少年のサイバー犯罪、不正アクセス容疑
毎日新聞(9/20)から、
子どもがサイバー犯罪の加害者となるケースが増えている。不正アクセス禁止法違反容疑で逮捕・書類送検された10代は、全国で2003年の16人から12年は64人で過去最高に。全体に占める割合も21波^ー遷都から41%に倍増した。違法性の認識の希薄さが背景にあるといい、関係者からは「情報モラル教育の徹底が急務だ」との声が上がっている。
昨年7月、東京都内の私立高校3年の少年(17)が友人の男子生徒のメールサービス「Gメール」に勝手にログインし、本人が使えないようにする「乗っ取り」をしたとして書類送検された。
警視庁によれば、きっかけは生徒が友人らに「あいつ(少年)とは遊ぶな」と言ったことへの腹いせだったという。少年は、生徒がパスワードを忘れた場合に入力する質問の応え「実家の電話番号」を知っていたため、勝手にパスワードを変更してログインしていた。
他人のIDでメールやオンラインゲームにログインするという不正行為は専門知識がない子どもでも簡単に実行できるが、罰則は「3年以下の懲役か100万円以下の罰金」と軽くない。捜査関係者は「警察沙汰になると思っていない子どもがほとんど」と戸惑う。
刑事罰の対象とならない14歳未満による不正アクセスも増加傾向だ。12年に補導されたのは45人で最低年齢は9歳。10年前の03年は0人で、ネット社会の進展に伴う低年齢化が顕著だ。
昨年11月、小学6年だった都内の少女(12)は、会員制交流サイト「アメーバピグ」で出会った数十人のIDを乗っ取り、サイトの仮想通貨「アメG」を次々と奪った。
アメーバピグは、サイバー空間に自分の分身のキャラクターを作り、他の利用者と交流する。課金すれば大量のアメGを得られ、服や家具などのアイテムを取得できる。乗っ取ったパスワードとIDは「アメGを増やしてあげるから」と嘘をつき、無防備な中学生らから教えてもらっていたという。
「課金のため親から金を貰って迷惑をかけるよりはいいと思った」。調べに対し、少女はそう釈明したという。
「インターネットでは何をやっても大丈夫と思い込んでいる子どもが多い」と指摘するのは元中学教諭でネット問題に詳しい兵庫県立大竹内准教授だ。
昨年11〜12月、竹内准教授は大阪府と滋賀県の中学生計1362人を対象にアンケート調査を実施。「他人のブログのパスワードなどを聞き出し、内容を書き換える行為」について罪名を伏せ、違法性の認識や実行体験の有無などを聞いた。「犯罪である」と回答した生徒のうち、「やったことがある」と答えたのは4・5%だったが、「犯罪でない」と答えた生徒は34・6%が「やった」と答えたという。
また、名誉毀損などの罪名を伏せて、ネット掲示板に友人の実名を挙げて「カンニングをした」などと書き込む行為などについて聞いたところ、同様の傾向がみられたという。竹内准教授は「ネットはこれだけ身近な存在になっているのに『法律的にやってはいけないこと』を学ぶ機会は殆どない」と」指摘。「正しい知識を教えるため、教材の充実と教師への講習が必要」と話す。
《日本の世の中や世間全体が、社会規範、規律や正邪についての鑑を見失っている。教師1人がそれに立ち向かうことは暖簾に腕押し、糠に釘だろう。先ずは育ってきた家庭環境の中で、模範となる親たちに子育ての必要性と関心が失せていることが最大の原因だ。背景には、「子どもは社会が育てる」などの便利な免罪符があって、忙しい、忙しいで生まれると直ぐに乳離れもしない子を、他人の手に委ねることを考える。躾などできるわけもなく、子どもの成長段階で、いいも悪いも身につくわけがない。》
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