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2013年10月31日 (木)

男の育休

 毎日新聞(10/30)から、

 1 参照
「パパの育休」応援します
  2010/03
 
男性の育児取得 1%台
  2009/08

男性の育児休業 - 3 -
  2009/05

子育て(スウェーデンの)2008/02

 厚生労働省は29日、育児休業中の人に休業前の賃金の50%を払う育児休業給付について、育休取得から半年間は給付率を67%(休業前賃金の3分の2相当)に引き上げる案を厚労相の諮問機関、労働政策審議会雇用保険部会に示した。収入減を理由に育休取得を控える男性に考えを改めてもらう狙いがある。ただし、男性の取得率(2010年度1・89%)を20年に13%へ向上させるという政府目標の達成につながるかには疑問も残る。

《これを、「絵に描いた餅」という。アドバルーンは幾つ揚げてもいいが、作文ではなく、働く男女が納得できる具体的な裏づけなくしては不可能な話だ。》

 男性の育休取得率は0〜2%台で低迷し、12年度は前年度を0・74%下回った。田村厚労相は29日の記者会見で「男性も育児休業をとってぜひとも子育てに参加いただきたい」と述べ、給付率引き上げの目的が男性の育休取得促進にあることを強調した。

 現在の育休給付は、子どもが原則1歳になるまで休業前賃金の50%を受け取れる。しかし、夫が主な稼ぎ手である例の多い日本では、その水準で男性が育休を取るのは難しい。男性の取得率が9割のノルウェーでは、46週間賃金の100%が保障される。その点、今回の見直しでは、共働き夫婦が友に育休を取ると最長で半年ずつ、計1年間の割り増し給付となり、経済面では一定の支えとなる。

 それでも課題は少なくない。08年の厚労省調査では、約3割の男性が育休取得を望みながら、08年度の取得率は1・23%にとどまった。同じ調査で女性は7割以上が育休を「取得しやすい」と答えたのに対し、共働き男性は8割以上が「取得しにくい」と回答した。

 背景には、上司や同僚の理解が得にくく、とりわけ男性の場合は育休を取りたくとも言い出せない雰囲気が職場に残っている現状があるとみられる。20日の雇用保険部会でも、給付率アッップに関し「どの程度効果が期待できるか、もう少し分析してみないと分からない」との意見も出た。

 子育て政策に詳しい渥美・東レ経営研究部長は「所得保障(給付金)の引き上げ期間を6カ月に区切ることで、夫にも取得に経済的なインセンティブ(動機)をつけるなど、工夫している点は評価できる。ただし、『なぜ男性が育休なのか』という価値観や、職場風土が変わらないかぎり、制度があっても使えない状況に大きな変化は期待できない」と指摘する。

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2013年10月30日 (水)

新卒の離職率上昇

 毎日新聞(10/30)から、

 厚生労働省は29日、2010年3月に卒業した高校生、大学生など新規学卒者の3年以内の離職率を公表した。大卒者は31%(前年比2・2ポイント増)、短大などが39・9%(同0・6ポイント増)、高卒者39・2%(同3・5ポイント増)、中卒者62・1%(同2・1ポイント減)で、中卒以外で離職率が上昇した。新卒者の離職率は、若者を使い潰すと批判が出ている「ブラック企業」の判断材料になるとして注目されている。

 離職率は、ハローワークに提出される雇用保険の加入届、離職届けのデータから離職率を分析した。

 事業規模別の離職状況では、大卒、高卒者とも「5人未満」が最高で、企業規模が大きいほど離職率は小さい。ただ、1000人以上の企業でも大卒者で21・7%、高卒者で19・3%が離職している。産業別では宿泊・飲食サービス業、教育・学習支援業、生活関連サービス・娯楽業が共通して高かった。

 厚労省は「離職率の差にはミスマッチもあろうが、若年者を受け入れる企業環境が整備されていないのではないか」と分析している。

 参照 労働安全衛生法改正案 2012/05/
    入社3年内の離職率35・9% 2009/07/
  
   

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2013年10月29日 (火)

アルコール依存症対策

 毎日新聞(10/29)から、

《世間から嫌われて、愛煙家は肩身の狭い暮らしを余儀なくさせられているが、一方の酒は、昔からの『酒は百薬の長』という強い錦の御旗のような味方があって、発癌物質が含まれているゾッて、どんなに理屈を説いても一向に己を律することもできないアル中が蔓延って治療対策費という国家予算を食い潰している。コカイン並みの依存性があっても、今が楽しければいい、ってことで飲み続ける。医者たちは個人差の大きい「適量」を口にするが、それが守られればアル中など産まれない。酒飲みには適量など存在しない。不景気を口にし、仕事のせいにし、社会のせいにし、ストレスという便利な言葉で言訳する。こんな連中が廃人になろうが野垂れ死にしようが己が招いたことで、同情もしないし、知ったことではないのだが、治療してやろうと国会議員までが対策法案の提案に乗り出そうとしている。》

 アルコール依存症の人たちへの対策を巡り、今年になって新たな動きが出てきた。五月には「飲みたい」という脳の働きを抑える断酒補助薬が登場。今国会に議員立法で「アルコール健康障害対策基本法案」が提出される見通しだ。

 2 東大阪市在住の無職、A(55)は40歳過ぎから、アルコール依存症の傾向が出てきた。仕事のストレスなどから、月に1回有休を取って麻から夜まで飲み続けるようになった。数年後には週2、3日にまで増え、50歳を過ぎた頃、会社から退職を促された。

 これまでに専門病院に3回入院し、現在も通院中。医師の勧めで6月から、抗酒薬に加え「飲みたい欲求を抑えるという新薬「レグテクト」(日本新薬)を飲み始めたが、現在まで4カ月間、断酒に成功している。

「何が効いているのかよくわからないが、飲みたいという欲求は今のところ抑えられている。副作用もなく、助かっている。治療法が一つでも増えるのはありがたい」とAは話す。

 アルコール依存症とは、長年の多量飲酒により脳の中枢部の神経が変形し、自分では酒の飲み方をコントロールできなくなった状態のこと。「意志が弱い」と思われ勝ちだが、れっきとした病気だ。

 治療は、専門病院で2〜3週間断酒し、手足の震えや吐き気などの離脱症状、身体合併症な治療をした後、7週間ほど掛けて断酒指導、社会生活に適応するための訓練が行なわれる。

 治療薬はこれまで、アルコールに弱い体質をつくる抗酒薬2種が使われていた。今年五月に新薬として30年ぶりに発売された「レグテクト」は、脳の中枢神経に作用し、飲みたい欲求を抑える。1987年にフランスで承認され、世界25カ国で販売されている薬だが、日本国内の臨床試験でも、6カ月間投与した際の完全断酒率は47%と偽薬(プラセボ)を使った場合の36%に比べかなり高く、効果が認められている。

 抗酒薬は肝臓に作用するが、レグテクトは脳に作用するので、併用しても体への負担が少ないのも特徴だ。

 国立病院機構「久里浜医療センター」(神奈川県横須賀市)の樋口院長は「抗酒薬は体質が変わったり、気分が悪くなったりするこtから(服用を)拒否する患者も少なくなかったが、レグテクトは欲求そのものを抑え、副作用も少ない。より多くの人に使えるのでは」と指摘する。

 「アルコール依存症は本人だけでなく、家族や会社などの周囲への影響も大きい。内蔵への負担も大きく、死に直結する怖い病気です。治療の選択肢は一つでも多い方がいい」と樋口院長。現在は専門医による処方しか認められてきないが、今後は使い方のガイドラインを作り、研修を経た内科医による処方が可能になるようにしたいという。

1アルコールイオン症は本人の健康に問題を起こすだけではない。ドメスティックバイオレンス(DV)や虐待、自殺、家庭崩壊、飲酒運転などの温床にもなる社会問題だ。

 「怖いのは生命的な死だけでなく、社会的な死。失業し、家族も失い、体も社会的にもbロボロになってしまう」。NPO法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)の今成代表はこう指摘する。

 だが、対策を立てる国の体制は心もとない。疾病は厚生労働省、飲酒運転や犯罪は警察庁、刑務所内での教育は法務省と、担当官庁がバラバラなのだ。

 国会も動き出した。超党派のアルコール問題議員連盟(会長・中谷自民党衆院議員)と、アルコール問題に関連する三つの学会と全日本断酒連盟、ASKなどが協力して、昨年「アルコール健康障害対策基本法推進ネットワーク」を設立。今国会に議員立法での法案提出を目指し、準備を進めている。

 同法案は、国と地方公共団体に、アルコール健康障害の防止と家族の支援に取り組む責務を課し、酒類メーカーなどには健康障害の予防に配慮するよう努力を求めている。

 議員連盟事務局長の福山・民主党参院議員は「これまで『アル中』と言われてきたものが健康障害と認識され、社会的なケアが必要な問題だと規定されれば、当事者を排除しようとする社会の空気が変わる。苦しむ多くの家族の救済にもつながるだろう」と話している。

《飲むだけ飲んで、病気になったから面倒見てくれ、では虫が良すぎるだろう。いずれにしても、酒が造られ売られている限り、数千年の昔からも今後も、変わらずアル中はいなくならないだろう。》

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2013年10月28日 (月)

深刻さ増す小学校教員、現場の疲弊

 毎日新聞(10/28)から、

 先生は忙しい。その忙しさは解消されるどころか、うつ病など心の病で休職した公立学校の教員が2008年度から4年連続で5000人を超えるなど現場の疲弊は深刻さを増すばかりだ。昨年から今年にかけて東京都のNPOが全国の小学校教員を対象に実施したアンケートからは、先生の焦燥感や不安が色濃く浮かび、手厚い支援を望む声が聞かれた。

 1 調査はNPO「日本標準教育研究所」が実施。酒年3月〜今年1月まで、テーマ別に計3回にわたって述べ約1000人から回答を得た。

 教師の仕事で悩んでいることを尋ねたところ、上位三つは「自分の時間が持てない」「保護者との関係」「特別支援が必要な子どもへの対応」だった。

 調査の結果、学校にいる時間は平均「11時間半」。東京大社会科学研究所が調べた全産業の平均(10時間半)に比べ約1時間長い。その上、9割が帰宅後に自宅で仕事をすることがあると回答し、休日出勤も月平均2・2回だった。

 自由記述では「外国語活動、他校との連携、総合学習など、やらなければいけないことが多く、じっくり授業を組み立てられない」(教員歴29年、千葉県、女性)、「家族との時間が持てない」(同20年、東京都、女性)という悲痛な訴えも目立った。教員の多忙化は、国が定数増など対策を打ってはいるが、解消されていない実態が浮き彫りになった。

 保護者との関係では、勤務25年の東京都のベテラン男性教員は「15年前の保護者は協力的だったが、現在は批判から始まるkとが多い」と対応の難しさを強調。さらに貧困、虐待、家庭内暴力など家庭が抱える問題が子どもの問題行動や学力低下の一因になっていることもある。学校には福祉の面からの支援も求められているが、そうしたノウハウが乏しい上に、多忙化で対処し切れていないのが実態だ。

 特別支援教育については、文部科学省の12年の調査で、学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)で、学習面や行動面で特別な教育的支援を必要とする児童生徒はクラスの6%程度(40人学級ならおよそ2人)と推定される。「その子によって対応の仕方が異なるので、これまでの経験があまり役立たない(教員歴20年、北海道、女性)など自身の指導力への悩みのほか、「担任するクラスが通常学級から特別支援学級に変わったが、指導のための資料が不十分で、教科書さえなかった」「自分一人では対応しきれない時がある」と支援体制の不備を指摘する声も見られた。

 児童の現状を聞いたところ、半分が「学力格差」を強く感じていた。生活習慣が身についていないと強く実感しているという声も3割を超え、自由記述では「小学校入学までにしつけがなされていない子が多い」(教員歴32年、茨城県、女性)という意見も目立った。


 打開策として、要望が最も多かったのは「時間的な余裕の確保」(75%)で、次いで「学級の定員減」(60%)。1クラスの定員は現行は40人が上限。小学1年は法改正で11年度から、小学2年は予算措置によって12年度から、それぞれ35人学級が全面導入されているが、対象学年の拡大を望む声が強かった。

 さらに注目すべき結果は、半数の教員が「教師同士の協力関係」を要望した点だ。裏を返せば、教員が互いの悩みを打ち明けたり、先輩教員からアドバイスを貰ったりする機会がない現実を現している。

 今回の調査を担当した元小学校教員の益田・白梅学園大准教授は「今の学校教育は先生たちの自己犠牲の上に成り立っている実態が改めて分かった。だがこれは本来の教育の姿ではない。先生の環境改善が急務だ」と話している。

 日本の公的教育費は諸外国に比べ少ない。国内総生産(GDP)に対する学校教育費の割合は日本は3・8%(2010年)で、経済協力開発機構(OECD)加盟国(平均5・8%)中最低だ。13年度の文部科学省の一般会計予算は約5兆3600億円。このうち、教職員の指導体制整備費として1兆5400億円を計上した。3800人の教員定数増を盛り込み、うち2100人は「少人数教育」促進に充てる方針だ。少人数教育は、少人数学級 ▽習熟度別による少人数指導 ▽複数の教員で指導するチームティーチング(TT)― の中から、市町村の判断で導入できるようにする。

 少人数学級を巡っては、文科省は当初、中学3年までの35人学級化を検討していたが、今年の全国学力テストの結果から学力と学級規模の明確な相関関係がみられなかったため見送った。

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2013年10月27日 (日)

和食、世界遺産に

 毎日新聞(10/27)”社説”から、

 「和食」がユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界無形文化遺産として12月に登録される。

《えっ? 現在の日本にとって和食は危機遺産じゃないの? 魯山人を鑑とするような文化遺産としての和食なんて上流階級、或いは成金の人間たち、言うなれば一見さんお断りのような所で口にできるものではないの? 一般の日本人には政府が言う文化遺産としての「和食」と呼ばれるものは、生涯かけても見ることもできず口にもできまい。現在の一般の日本人はインスタント食品、レトルト食品、寿司でもぐるぐる回って配膳してくれる回転ものが圧倒的な「和食」だろう。外国人の舌で評価された星を幾つか推し頂いて、悦に入るような調理場があるようでは、日本人の味覚などたかが知れたものだ。鯨が最早日本人の食文化とは呼べなくなったように、いずれは、或いは早々に消えゆく運命にあるものと覚悟した方がいい》。

 政府は登録をきっかけに、和食を海外に積極展開し、日本産の農水産物の輸出拡大も図る考えだ。私たちも、その奥深さと可能性を再認識し、すたれさせることなく伝えて行きたい。

 日本の無形文化遺産は歌舞伎、結城紬などに次ぎ22件目。食の関係ではフランスの美食術、イタリアやモロッコの地中海料理などがすでに登録され、今回は韓国の「キムチとキムジャン文化」も内定した。

 和食が、世界に誇るべき特色は幾つもある。

 まず、自然を大事にしている点だ。素材の旬にこだわり、地域の風土・気候に根ざし、材料を最後まで使い切って無駄にしない。

《下層階級には理解できないが、うたにも詠まれてきた季節にうつろう旬の料理が高級料亭にはあるのだろう。下世話な社会のスーパーには年中通して春野菜、夏野菜、冬野菜が、また、養殖や缶詰、冷凍による魚類も季節にはあまり関係なく出回っている。》

 また、見て美しく楽しい。どこから眺めても同じ姿の対称的な盛りつけでなく、四季のうつろいも取り込んで食べる人を喜ばす。

 多様な調理法も例を見ない。生のほか、焼く、煮る、蒸す、揚げる、あえる、発酵させる、干すと幅広い。この結果、包丁などの道具、食べ物を盛る皿や器も多彩だ。

《それらのことやものは、大なり小なりどこの国でもやっていることだ。》

 さらに「だし」に代表されるうまみが味の土台をつくっている。うまみは4番目の味覚として、英語でも「UMAMI」と表現される。そして、動物性脂肪が少なく食物繊維が多いので、健康にいい。

 こうした特色に加え、「おせちと正月」など年中行事に深くかかわり、家族や地域の絆を生んできた文化的な側面も評価された。

 国際的な和食は注目を浴びている。日本食レストトランは各国で人気だし、欧米の料理人には「だし」を使ったり、ゴボウやカブ、ユズなどの食材を用いたりする動きがある。

 こうした一方で、和食の未来を支える足元は危うい。

 家庭でもアジアや欧米の料理が、手軽に食べられるようになった半面、和食に親しむ機会は減った。伝統野菜など地域独自の食材や昔ながらの料理法は、大量生産が進む中で途絶えかけているものもある。

 食品会社が2011年に発表したアンケートによると、「昆布、かつ節、煮干しなどの素材からだしを取っている」との回答は2割に過ぎない。一人きりで食べる「狐食」や、家族一緒でも各自がばらばらに好きなものを食べる「食卓崩壊」という現象も近年問題になっている。

 世界への売り込みも大事だが、学校や地域で和食の魅力を味わい、特色を学び、食材や調理法を受け継いで行く取組みが欠かせない。和食に育まれてきた私たち自らが、世界に向けて胸を張って、その価値を語れるようにしよう。

《どこの家庭でも一食はパンを食するのが現在の日本の家庭の食事事情だろう。加えて肉食文化、ラーメン文化が浸透してきて和食はすでに前世紀の遺物の様子を窺わせる。登録するのなら、どうしても危機遺産だろう。》
 

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2013年10月26日 (土)

読書世論調査

 毎日新聞(10/26)から、

《今では読書といっても紙に印刷の書籍だけでなく、インターネットを利用して書物を読む手段も調査の対象に含まれるようになったようだ。》

 毎日新聞が8〜9月に実施した「第67回読書世論調査」で、インターネットを利用するという人が約6割に上る一方、他人の中傷や別人になり済ましたメールやツイッターが流通する「ネットの匿名性」に、7割近くが不安を「感じる」と答えた。男性より女性、年代では40〜50代で「よく感じる」という人の割合が高かった。

 ネット利用について尋ねると、57%が「利用する」と回答。20代は90%、30代では86%に上った。利用時間は1日平均1〜2時間が20%で最も多く、20代は「3時間以上」が35%で最多だった。

 インターネットが生活必需品になる半面、匿名による中傷などがネット上に流れることに対し、34%が不安を「よく感じる」、32%が「時々感じる」と回答、「あまり感じない」の8%を大きく上回った。24%は「知らないのでわからない」と答えた。

 「よく感じる」は男性31%に対し、女性38%。年代では10代後半(22%)や20代(29%)に比べ、50代、40代がそれぞれ43%、40%と高かった。ただ「時々感じる」を加えると、40代が80%で最も高かったが、20代も78%に上った。

 調査は、全国の16歳以上の男女3600人を対象に郵送方式で実施。2387人から回答を得た。

 ツイッターやフェイスブックなど、インターネット上のサービスを使って自分の意見を発信することが珍しくなくなってきた。見知らぬ人になぜ文章を読んでもらいたいのかを聞いた。

 普段、知らない誰かに向けて文章を書くかどうか尋ねると、「はい」は13%、「いいえ」は86%だった。書く人は少数派だが、そのうち77%がツイッター、フェイスブックなどのソーシャルメディアに書いていた。以下、インターネットのブログが37%、新聞への投書と雑誌への投稿がそれぞれ6%、同人誌4%、自費出版2%などの順だった。回答者全体でみると1割がソーシャルメディアに書き込んでいた。

 文章を書くと答えた人に、読んでもらいたい理由を複数回答で聞くと、最多は「誰かとつながりたいから」の41%(男性46%、女性36%)で、次が「生活に変化が起きそうだから」の32%(女性36%、男性29%)。続いて「悩みや喜びを誰かに聞いてほしいから」が30%(女性37%、男性22%)だった。これらは男女差が大きく、書く理由に性差がうかがえる。

 文章を書くという人に「書いたものを他の人から批評されたいか」と尋ねると、「はい」が44%、「いいえ」が55%だった。

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2013年10月25日 (金)

ハロウィーン

 毎日新聞(10/24)から、

《お正月、桃の節句、端午の節句など、年々寂れて行く日本本来の五節句などと比べ、敗戦後いち早く日本上陸を果たしたクリスマス、その盛り上がりに遅れじと商売気を出したバレンタインが、続いてホワイトデーが。今度は儲かるなら何でも、とカボチャのお化けが大人気だという。ハロウィーンで思い出すのは当時アメリカ留学中だった16歳の日本人男子学生が、1992年のハロウィーンパーティーに出かける途中、立ち寄る予定だった知人宅を間違え、侵入者と思われて射殺された事件だ。事件を覚えている人たちにとっては浮かれはしゃげる日ではないのだが・・。》

 欧米のお祭りながら、日本でも秋の風物詩として定着しつつある31日の「ハロウィーン」。年々盛り上がりを増し、いまや市場規模はバレンタインデーに匹敵するほど。その楽しみ方にも変化が現れている。

 神奈川県藤沢市在住の大淵麻衣子(37)は無類のハロウィーン好き。今年は長女の結月(2)のために、「不思議の国のアリス」んお衣装を用意した。大淵は「私も豪華なドレスを着て親子で屋外イベントに出かけます」と意気込む。

 ネット通販大手の楽天市場では9月のハロウィーン関連売り上げが2012年の1・7倍、11年の3倍に達した。一般社団法人日本記念日協会によると、今年のハロウィーン市場は1000億円を超える見通し。「ホワイトデー(約640億円)を既に超え、バレンタインデー(約1300億円)に迫る勢い」という。

 ハロウィーンといえば、菓子類や小物など手頃な商品が定番だったが、今年は1着5000円前後のコスプレ(仮装)グッズなどが人気。楽天の担当者は「『親子でコスプレ』が今年の流行。2着で2万円以上する高額品も現れた」。

《親子とはいいながら、入園入学式に卒業式、七五三、全部、着飾るのはほぼ子どもをダシの母親が定番だ。》

 ホテル日航東京(東京都港区)は、ハロウィーンを楽しむママ友パーティープラン(31日まで)を昨年から提供している。子ども用衣装を貸し出し、料理にカボチャの冷製スープやパンプキンパイが付く。最少催行人数(大人4人)で2万4000円(子どもは1人3000円)と値が張るが、担当者は「去年より問い合わせが多く、関心が高い」。

 一方、アサヒビールは26日夜、東京・渋谷での大人向けイベントに米国産国級ウイスキーのジャック・ダニエルを初めて提供。ハロウィーンは子ども向けの行事から「大人も楽しめるゴージャスなイベント」へと進化しつつあるようだ。

《ようもこれだけコマーシャリズムに踊らされて、浮かれはしゃげるものだと思う。日本人とはどこまで軽佻浮薄な情けない民族なんだ。これを「進化」とは・・・。》

 もともとハロウィーンは古代ケルト人の収穫感謝祭で、移民によって米国に伝わった。キリスト教の万聖節の前夜(10月31日)、祖先の霊とともに悪霊が訪れるとされ、魔除けにカボチャをくり抜いて目鼻をつけた提灯を飾るほか、子どもが魔女や怪物に扮装して近所からお菓子をもらう、米国風の秋祭りとして育った。ここ10年ほどで日本でも急速に浸透。川崎市で毎年行なわれる仮装パレードには、例年10万人を超える見物客が訪れる。

 なぜ日本でこれだけ定着したのか、電通総研電通若者研究部の奈木は「古来、八百万の神をあがめる日本人は、クリスマスなど外国の宗教行事も楽しいイベントとして受け入れやすい国民性なのでは」と指摘。その上で「20代の若者と、幼児を持つ若い母親が牽引役」と見る。

《神仏に無関心な現代日本人を、八百万の神性と結びつけるなどナンセンスなことだ。》

 「リアルな場で仲間とつながることを重視する20代の若者はイベントを誰と楽しむかが重要で、仮装して一緒に盛り上がれるハロウィーンは絶好のネタ。若い母親は仮装させた子どもの写真をSNSで公開するなど、ファミリーイベントとして支持されたことも大きい」と分析する。

 

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2013年10月24日 (木)

白内障

《網膜剥離で左目を手術してほぼ20年後、80歳が近くなった頃から視野狭窄が気になり始め、事故を起こす前に車から降りることを決めた。23年11月に廃車、その後ほぼ2年近く経過したが、その間に急激に白内障が進み始め、時々ブログでもそれに触れて書いてきた。現在では網膜剥離の手術後の、左目だけ水平線が右下がりの傾斜が目立つ上に、白内障の特徴である目に映る景色が濃く霞懸かって見え、正常な右目の邪魔にになり始めた。パソコンの字は左目では判別不能、右目だけで操作しているが、右目だけではコントラストのある字が、両眼で見ると、時には字がダブって見えたり、濃度が下がってコントラストも低くなる。》

《これから先何年生きられるか分からないが、もう一度明瞭な目で、周りの景色と、汚れた世の中を見てから消えていなくなりたいと思う。そのために白内障の手術をしようと考えている。》

 毎日新聞(10/24)から、

     白内障の手術
   (超音波乳化吸引術)
 1目の中のレンズ(水晶体)が濁って視力が落ちる白内障は、患者の9割が加齢によって発症する。60代の6割、70代の8割、80代はほぼ全員に症状があるとされる。手術で水晶体の中身を取り除き、人工のレンズを入れる治療が一般的だ。手術の手法やレンズの選び方などを紹介する。

 川崎市多摩区の関口(74)は4年ほど前、ぼんやりと霧がかかったように見える症状が出たため、眼科を受診した。白内障と診断され、手術を勧められたが、日常生活に支障がなく、手術をためらううちに症状は進んで行った。飛んでいる皿を散弾銃で撃つ、趣味のクレー射撃の腕が落ち、車の運手も怖くなった。今年9月、両目の手術を受けた。

 最初に受けた右目の手術の翌日、眼帯を取って驚いた。「青空がこんなにはっきりと見えるなんて」。まぶしいため外出時はサングラスかけるが、射撃も昔のように楽しめる。「生まれ変わったようです。もっと早く手術を受ければ良かった」と話す。

 白内障を起こす水晶体は、卵のような構造をしている。外側は透明な殻(水晶体嚢)に包まれ、内側には白身にあたる「皮質」、中心の黄身の部分は皮質が固まった「核」がある。常岡・東京慈恵会医科大教授(眼科学)は「年を取ると、皮質に含まれる蛋白質の性質が変化し、透明だった皮質や核が濁って視力が落ちる。これが白内障です」と説明する。

 手術では、目薬による局所麻酔をかけた後、白目と黒目の境界付近の角膜を2〜3ミリ切り、続いて水晶体の前側の殻を丸くくり抜く。その穴から筒状の細長い器具を入れて核を砕き、周りの皮質と一緒に吸い取る。殻は残すが、後側の殻は厚さ20マイクロメートルと極薄のため、破らないよう細心の注意を払う。最後に、殻の中へ柔らかいアクリル製の眼内レンズ(直径約6ミリ)を入れる。

 手術時間は片目15分前後。この手術は、「超音波乳化吸引術」と呼ばれ、国内で年間約100万眼の手術が実施されている。

 眼内レンズは、遠近どちらかにピントが合う「単焦点レンズ」と、遠近両方にピントが合う「多焦点レンズ」がある。95%の患者は医療保険適用の単焦点を選ぶ。単焦点の場合、見えにくい距離については眼鏡で補う。多焦点は、眼鏡なしで生活できる利点はあるが、
 ▽コントラストが少し落ちる
 ▽暗くなると光がにじみやすい ― など欠点もある。
また、保険が保険が使えないため片目30万〜40万円と高額だ。冨岡教授は「多焦点レンズは『夢のレンズ』と期待する人もいるが、問題点もある。医師に希望を伝え、適切なアドバイスを受けてほしい」と話す。

 超音波乳化吸引術の安全性は高いが、5000例に1例程度の頻度で、術後に感染が起きることがある。また、殻が破れてしまった場合などは、レンズを特殊な糸で眼内に縫い付ける再手術が必要になる。術後半年から5年経つと、レンズの後側の殻が濁って再び見えにくくなることもある。「後発白内症」と呼ばれ、レーザーで濁った殻の一部を壊して治療する。

《先の網膜剥離の手術を受けたとき、同室の患者には白内障で治療にきたタクシードライバーもいたが手術は軽く、当時で入院1週間、経費も保険が利いて極く安価だったことを聞いていた。一方、網膜剥離は保険は利いても高額で入院約1カ月(1度で終わらず再手術もしたため)かかった。その後にも眼底に埋めた詰め物を取り除く手術も行ったため、左目から水平にも垂直にも直線が消えて波うち、視野狭窄も加わって好きだった読書が煩わしいものになってきている》。

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2013年10月22日 (火)

またまた学校で銃乱射、何という国だ、アメリカは

 毎日新聞(10/22)から、

《毎年のように発砲事件があり、誰かが死なないと年が過ごせないアメリカ。今回はまるでちびっ子ギャングだ。それても、大人たちは「銃が悪いのではない」銃所有は憲法が保障していると、嘯いておられるのだろうか。》

 参照 拳銃所有 2008/05

 <ロサンゼルス堀山明子>
 米西部ネバダ州スパークスの中学校で21日午前7時15分(日本時間同日午後11時15分ごろ)、発砲事件があり、男性教師(45)が死亡、いずれも12歳の男子生徒2人が重傷を負った。地元紙レノ・ガゼット・ジャーナル(電子版)によると発砲したのは同校の男子生徒で、直後に銃で自殺した。

 地元警察の当局者は「特定の人物を狙ったのか、無差別の乱射だったか、即断はできない」と述べている。重傷の生徒は、1人は肩、1人は腹部を撃たれたが、命に別状はないという。発砲は始業の約10分前、校庭で起きた。校内には生徒ら約150人以上がいた。

 <ワシントン白戸圭一>
 米国で銃乱射事件が2009年以降急増し、年間の発生件数・死者数がともに08年以前の3倍に達することが明らかになった。ホルダー米司法長官が21日、米東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで開かれた全米の捜査機関トップを集めた会合で明らかにした。

 ホルダー長官は会合で「00〜08年には、平均すると,毎年5件の乱射事件が発生していたが、09年以降の年間の発生件数は3倍になっている」と危機感をあらわにした。

 長官によると、00〜08年の9年間の乱射事件の死者は計145人で、平均すると毎年16・1人。一方、09〜12年の4年間の死者は計207人で、平均で毎年51・75人と約3・2倍となっている。

 米司法省によると11年の銃による殺人は1万1101件で、過去最多だった1993年に比べて39%減少した。銃による殺人事件全体が減少傾向にある中で、乱射事件だけが増加しており、ホルダー長官は会合で「新たな戦略が必要なことは明らかだ」と対策の必要性を強調した。

 米国では、乱射事件を起こす可能性のある人物の事前の摘発も行なわれ、ホルダー長官によると、今年だけで150件の乱射事件を防いだという。米国では昨年12月、東部コネチカット州の小学校で児童20人を含む26人が殺害された乱射事件を機に、オバマ政権が銃規制強化を目指したが、法案は今年4月に廃案になった。
    

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2013年10月21日 (月)

南米の熱帯雨林で60種の新種発見

 毎日新聞(10/21)カら、

 参照 生者必滅会者定離 2006/10/18

《7年前のちょうどこの時期、同じく熱帯雨林で植物(ラン)の新種発見の記事がでた。そのとき、参照の一文を書いた。人間の目にさとられたからには、いずれは自然の摂理を越えて早々に消えて行く運命にあるだろう》。

 チョコレート色をした木登りが得意なカエルや、小さな角を持ったフンコロガシなど、60種の新種とみられる生物が南米スリナム南東部の熱帯林地帯で発見された。調査の中心になった米国の環境保護団体、コンサベーション・インターナショナル(C I)が明らかにした。

 Photo この地域は人間の手が加わっていない原生林が残る地域で、C Iの専門家は「生物多様性や水資源の保全、地球温暖化防止の観点から極めて重要な地域であることが分かった」と指摘した。

 2012年3月8日〜29日に行なった調査で、動植物1378種を採集」」。その後の分析で昆虫や魚、両生類など計60種が、新種とみられることが分かった。

 アマガエルの仲間やヤドクガエルの仲間が含まれ、チョコレートに似た色の小型のカエルは吸盤を使ってた高い木に登り、樹上で暮らしていた。体長2ミリ余りの小型の赤いフンコロガシは頭部にシカのような角があるユニークな形だった。

 南米大陸北部のスリナムは国土の95%が森林に覆われ、豊かな自然が残ることで知られるが、鉱物資源の採掘、道路やダムの建設計画などによる自然破戒の懸念も高まっている。

《人間による地球破壊が欲望のままに止むことはないだろう。》

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2013年10月20日 (日)

世界遺産「白神山地」シカ食害危機

 毎日新聞(10/20)から、

 参照 鹿肉を食材に、普及目指す 2013/06
    知床、尾瀬国立公園で初の鹿駆除実施 2010/07
    農作物被害対策、狩猟免許取得を助成(秩父市) 2008/09

 1 今年で世界自然遺産登録から20年を迎える白神山地(青森・秋田県)の周辺で、これまでいなかったニホンジカの目撃情報が相次いでいる。本州のシカの北限は1980年ごろまで岩手県南部とされていたが、繁殖力の強さに加え、温暖化や猟師の減少により生息域を拡大している。白神にシカが入り込めば、貴重なブナの原生林が食害で大きな打撃を受けかねないとして、専門家らは警戒を強めている。

 今年4月、世界遺産地域から約16キロ北東の岩木山麓(青森県弘前市)でニホンジカの目撃情報が県に寄せられた。さらに9月6日、山形大の江成准教授(野生動物管理学)と、妻で農学博士のはるかさんが、約9キロ北東の同県西目屋村の杉林に設置した無人カメラに雄2頭が映っているのを確認した。10月7日に秋田市で開かれた白神山地世界遺産地域科学委員会では「最悪の場合5〜6年で白神山地に入ってくる」との見方が示された。

 環境省によると、シカは近年全国的に増え、捕獲率が上がらなければ、北海道を除く個体数は2011年度の推定261万頭から、25年度には500万頭に倍増すると推測されている。これまで尾瀬(群馬県など)でミズバショウやニッコウキスゲへの食害が深刻化するなど、全国30カ所の国立公園のうち、20カ所で被害が確認されているという。

 白神山地は人の手が入らないブナの原生林が評価され、93年に世界遺産に選定された。森林総合研究所東北支部(盛岡市)の堀野・生物多様性研究グループ長は「ブナの稚樹が食べられ、次世代が育たなくなる。ブナ林を中心とした白神の姿が変わる恐れがある」と危惧する。

 被害が深刻になった場合、世界遺産の価値を失う恐れがあると判断され「危機遺産リスト」に入る可能性もある。国や青森県などは、今後の情報収集や、個体調整など具体的な対応の検討を進める方針だ。

《参照でも触れたが、どうしても世界遺産を守りたいのなら、白神に入ってくる個体は速やかに捕獲、駆除し、個体数の適正を調整することだ。また、日本人が好きな牛や豚同様、飼育、屠殺、食肉としての産業化を進めればいい。》

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2013年10月17日 (木)

消費増税に 家計どうやりくり

毎日新聞(10/12)から、

 半年後に迫る消費増税に対し、私たちは家計をどうやり繰りすべきなのか。家計の見直し相談センター(東京都新宿区)代表の藤川に語ってもらった。

 20〜30代 携帯代節約を
 40〜50代 保険見直して

 消費税だけでなく社会保険料も上昇しています。「負担増・給付減時代」に備えるために大事なのは、固定費の削減です。具体的には20〜30代が通信費と住宅ローン、40〜50代が保険と住宅ローンになります。

 安定した企業の経営者は固定費が増えるのを恐れますし、家計でも基本中の基本です。しかし、見直していない人があまりに多い。食費のように目の前の出費を一生懸命減らすのは、さほど効果がありません。

 20〜30代は食事代より携帯電話代に出費する人も珍しくありませんが、理想は夫婦合わせて月1万円前後。計2万〜3万円だと多いです。

 20〜30代は住宅購入でも失敗しやすい。他の出費は我慢するのに「家を買うのが当たり前」と考える両親から援助の申し出があり、家族のテンションが上がる中で高すぎる物件に手を出す。日々使えるお金が減り、ローンを返す人生になってしまう。住宅購入後も、消費増税で生活費全体の出費が増えることを忘れてはいけません。

 40〜50代は生命保険や自動車保険が今のままでいいか、見直してみましょう。未だに高い金利のままの住宅ローンに入っている人もいます。借り換えは登記簿窓の書類集めが必要で面倒ですが、増税を機に考えてみるのもいい。反対に20〜30代は車を持たず、生命保険を掛けなさすぎる傾向があります。医療保険も死亡保険も保障が不十分な例が目立ち、注意が必要です。

 「どうしても貯蓄ができない」と相談に来る人は出費にメリハリがなく、あらゆる分野に使いすぎず絞らず、結果的にすべて我慢しています。明確な価値観を持つ人は家計をうまく回している。やりたいことができれば満足度が高まる。これは世代に関係なく言えることです。消費増税の時代に向け、自分の価値観をよりはっきりさせる姿勢が大切です。

《旧い封建時代の残渣のような嫁姑問題を避けるように、夫の母との同居が嫌われ、「家付き、カー付き、ばばあ抜き」が、結婚するに当たっての欠かせない条件となってから久しい。藤川が言うような、親が援助できる家庭であればいいが、そんなのは一握りだろう。バブル衰退後には、家は購入したが20年、30年続くローンを払う予定が立たず、泣く泣く売却することになり、それがもとで離婚に発展する例さえ幾らもある。旧い時代の男たちは、家族の一生を守るために退職金は、小さくても「終の住処(ツイのスミカ)」としての家の購入に充てるのを男の本分と考えていた。現在のように60歳70歳まで働いてのことではない。だいたい50歳前後で隠居となったが、時代はそれが可能であった。今、それをせよと言うのではないが、ろくに収入もないのに、高額な家を余りに若くして求め過ぎる。現在、共働き生活のできる手頃な「長屋」様式の家がなくなったが、格安物件は探せばあるだろう。質素でも「楽しい我が家」は可能なはずだ。》

《また、苦しい苦しいと言いながら、就活時代ならいざ知らず、1カ月数千円もあれば恐らくは事足りるだろう電話代に、1万も2万円も掛けるのは「銭失い」というものだ。》

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2013年10月16日 (水)

自動車各社 進む自動運転開発

 毎日新聞(10/16)から、

 電気自動車の開発初期、その将来性に大した期待を抱かなかった自分を恥じているが、今度は自動運転(究極的には運転免許証不要、運転手不要となる車など)で走る車の開発に各社凌ぎを削っているようだ。初期的な試験走行をテレビが紹介しているが、現時点で見るかぎり赤児がハイハイをしているサマに似たレベルだ。一般道のような、どの車もが一定スピードで走ってくれることのない、或いは追い越し車あり、割り込み車あり、複数車線あり、急勾配の上り下りあり、事故車輛や、渋滞など。はたまた高速道での走行をどのように考えているのか、走行スピードと必要な停車距離、急停車など、どこまでカバーできるのか、はたまた、記事でも触れているようだが、事故発生時の責任をどのように考えているのかは、これからの問題だろう。ほかには、公共の乗物のバス、或いはタクシーや観光バスなど自動運転が許容される自動車の業種選別の問題もあり、道交法の大々的な改正が必要になろう。

 【閑話休題】
 自動車メーカー各社が、事故防止や渋滞解消を目的とした「自動運転」技術の開発を加速させている。核となる技術は、道路などに設置したセンサーなどと車に搭載したセンサーなどが情報をやり取りして自動運転する「運転者支援型(インフラ協調型)」と、車に搭載したセンサーやカメラが周囲の状況を判断して走行する「自律運転型」の二つに分けられる。東京都内で14日開幕したITS・intelligent transport systems (高度道路交通システム)世界会議では、自動車メーカー各社が最新技術をアピールしている。

1_2 運転者支援型は、道路上に設置された通信機器が、情報を集約するセンターに渋滞状況などを送信、センターで分析された情報を車が無線で受け取り、自動で車間距離を保ったり停止したりするシステムだ。

 世界会議では、ホンダが、オートバイなどの位置を通信情報で把握し自動でハンドルの操作や、発進・停止を行なう自動運転技術を初公開し、トヨタ自動車も、自動で追従する自動運転システムを高速道路上で公開する予定だ。

2_2 トヨタは2010年代半ばの実用化を計画しており、豊田社長は「自動運転の最終目的は交通事故死をゼロにすること。社会インフラとどう連携するかが課題だ」と述べた。

 国が当面、実現を目指すのは、トヨタなどが進める運転者支援型だ。道路上で運転の責任を持つのはドライバーであり、自動運転技術はあくまで「支援」レベルという考え方だ。国土交通省は高速道路にセンサーなどの整備を進め、20年以降には自動での車線変更も可能な段階を目指す。

 一方、自律運転型への関心も高い。自律運転型は、車に搭載した多くのカメラやレーダーで視覚的に状況を確認、人工知能が判断して車を操作し、自動で目的地まで到達する仕組み。運転者支援型より、車そのものへの安全の依存度が高い。この分野は日産自動車が力を入れており、車載カメラと人工知能を駆使して、目的地まで自動でたどり着く自律運転型の車輛を展示する。今月開かれたデジタル技術の展示会「CEATEC(シーテック)」でも公開され、20年の実用化を目指す。

 日産自動車の朝見常務執行役員は「通信技術によるドライバー支援と自律運転は矛盾するものではなく、日産も両方の研究を進めている。それぞれの技術を集約させて安全な車につながっていくはずだ」と指摘。各社とも、国の制度やインフラ整備の進展を睨みながら開発を進める方針だ。

 自動運転技術の実現・普及には課題も多い。運転者支援型は、インフラ整備を進めることが前提。すべての高速道路で整備することが理想だが、対応車線の普及がすすなければ投資に見合った効果は得られない。膨大なデータを扱うため、情報をどう処理するかも課題となる。

 事故の際、誰が責任を負うのかも議論になりそうだ。国は当面、自動運転の技術は「支援」であると位置づけており、責任は一義的にはドライバーが負うことになる。ただ、自動追従への対応など技術革新が進めば、第三者の車との関与も生じ、責任問題も複雑になる。

 自動運転技術は米欧でも技術開発が進んでいる。米国では、完全自動制御の無人ロボットカーレースも開かれている。IT企業の米グーグルは膨大なデータを活用した自動運転車の開発を表明、ゼネラル・モーターズ(GM)も大学などの研究機関と組んで研究を進めている。欧州メーカーも独フォルクスワーゲン(VW)や独BMWが自動運転の開発に取り組んでおり、日本メーカーとの競争が激しくなりそうだ。

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2013年10月13日 (日)

ここまで来ている「草食男子」

 毎日新聞(10/10)から、

 いつの時代も恋は身も心もときめく・・・と思っていたら、昨今は独身男性の3割弱が「婚約者、恋人、異性の友人のいずれも欲しくない」という。20代前半の男性の4人に1人は「セッックスに関心がない/嫌悪している」との調査結果も。彼らにはもう女性は要らないのか? 探ってみた。『田村彰子』記

 <「セックスに無関心、嫌悪」25%>
 20代男性が草食化しているとは聞いていたが、まさか個々までとはおも輪mなかった。いかにも「青春」を楽しんでいそうな首都圏の某有名大学男子学生(20)は開口一番「彼女だとずっと一緒にいないといけないので、面倒くさいんです」と話す。「性体験のないヤツは普通にいますし、お互いに別に隠しません。童貞の子? 何人も知ってます。あいつもそうかも」と、その場で別の男子学生(20)を紹介してくれた。こちらの彼も小学生の時に両思いの女の子がいただけで、彼女がいたことはない。

 (性体験なくても平気>
 「今は18歳までに性体験のある人は3割ぐらいだと聞きますし、経験がないことは全く気になりません。女性との付き合いは人それぞれです」とはきはき。学習系サークルに熱心に参加し、暇な時はネットゲームをする。男友だちがいるので寂しくないし、女生とつき合うには「交際費」が足りないという。性欲については「普通にあると思うんですけど、ネットなどで自分で適当に解消してます」と他人事ごとのように答えてくれた。

 厚生労働省は今年9月、白書のテーマとして初めて「若者」を取りあげた。その中にある国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」などによると、1982年時点で、18〜34歳の未婚男性で異性の交際相手(婚約者、恋人、異性の友人)がいないのは36・8%だった。それが2010年では、18〜39歳で62・2%に。年齢層が若干違うもののなんと25%も高い。しかも全体の28・0%が「交際相手はいないし、欲しくもない」と回答している。

 理由は何か? 同白書によると、20代・30代男性が恋人を欲しいと思わない理由は、1位」・自分の趣味に力を入れたい(55・7%)▽2位・恋愛が面倒(52‥6%)▽3位・仕事や勉強に力を入れたい(36・8%)と続く。

 確かに「面倒」という言葉はあちこちで聞いた。冒頭の彼は数ヶ月前、初めての彼女と1カ月で別れた。理由は「話を合わせるのが面倒くさくなって」。彼によると,男友達は皆「同じような感じ」だ。別の大学院生(24)も約半年付き合った彼女に「前の彼が忘れられない」と言われ、「もういいや」とあっさり別れた。「そもそも自分から女性に告白したことはない。アタックすることを考えると面倒になっちゃうんです」。

 著書に「特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ」などがある、カウンセラーで作家の五百田(いおた)は「IT(情報技術)の発達で恋愛がはやらなくなった」と分析する。フェイスブックやツイッターなどのSNSがなかった時代、「深夜の人恋しさ」から男性たちは彼女を欲しがった。「今はSNSで、いつでも沢山の人とゆるくつながれて、淋しさが埋まればさくっとオフできる。1人の異性と恒常的な関係を結びデートをしなくちゃならない恋愛を、面倒くさく感じるのは当たり前です」。

 <ITの影響/「育ちの良い子」「お子様」/日本は滅ぶ……>
 同時に性的な探究心がそがれているのも大きい、と指摘する。「とくに男性の場合、恋愛を始めるきっかけとして『異性の身体はどうなっているんだろうか?』という純粋な好奇心が合ったわけです。それもネット上の情報でいくらでも補完できる。生身の恋愛・セックスにとって部が悪い時代です」と解説する。

 「彼らにすれば、恋愛は不可欠なものではなく、数ある趣味の一つなのでしょう」と語るのは「コラムニストの堀井(55)。現在も大学の漫画研究会に参加し、若者と接する。「女性の1回ノーと言われても、少々無理してでも押すという男性が僕が大学生だった80年代より少ないと思う。ちょっと強引に迫るとか乱暴なことはしないし、きちんとしたお母さんに育てられて言うことを聞く子に育った。そんな男性が顕著に多くなった印象です」と話す。

 「セックス嫌いな若者たち」などの著書がある産婦人科医北村(62)は、02年から2年ごとに「男性の生活と意識に関する調査」をしている。20〜24歳の男性でセックスに「かんしんがない」「嫌悪している」と回答した割合は、08年の11・8%から10年には21・5%に急増した。最新の12年も24・6%と増加傾向だ。女性は30%前後だが、「性欲は男性ホルモンの支配下にあり、女性ほホルモンが優位の若い女性は仕方がない」。問題は、男性ホルモンが一番多く分泌されているはずの20代男性がセックスに関心が向かなくなり、敵視する人まで現れていることだ」と指摘する。セックス以外の異性との関わりを「面倒」「嫌悪している」とした人も20〜24歳で27・7%、25〜29歳で29・4%と上下の年代に比べて高い。

 コラムニストの北原(42)は、20代男性たちに「性欲はあるのにロリコン化が進んだ。性欲もあり、言いたいことを言う大人の女性と向き合う体力、知性がなくなってしまった」と手厳しい。雑誌などを分析すると、80年代は大人の男女に憧れる風潮が合ったが、いつの間にか少女っぽさがもてはやされるようになった。「お子様文化が進み、若い男性も『子どもでいさせてほしい』と思っている。それならセックスなんて必要なくなってしまいます」。

 北村は「セックスは、コミュニケーションのいわば最終形。その入り口である会話などの能力が低下した男性たちが、セックスを鬱陶しく思ってしまうのは当たり前なのかもしれません」とはなす。

 調査では、セックスに関心がなく、異性と関わるのが面倒だという20代男性は、そうでない男性と比べて中学生時代に両親が不仲であるなど家庭が楽しくなく、子どもも欲しくない割合が高い。取材に来た海外メディアから口々に「このままだと日本は滅びますね」と驚かれた。北村は「人と関わることで人生が楽しくなることや打てば響く会話の面白さを幼い頃から教えていかなければ、本当に滅亡してしまう」と危機感をあらわにする。

 彼らを「不甲斐ない」と批判するのは簡単だ。でも、それだけでは何も変わるまい。

《一方に、産めるのに,産みたくない50%以上の女性がいる日本は、間違いなく遠くない将来滅びるだろう。 参照 出生率 2013/06 》

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2013年10月12日 (土)

三鷹高3殺害

 毎日新聞(10/12)から、

 参照 「LINE」子どもトラブル相談急増 2013/08

 東京都三鷹市で私立高校3年の女子生徒(18)が殺害された事件がメディアで連日取りあげられている。11日の通夜には同級生ら約600人が生徒の市を悼んだ。殺害される当日の彼女の行動がどうだったかとか、ストーカーを相談された警察署の対応がどうであったかとか、加害者とはどのように知り合ったのかとか、殺害されたことへの同情記事が満載だ。そして、それより以前にインターネット上で「LINE」を通じた1年半にも及ぶ交友関係があったことも知られている。

 また、「LINE」が悪用されるケースについては2日のブログでも書いた。彼女が興味本位で交友サイトに関心を持ったことが、今回の事件にまで縺れたそもそもの背景だ。彼女は成長とともにサイトから距離を置いたのは理解できるが、男女間の縺れでは女性に比べ、男は金色夜叉の昔から、恨みつらみが後を引くようだ。その結果がストーカーとなって女々しく付け回す。

 こうなってからでは手の打ちようはない。親に話そうが学校に相談しようが、女性が避ければ避けるほど男は後を追うことになる。警察に相談しても、現在の民主警察では事件にならないと初動捜査もしない。具体的な被害がないから保護もできない、隔離もできない。

 冷酷なようだが、私は今回同様の事件は、これからも起こりうる世相の中の一例としてしかみていないし、それ以上の感慨はない。

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2013年10月11日 (金)

黒髪ブーム

 毎日新聞(10/11)から、

 「黒髪」ブーム到来と言われている昨今、流行に敏感な学生はどう感じているのだろうか。キャンパる記者に、「髪色」について生の声を聞いた。

 <あなたの今の髪色は?>
 「日本人はやっぱり黒髪! 染めない主義を貫きます」(一橋1年、女)と大和撫子の信念を貫くという。「塾講師のバイトなので黒色です」(上智1年、男)と、アルバイトで黒色にしなくてはいけないという学生も。また「黒髪。髪の毛がすぐ伸びるため、何回も染め直すのが面倒だから」(首都大東京3年、女)、「黒。染めるのにお金がかかるから」(武蔵4年、男)と、染める頻度やコストの問題を挙げる人も。「以前は茶髪だったが、日焼けをして真っ黒な肌になったら、彼女から軟弱なヤンキーと言われた」(首都大東京3年、男)と、茶髪のマイナスイメージを理由に挙げた人も。

 「光が当たると赤系色。(3年の)就活まではいろいろなカラーを楽しみたい」(明治2年、女)と学生のうちにしかできないカラーを楽しみたいという意見もあった。「清楚系を目指して、黒髪に戻ろうかなと思っている」(早稲田1年、女)と、今は染めているが黒色にしようかと迷っているという声も。

 <異性の髪色の好みは?>
 「黒髪。やっぱり真面目そうに見えるから」(一橋2年、女)、「黒色。清潔感があって、誠実な印象を受ける」(学習院1年、女)。ほかにも「日本の男性なら断然黒髪」を推す声が聞こえた。一方で、「似合っていればどちらでもいい。気になっている人は黒髪から茶髪になってそのギャップにドキッとしました」(神奈川2年、女)と、その人に合った髪色であれば気にならないと感じる人もいる。

 「茶髪! 落ち着いた茶色の方が大学生ぽくて好感が持てる」(首都大東京3年、男)。「白い肌とのコントラストが美しいから黒髪です」(早稲田1年、男)とさまざま。また「どちらでも似合っていればかまわない」(フェリス3年、女)という意見も多数あり、男性はその人自身の好みであったり、相手の雰囲気に合っていれば好感を持てると感じているようだ。

《昭和一桁の私自身は断然黒髪。和歌などに詠まれる女性の髪は「髪はカラスの濡れ羽色」と例えられるように、白人だから似合うブラウンや、金髪、茶髪は日本人には似合わない。百人一首の十二単の女性たちの黒髪が、茶髪で描かれることでもあれば、みるに耐えられない絵になるだろう。逆に、手をかけない老人の透き通るような銀色に輝く白髪は、日本人にこそ似つかわしい宝物のようだ。紫色に染めたりする婦人を見かけることがあるが、醜悪そのものにしか映らない。》

 因みに記者は、茶髪から暗い茶色にイメージチェンジしたと書き、好みは人それぞれ、流行に流されず、自分に合った髪色をしてみてはどうだろう、と書くが、「黒髪」ブームを取りあげたこと自体流行にすがっているのだが・・。

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2013年10月10日 (木)

援助交際や下着の売り出しなどで補導89人

 毎日新聞(10/10)から、

 警察庁は10日、今年4月から9月末までに、インターネットの掲示板や交流サイトで下着の購入を持ち掛ける書き込みをした18際未満の子ども89人を「サイバー補導」したことを明らかにした。

 警視庁と北海道警や大阪府警など9道府県警が試行していた取組みを集計。警察庁は今月21日から全国でサイバー補導を実施するように指示する。

 サイバー補導は、警察官が18歳未満によるとみられる不適切な書き込みを見つけた場合、身分を明かさずにやり取りし、実際に会った際に警察官であることを告げて直接注意や指導をし、保護者に引き渡す。

 警察庁によると、89人のうち女子が88人で男子が1人。約半数が過去に児童買春に遭っており、60人は非行や補導歴がなかった。

 目的別では下着販売が53人、援助交際が33人、両方が3人。中学生が14人で、平均年齢は16歳だった。最年少は中学2年の13歳少女。これとは別に18、19歳も8人補導した。

 サイバー補導の対象となった書き込みは約2000件。警察官らが直接会ったのは115件だった。補導をきっかけに事件を摘発したケースもあり、警視庁は7月、補導した高1の少女の話から、この少女に現金を渡して淫らな行為をしたとして児童買春・ポルノ禁止法違反で千葉県の男を逮捕した。

《増加する草食男子を嘲笑うように、女子の肉食系が低年齢化していくようだ。》

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2013年10月 9日 (水)

「大人の学力」日本トップ

 毎日新聞(10/9)から、

 経済協力開発機構(OECD)は8日、加盟国を中心に世界24カ国・地域を対象に、社会生活に必要な能力を調べた初の「国際成人力(PIAAC、ピアック)」の結果を発表した。調査は「読解力」「数的思考力」「IT(情報技術)活用力」の3分野で、日本は読解力、数的思考力の平均点で1位。「IT活用力」は、高い習熟度を持つ人の割合は10位だったが平均点では1位となり、全3分野で平均点がトップだった。文部科学省は、義務教育と企業の社員教育の成果を理由に挙げている。
          
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 日本での調査は2011年8月〜12年2月に実施。16〜65歳の男女1万1000人を住民基本台帳から無作為に選び、そのうち5173人から回答を得た。国から委託を受けた調査会社の調査員が、対象者の自宅などで専用のノートパソコンを使って対面式で調査した。ただ、対象者がコンピューターを使えなかったり、拒否したrした場合は、紙による調査に切り替えた。

 調査内容は知識の有無ではなく、日常生活の中で接する情報を活用する能力を重視。調べたのは①読解力②数的思考力③ITを活用した問題解決能力(IT活用力)― の3分野。対象者はこのうち1〜2分野を受けるが、紙による調査を受けた場合、IT活用力の調査は対象外。

 1人当たりの問題数は受ける分野で異なり、計20〜46問。共通問題のほか対象者の能力に応じて難易度が自動的に変わる仕組みで、一つの問題に正解する次はより高い難度の問題が出題され、不正解だった場合はより易しい問題が出題された。問題は難易度に応じて、読解力と数的思考力は高い順にレベル5〜1未満の6段階、IT活用力はレベル3〜1未満の4段階。

 テストはコンピューター(使えない人は紙のテスト)で実施。読解力(文章を理解、評価、利用する力)▽数的思考力(統計などの数学的な情報を利用、解釈、伝達する力)▽ITを利用した問題解決能力(コンピューターやインターネットを使い、実生活に利用する力)― について各0〜500点で採点。日本は読解力が平均296点で、2位のフィンランドに8点差をつけて1位。数的思考力でも2位フィンランドに6点差の288点でトップだった。

 IT活用力は、全解答者(コンピューターと紙テストの合計)のうち得点上位のコンピューター回答者の割合で、国民の能力を測った。日本は35%で、20カ国・地域中10位。1位はスウェーデン(44%)だった。これとは別に、日本の国立教育政策研究所でコンピューター回答者だけで平均点を独自算出したところ、日本は294点で、2位(フィンランド289点)を引き離してトップ。また、年齢や学歴などを考慮して分析すると、日本の成績はOECD平均より上位と下位の差が小さい▽中高年になってもレベルがおちない▽中卒者の読解力は、高卒者のOECD平均とほぼ同等 ― などが確認された。

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2013年10月 8日 (火)

ヘイトスピーチ、「違法」「賠償命令」

 毎日新聞(10/8)から、

 京都朝鮮第一初級学校(京都市)の校門前で行なわれた街頭宣伝などを人種差別と認定し、約1226万円の損害賠償を命じた7日の京都地裁判決は、「人種差別が具体的損害を生んだ場合に初めて賠償を命じられる」との判断枠組みを示した。その上で、「在日特権を許さない市民の会(在特会)」による街宣によって、学校が混乱の対応に費やした時間や労力を損害と認定し、賠償額を算定した。いわゆるヘイトスピーチ(憎悪表現)に対し、違法性と人種差別を認めた司法判断は初めて。

《ヘイトスピーチについては、8/11のブログで触れた。》

 在特会の街宣について、橋詰裁判長は「著しく侮蔑的な発言を伴い、在日朝鮮人の人権を妨げる目的がある」と批判し、人種差別撤廃条約が禁じる人種差別に当たると指摘。ただ、「単に人種差別行為がされたというだけで賠償を命じることは、新たな立法なしにはできない」と述べた。

 今回は業務妨害や名誉毀損などの損害が発生しているとして民法に基づき損害賠償を命じられると判断。賠償額については「人種差別に対する効果的な保護、救済となるよう定めなければならず、高額とならざるを得ない」と述べ、差別的行為に厳しい姿勢を示した。

 在特会側は「街宣は公益性があり違法ではない」と反論したが、判決は「実力行使を伴う威圧的な態様で、公益を図る目的の表現行為とは到底思えない。いわゆる悪口だ」と退けた。

 また判決は、在特会側が街宣の様子を撮影した映像をインターネットで公開したことについても「差別意識を世間に訴える意図のもとに公開した」と述べ、不法行為に当たるとした。

 訴訟は同校を運営する京都朝鮮学園が、在特会と元メンバーら9人を相手に、3000万円の賠償と半径200メートル以内での街宣禁止を求め、判決は街宣も禁じた。

 同時に社説でも取りあげ、街宣については「密入国の子孫」「朝鮮学校をぶっ壊せ」と怒鳴り上げ、判決でも触れているインターネット上で公開したことが業務妨害であり、名誉を傷つける不法行為だとして、判決を当然の判断だとした。

〖人種差別撤廃条約〗
 人種、民族、出身国などによる差別を一切禁止した条約。締約国に人種差別を禁じるための立法などを義務づけている。1965年の国連総会で採択され、締約国は176カ国(7日現在)。日本は95年に加盟した。日本はアイヌ、沖縄、被差別部落、在日韓国・朝鮮人、中国帰国者などが主な審査対象となっている。

Heitosupiti 
 外務省によると、日本は同条約に加盟しているが人種差別を煽ることを違法として禁止するよう求める第4条にについては表現の自由に抵触しかねないとして、批准を留保している。条約加盟の176カ国のうちで留保しているのは日米など5カ国だけだ。

 

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2013年10月 7日 (月)

慰安婦「軍が強制」詳述

 毎日新聞(10/7)から、

 戦時中、旧日本軍がインドネシアの捕虜収容所からオランダ人女性約35人を強制連行し慰安婦としたとの記録があるとしたとの記載がある公的な資料が、国立公文書館(東京)で市民団体に開示された。資料は軍の関与を認めた河野官房長官談話(1993年)の基となるもので、存在の内容と骨子は知られていたが詳細な記述が明らかになるのは初めて。

 法務省によると、資料名は「BC級(オランダ裁判関係)バタビア裁判・第106号事件」。49年までにオランダによるバタビア臨時軍法会議(BC級戦犯法定)で、旧日本軍の元中将(有期刑12年)、同少佐(死刑)など将校5人と民間人4人を強姦罪などで有罪とした法廷の裁判記録のほか、裁判後に将校に聞き取り調査をした結果が含まれる。計約530枚で、原資料は99年に同省から公文書館に移管され、神戸市の市民団体の請求に対し、9月下旬に開示した。

 元陸軍中将の判決文などによると、44年、ジャワ島スマラン州に収容されていたオランダ人女性を、日本軍将校が命じて州内の慰安所に連行し、脅して売春させた。判決文には将校らの証言として「州警察の長に、遊女屋用の女をキャンプで選出するよう依頼した」「婦女は○○(将校の名)の要請により州の役人が連れ出した」「女たちは遊女屋に入るまで、どういう仕事をするのか聞かされていなかった」と記載されている。

 中将が帰国後の66年、石川県庁で行なわれた聞き取り調査の記録によると、中将は「連合軍の取り調べとなると、婦人たちもあることないこと並べ立て、日本軍部を悪口する」と反論する一方、「(慰安婦となる)承諾書を取る際も若干の人々に多少の強制があった」と述べた。

 参照 破れかぶれの 安倍「私の内閣」 2007/06/
    従軍慰安婦問題 2、 2007/03/
    我疑う ゆえに我あり 2006/07/
    慰安婦問題 2006/07/

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2013年10月 6日 (日)

リンゴ病 流・死産49人

 毎日新聞(10/6)から、

 Photo_2《リンゴ病》
 正式名称は伝染性紅斑。感染すると10〜20日の潜伏期間を経て発症し、頬などに赤い発疹が現れることから、リンゴ病とも呼ばれる。有効なワクチンや決め手となる治療法はなく、妊婦らは人ごみを避け、手洗いやうがいなど感染症の一般的な予防対策が重要になる。発疹が出た時には、原因ウイルスの排出は殆どなく、感染力はほぼなくなっているとされる。(写真は Wikipedia より)

 頬や身体が赤くなり、風邪のような症状が出ることもある伝染性紅斑(リンゴ病)に妊娠中にかかり、胎児に感染した女性が2011年に69人確認され、うち約7割の49人が流産、死産していたことが厚生労働省研究班(主任研究員・山田神戸大教授)の全国調査で分かった。

 妊婦を対象に実施した初の大規模調査。69人のうち家族もリンゴ病にかかっていたのは37人。このうち34人が子どもだった。育児中の妊婦が子どもから感染するケースが多いとみられ、研究班は、風邪の症状がある人に近づかず、定期的に検診を受けるよう、妊婦に注意を呼びかけている。

 リンゴ病の原因はパルボウイルスB19。咳やくしゃみを介して感染し、頬や腕、足などが赤くなるほか、頭痛や関節痛が生じることもある。殆どは自然に回復するが、妊婦が感染すると、胎児の組織などに水分が溜まる「胎児水腫」や流産の恐れがある。

 研究班は昨年、妊婦健診を実施する全国2714施設に、妊娠中のウイルス感染について11年を対象に調査した。

 回答があった1990施設を分析した結果、母から胎児へのパルボウイルスB19感染を69人確認。うち35人が流産、14人が死産、3人が中絶で、残り17人が出産だった。妊婦の半数はリンゴ病の症状がなかった。

 山田教授は「11年は流行年だったこともあり、今回の調査で妊婦への影響の大きさが明らかになった。パルボウイルスB19を知っている妊婦は少ないとの調査結果もあり、何らかの対策が必要だ」と話している。

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2013年10月 5日 (土)

続 大学入試は今・・

 毎日新聞(10/2、3、4)から、

 <絶対評価 信用できず>
 AO入試から3年目。受験生が提出する調査書に「A」がやたら目についた。学力試験を課さないAO入試では、調査書は学力をみる重要資料だ。高校側は3年間の成績(5点満点の評定平均)を基に、上からA〜Eまでの5段階で生徒を評価する。人物、学力とも「特に優秀」ならⒶを付けられる。

 以前は1校に1人いるかいないかだったが、1クラスに2人というケースもあった。「信用できない」ということで、予備校実施の模試成績を提出させた。Ⓐにはほど遠い成績だった。

「あの頃から評定が甘くなった気がする」ということで、結局、予備校が作る高校の偏差値ランクなどを基に独自に査定し直して判定した。

 予備校関係者は「評定はインフレ状態」と言い、学校側は「生徒を合格させたいので甘めにつける」平均で『4』。かなり悪くても『3』しかつけないと明かす高校教諭もいる。

 それがなぜ可能なのか、それは評定が『絶対評価」だからだ。5や4がつく生徒の割合が決まっている相対評価に対し、絶対評価は生徒個人の達成度で判定するため、「みんな5」もあり得る。「だが、それは、各校内の基準。現状では現状では公平な合否判定には使えない」と冒頭の教授jは訴える。

 入試が多様化する中、学力をどう担保するかは国が進める入試改革の大きな柱だ。 政府の教育再生実行会議が検討している入試改革では、一つの案として高校在学中における基礎学力判定用に「到達度テスト」の導入が見込まれている。学習の「到達度」をみる目的で、高校在学中に複数回受験できることを想定している。一定の学習レベルに「到達」していることが把握できれば、あとは大学側が、高校時代の部活動実績や面接で合否を判定する。マラソンや水泳なら、偏差値が順位、到達度はタイムに相当する。

 だが、その導入には前提がある。「ますます、大学にはアドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)をしっかり掲げ、学生を選ぶ力が求められる。全国高校長協会の甲田元会長はそう指摘する。「入試害外注」が広がり、アドミッションポリシーの無断拝借まで起きる中、それだけの力がある大学はどれだけあるのだろう。

《厳しく学生を選ぶ力があって、その通り実行し、選抜すれば学校経営に破綻をきたす学校が次々に出てくるだろう。どれだけ低いレヴェルの学生でも入学させなければ、学校が潰れてはどうにもならない。淘汰の声が聞こえ始めてから随分経過するが、まだまだ多すぎる学校が員数を欲しがっているのが現実だろう。》

 <「到達度テスト」の導入>
 7月下旬、東京・駒場の大学入試センター視察を終えた下村文部科学相は、入試改革の象徴としてセンター試験を挙げた。

 1990年の導入から23年。制度疲労は否めない。科目が29にまで増え、ミスも続発する。作成するのは委嘱された大学教員だが、暗黙のルールがあり、過去に出題されていないこと。作成経験がある教授は「20年も経てば問題も出尽くす」。受験生は志望大学が指定する科目だけしか勉強せず学力低下を招いたともいわれる。「1点刻み」の得点主義も批判される。

 そこで政府の教育再生実行会議が入試改革の減算に盛り込んだのが大学入試の「新テスト」だ。テスト結果は大まかに段階別の「到達度」という指標で提示。試験教科・科目も見直し、複数回受験を可能にするという。だが、実現には懐疑的な声もある。「到達度」をどう設定するのか。複数回は可能なのか。問題は費用面や技術的な話にとどまらない。

 かつて、同様の試験が検討されていたが、途中で「放置」された。文科省の委託で同テストの研究を進めた佐々木・北海道大名誉教授は当時あった二つの「壁」を指摘する。一つは「政治の壁」で、09年9月に政権交替したが、「民主党は入試センターの民営化には関心があったが、入試改革には意欲がなかった」。

 もう一つの壁は文科省内にあった。小学校から高校までを担当する初等中等教育局と大学を担当する高等教育局のどちらがテストを所管するか。「高校卒業資格」なら初中局。大学入試なら高等局だが「省内がまとまっていなかった」。

 今回は昨年の衆院選で自民党が公約。政治の壁はなくなった。文科省内の壁はどうか。現在、高大接続問題が中教審で議論されているが、議論の場は「高校教育部会」と「高大教育接続部会」の二つ。前者は初中局、後者は高等局の担当だ。

 教育再生実行会議の提言について、具体的な制度設計は中教審が担う。佐々木は期待を込める。「文科省内の『高大接続』がうまくいくことが成否の鍵を握る」と。

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 <問題「初出」暗黙のルール>
 2007年4月、国公私立70大学の「共同宣言」が受験界で話題を集めた。「入試過去問題活用宣言」。各大学の入試の過去問題を共有財産として活用する内容だ。旗振り役となった岐阜大の広田副学長は「作問担当教員の心理的負担をhジェラスため」と狙いを説明する。

 入試問題には「初出」という暗黙のルールがある。過去問と類似していることが分かると、たちまち高校や予備校から「不公平だ」「ミスだ」と抗議が寄せられる。作問経験がある地方大の教員は「問題を作ったら、他大学の過去問を取り寄せ入念にチェックし、入試が終わっても苦情が来ないかびくびくしていた。神経をすり減らす日々だった」と苦々しく振り返る。

 結果的に似ることはある。良問なら尚更だ。それがミスだと批判されてはたまらない。ならばいっそのこと、先に宣言してしまおうというわけだ。実際に過去問を使うのは参加大の1割程度だが、今では参加大は106にまで増えた。

 「公平性」は入試の大原則とされてきた。進学率が伸び始めた1960〜70年代、大学の収容力が追いつかず、大量に押し寄せてきた受験生を厳正に選抜するには公平公正さが必須だった。客観的指標になる偏差値が物差しになった。それから半世紀。18歳人口の半数以上が大学に進み、希望すればどこかには入れる「全入時代」が到来し、大学は大衆化した。そして今、公平性の呪縛からの脱却を望む声は大学外からも高まっている。

 3年前、首都圏の市立中高一貫校の校長が設立した「21世紀型教育を創る会(21会)」。偏差値重視の「知識詰め込み型」教育から、思考力を育成する「課題解決型」教育への転換を目指す。現在15校。参加する富士見丘中高(東京都渋谷区)の吉田校長は「各校の教育内容を評価して『あの学校はの卒業生なら』と受け入れてくれる大学が出てきてほしい」と期待を込める。

 産業界も後押しする。今年1月の中央教育審議会(中教審)の高大接続特別部会。委員の浦野経済同友会幹事は「入社試験は客観的な公平公正が求められていない。なぜ大学だけが言うのか。主観的論点も含めた入試に踏み切ってほしい」と強調した。

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2013年10月 4日 (金)

女性受刑者3%摂食障害

 毎日新聞(10/3)から、

 参照 窃盗癖、背景に過食症 2010/12/

《上の参照で窃盗など単なる「モラルの欠除」、と指摘したのだが、女の「病気」のせいにしてもらえるようだ。》

 全国の女性受刑者の約3%に当たる124人が摂食障害を抱えていることが、法務省の調査で分かった。摂食障害の一つである「過食」でかさむ食料を節約するため食べ物の窃盗を繰り返して服役するケースが多く、女子刑務所の過剰収容を招く一因にもなっている。法務省は再犯防止を目指し、受刑者に対する処遇プログラムの作成に乗り出す方針だ。

1調査は9月、全国の3医療刑務所と9女子刑務所の女性受刑者4159人を対象に実施。異常な食行動があったり、他の受刑者と異なる処遇をしたりしているケースは、医療刑務所で18人、女子刑務所で106人。罪名別では、窃盗罪が約7割、覚醒剤取締法違反が約2割だった。

 女子刑務所の収容率(2011年末)は定員オーバーの109%で、男性の84%を大きく上回る。窃盗罪が3割強を占め、摂食障害の受刑者の増加が過剰収容の一因になっているという。

 摂食障害とみられる受刑者が18人いる女子刑務所の栃木刑務所(栃木市)では、受刑者が居室内で指を口に入れたり、大量の水を飲んだりして吐かないよう、食事後は一定時間、トイレや洗面所のない部屋に待機させるという。女性刑務官は「食事を拒む受刑者には十分に説得して食べさせている。どうしても応じない時は、医師の指示で栄養ドリンクを飲ませるしかないこともある」という。有識者らでつくる「女子刑務所のあり方研究委員会」は3月、「摂食障害の入所者などの健康保持に十分配慮し、必要な医療措置や処遇上の配慮を行なう体制」の整備を要望した。

 今回の調査結果を踏まえ、法務省は専門家や医師らの助言を得たうえで、処遇プログラムの開発や職員の研修を行なう方針だ。

《健康なぽっちゃりタイプに日が当たろうとしているさ中だが、日本のおおかたの空気は相も変わらず痩せたガリガリがもてはやされる世の中だ。46年前、羽田に降り立ったイギリスの女性、ツイッギーの痩身、ショートスカートに魅せられ、以降の日本人女性は痩せることに努力を惜しまなかった。世界でも特に短い脚の日本人女性にはショートスカートは短い脚も長く見えて良く似合い、ファッションの主流となってほぼ半世紀、現在では卑猥なまでの布切れ状にまでなった。本人たちが、少しでも太っていると感じれば、手っ取り早く痩せるための朝食抜きが広がり「拒食」とその反動で「過食」が交互にやってくる。日本だけではない、ファッション界でもモデルの痩せ過ぎが問題ともなり、痩せ過ぎモデルのショーへの出場禁止措置までとる国も出た。しかし、摂食障害の治療は簡単ではないだろう。背景にこのような美の価値観がある限り、それに挑戦する女性たちのツキモノとして、窃盗はなくならないだろう。現状からすぐにも間に合う対策としては、刑務所の入れ物が足りないのなら増設、増加することだ。》

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2013年10月 3日 (木)

早発閉経 初の出産、不妊治療に道

 毎日新聞(10/1)から、

 1 妊娠が難しい「早発閉経」の患者から卵巣を摘出し、その中の卵子のもとになる細胞を卵子に成熟させる方法で、日本人患者一人が世界で初めて出産したと、聖マリアンナ医大など日米のチームが30日付の米アカデミー紀要で発表した。臨床研究として実施した。創発性閉経患者の妊娠への道を開く治療法として注目される。

 研究で用いた卵子のもとになる細胞は「原始卵胞」。女性の卵巣には、思春期に約50万個の原始卵胞があり、毎月成熟した一個が排卵される。閉経時は数千個に減る。早発閉経は、卵巣機能の低下によって40歳未満で排卵が止まり、月経がなくなる病気で、女性の約1%が発症し、国内の患者数は推計10万人に上る。

 聖マリアンナ医大の河村准教授(産婦人科学)らのチームは、20代後半〜40代前半の早発閉経患者27人の卵巣を腹腔鏡手術で取り出し、液体窒素(氷点下196度)で急速冷凍して保存。そのうち原始卵胞が残っていた13人について、解凍した卵巣の切片を2日間培養した。成熟前の原始卵胞は休眠状態にあり、チームは原始卵胞の目覚めを促す物質を加えた培養液を使った。

 培養後、卵子の成熟に適した卵管付近に移植し、数週間から約一年後に5人から成熟した卵子を採取できた。体外受精の一つ、顕微授精で受精卵を作り、子宮へ戻した3人中2人が妊娠、うち1人が男児を出産した。出産した女性は29歳で卵巣を摘出、出産時は31歳だった。赤ちゃんや胎盤に異常は見つかっていない。

 〖解説〗
 早期閉経は不妊治療を受けても妊娠が難しいことが多く、卵子の提供を受ける不妊治療に望みを託す患者は多い。日本でも、2008年から不妊治療のクリニックのグループが早期閉経などの患者を対象に提供卵子による不妊治療を始め、今春にはボランティアからの卵子提供を斡旋する事業を民間団体が始めた。だが、現状では提供を受けられる患者は少なく、実施要件などの公的ルールがないなど課題も多い。

 今回の聖マリアンナ医大などの成果は、自分自身の卵子で妊娠を望む患者の新たな希望となる。ただし、卵巣を摘出した27人のうち卵子を得られたのは5人、出産は1人と、成功率は高くない。過大な期待を防ぐため、対象患者を見極める手法の確立が求められる。

 そもそも閉経から時間が経つほど卵巣内の原始卵胞が減り、この方法でも妊娠は難しくなる。また、卵巣を取り出し、人為的に卵子の成熟を促すことが、子ども発育に影響を及ぼさないか、長期的な調査が必要だろう。

 チームは論文で、加齢で妊娠ができなくなった女性にも、この手法を応用できるとする。その場合も、高齢妊娠・出産のリスクは消えない。対象の拡大には慎重な議論が求められる。

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2013年10月 2日 (水)

「Hしてくれる人を募集」・・子どもの書き込み

 毎日新聞(10/2)から、

《「下着売ります」など。まるで、私、売春します、とでも言いたい書き込みだ。これで被害に遭わない方が余程おかしい。親や保護者たちの、わが子への育児放棄にも似た育児監督責任のなさ、無関心ぶりには驚くほかない。》

 インターネットを利用する子どもが児童買春などの性犯罪被害に遭う事件が後を絶たないことから、警視庁は近く、出会い系サイトやネット掲示板に下着販売や性行為を誘う書き込みなどをした少年少女たちについては補導するよう全国警察に指示する方針を固めた。何度も書き込むなど悪質な場合を除き、積極的な対応を取って来なかったが、「サイバー補導」を徹底する姿勢に転じることで犯罪に巻き込まれるのを未然に防ぎ、保護者にも注意を払うよう促したい考えだ。

 同庁によると、18歳未満が補導されると、「少年補導票」が作成される。補導の事実は保護者に通知される他、4月以降、犯罪につながる情報を監視する「サイバーパトロール」で書き込みを確認した場合、本人に接触して補導する取組みを10都道府県警で試行してきたが、有効だとして全国に広げる。2008年に改正された出会い系サイト規制法は、事業者が性行為を誘う書き込みを発見した場合に削除することを義務づけた。この効果もあり、児童買春や青少年保護育成条例違反(淫行)などの犯罪被害は08年の724人から、12年は218人にまで減少した。

 〖少年補導票〗
 警察庁通達に基づく少年の不良行為の記録。不良行為は17種あり、警察官が本人への注意だけでなく保護者や学校への連絡が必要と判断した場合に作成する。項目は名前や補導場所、共に補導された仲間の名前など。その後に少年が罪を犯した場合は家庭裁判所の審判の判断材料にもなる。少年の自宅を管轄する警察署が保管し、都道府県警察ごとにデータベース化され、20歳になると廃棄される。2012年の全国の補導票作成件数は91万8000件。

 一方で、同法は子どもが出会い系サイトを利用することを禁じているが、性行為を誘うなど悪質な書き込みで摘発まで至った子どもは08年が119人だったのに対し、09年以降は220〜280人台で推移。今年上半期は96人で前年同期比38人減だったものの依然高水準だ。

 警察庁で分析したところ、摘発側、被害側のいずれも「下着を買ってください」「援助交際したい」などと気軽に書き込んだことをきっかけに事件に関わってしまったケースが目立ったという。同庁幹部は「罪悪感なく書き込んでいる場合が多い。補導の徹底で、被害を受けたり摘発されたりする子どもを減らしたい」と話す。

 「サイバー補導」に先行的に取り組んでいるのは静岡県警だ。2009年7月から、県警本部の捜査員が公用の携帯電話か本部のパソコンでネット掲示板や出会い系サイトをパトロール。今年8月までに計58人(うち女性は43人)を補導した。

 「下着売ります」「Hしてくれる人を募集」。掲示板にこんな書き込みがあれば、捜査員は身分を隠して本人に会い、警察官であることを打ち明けた上で補導し、書き込んだ動機などを聞く。女子児童らは「お金が欲しかった」、男子児童らは「性的な興味があった」と話すことが殆どだという。

 県警の担当者はサイバー補導の徹底で「犯罪につながる書き込みは悪いことだという意識が子どもたちに浸透してきた」と話す。ただ犯罪の舞台がフェイスブックなどの会員制交流サイトに移行している実態にも危機感を募らせる。警察庁によると、12年に交流サイトを利用して犯罪に巻き込まれた子どもは1076人で出会い系サイトの約5倍に上った。

 特にLINEなどの無料通話・メールアプリのIDを非公式に公開したことで、猥褻事件の被害に遭った子どもは今年上半期、全国で117人に上り、昨年1年間の36人から急増している。

 静岡県警の担当者は「安易な書き込みで被害者にも加害者にもなる危険性を伝えて行くしかない」と話す。

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2013年10月 1日 (火)

大学入試は今・・

 毎日新聞(9/30、10/1)から、

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 <「教育理念」をコンサルタントに相談も>
 (要約)東京・西新宿にあるそのコンサルタント事務所に、5月の大型連休が終わる頃、全国から大学入学試験担当者がこっそりと訪れるという。

 「お恥ずかしい浜氏ですが」。初めて訪れる大学の担当者は、そう切り出し事務所の代表者に頭を下げるのだが、翌年には「今年もよろしくお願いします」と、その表情は「依頼して当たり前」に変わっているという。

 事務所は、首都圏や関西の予備校講師約300人と契約している。6月ごろから、この「プロ」が教科ごとにチームを組み、大学側の「設問数、平均点の目安、制限時間」など、多様な注文を受けて、翌春実施の問題作成にかかる。大手予備校が公表する偏差値ランキングを見ながら、依頼された大学に「ふさわしい」問題を如何に作るかが腕の見せどころとなる。「プロ」との作問についての連絡には漏洩対策としてメールは使用しない。

 代表は大手予備校の講師を辞めて10年前に事務所を設立した。契約は「順調に増えている」という。大学職員間の口コミで広まり「顧客」は現在20校。1教科約100万円で受注する。今では大手予備校の関連会社が受けた入試問題作成の孫請けも手掛けるようになった。

 中小の予備校もこの業界に進出し始めている。首都圏に本部のある、ある中堅予備校も5年前から受注を開始した。来春入試の以来は12大学から。「彼らは依頼に来ても絶対に名刺を置いて行かない。証拠は残さないんです」。

 入試問題の作製は本来、大学教員の仕事だが、研究など通常業務と並行して作るため、腐乱は大きい。入試の多様化で実施回数が増えたうえ、教養課程の廃止で入試に詳しい教員が減るなど負担は増す一方だ。文部科学省調査では、2013年度入試で外注していた大学は全国で98校。07年度に比べ27校も増えた。

 だが事務所代表は「実際は200校は下らない」とみる。なぜか。「それは『サンプル』として使われることもあるからですよ」。依頼した大学は受け取った問題の順番を入れ替えたり、言葉の一部を変えたりして入試で使うという。同省の調査は大学の自己申告。「学内で作っている」と大学は言い張ることができる。

 「教育理念を無断引用」。08年11月、こんな記事が新聞の社会面を賑わせた。前橋市立前橋工科大が07、08年度の学生便覧に掲載した「教育理念」が岡山大からの無断拝借だったことが明らかになったのだ。

 事務所には最近、教育理念の作成までも相談してくる大学もあるという。ここまで大学の力は落ちたのか。「一部の有力大学を除き、本当の意味で『自力』で入試問題を準備する余裕は今の大学にはない」。代表はそう言い切った。

 日本の大学は、選ばなければ入学できる「全入時代」になった。一部を除き、入試が選抜機能不全に陥りさまよう中、政府の教育再生実行会議では改革論議が進む。入試はどうあるべきなのか。

 <私大の半数 学力試験なし>
 以下を漢字に直しなさい。「『カンシン』した」。今春、関西の私立大入試で出された問題だ。答えは「感心」。「感」は小学3年、「心」は小学2年で習う。別の関西の私立大は「Solve(解決する)」の意味を答えさせた。ある高校教諭は「中学2年の定期試験並み」と呆れる。

 問題の中身だけではない。北海道大の佐々木名誉教授の調査によると、2009年度入試では学力試験を課す私立大のうち、2科目以下が半数を占める。建徳学科で数学を課さない、「グローバル人材育成」をうたいながら外国語を受験しなくても合格できるなど「僅少科目受験」は拡大の一途。科目を減らせば受験生が集まる。4割が定員割れしている私立大は志願者増に躍起なのだ。受験料は1試験当り3万円ほど、1000人志願者を増やせば3000万円の「増収」も見込める。

 しかも、私立大入学者の半数は学力試験を経ない。文部科学省によると、12年度の入学者に占めるアドミッション・オフィス(AO)入試利用者は10・2%(4万7210人)。推薦入試(40・3%、18万7361人)もあわせると5割を超す。

 AO入試は「偏差値偏重」を見直そうと1990年代以降、私立大を中心に広がった。面接、作文など「人物重視」の入試とされてはいる。

 だが――、

 「学力が厳しい生徒にはAOや推薦を勧めている」。関西の市立高の男性教師は打ち明ける。数年前、こんなことがあった。不登校気味の生徒の進路指導に悩み、いくつかの大学に電話をした。すぐに飛んで来た入試担当者は開口一番「AOなら大丈夫です」。 中には電話口で合格をほのめかす担当者もいた。

 AO入試はローマ字読みして「青(青田買い)」と揶揄される。大学ジャーナリストの石渡嶺司は「少子化で、早く学生を確保したい大学と一人でも多く現役合格させたい高校の思惑が一致した結果」と言う。「入試は最早選抜でなく形だけの儀式だ」

 大学は学生の学力低下に直面する。文科省之調査では、高校までの内容を教える補修授業の実施大学は09年度で全体の35%。「入学前教育かリメディアル教育(中学高校レベルの学び直し)に取り組む大学は11年度で7割超」。研究学会はそう報告している。

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