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2013年11月 8日 (金)

スポーツ庁

 毎日新聞(11/4)”視点”から、

《視点は冒頭に書く。『メダルのことしか眼中にないのならスポーツ庁はいらない』。その通りだ。先頭に立って浮かれる東京都知事、政府まで巨額の予算を投じて巨大な運動場の建て替えを考える。そんなことより先に東北の復興に眼を向け、国力を挙げて全力で取り組むことだ。更に、いつ収束できるかも見通せない原発被害の甚大な被害もある。五輪でメダルが一つ二つ増えたところで、今年のプロ野球の楽天日本一ほどの絆効果はないだろう。》

 <視点>
 メダルのことしか眼中にないのならスポーツ庁はいらない。
 
 スポーツ庁の創設に向け、超党派の国会議員らでつくるスポーツ議員連盟が組織の形態や役割、設置の時期などを議論して政府に提言するプロジェクトチーム(PT)を設置した。2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催決定を受けての動きで、政府も前向きだ。

 気の早い話で、文部科学省は20年東京五輪の金メダル獲得数を「25〜30個」とするモクッ票を掲げている。昨年のロンドン大会は7個だったから相当の上積みがないと届かない。

 スポーツ庁にはメダル量産のための司令塔的役割が期待されている。だが、五輪に出場できるアスリートは一握り。国民ひとりひとりがスポーツに親しみ、楽しめる環境の整備を疎かにしていては「スポーツ立国」の看板が泣く。少子超高齢化社会となる将来を見据え、高齢者への目配りも必要だ。

 そもそも、なぜ今スポーツ庁なのか、必要ならばどうあるべきかの議論を通して、社会におけるスポーツのあり方や役割などについて考えてみたい。「国民に夢と勇気と感動を与える」だけでは心もとない。

 スポーツ行政は縦割りが指摘されている。オリンピックは文科省、障害者のスポーツは厚生労働省、スポーツ産業の振興は経済産業省、運動公園の整備は国土交通省などと複数の省庁にまたがる。スポーツが内包する機能や価値が多様かつ多面的であることの証しだ。

 パラリンピックの選手強化事業は来春、文科省に移管され、オリンピックの選手強化と一本化される方向だが、他の省庁はスポーツ関係の財源や権限をおいそれと手放さないだろう。

 目下、文科省の内部組織であるスポーツ・青少年局を再編して文科省の外局として設置する案が有力だ。このパターンでは行政組織の肥大化は防げる。文科省のスポーツ関連予算は今年度約240億円。スポーツ庁が設置され、予算が増えれば文科省の教育予算に影響が及ぶだろう。教育政策に位置づけられている学校体育と部活動は移管するのか、選手強化を担っている日本オリンピック委員会などとの役割分担も重要な課題だ。

 英国や韓国は同じ省庁がスポーツ行政と文化行政を所管している。スポーツも文化である以上、文化庁との一本化について可能性を検討してほしい。

 スポーツ庁の誕生は強化資金の分配方法の変更を通してスポーツ組織の再編につながる可能性を秘めている。日本スポーツの未来の姿を考えたい。

 参照 スポーツ振興 2012/03

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