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2013年8月21日 (水)

ヤバイ

 毎日新聞(8/21)”みんなの広場”欄から、

《千葉県在住の37歳の女性からだが、バス車内で飲んで騒ぐ若い女たちと車掌との間の出来ごとを綴った文章だ。最近の集団で人を殺した事件でも、未成年の当の女たちのことをメディアは、言葉からは似ても似つかない「少女」と書く。以前なら少女の頭に「不良」を付けて「不良少女」と書いたものだ。投書の女たちには人を殺したわけではないが、「不良」の言葉を贈りたい。》

 5歳の子どもと東武動物公園のプールに行った時のこと。園内のバスに20歳ぐらいの5人の女の子たちが缶ビール片手に乗り込んできた。出発後、立ち上がってフラフラしているので年配の運転手さんが座るように注意した。すると彼女たちは「バーカ」「うるせえ」と騒ぎ出した。
 彼女たちもたった一人だったらそんな騒動・暴言はできないだろうに。罵声を浴び続けながらも運転手さんは他のお客のために「ここからトラが見えますよ」などと和やかな声色に落ち着いた運転でした。後のお客が思わず「がんばれ運転手さん」。それでも騒ぎ続ける彼女たち。
 遊園地という子どもとっての夢の世界を壊さないように、という運転手さんの気持ちが伝わってきた。
 プーる到着。飲んだ缶ビールを置いて行こうとする彼女たちに「お客さん、お忘れものですよ」と優しい声。そんな場面で私にできるだろうか。人として親として考えさせられるできごとだった。

《ここから先は、私自身の本日のできごとだ。買い物返りに乗った始発のバスに、特に暑い今夏は込み合う市営のプールに向かう10人ほどの若い女たちが、中には下車すればそのままプールに飛び込めそうな露出した身体の女も混じる姿で、大声で笑い、叫び合いながらガヤガヤと乗り込んできた。塊になって後部座席に陣取り、笑い声混じりのおしゃべりが始まった。投書の中の女たちと同様、バスという乗物が「公共」の場であることが理解できていない。子どものころ母親に連れられてスーパーやコンビニに行き、そこでどんなに騒いでも誰も、親からも注意されないで育ってきたガキどもの成れの果てだ。私は10分ほどの乗車時間ですむのだが、その間、轟くように響く笑い声、何度も何度も耳に飛び込んでくるのが大きな声の「ヤバイ」「ヤバクネ?」だった。テレビでも女たちの集まりで食事していても、一口入れて「ヤバイ」、となりの女が一口入れて「ヤバクネ?」だ。この「ヤバイ」は若者の間では楽しい、おいしい、うれしい、素晴らしいなど、プラスの感情の殆どに使われる言葉だそうだ。立派な日本語があるのに、「若者言葉」と居直って使用するらしい。本当に危険で「ヤバイ」状況のとき、彼、彼女たちは何というのだろう。道理でこの世代、会社に入っても語彙の貧困から、その場その場に使用する言葉を知らず、コミュニケーションに齟齬を来たし、末はみずから墓穴を掘って退社の道をまっしぐらとなることもあるのだ。

 帰宅の後、ひとしきり吐き気を催すほどの車内の空気を妻に打ち明け「睨みつけたけどな」と。「怒鳴りつけなかったでしょうね」と返された。依然だったら大声で叱りつけていたのだ。「お願いだから、年のことを考えてよ、今に殺されるから」と頼まれてから、余計に今日のような女どもには腹が立ってくる。》

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