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2013年12月11日 (水)

いじめ20万件に迫る

 毎日新聞(12/11)から、

《数ばかりを報道するいじめは無視してきた。今回も目を引くのは数字の羅列だ。ただ、様子が変わったのは「解消」という字が混じっていることだ。しかし、どんないじめの何を、具体的に、どのように解消したのかは全く不明で、順位だけが並んでいる。》

 2012年度に全国の国公私立小中高校、特別支援学校で認知されたいじめの件数が前年度の約3倍に当たる19万8108件で、1985年度の調査開始以来最多となったことが、10日発表された文部科学省の「問題行動調査」で分かった。いじめを認知した学校の割合も過去最高の57・3%で、6年ぶりに半数を超えた。文科省は、アンケートの拡充や小さないじめも見逃さない教職員の意識改革が掘り起こしにつながったとして「いじめ20万件時代」へ積極的対応を目指す。

Ijime1 いじめの11年度の認知件数は7万231件だった。大津市の中2男子自殺問題を受けて昨年実施された緊急調査で、12年度上半期が特に約14万4000件と急増。文科省は、実態把握が各地で進んだとみている。

 12年度1年間の1000人当りの認知件数は14・3件(11年度は5・0件)で、そのうち913件で警察に相談・通報した。学校別では、小学校11万7383件(同3万3124件)▽中学校6万3634件(同3万749件)▽高校1万6274件(同6020件)特別支援学校817件(同338件)。1000人当りでみると、小学校が前年度の4・8件から17・4件に大幅に増えた。

 都道府県別では、最多が鹿児島県の3万2167件(1000人当り166・1件)、最少は佐賀県の207件(同2件)。文科省は「いじめ自体の増加ではなく、敏感になったため掘り起こされた件数。都道府県別の件数差は取り組み方法の違い」としている。

 パソコンや携帯電話を用いたいじめは7855件で前年度の2992件から急増したが、全体に占める比率ではほぼ横這い(12年度4・0%、11年度4・3%)だった。

 前年度比約3倍の急増ぶりだが、自治体の教育委員会や学校は「現実」と冷静に受け止めている。件数が最多の鹿児島県は調査方法を工夫し、100%近い解消率につなげた。一方、静岡県は解消率が全国最低で、対応が不十分と受け止められがちだが、実態は「安易にいじめが解決した」と判断させなかったためだ。都道府県で調査結果に差があるものの、各地で「隠さず対応する」ための試行錯誤が続いている。

 鹿児島県は認知件数(3万2167件)、解消率(99・7%)ともに全国トップだった。県教委の下田・生徒指導監は「1件での多く把握し、解決しようと心がけた」と話す。文科省が昨年8月、各都道府県教委に報告を求めた直後、公立校の17万5295人の児童生徒を対象にアンケートの実施を決めた。それまでいじめに関する報告は年に300〜500件ほどで「状況を把握する好機だった」と。

 設問を工夫し、無記名、記号式中心で「いじめられてきあい」と書く欄も設け、全員が同程度の時間で答えられるようにした。記入時間の長短で子どもが周囲に気を遣わずに済むための配慮だ。冷やかしなどの軽微な事象もカウントし、未解決事案を抱える学校に対策チーム設置を求めた。

 一方、解消率が71・1%で全国最低だった静岡県(認知件数は6676件)。解消率は19道県が9割を超え、全国平均も89・4%だったが、県教委の担当者は「決して放置しているわけではない。学校に、表面上、解消したように見えても、慎重に判断するように指導した結果だ」と説明する。被害者が通常の学校生活に戻っても、外部から目が届きにくい「LINE(ライン)」のようなSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で中傷が続くことや加害者と被害者が入れ替わることもある。担当者は「現場で丁寧に対応したい」と強調した。

 いじめを受けて11年に自殺した大津市立中学2年の男子生徒(当時13歳)の父親(48)は約20万件という認知件数について「実際に発生した最低限の数字。遺族がいじめによる自殺の可能性を指摘しても学校が認めない例が今もある」と話す。また、調査で「解消した」とされたケースについても「児童生徒の目線に立って判断されたか」という検証が必要だと訴えている。

 いじめや虐待がテーマの著書「ハッピーバースデー」がある作家の吉富多美は「学校で子どもや教員が『いじめがある』と声を上げられる雰囲気ができつつある。いじめがあるという現実を受けとめ解決策を摸索することが重要だ」と語った。

《いじめの記事が載る度にいうことだが、今回のようないじめが発生した結果の数を数える調査を何度繰り返しても、絶対に、いじめはこれからも「解けて消えた」ようにみえても、なくならない。それは、いじめる人間が後を絶たず生まれるからで、そのいじめる側の人間が生まれる背景に焦点をあてない限り、調査の度に数だけが増えて行く調査、調査の繰り返しが続くだけだ。》

<今回の文科省の調査では,いじめのほか、暴力行為、自殺などの件数も調べた。>
 ▽暴力行為の発生件数は5万5837件で11年度(5万5857件)とほぼ変わらず、07年度以降、5万件以上の水準になっている。
 学校別では 小学校  中学校  高校
  (件)   8296 3万8218  9328
 ▽自殺した児童生徒は196人で、前年度の202件から微増。
 学校別では 小学校  中学校  高校
  (人)    6    49   141
 うち、いじめによる自殺は6人(中学校5人、高校1人)で、暴力的な指導を含む「教職員との関係」は4人(全て高校)だった。また、警察庁の統計では、12年1年間の自殺者は336人。

 文科省統計は保護者や学校の申告に基づくため、警察超統計よりも少なくなる傾向があり、実態把握の不十分さが指摘されている。両統計の差は11年度の151人から12年度は140人に縮まっており、文科省は今後も的確な把握の強化を進める。

 

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