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2013年10月27日 (日)

和食、世界遺産に

 毎日新聞(10/27)”社説”から、

 「和食」がユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界無形文化遺産として12月に登録される。

《えっ? 現在の日本にとって和食は危機遺産じゃないの? 魯山人を鑑とするような文化遺産としての和食なんて上流階級、或いは成金の人間たち、言うなれば一見さんお断りのような所で口にできるものではないの? 一般の日本人には政府が言う文化遺産としての「和食」と呼ばれるものは、生涯かけても見ることもできず口にもできまい。現在の一般の日本人はインスタント食品、レトルト食品、寿司でもぐるぐる回って配膳してくれる回転ものが圧倒的な「和食」だろう。外国人の舌で評価された星を幾つか推し頂いて、悦に入るような調理場があるようでは、日本人の味覚などたかが知れたものだ。鯨が最早日本人の食文化とは呼べなくなったように、いずれは、或いは早々に消えゆく運命にあるものと覚悟した方がいい》。

 政府は登録をきっかけに、和食を海外に積極展開し、日本産の農水産物の輸出拡大も図る考えだ。私たちも、その奥深さと可能性を再認識し、すたれさせることなく伝えて行きたい。

 日本の無形文化遺産は歌舞伎、結城紬などに次ぎ22件目。食の関係ではフランスの美食術、イタリアやモロッコの地中海料理などがすでに登録され、今回は韓国の「キムチとキムジャン文化」も内定した。

 和食が、世界に誇るべき特色は幾つもある。

 まず、自然を大事にしている点だ。素材の旬にこだわり、地域の風土・気候に根ざし、材料を最後まで使い切って無駄にしない。

《下層階級には理解できないが、うたにも詠まれてきた季節にうつろう旬の料理が高級料亭にはあるのだろう。下世話な社会のスーパーには年中通して春野菜、夏野菜、冬野菜が、また、養殖や缶詰、冷凍による魚類も季節にはあまり関係なく出回っている。》

 また、見て美しく楽しい。どこから眺めても同じ姿の対称的な盛りつけでなく、四季のうつろいも取り込んで食べる人を喜ばす。

 多様な調理法も例を見ない。生のほか、焼く、煮る、蒸す、揚げる、あえる、発酵させる、干すと幅広い。この結果、包丁などの道具、食べ物を盛る皿や器も多彩だ。

《それらのことやものは、大なり小なりどこの国でもやっていることだ。》

 さらに「だし」に代表されるうまみが味の土台をつくっている。うまみは4番目の味覚として、英語でも「UMAMI」と表現される。そして、動物性脂肪が少なく食物繊維が多いので、健康にいい。

 こうした特色に加え、「おせちと正月」など年中行事に深くかかわり、家族や地域の絆を生んできた文化的な側面も評価された。

 国際的な和食は注目を浴びている。日本食レストトランは各国で人気だし、欧米の料理人には「だし」を使ったり、ゴボウやカブ、ユズなどの食材を用いたりする動きがある。

 こうした一方で、和食の未来を支える足元は危うい。

 家庭でもアジアや欧米の料理が、手軽に食べられるようになった半面、和食に親しむ機会は減った。伝統野菜など地域独自の食材や昔ながらの料理法は、大量生産が進む中で途絶えかけているものもある。

 食品会社が2011年に発表したアンケートによると、「昆布、かつ節、煮干しなどの素材からだしを取っている」との回答は2割に過ぎない。一人きりで食べる「狐食」や、家族一緒でも各自がばらばらに好きなものを食べる「食卓崩壊」という現象も近年問題になっている。

 世界への売り込みも大事だが、学校や地域で和食の魅力を味わい、特色を学び、食材や調理法を受け継いで行く取組みが欠かせない。和食に育まれてきた私たち自らが、世界に向けて胸を張って、その価値を語れるようにしよう。

《どこの家庭でも一食はパンを食するのが現在の日本の家庭の食事事情だろう。加えて肉食文化、ラーメン文化が浸透してきて和食はすでに前世紀の遺物の様子を窺わせる。登録するのなら、どうしても危機遺産だろう。》
 

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コメント

和食とは日本古来!日本固有!日本独自の料理と云う日本料理のことを云うのでしょうか?。和食には割烹・懐石・精進などの様々な手法の料理があります。ところで、室町時代頃に種子島に鉄砲伝来以降にポルトガルからテンプラやカステラなどが織田信長などの戦国武将が食した…と云う歴史があったり、江戸時代の頃には水戸黄門で有名な徳川光圀が中国伝来のラーメンを日本で一番最初に食べた…とされる歴史も多数あります。それから、蕎麦と二分されている饂飩(ウドン)に関しての語源説には様々な諸説がありますが、別の説にはカンボジアか?ベトナムか?は現在では不明ですが、インド支那諸国の何処か?にウドゥン??と呼ばれていた地名が存在していたようです。そのウドゥン??が饂飩の発祥地とする説もあるようです。また、長崎に伝わる中国伝来やオランダ伝来をアレンジした和洋折衷の料理も和食の範囲内になるのか?は私個人的には判断することは出来ませんが、日本に出来した様々な外来食も一世紀以上の長い年月が経過をすれば自然に和食とされるのでしょうか?。

投稿: 間吊田和志輿為 | 2013年10月28日 (月) 16時46分

誤字訂正、日本に出来した様々な外来食も…では無く、日本に伝来した様々な外来食も…です。誠に申し訳ありません。

投稿: 間吊田和志輿為 | 2013年10月28日 (月) 16時52分

日本人だけにしか理解出来ない特有な味覚があります。それを和食の味覚も曖昧な外国人に和食を世界遺産にしよう!…と言うような如何にも楽天的な発想は愉快な感じが致します。

投稿: 間吊田和志輿為 | 2013年10月28日 (月) 17時17分

《》内のお言葉、どれも膝を打ちながら拝読させていただきました。私もなんともいやらしさしかこの社説からは感じられませんでした。オリンピック招致の反吐が出るような(というか恥ずかしくて顔が真っ赤になりそうな)上っ面だけの日本アピールのビデオに対しても同様な思いを抱いたものです。いい面だけ捉えたガイドブックで夢想を広げた外国人向けのピーアールですね。こんな時、突如芸者さんが大活躍しますね。
昭和一桁にお生まれの(私の父より少し御年輩にあられます)随分お目にかかっていない憧れのおじさんの辛口が復活した!という感覚でこれから楽しみに時折おじゃまさせていただきます。
でも、日本の食文化は確かに産地だの材料・素材だの製法だのへの細か過ぎるこだわりは、世界の中で異彩を放っているとは思います。

投稿: 25Km | 2013年10月28日 (月) 19時42分

日本料理や和食と呼ばれる店が一種の健康食として流行り世界各地に進出しているでしょう。しかし、実際としては、味覚・食材・調理方法が不明瞭で異質的な部分があることは言う迄もありません。例えば、海外にある寿司に関して言えることは寿司・鮨の和文では無く、SUSHIの英文に表記してあったり、蕎麦もSOBAの英文であったりしています。また、経営者やオーナーなどの殆どが中国系や韓国系が多く、調理をする人材も日本人は余り居無いようです。また、何よりな問題として、海外の寿司店や蕎麦店などには日本から正式に寿司職人や蕎麦職人などが海外へ出向いて基本的な調理方法を指導したり、海外から寿司職人や蕎麦職人などの様々な和食料理を目指す外国人を日本に招いて日本料理の基本的な調理方法を勉強しているようです。そうした背景がある為に和食を世界遺産にするプロセスがあるのでしょう!。日本料理や和食を日本的料理と和食的料理に誤解されない為にも明確で正確な和食の知恵と文化を世界に伝達する目的もあるのでしょう!。

投稿: 間吊田和志輿為 | 2013年10月28日 (月) 20時44分

今回の阪急阪神ホテルで発生したメニュー食材の誤表示??問題や前回の大阪船場にある老舗高級料亭の吉兆などの使い回しの和食料理の問題なども過去にはありましたよね!。大阪は食い倒れ!と云われるだけの代名詞の場所だから、口の中に入る食べ物なら誤表示??でも使い回しでも食中毒に成らなければ良いのでしょうね!。そんな社会問題や社会現象が有り過ぎる日本の料理自体の在り方が世界遺産に登録認定させよう!と云う余りにも図々しく感じる次第です!。

投稿: 間吊田和志輿為 | 2013年10月31日 (木) 10時39分

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