが、”Dr.北村の女性クリニックへようこそ”から、

 《いよいよ毎朝配られて、子どもの目にも触れる新聞紙面も、52歳のおばさんの女性週刊誌並みのセックス性交記事で埋められる時代になった。》

 ☐性交痛について教えてください。回数が少ないから起るのか、それとも年齢によるものなのか、夫は若い時から前戯には熱心ではありません。(52歳・女性)

《文脈から推量して、セックスのノウハウも熟知した経験豊富なご夫婦の間の問題のようだが・・・・・》
 回答は同じく、(日本家族計画協会クリニック所長・北村邦夫)

 私どもの協会が2012年、日本のコンドームメーカー「ジェクス」の依頼で行なった調査「ジャパン・セックス・サーベイ」によれば、「セックスの時に痛みを感じるか」の問いに、「いつも痛い」は未婚50代の12・8%、既婚60代の12・3%と高いものの、「だいたい痛い」「たまに痛い」を加えると、未婚女性では若い世代ほど性交痛を経験していることが分かります。性交痛は中高年女性の訴えが多いという従来の常識が覆される結果となっています。

 性交痛の一因は、性的興奮に伴って起る「ぬれる」状態になるまで待てずに、男性が挿入することが考えられます。女性の場合、性的興奮が高まると血液が骨盤腔にドーッと流れ込んで、膣腔全体を取り巻く毛細血管が拡張し充血が起り、血管壁が開いて隙間ができ、そこから潤滑液がポタポタと膣内に垂れることになります。専門書には「額にかく玉のような汗に似た形状」と書かれています。

 したがって、性交痛が起きるのは、中高年女性では動脈硬化が進行している場合か、若い男性が、相手が濡れていないのに、はやる思いを抑えられず挿入することが原因と思われます。もちろん、「性は脳なり」ですから、「避妊もできない」「性感染症予防にも無頓着」では、「この男、信用できないぞ!」と脳から指令があり、セックスを楽しめず、性交痛に悩まされることになるわけです。

 さらに、性交痛がある女性に「痛みをパートナーに言葉や態度で伝えているか」を聞くと、「伝えている」は女性の34・0%(未婚33・5%、既婚34・2%)でした。痛みの程度と「痛みを伝えているか」のクロス集計を試みますと、「いつも痛い」女性は、「伝えている」「ある程度伝えている」の割合が高いものの、統計的に有意な差は認められませんでした。痛みを伝えられないようでは、いいセックスはできるはずもなく、性交痛があると、結局は性的満足が得られない結果になっていることが分かります。

 では、性交痛にどう対処したらいいのでしょうか。

 動脈硬化が進行していないかぎり、念入りに時間をかけて性的興奮を導けるかにかかっています。それでもうまくいかない、あるいははやる気持ちを抑えられないのであれば、いかに「ぬれた」状態をスピーディーに作れるかです。例えば、唾液は有効です。下手に薬用クリームを使ってはいけません。日本人の場合、潤滑ゼリーを使う方が多いという結果も得られています。

 

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2013年12月22日 (日)

35歳の草食息子が心配

 毎日新聞(12/22)”Dr.北村の女性クリニックへようこそ”から、

 35歳にもなって、異性にまったくと言っていいほど関心がない長男が心配です。結婚の「け」の字の気配もありません。最近話題の「草食男子」でしょうか。<60歳母から>

 [回答は、日本家族計画協会クリニック所長、北村和夫]
 2010年に僕自身が実施した日本人の性意識・性行動調査「第5回男女の生活と意識に関する調査」で国内外のメディアの関心を最もさらったのが、若い男性の草食化についてでした。具体的には、セックス(性交渉)をすることに「関心がない」「嫌悪している」は、08年と10年との比較では16〜24歳の男性では2倍ほど、25〜29歳で1・5倍ほどに増加するという結果が出たからです。これが「第6回調査」(12年)になると、男性の16〜19歳では29・8%と前回から6・3ポイント低下ものの、20〜34歳では前回より増えたことがわかりました。特に30代前半の男性は、一挙に2・3倍増となっています。これは第5回調査で草食化とくくられた世代が年齢を重ねた結果ともいえます。

 参照 ここまで来ている「草食男子」 2013/10

 20代男性の特徴をさらに分析すると、年齢が若く経験年数が短いとはいえ、「たばこ離れ」「アルコール離れ」が見て取れます。「もともと吸わない」は20〜24歳の52・3%、25〜29歳では40・0%。1週間の飲酒量も「飲まない」が20〜24歳47・7%、25〜29歳41・2%と高率です。携帯やスマートフォンの維持にお金がかかり過ぎて、余裕がないのではと指摘する専門家もいます。これらをみると最近の若者たちは、「酒の過ち」とか「酔っぱらった振りをして」などきっかけにした男女交際は難しくなっているのでしょうか。経済的にも余裕がないわけですから、ワイン片手にフランス料理を楽しむこともできず、女性を口説き落とすことなど夢のまた夢なのかもしれません。

 《調査時期や項目によって、16、20、25〜19、24、29、34歳と、年代によっても世代分類がバラバラで重複する世代もあったり、それぞれのグループの人数も不明だったりして、大雑把過ぎて分析資料としてもいいものかどうか。》

 拙著「セックス嫌いな若者たち」を著するに当たり、20〜30代の男性10人ほどに取材を重ねた。その結果は、
 ▽失敗を恐れている
 ▽メールのやり取りは得意だが異性と面と向き合い話をするのが下手
 ▽仕事に熱中し異性に眼がいかない
 ▽性的欲求はマスターベーションで満足している
 ▽結婚は自由が奪われる面倒な生活だと考えている
などに集約されます。これでは夢も希望もありません。一方、20代の女性はたばこを習慣的に吸っている割合が他の年代に比べて高いこと、酒も「飲まない」割合が低いことが気になります。「若い女性の男性化」が起っているのであれば、これからは女性が男性を口説き落とす番になったのかもしれません。最近では「草も食べない男たち」と更にエスカレーとしているようです。こうなったら、「草食息子」さんには「食われておいで」とでも伝えてください。
 

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2013年12月21日 (土)

増え過ぎたエゾシカ、駆除してライオンの餌に

 毎日新聞(12/21)から、

 多摩動物公園(東京都日野市)は、北海道で駆除したエゾシカの肉を、国内で飼育するライオンの餌に活用する検討を始めた。シカ肉は高蛋白、低脂肪でライオンの肥満防止に役立つ上、試食させたところ食欲も旺盛だった。駆除された野生動物の肉を動物園が餌に使うことは極めて珍しい。野生動物による農作物や山林の被害が全国的に広がる中、新たな取組みとして注目を集めそうだ。

《何も悪事を働いたり、被害を与えたりしない牛や豚、鶏らを殺して喰らう人間が、捕らわれて飼われるライオンに食べさせる餌について、文句を言う道理はない。改良して食べられるなら、私は、ライオンに与える前に肉好きになった日本人の食卓に並べることを提案したいくらいだ。》

 農林水産省と北海道によると、2011年度の野生鳥獣による農作物の被害額は全国で226億円。内訳の第一位はシカ(約83億円)で、うちエゾシカが77%を占めた。エゾシカは1頭から約20キロの食用肉が取れるが、冬期の脂が乗った肉のほかはあまり人に好まれない。11年度に北海道で狩猟・駆除された約13万5000頭のうち、食肉処理されたのは約1万9000頭と14%ほどしかなく、肉の流通量は乏しい。

《日本の食品材料の改良、加工レベルからは、鹿肉を美味しく食べられるように加工することなど、それこそ朝飯前のことだろうに。》

 こうした状況を受け、北海道浜中町のNPO法人「えんの森」前事務局長の河原淳(54)が「エゾシカ肉を動物の餌に活用できないか」と同公園に提案した。今年9月まで計9回、ライオン、トラ、ユキヒョウにエゾシカ肉を与えてみたところ、特にライオンがよく食べたという。

 同公園はライオン16頭(雄5、雌11)を飼育し、2日に1回、馬肉8〜5キロ、ニワトリの頭3〜2・5キロを与えている。ブラジルなどから輸入する馬肉(年間約36トン)のうち約3トン分をエゾシカ肉に変更できるか検討中だ。

 同公園と浜中町は、町に生息する世界最小級の哺乳類「トウキョウトガリネズミ」の共同研究をきっかけに07年、野生動物の保全に関するパートナーシップ協定を結んだ。昨年5月に町を訊ねた田畑園長
(60)が町幹部や河原氏と懇談した際、「駆除したエゾシカの処理に困っている」という話題になり、今回の提案につながったという。

 河原は「駆除したエゾシカを動物園で有効活用できればハンターの雇用にもつながる。野生動物との新たな関わりとして全国に提案したい」と語る。

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2013年12月20日 (金)

教員の懲戒免 最多206人

 毎日新聞(12/18)から、

 2012年度に懲戒免職処分になった公立校の教員は206人(前年度比26人増)と初めて200人台になり、1961年度の調査開始以来最多となったことが文部科学省が17日公表した教職員人事行政状況調査で分かった。わいせつ行為での免職は18人増の119人で、之も過去最多。一方、うつ病など精神疾患で休職中の教員は4960人で、5年ぶりに5000人を割ったが、依然高水準が続いており、文科省は復職支援を強化する。

 12年度に処分された教員は1万827人で、前年度(4319人)から2・5倍に増えた。内訳は免職206人(前年度180人)▽停職149人(同157人)▽減給247人(同188人)▽戒告366人(同335人)▽訓告など(懲戒以外)9859人(同3459人)―。急増理由は、勤務時間中に組合活動をした北海道の事例や体罰実態調査で多数の不適切な指導事案が発覚したため。

 主な免職理由は、わいせつ行為119人(同101人)▽交通事故46人(同42人)▽体罰3人(同0人)。

1_2 一方、精神疾患で休職中の教員数は、前年度から314人減って4960人になった。学校別では中学校と特別支援学校で多く、年代別では年齢層が上がるに従い休職率が高い。文科省は「社会や子どもの変化について行けず、孤立するベテランが多いのではないか」とみている。

 昨年度末までに休職状態であった教員の4月1日現在の状況は、休職継続41%(2049人)▽復職38%(1902人)▽退職20%(1009人)で、前年度より復職の比率が若干増えた。文科省は、各教育委員会に、職場復帰させて徐々に通常勤務に戻す「試し出勤」や、休職中・復職後にチームで支える態勢作りを働きかける。

 「心の病」で休職する教員への支援策は広がりつつある。各教育委員会が復職プログラムを整えてサポートを強化し、年度内に復職した教員は1902人に上った。だが年間で5000人前後の高水準が続く。「休職者数は氷山の一角」との見方もあり、さらなる充実を求める声は切実だ。

 東京都内の公立小の40代教諭は復職プログラムの成果もあり、2年の休職後に復職できた。クラスが「学級崩壊」状態で対応に苦慮。複数業務で責任者となったことも重なり、めまいや動悸を覚えた。医師にストレスを指摘され、夏休みに休職を決断した。半年間は外出できなかったが、医療機関の復職プログラムに参加。「同じ立場の人と交流して復職がイメージできるようになった」。最近、念願の復職を果たした。

 文部科学省によると、全都道府県・政令市教委が段階的に仕事を増やしてより円滑な復職につなげる復職プログラムに取り組み、51教委が復職後に産業医の面談などを実施している。東京都教職員互助会が運営する三楽病院精神神経科(千代田区)の真金部長は「再発防止を含めた復職支援をさらに充実させるべきだ」と強調する。

 一方、予防策の重要性も増している。NPO法人「NIWA教育相談室」(大阪市天王寺区)の丹羽代表理事は「休職寸前の人は発表数の何倍もいる。予防こそが重要だ」と指摘する。生徒や保護者への対応は過去の蓄積が生かせるとは限らず、職場で孤立するケースもある。丹羽は「自身の仕事で手いっぱいで助け合えない職場環境を変えなければならない」と強調する。

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2013年12月19日 (木)

ドライバー「認知症予備軍」急増

 毎日新聞(12/19)から、

《私自身は網膜剥離後の視野狭窄と、白内障の進行とで、他人を傷つけることになるのを恐れ、2年前に80歳の肉体は頑健のまま車を離れた。高齢化の進行と同時にドライバーに限らず認知症人口も増加するのが普通のことだろう。ドライバーに限れば事故の発生率もそれに伴って自然に増加して行く。ドライバー自身だけの事故で終わればそれで済むことだが、周りを巻き込むことが一番恐ろしい。車を離れて生活の足を奪われる恐れはあるが、事故が起こってからでは遅い。そこは国や自治体の知恵が問われるところだ。》

 満75歳以上の高齢ドライバーが運転免許更新の際に義務づけられている「認知機能検査」が今年度から変わり、「認知機能低下」と判定される人が急増しつつある。認知症ドライバーによる事故を防ぐため、警察は医療との連携を摸索する。一方、認知症と診断されて生活の「足」である車の免許証を失う高齢者の生活をどう支援するかも大きな課題だ。

 「皆さんとの連携がないと、認知症の高齢者の早期発見はできません。ご協力をお願いします」。3日に大分市で開かれた大分県警主催の会議で、運転免許課の山本警部が約30人の医師を前に力説した。

 続いてマイクを持ったのは、認知症診断の経験豊富な精神科の釘宮医師。スライドに「昨日の夕食のメニューが分からない」「右と左の識別ができない」など、特徴的な認知症の68症状をスライドに映し出し、解説を加えて行った。

 認知機能検査で「認知機能低下」と判定された人は、その後一時不停止など特定の交通違反をすると、医師による「臨時適性検査」を受け、そこで認知症が確定すると免許取り消しとなる。検査の前に自主返納する人も多い。検査には医師の協力が欠かせないため、県警が県医師会に呼びかけ。両者が連携を図る会議を設置した。

 6回目となるこの日の会議には、青森、長崎両県警の担当者が刺殺に来ていた。青森県警の担当者は「対応が後手に回らないようにしたい」と真剣な表情で聞いていた。

 認知症になると、記憶障害が起きたり、空間を把握する能力が衰えたりする。周囲の状況の合わせて適切な判断が求められる車の運転には危険を伴う。

 2009年6月から始まった認知機能検査は、満75歳以上を対象に、運転免許の更新時に記憶力や判断力の低下を調べる。「今年は何年ですか」と時間の感覚を試したり、数種類の絵を約5分間示して記憶させ、7分かけて絵の内容を答えてもらったりする。

 従来の検査では検査の配点の偏りから、記憶力の低下が十分に評価できないとの声もあり、警察庁は今年9月、絵の記憶検査の配点を重くするなど、採点方法を大きく変えた。警察庁は、記憶力の衰えがこれまで以上に検査結果に反映されるようになり、機能低下判定が従来の2倍強に増えると予想している。

 変更から3カ月、まだ統計は出ていないが、大分県では9〜11月、認知機能低下の判定は前年同期比で5倍以上に急増。「警察庁の予想を上回る数になっている」(青森県警)、「実感として確実に増えている」(広島県警)との声は全国的に上がっている。

 認知症が疑われる高齢者が増えれば、日頃から患者と接しているかかりつけ医の役割が、今以上に重要になる。

 だが、医師にとって、認知症の診断はただでさえ難しい。さらに、運転免許取り消しにつながる重い判断を強いられることに、心理的な負担を感じる医師も少なくない。

 大分市のある医師は「地方では、車は『生活の足』。運転できなくなると、買い物にも行けない。認知症と診断するのは忍びない」と苦痛をにじませる。

《同情で認知症に目をつむり、そのことが事故の原因となった時、医師は責任が取れるのならそれもいい。しかし、認知症のまま運転することはそのまま、車は「走る凶器」となる場合があるのだ。》

 運転免許を失った高齢者の支援に取り組む認知症専門医の浦上・鳥取大学教授は「免許を失うと自分で通院や買い物ができなくなり、他人との交流が減るなどしてかえって症状が悪化してしまう」懸念。「日用品の宅配サービスなどの生活支援を広げて行くとともに、高齢者が少しでも長く運転を続けられるよう、認知症になる前の段階で予防することも大切だ」と訴えている。

 ✦釘宮医師作成「認知症診断の手引」(1グループそれぞれ4〜9項目ある)
▽記憶の障害
 •今日は何月何日か分からない
 •昨日の夕食のメニューが分からない
 •年齢・生年月日がわからない
 •記憶の欠損を薄めるために作り話をする
 •会話中に話や質問を何度も聞き返す

▽言語の要害(省略)
▽失認(同)
▽見当識障害(同)
▽失行(同)
▽実行機能の障害(同)
▽人格・感情の障害(同)
▽思考・意識の障害(同)

▽問題行動
 •大声や奇声を発し続ける
 •叩く,蹴る、つねるなどの暴力行為がある
 •万引き、窃盗、収集などの行為がある
 •ペニスを出す、裸になるなど性的逸脱行為がある
 •どこにでも大・小便をする
 •食べものを抑制なく食べる(過食)
 •食事は口を開けずに食べることを拒む(拒食)
 •人のものまで取って食べてしまう(盗食)
 •食べられない物を食べる(異食)

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2013年12月18日 (水)

女性器切除許せない

毎日新聞(12/14)から、

《紙面のページを繰り、眼に飛び込んできた大きな活字「女性器切除」に驚いた。家族に娘でも居たら、慌てて紙面を閉じていたろう。まだ後進国を「未開の国」と言っていた私の若かった頃だが、男性器の包茎を切除する割礼(1640年ごろ、グイド・レーニが生誕間もないキリストの割礼の儀式を描いた画もある)は聞いていた。しかし、同時に女性器の割礼も耳にしたが、何をどうするのかは全く未知の世界だった。》

<Wikipedia から>
  女性器切除(じょせいきせつじょ、Female Genital Mutilation、略称FGM)あるいは女子割礼(じょしかつれい、Female Circumcision)とは、主にアフリカを中心に行われる風習であり、女性器の一部を切除あるい切開する行為のことであり成人儀礼のひとつ。女性器切除とはこの風習に対して虐待であると批判する人々が使う呼称であり、一方で批判の文脈とは独立に、男性器の包皮切除を行う男子割礼と同等の儀礼であると考える文脈では女子割礼の語が主に使われる。

 概要
 歴史的に見てFGMは2,000年もの間、赤道沿いの広い地域のアフリカで行われてきた。現在ではアフリカの28カ国で、主に生後1週間から初潮前の少女に行われる。アフリカの人口増加に伴い、以前より多くの少女達が性器切除を施されている。

欧米においては、この慣習の存在する地域から移民した人々の間においてもFGMが広く行われていることが昨今の調査で明らかになり、それに対して法的な規制を制定する国も増えてきている。

ムスタファ・アキオル:イスラムにおける信仰と伝統の対立
目的

大人の女性への通過儀礼。
結婚の条件とされている。
結婚まで純潔・処女性を保てると信じられている。
女性の外性器を取り去り性感を失わせることで、女性の性欲をコントロールできると信じられている。
ソマリアでは、「女性は二本の足の間に悪い物をつけて生まれた」と言われており、陰部封鎖させる。

 名称
 女子割礼、女性性器変質あるいは女性性器の切れ込み (Female Genital Cutting) 等、この風習を呼び表すために様々な言葉が用いられてきた。そんな中、1990年に開催されたインター・アフリカン・コミッティ(IAC)の総会において、今後は女性器切除(Female Genital Mutilation)という名称を用いることが決定された。これは、「割礼」という表現がFGMの本質である性器の切除という事実を正確に伝達するものではないばかりか、むしろ、その非人道性を曖昧にしてしまう点を改善しようとするものである。現在このFGMという呼称はEUやアフリカ連合等で正式に採用されている。

     分布
1_4  定義と分類

 国際会議などでは、WHO(国際保健機構)の定義を使うことで同意されている。

 ▽タイプ1:クリトリデクトミー(clitoridectomy)
クリトリスの一部または全部の切除。
 ▽タイプ2:エクシジョン (excision)
クリトリス切除と小陰唇の一部または全部の切除。地域によっては出産を楽にするためとしてさらに膣が切除されるが、実際には逆に困難にしてしまう可能性が高い。伝統的に成年に達した際の儀式として行われるが、最近では若年化が進み、もっと幼い少女に行われる。FGMを受ける少女のうち、タイプ1とこのタイプを合わせて約85%である。
 ▽タイプ3:陰部封鎖(ファラオリック割礼、infibulation)
外性器(クリトリス、小陰唇、大陰唇)の一部または全部の切除および膣の入り口の縫合による膣口の狭小化または封鎖。その際尿や月経血を出すための小さな穴を残し、少女の両脚をしっかり縛って数週間傷が治るまで固定する。主に4歳から8歳の少女に行われ、こちらも若年化が進んでおり、生後数日に行なわれた例もある。FGMを受ける少女のうち、約15%がこのタイプになる。
 ▽タイプ4:その他の施術(タイプ1-3に属さないもの)
その他、治療を目的とせず、文化的理由のもとに、女性外性器の一部あるいは全部を削除し、あるいは女性の生殖器官を意図的に傷つける行為のすべて。

 性器切除に伴う体への弊害
先述の施術方法で行われることが多いため、大量出血、施術中の激痛、回復まで続く痛み、様々な感染症などを引き起こす。また、手術中のショックで意識不明や死亡に至る場合もある。
後遺症としては排尿痛、失禁、性交時の激痛、性行為への恐怖、月経困難症、難産による死亡、HIV感染の危険性などが挙げられる。
痛みを恐れて排尿しなかったために逆に一回の排尿量が増えるため、尿が傷口を刺激し、さらに痛みを増すという。
陰部封鎖の場合、結婚初夜に夫が縫い閉じられた陰部を切り開く部族がいる。自力で花嫁の陰部を開いて性交を果たせなければ面目を失うという。

 国際的世論と廃絶
国際社会において、特に1970年代頃から著しい女性虐待であるとして非難の声が強く上がっていた。対する当事国では、そうしたプレッシャーは自国の文化を否定するものとして、文化相対主義的論議が起こった。しかし昨今では国際的世論とアフリカ連合内からの廃絶の声とが手を取り合った動きが活発化し始めている。2003年7月11日にはモザンビークの首都マプトにおいて、女性器切除の含めたあらゆる性暴力、性差別を禁じ、男女同権を定めた、人及び人民の権利に関するアフリカ憲章に関するマプト議定書 (Maputo Protocol) が採択された。(2011年現在署名46カ国、批准28カ国)
最近の動向では、西アフリカの指導者や、ケニアでは性器切除を禁止しているものの、その後まったく実効が上がっていない。
FGM廃絶の国際運動を行っているワリス・ディリーが1999年発表したデータによると年間に200万人、日間に5500人近い少女が性器切除を受け、性器切除された女性は1億3000万人以上で、累計では13億人にも達すると推定している。
女性器切除廃止のための女性団体、La Palabre(ラ・パラーブル)が設立された。同団体の欧州メンバーとして性器切除、性的暴力や強制結婚を綴った自伝「切除されて」の著者であるキャディ・コイタがいる。

【閑話休題】
 北東アフリカなどに残る女性器切除(FGM)の習慣が、移民の増加で英国内に広がっている。恥ずかしさや周りからの圧力でその体験を公表する女性が少ない中、英国の弁護士でソマリア系移民のニムコ・アリ(29)は昨年、自身のFGM体験を公表し、その撲滅を訴えている。アリさんに体験を聞いた。
(聞き手・小倉孝保*ロンドン)

 ‥‥ どうやってFGMを?

 ✦ 7歳の時だった。当時、英マンチェスターに住んでいた。母の出身地であるソマリア北部に帰ると、会ったこともない不気味な女性が家に着た。何をされるのか説明されないまま性器を切られた。

 ‥‥ 痛みは?

 ✦ 切除される前に麻酔薬を飲まされた。そのため肉体的な痛みは覚えていない。処置が終わって最初にトイレに行ったとき、痛んだ程度だ。自分の体に何が処置されたのかわからなかったため精神的には苦痛で、処置について知りたいという気持ちから混乱した。

 ‥‥ 英国に帰ってからは?

 ✦ 教師に相談したが当時、ほとんど関心を持たれず、教師から「あなたたちの文化だ」と説明された。しかし、その後、自分が性器を切除されたと知って怒りが湧いてきた。何の説明もなくバカげたことをされたと知り、今も精神的な苦痛を感じている。

 ‥‥ 公表した理由は?

 ✦ 昨年、同じ経験を持つソマリア系女性と会った。彼女はFGMをなくすため自分たちの体験を多くの人に聞いてもらうべきだと考えていた。私も同じ思いを抱いた。勇気ある女性を孤立させるべきではないと思い、体験を語る活動を始めた。

 ‥‥ 家族の反応は?

 ✦ 今も公表や撲滅活動に反対している。なぜ私が怒っているのか、家族は理解していない。しかし、若いソマリア系女性に私と同じ思いをさせたくないから、(家族の反対を押して)活動を続けている。

 ‥‥ 異なる習慣・文化を尊重すべきだとの声もあるのでは?

 ✦ FCMは女性の能力を発揮することを妨げるもので、男性が女性を管理するための習慣だ。本人の選択の機会も与えていない。私にとってはレイプ同様、女性への暴力だ。

 女性器切除は、ソマリアやエジプト、スーダンなどアフリカに残る習慣。結婚前に性交渉しないことや性欲を抑えることなどを目的としているとされ、主に10代前半の女性が処置される。不衛生な場所で医学的知識のない者が処置を行なうことがあるため、障害が残ったり死亡したりするケースもる。また、麻酔なしで処置され、トラウマ(心的外傷)の残ることもある。

 アフリカ移民の増加で1980年代以降、欧州各地で社会問題になり、英国は85年、特別法を制定して英国内でFCM処置をすることやFCM目的で子どもを海外に送ることも禁止した。しかし、事実の把握が難しいことや親の責任を追及することになるため、過去に起訴されたケースはない。こうした現状に」英議会(下院)内務特別委員会は来年1月、FCMの刑事責任追及がなされない原因などを探る公聴会を開催することを決めている。ロンドンだけで過去3年半に2世や3世を中心に移民女性約2000人がFCM関連の治療を受けたとされる。国連やアフリカ連合(AU)は、女性虐待に当たるとしてFCMの撲滅を目標に掲げている。

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2013年12月17日 (火)

田中理恵が引退

 毎日新聞(12/17)

 参照 ロンドン五輪 2012/04/

《またまた、子どもばかりが飛び回る女子体操がつまらなくなる。》

 ロンドン五輪代表女子代表の田中理恵(26)=日体大教員=が現役を引退することが16日、明らかになった。関係者によると、すでに日本体操協会へ報告。17日に正式発表し、19日に記者会見を開く見込みという。

 田中は和歌山北高出身で、日体大から同大学院に進んだ2010年に23歳で世界選手権に初出場。美しい演技を披露した選手に贈られる「エレガンス賞」を、日本女子で初めて受賞した。昨年は4月の全日本選手権、五月のNHK杯でともに初優勝を果たし、兄の和仁(徳洲会)、弟の佑典(コナミ)と三きょうだい揃ってロンドン五輪に出場。女子の団体総合8位入賞に貢献し、個人総合は16位だった。

 昨年12月の豊田国際大会の後は、持病の腰痛もあり選手活動を休養。今春には日体大児童スポーツ教育学部の教員となり、20年東京五輪の招致活動にも加わった。

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2013年12月16日 (月)

食物アレルギー45万人(公立校調査)

 毎日新聞(12/16)から、

1 sy供物アレルギーを訴える公立小中高校生は4・5%(45万3962人)で、9年前から約2ポイント増えたことが16日、文部科学省が公表した実態調査(速報値)で判明した。アレルギー症状を緩和する自己注射薬「エピペン」所持者は0・3%(2万7312人)だが、病状や対処法をまとめた管理指導票を学校に提出していたのは3割だった。また、約6%の学校で給食の「誤飲」が発生していたことも判明。同省は調査結果を有識者会議で検討し、年度内に対策をまとめる。

 文科省は、昨年12月に東京都調布市市立小で5年女児がアレルギー食材を含む給食を食べて死亡した事故を受け、実態把握に着手。全公立小中高校でアレルギー疾患について集計した健康管理調査(8月時点)と給食対応調査(5月時点)を実施した。

 健康調査では、2004年6月の前回調査と比べ件数が増加。じんましんや腹痛、呼吸困難などが同時発生する「アナフィラキシー」経験者は0・5%(4万9855人)で、前回より0・4ポイント増えた。学校生活管理指導表、診断書など的確な対応に必要な書類を学校に提出していたのはアナフィラキシー経験者の37%、エピペン所持者でも31%しかいなかった。また、約5年間でエピペンを使ったのは408件(小学校252件、中学校71件、高校36件、不明49件)で、児童生徒本人が使用122件、▽保護者114件、▽学校教職員106件、▽救急救命士66件――だった。

 今回初実験の給食対応調査は、小中学校で計579校を抽出。配膳や調理時のミスによる誤食事例が34校(発生率5・9%)で40件あったが、いずれも症状は軽かった。

 有症者増について文科省は「実際の患者増加に加え、アレルギー問題に敏感な風潮も反映しているのではないか」と説明している。

《アレルギー体質の子どもを持つ親は、正確な情報を学校に届けておくことだろう。同時に、誤飲などを防ぐためには子どもには分かりやすく自分の体質のことを教え、口に入れていいものといけないものを理解させておくことだ。それが保護者としての最低限の子どもへの愛情の示し方だろう。》
 

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2013年12月15日 (日)

改正道交法12月1日施行、自転車の右側通行 8割で禁止

 毎日新聞(12/15)から、

 『ミラクル・サイクル・ライフ』TBSラジオで毎週日曜日、午後6時半から放送(自転車協会)

1 今月1日、自転車に関するルールが大きく変わった。改正された道路交通法が施行され、それまで道路の左右どちらでも走ってよかった路側帯が、左側通行に限定された。番組進行役で自転車愛好家の疋田氏(47)の解説。

 まず、路側帯とは、「細い道路に引かれた、いわゆる簡易歩道」のこと。そもそも路側帯は歩道が設置されていない道路にあり、住宅街にある生活道路に設けられている。

 改正前の道交法は、どちらも通れたため、双方向通行になる。これは「正面衝突や交差点での出会い頭の事故を引き起こす危険性が高い」と指摘する。例えば、左側走行しているときに、右側走行してきた自転車と出くわし、危ない思いを経験したことが度々あるだろう。

 国土交通省などによると、2010年の自転車関連死傷事故の64%が、路側帯のあるような生活道路で発生しているという。車、自転車、歩行者間の距離が近く、混在した形で通行していることが多い。交差点の見通しも悪く、自転車が路側帯を左右どちらも走ることができる状況は、事故発生の可能性を高めると指摘されてきた。

 氏は今回の法改正について「実はこれでほとんどの道路で自転車は左側通行になる」とその意味合いを説明する。全国の道路約120万キロのうち、歩道のない道路は約100万キロ。このうち路側帯のない、つまり車道しかない道路はもともと自転車は左側通行と決められていた。自転車レーンも同様だ。そして今回、路側帯も左側通行になり、結果的に全国の道路の8割で自転車の右側通行が禁止になった。

 歩道上の自転車の一方通行化には至らなかったが、疋田氏は「自転車の一方通行は世界の常識で法改正はようやくという思い。このままいけば、20年の東京五輪までにはこのルールが徹底され、海外旅行客をもてなす条件の一つが整うかも知れない」と期待を込める。  ・・次回に続く。

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2013年12月14日 (土)

懲りないアメリカ  - 2 -

 毎日新聞(12/14)から、

 参照 米銃規制、廃案に(「恥ずべき日」とオバマ大統領)2013/04

《毎年決まったように発生する銃乱射事件。その度に追悼式典も行われるが、形だけですぐに又忘れたように事件は繰り返される。それどころか「自衛」対策が必要としてますます銃社会は膨れ上がろうとしている。民主主義国家とはほど遠く、多民族国家の病巣として、人間不信の根は深いようだ。今後は自衛を口実に、ますます社会に広く、深く銃器は浸透して行き、簡単に一触即発の事件が増えて行くに違いない。》

 児童ら26人が射殺された米東部コティチカット州小学校銃乱射事件は14日に発生から1年を迎える。12日には首都ワシントンの大聖堂で追悼式典が行われた。一方で事件後、自衛を目的に多くの州で銃規制が緩和されており、「銃社会」が抱える問題の複雑さを浮かび上がらせている。

 事件は12月14日、アダム・ランザ容疑者(当時20歳、現場で自殺)が同州ニュータウンのサンディフック小で銃を乱射。26人の犠牲者のうち20人は6〜7歳の1年生だった。12日の式典で、児童らとともに殺された教諭、ローレン・ルソー(当時30歳)の父ジールは「愛する者たちを思い出し、世界をより平和な場所にすることを求めて集まったのです」と語った。ニュータウンの人口は3万人足らず。遺族と住民の心情を考慮し、町当局者は今月9日の記者会見で「今日以降、(報道を)自制し、平和で静かな時間を過ごさせてほしい」と要請した。米CNNテレビなど大手メディアは、14日は現場からの報道を控えるという。

 米社会に衝撃を与えた事件だったが、銃規制の動きはむしろ後退した。連邦議会上院は今年4月、銃購入者の身元調査を強化する法案を否決。またニューヨークタイムズ紙によると、事件後、全米で109の銃関連の州法が成立したが、うち70は学校職員の校内への重持ち込み許可など銃規制を緩和するものだった。販売禁止対象となる銃器の範囲拡大など規制強化を目的とした州法は39にとどまる。銃規制が進まない背景には、全米ライフル協会(NRA)など圧力団体の存在もあるが、一般の米国民に「自衛」の精神が根強いこともある。

 そして、発砲事件のニュースは待つ間もなく飛び込んでくる。

 米西部コロラド州デンバー郊外センテニアルにあるアラバホ高校で13日午後12時半(日本時間14日午前4時半)ごろ、男子生徒が散弾銃を発砲し、生徒1人が重傷、1人が軽傷を負った。容疑者の男子生徒は校内の教室で自殺した。

 男子生徒は事件直前、特定の教師の名前を叫んで、居場所を捜していたとの情報があり、保安官事務所は教師に恨みを抱いていた可能性もあるとみて動機を調べている。同校の西方約13キロには1999年に13人が死亡する銃乱射事件が起きたコロバイン高校が、約22キロ北方には昨年7月、大学院生が銃を乱射し、12人が死亡した映画館がある。

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2013年12月13日 (金)

何とバカ親の多いこと

 毎日新聞(12/13)から、

《今日は、13日の金曜日、西洋では昔から3流映画のテーマになって観客を怖がらせて喜ぶおかしな風習がある日だ。》

 国民生活センター(東京都港区)は12日、オンラインゲームを利用した子どもの関する今年度(4月1日〜11月15日)の相談件数が、前年度同期の約2・5倍の1341件に上り、2009年度の集計開始以来最悪のペースで増加していると発表した。高額請求などが中心で、契約購入金額は計2億7000万円分。子どもにスマートフォン(多機能携帯電話)を与えてあやす「スマホ子守」が増加の一因になっているとみている。

Photo 全国の消費生活センターなどに寄せられた今年度(同)のオンラインゲームに関する相談は総数3181件で、うち利用者が20歳未満だったのは42・1%。15歳以下が特に増え、5歳以下も4・6%を占めた。このため総数では過去最多だった前年度同期(3029件)とほぼ横ばいなのに、20歳未満では約2・5倍となった。

 神奈川県の小学生(7)は親のスマホでゲームを利用。アイテム購入時は、親がカード決済のパスワードを入力していたが、入力後数分間は何度でも購入できることを知らず、月の請求額が8万円になっていた。小学校低学年で「購入」の漢字を読めずにカード決済を繰り返したり、親のスマホを触った2歳の男児が約6万円の決済をしたりするなど、子どもが課金に無自覚なケースも目立った。

《多機能とはいえ、元々は電話機が主役の機械だが、周りの親や大人が中毒に嵌ったように夢中で遊ぶ姿をみていれば、横目で眺めている子どもは面白い玩具、ゲーム機として興味惹かれて当然だ。それを子に与えるのに親が何の制約も教えず、進んで玩具代わりに与えれば、そうなる結果は知れている。元々子守りは血の通った親きょうだいがするもので、幾ら手抜きとは言え、ロボットやスマホがするものではない。親の放任、無責任をスマホや子どもの所為にするのは余りに情けない話だ。子どもの溺れやすい遊びに歯止めをかけてやるのが親の子育ての大切なところだ。》

 国民生活センターは「親はゲームの仕組みをきちんと理解し、クレジットカードの管理を徹底して」と呼びかけている。

《本質的にはこの問題はクレジットカードの管理をどうこうして済むことではない。親が親として血潮の通った子育てをするには、どのように子と接したらいいのかという親と子の問題だ。逃げ口上のように「子育てを世間で」と謳う昨今だが、本質的には子育ては産み落とした親がするものだから。》

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2013年12月12日 (木)

性別変更の夫は「父」

 毎日新聞(12/12)から、

 参照 性別変更夫妻、人工授精「父子」認めず 2013、09

《参照でも予想した通り、やっぱり、と言うべきか、障害者にはお優しいというべきか、特に女(性別変更して現在は男)の言い分には、司法の力も時流に乗ったというべきか、生物学的な性差までも否定しなければならない(女を男と認めよ、と)ほど弱いんだ。逆に言えばそれほどに現在の日本は女がもの言えば「曲がっていても真っ直ぐ」と認めよいうことになったようだ。しかし、物事の発端は、同性同士の同棲の間で、生まれる筈のない子どもを生んだことなのだ。私は参照でも書いたが、同性同士の同棲、結びつきは勝手だが、子どもは養子縁組み以外には持つべきではない、と考える者だ。まして、日本国憲法では同性同士の間での結びつきを結婚とは認めていないのだ。》

【閑話休題】「(ママ)とあるのは記事の用法による」
 性同一性障害のため女性から男性に性別を変更した兵庫県の夫(31)とその妻(31)が、第三者提供の精子によって生まれた長男(4)を嫡出子(法律上の夫婦の間に生まれた子)と認めるよう求めた裁判で、最高裁第3小法廷(大谷剛彦裁判長)は、申し立てを退けた1、2審の判断を覆し、父子関係を認める決定を出した。小法廷は「妻が婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定するとした民法の規定が適用される」との初判断を示した。決定は10日付。

 夫は性同一性障害特例法に基づき性別変更して2008年4月に結婚(ママ)。09年11月に人工授精で妻が長男を出産、本籍地の東京都新宿区に出生届を出した。だが、夫の性別変更を理由に嫡出子として扱われず、戸籍の父の欄は空白とされた。

 夫婦は戸籍の訂正を求めて東京家裁に家事審判を申し立てたが、家裁は「男性としての生殖機能がないことは明らかで、嫡出子とは推定できない」と退け、東京高裁も支持した。夫婦側はこれを不服として最高裁に特別抗告していた。

 小法廷は、特例法に基づいて性別変更した夫について「法令上、男性として扱われ、法律婚ができるだけでなく、婚姻中に妻が妊娠した場合は民法772条の嫡出推定が及ぶ」と指摘。そのうえで「性別変更を法律で認めながら、性的関係の結果もうけた子でないことを理由に、嫡出推定の適用を認めないのは不当だ」と結論づけた。最高裁の決定により、戸籍は訂正され、空白だった「父」の欄には夫の名が記載される。

《300日問題もそうだったが、ここでも民法772条が根拠とされているが、この条文には、夫(または妻が)が性別変更した元女性(または元男性)であることを含むことには触れられていない。言い換えれば、現行法の網の目を潜っての子づくりが公然と認められることとなる。》

 裁判官5人中3人の多数意見。岡部喜代子裁判官と大谷裁判長は反対意見を付けた。岡部裁判官は「嫡出子とは本来、夫婦間の性交渉の結果で生まれた子であり、その機会がないことが明らかな場合は嫡出推定は及ばない」と述べた。

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2013年12月11日 (水)

いじめ20万件に迫る

 毎日新聞(12/11)から、

《数ばかりを報道するいじめは無視してきた。今回も目を引くのは数字の羅列だ。ただ、様子が変わったのは「解消」という字が混じっていることだ。しかし、どんないじめの何を、具体的に、どのように解消したのかは全く不明で、順位だけが並んでいる。》

 2012年度に全国の国公私立小中高校、特別支援学校で認知されたいじめの件数が前年度の約3倍に当たる19万8108件で、1985年度の調査開始以来最多となったことが、10日発表された文部科学省の「問題行動調査」で分かった。いじめを認知した学校の割合も過去最高の57・3%で、6年ぶりに半数を超えた。文科省は、アンケートの拡充や小さないじめも見逃さない教職員の意識改革が掘り起こしにつながったとして「いじめ20万件時代」へ積極的対応を目指す。

Ijime1 いじめの11年度の認知件数は7万231件だった。大津市の中2男子自殺問題を受けて昨年実施された緊急調査で、12年度上半期が特に約14万4000件と急増。文科省は、実態把握が各地で進んだとみている。

 12年度1年間の1000人当りの認知件数は14・3件(11年度は5・0件)で、そのうち913件で警察に相談・通報した。学校別では、小学校11万7383件(同3万3124件)▽中学校6万3634件(同3万749件)▽高校1万6274件(同6020件)特別支援学校817件(同338件)。1000人当りでみると、小学校が前年度の4・8件から17・4件に大幅に増えた。

 都道府県別では、最多が鹿児島県の3万2167件(1000人当り166・1件)、最少は佐賀県の207件(同2件)。文科省は「いじめ自体の増加ではなく、敏感になったため掘り起こされた件数。都道府県別の件数差は取り組み方法の違い」としている。

 パソコンや携帯電話を用いたいじめは7855件で前年度の2992件から急増したが、全体に占める比率ではほぼ横這い(12年度4・0%、11年度4・3%)だった。

 前年度比約3倍の急増ぶりだが、自治体の教育委員会や学校は「現実」と冷静に受け止めている。件数が最多の鹿児島県は調査方法を工夫し、100%近い解消率につなげた。一方、静岡県は解消率が全国最低で、対応が不十分と受け止められがちだが、実態は「安易にいじめが解決した」と判断させなかったためだ。都道府県で調査結果に差があるものの、各地で「隠さず対応する」ための試行錯誤が続いている。

 鹿児島県は認知件数(3万2167件)、解消率(99・7%)ともに全国トップだった。県教委の下田・生徒指導監は「1件での多く把握し、解決しようと心がけた」と話す。文科省が昨年8月、各都道府県教委に報告を求めた直後、公立校の17万5295人の児童生徒を対象にアンケートの実施を決めた。それまでいじめに関する報告は年に300〜500件ほどで「状況を把握する好機だった」と。

 設問を工夫し、無記名、記号式中心で「いじめられてきあい」と書く欄も設け、全員が同程度の時間で答えられるようにした。記入時間の長短で子どもが周囲に気を遣わずに済むための配慮だ。冷やかしなどの軽微な事象もカウントし、未解決事案を抱える学校に対策チーム設置を求めた。

 一方、解消率が71・1%で全国最低だった静岡県(認知件数は6676件)。解消率は19道県が9割を超え、全国平均も89・4%だったが、県教委の担当者は「決して放置しているわけではない。学校に、表面上、解消したように見えても、慎重に判断するように指導した結果だ」と説明する。被害者が通常の学校生活に戻っても、外部から目が届きにくい「LINE(ライン)」のようなSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で中傷が続くことや加害者と被害者が入れ替わることもある。担当者は「現場で丁寧に対応したい」と強調した。

 いじめを受けて11年に自殺した大津市立中学2年の男子生徒(当時13歳)の父親(48)は約20万件という認知件数について「実際に発生した最低限の数字。遺族がいじめによる自殺の可能性を指摘しても学校が認めない例が今もある」と話す。また、調査で「解消した」とされたケースについても「児童生徒の目線に立って判断されたか」という検証が必要だと訴えている。

 いじめや虐待がテーマの著書「ハッピーバースデー」がある作家の吉富多美は「学校で子どもや教員が『いじめがある』と声を上げられる雰囲気ができつつある。いじめがあるという現実を受けとめ解決策を摸索することが重要だ」と語った。

《いじめの記事が載る度にいうことだが、今回のようないじめが発生した結果の数を数える調査を何度繰り返しても、絶対に、いじめはこれからも「解けて消えた」ようにみえても、なくならない。それは、いじめる人間が後を絶たず生まれるからで、そのいじめる側の人間が生まれる背景に焦点をあてない限り、調査の度に数だけが増えて行く調査、調査の繰り返しが続くだけだ。》

<今回の文科省の調査では,いじめのほか、暴力行為、自殺などの件数も調べた。>
 ▽暴力行為の発生件数は5万5837件で11年度(5万5857件)とほぼ変わらず、07年度以降、5万件以上の水準になっている。
 学校別では 小学校  中学校  高校
  (件)   8296 3万8218  9328
 ▽自殺した児童生徒は196人で、前年度の202件から微増。
 学校別では 小学校  中学校  高校
  (人)    6    49   141
 うち、いじめによる自殺は6人(中学校5人、高校1人)で、暴力的な指導を含む「教職員との関係」は4人(全て高校)だった。また、警察庁の統計では、12年1年間の自殺者は336人。

 文科省統計は保護者や学校の申告に基づくため、警察超統計よりも少なくなる傾向があり、実態把握の不十分さが指摘されている。両統計の差は11年度の151人から12年度は140人に縮まっており、文科省は今後も的確な把握の強化を進める。

 

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2013年12月 7日 (土)

巨大与党を誕生させたのは誰か

 毎日新聞(12/7)から、

《訳の分からない造語、アベノミクス に麻酔を掛けられたように振り回されている間に、国会では自民党政権お得意の数で押し切る戦略で特定機密保護法案が通り抜けていった。とは言え、こうなることは過去を振り返ってみても、自民党が政権を握った時点で繰り返し通る道であることは知れている筈だった。まして、今回安倍が総理になった時点で、2006年9月の第1次内閣を途中で放り出した当時、すでに彼の国粋主義思想は指摘され、私も「怖い内閣誕生」をブログに書いたが、にも拘らず、民主党のだらしなさがあったにせよ、選りに選って安倍の返り咲きの道を選んだのは誰だろう。》

 高校生(倉田晴臣=18=滋賀県甲賀市)から標題の投書が載った。

 特定秘密法案についての審議で、新聞。テレビ、デモなどから反対の声が多く聞かれた。安定政権を手にした安倍晋三首相がとうとう本気を出した、という印象を受ける。短い審議、中身のない答弁、強行採決。国民の不安、不満が高まるのも当然だろう。

 しかし、よく考えてほしい。こんなことができる巨大与党を誕生させたのは誰か。振れ幅の大きい小選挙区制、低投票率という要因があったにせよ、自民党はじめ法案賛成派に力を与えたのは、ほんの1年前の有権者、国民だ。他の誰でもないあなたと私だ。それを忘れて大騒ぎしているとしたら、無責任きわまりない。私はこのような法に絶対反対だ。過去の責任を認識し、だからこそ今と未来への責任を持って行動したい。私も首相と同じく、日本は歴史と豊かな自然を有する美しい国だと思う。だが、「大日本帝国」に戻りたくはない。日本国を守るため、国会、司法、メディア、そして国民の良識が問われていると思う。

《この先、安倍は戦争ができる国を目指して憲法を変えようと企んでいる。そこで出来上がった国をこれからの世代に引き継がせるつもりなのか。自分は進んで戦場に出ることのない後方に居て、「進め、進め」の掛け声を上げていればいい国にしたいのか。それとも「いざ!」という時が来れば、真っ先掛けて戦場に出向くのだろうか。》

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2013年12月 5日 (木)

太平洋クロマグロ 未成魚15%以上削減か?

 毎日新聞(12/5)”なるほドリ”から、

 参照 太平洋クロマグロ資源管理強化へ 2013/09

《銀座に「近大マグロ」が食べられる専門店ができたというので、早朝から行列ができた。彼ら彼女らは、先日来取り上げられている食品詐欺事件の餌食になる格好の連中だろう。噂を便りに口にして、「旨い、旨い」「おいし〜い!!」を口にできる連中だ。》

 太平洋でクロマグロ漁の規制が厳しくなるんだそうだ。私たちが食べるマグロにはメバチ、キハダ、ビンナガなどの種類があるが、クロマグロは最も味がよく、高値で取引されるため「海のダイヤ」とも呼ばれている。元々、個体数が少ないうえに漁獲競争が激しいために、資源の減少が深刻だ。大きく太平洋クロマグロと大西洋クロマグロに分類されるが、太平洋クロマグロの資源管理を行なう国際機関「中西部太平洋マグロ類委員会」(WCPFC)が2日から開いている年次会合で、3歳以下の未成魚について来年の漁獲量を2002〜04年の平均より15%以上削減する新ルールを決める予定だ

 Q なぜ未成魚を?

 A 魚の減少は産卵前のヨコワ、メジと呼ばれるクロマグロの未成魚を取り過ぎたのが原因だ。1980年代以降、複数の船で網を広げて群れを一網打尽にする「巻き網漁」が主流になり、現在、漁獲数の98%が未成魚になっている。WCPFCの新ルールでは、巻き網船の数と操業日数を調節することで操業の全体量を減らして漁獲量も削減する計画だ

 Q 大西洋はどうなってるの?

 A 太平洋産よりも減少が深刻だ。10年のワシントン条約締約国会議では絶滅危惧種に指定する提案まであった。提案は否決されたが、資源管理を行なう「大西洋マグロ類保存国際委員会」は年間の総漁獲可能量を設定していて、現在は07年の半分以下だ。先月25日に閉幕した年次総会では、来年の漁獲枠を今年と同じ水準にした

 Q マグロを一番食べているのは日本の消費者だと聞くが

 A 日本は世界で取れるマグロの約4分の1を食べる最大の消費国だ。ただ、中国などの新興国で刺身やスシ向けの消費が拡大している。こうした海外需要の増大が資源の減少に拍車をかけている。また、かつてマグロの国際取引は日本の独壇場だったが、最近では思った値段で買えない「買い負け」の場面も増えている

 Q 漁獲規制で、そのうちマグロが食べられなくなるのだろうか?

 A 日本で流通するマグロ類は年間約40万トンで、このうち約9割はメバチ、キハダなどクロマグロ以外だ。未成魚の漁獲量が減っても影響は限定的だろう。ただ、食べ続けるためには日本の消費者も資源保護への意識が必要だ

《クロマグロ、クロマグロと餓鬼のように食べなくていい。どうせ紛(まが)い物でも人が旨いと言えば、旨い旨いと食べる程度の味覚だ。今年生まれた稚魚がせめて成魚になる3年間、クロマグロ漁獲禁止年を設けるのが一番だ。》

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2013年12月 4日 (水)

秘密保護法案

 毎日新聞(12/4)から、

《いよいよ自民党がお得意の数で押し切る国会猿芝居が始まる。まるで『臭いものに蓋』よろしく、何が秘密なのかも漠然としたまま、多くの反対がある中で、石破の言を借りれば「民主主義の本来あるべき手法ではない」数を恃みの法案通過の傲慢、強引ぶりだ。ただ、にも拘らず、一部の反対の声(石破にはテロと映ったようだが)は上がっても、ぬるま湯に浸かったままの巷からの声は盛り上がらず、安倍の人気に翳りが見えないのが奇妙奇天烈、不思議な現象だ。》

《昭和一桁には身につまされる記事が載った。捕われ、拷問にあい獄死すものもあったり、演説会の内容、いや言葉に間、髪を容れず「中止!」と叫び、それ以上の話をさせなかったり、路上の立ち話さえ治安を乱す、と取り締まったりした「治安維持法」という悪法があったのを思い出す。》

【閑話休題】
 参院で審議が進む特定秘密保護法案に、大阪府貝塚市の会社顧問、西川治郎(104)は強い危惧を抱く。戦前、戦争反対の立場から共産主義に近い団体に属し、治安維持法違反で2度逮捕された。「特定秘密保護法は治安維持法と同じ言論統制法だ。取り締まりの対象が曖昧で、拡大解釈されうる点が共通している。その先にあるのは戦争への道。何としても廃案にすべきだ」と強く訴える。

〖治安維持法〗
 共産主義の浸透・拡大を防ぐため1925年に成立。天皇を頂点とする国家体制や私有財産制度を否定する結社を禁じ、最高刑は懲役10年だったが、28年の改正で死刑になった。当時非合法組織だった共産党の関係者が主な対象とされたが、次第に拡大解釈され、仏教やキリスト教信者の一部、軍や政府に批判的な国民が幅広く検挙対象となった。「治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟」によると、この法律による検挙者数は10万人以上で、現在の生存者は全国で約50人だという。

 彼は東京都内で1934年1月、共産主義の団体に属しているとして、特別高等警察(特高)に妻とともに連行された。警察署では10日間、木の棒で足を殴られ続けた。妻は間もなく釈放されたが、彼は黙秘を続け10カ所近くの警察署をたらい回しにされた。11カ月後に「その取りです」と答えた。「当時、妻は妊娠中。本格的な共産主義の勉強はしていなかったが、そう答えるしかなかった」。治安維持法違反罪で起訴され、執行猶予付きの有罪判決を受けた。

 40年に再び逮捕され、懲役2年の実刑。刑務所では、監房の真ん中に汲取り式トイレがあり、悪臭が漂った。「人間の暮らしじゃなかった」。警官に叩かれた足は老後も痛みが残った。

 戦後は貝塚市で兄と設立した製粉会社の経営に携わりながら、治安維持法による犠牲者への国の謝罪や賠償を求める運動に力を尽くした。しかし、謝罪も賠償も実現しないまま、かつての不安がよぎり始めた。「法案は治安維持法と同様、自由な言論を妨げ、国民を萎縮させる。その後に続くのは日本国憲法9条の改正だ。もっと体力があれば、デモ行進に参加してでも法案に抗議したい」。

 彼は今、時間をかけて新聞や雑誌を読み、法案の行方を注視する。孫7人、10月にひ孫も生まれた。「ひ孫の代まで絶対に戦争がないという希望を持ったまま死にたい」。切なる願いだ。

 参照 「安倍氏は国粋主義」 2013/05
    「共謀罪」成立を指示 2007/01
    恐い内閣誕生 2006/09
    1945(昭和20)年 8月 2005/08

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2013年12月 3日 (火)

猟師減 食害ピンチ

《先に2010年7月、環境省は知床、尾瀬国立公園で鹿駆除を決めたが、今年10月20日、世界遺産「白神山地」のシカ食害にもブログで触れたばかりだ。》

 毎日新聞(12/3)から、

 東日本大震災の津波でライフル銃を失った高齢の猟師が引退するケースが相次ぎ、畑などを荒らすシカやイノシシの増加が懸念されている。銃刀法の規定が壁になり、大型獣を仕留めるライフル銃の再所持には最低でも10年かかるためだ。震災前に数十年積み重ねた経験が生かされず、猟師たちは「せめて5年に短縮を」と訴える。

 震災後に友人が譲ってくれたシカの角を見上げ、岩手県陸前高田市で農機具店を営む北俣さん(73)はこぼした。「10年も待たなくて済むなら、もう一度ライフルを握りたい」。自宅兼店舗ごとライフル銃1丁を津波で流され、40年続けた量をやめた。農家からシカの駆除を頼まれ、猟期には週2回山に入っていたベテランだ。「食害が増えているのに」と申し訳なさそうに語る。

 銃刀法では、猟銃の所持許可は1丁ごとに与えられ、銃を失う「亡失」の場合は失効する。再所持には、どんなベテランでも初心者と机を並べて講習を受け、実技試験をクリアしなければならない。しかも、まず認められるのはカモなど小動物に向いた散弾銃のみ。その経験を10年積まなければ、ライフル銃は手にできない。

 狩猟歴10年の戸羽・高田猟友会会長(70)=同市=も、震災で自宅にあった散弾銃2丁とライフル銃1丁を失った。引退も考えたが、会員に慰留されて撤回。講習と試験を経て2011年秋に散弾銃を所持できた。だが、弾の威力も射程もライフル銃に劣る。かつではシカを月に約10頭仕留めていたのに、今は半分にも届かないという。「経験がある被災者には、ライフル銃の再所持をすぐ認めてもらえないか。せめて5年に短縮してほしい」と話す。

 大型獣による食害は震災後増えており、岩手県自然保護課は「これ以上ハンターが減っては被害防止に手が付けられなくなる」と危機感を募らせる。

 大日本猟友会などによると、岩手・宮城・福島の被災3県の会員は、2010年3月の7276人から震災後の12年3月には5942人と2割近く減少。岩手県猟友会は「もともと60〜70代が多く、年齢を考えて震災で失った銃を再び手にすることを諦めた人は多い」と指摘する。

 全国の会員も高齢化やレジャーの多様化などで、1978年度の42万4820人をピークに減り続け、2012年度には4分の1の10万7861人になった。

 一方、シカやイノシシなど大型獣の農作物被害は、全国で05年度の約118億円から震災後の11年度には184億円に増加。被災3県でも2億6212万円から3億6541万円に4割弱増えた。

《次世代にも銃所持が増えないかぎり、将来的には大型獣の跳梁による被害が増大するのは必至だ。その結果の被害額はとどまるところなく増大することになるだろう。》

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2013年12月 2日 (月)

石破茂「テロ発言」

 毎日新聞(12/2)から、

 自民党の石破幹事長は2日午前、11月29日付の自身のブログでと特定秘密保護法案に反対する市民団体らの絶叫調のデモを「テロと本質的に変わらない」と批判した部分について、「本来あるべき民主主義の手法とは異なる」という文言に訂正し、謝罪した。

 石破は「お詫びと訂正」と題したブログを公表した。

 テロになぞらえた部分について「『一般市民に畏怖の念を与えるような手法』に民主主義とは相容れないテロとの共通性を感じて『テロと本質的に変わらない』と記した」と釈明。一方で「市民の平穏を妨げるような大音量で自己の主張を述べる手法は本来あるべき民主主義とは相容れない」ともしている。

 そのうえで「自民党の責任者として、行き届かなかった点があったことをお詫び申し上げます」と謝罪した。

《「本来あるべき民主主義の手法」が多数決であることを理解しても、これまでの歴代自民党の何かにつけての数を恃みの採決手法(今後ますます繰り返される可能性の高い)が、本来あるべき民主主義の姿とは思えないが。》

 野党は、法案に反対する市民団体らの絶叫調のデモを批判した石破に関し、法案審議で追究する構えだ。民主党の大畠幹事は1日、水戸市の街頭演説で、「そのような発想で法案を審議しているのであれば、根底から発想を変えてもらわなければ」と強調した。

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