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2013年9月15日 (日)

卵子凍結、健康な40歳以上 推奨せず

 毎日新聞(9/14)カら、

 将来の妊娠に備えた卵子の凍結保存について、日本生殖医学会(理事長=吉村泰典・慶応大教授)理事会は13日、健康な女性を対象とする場合、40歳以上での採卵は推奨しないとする倫理委員会の指針案を了承した。

 実施施設は事前の認定制とし、実績の報告を義務づけることも決めた。認定基準は今後、関連学会と議論して定める。

 指針案は学会ホームページで公表。意見を募り、年内にも完成させる。

 卵子凍結は従来、癌治療などで卵巣機能が低下する恐れのある患者を対象に試みられてきたが、最近は一部の不妊治療施設が、将来の加齢に伴う「卵子の老化」に備え、健康な女性を対象に実施している。指針案は、このような現状から、安全性の確保や、技術の正確な理解が必要として検討された。吉村理事長は「指針は、卵子凍結や凍結による妊娠・出産の先送りを推奨するものではない」と強調した。

《先送りしようとしまいと、精子との出会いがなければ受精卵とはなり得ず、保存自体、女性側だけの問題でその是非が云々できる事ではない。》

 指針案は、癌患者らの場合と、健康な女性の場合について別々に作った。健康な女性の場合、「卵子の老化を懸念する場合、卵子を凍結保存できる」としてたうえで、40歳以上での採卵は推奨しないとし、45歳以上の人が事前に凍結した卵子を使って目指すことも勧められないとした。癌患者らの場合は主治医の許可が必要とした。

 また、事前に治療の危険性や妊娠・出産の可能性、費用などを本人に十分説明し、同意を得ることを義務づけた。

 ☻ 解説
  卵子の凍結保存は、精子や受精卵に比べて難しかったが、液体窒素(氷点下196度)で急速冷凍する簡便な方法が開発され、大学などの研究機関でなくても保存が可能になった。日本生殖医学会が卵子凍結保存に関する初の指針を策定することになった背景には、「将来の妊娠に備えて卵子を凍結したい」と望む女性を対象に、一部の民間施設で実施が広がっていることがある。

 だが、融解した凍結卵子を使って出産できる可能性は高くない。日本産科婦人科学会のデータでは、凍結卵子を使った受精卵を子宮に移植した場合、出産できたのは1割前後。採卵には危険も伴う。同学会倫理委員会の石原理委員長は「指針をきっかけに、凍結保存の問題点や限界、妊娠・出産で最も安全で問題が少ない時期について、正確な知識と情報を得てほしい」と話す。

 参照 続・不妊治療助成に年齢制限 2013/07

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