LINEの落とし穴
毎日新聞(7/4)から、
便利なものには落とし穴がある。近ごろ「便利さ」で話題のものといえば、何といっても無料通話・メールアプリ「LINE(ライン)」だろう。日本発のスマートフォン(スマホ)向けサービスで、世界中に1億8000万人の登録者がいる。安心して使うために、知っておくべきことを探った。」
LINEとは「携帯端末上で、登録した者同士が無料のショートメッセージや音声通話を交わせるサービス」だ。運営するLINE社(東京都渋谷区)が提供を始めたのは2011年。主にスマホを対象にしているが、従来の携帯電話やパソコンでも使える。
《私のブログへのコメントを下さる方や、トラックバックに対しても、殆ど応対していない。加えてツイッターやココログで言えば「ひろば」への投稿もしない。昔から、職場を離れては、特別の人以外の大勢と関わることが好きでないことが一番の理由だ。勿論、携帯電話も、スマホの必要も感じていないし不便もない。自治体などが老人家庭対象の緊急連絡にメールなどを使っているが、我が家への連絡方法は家庭電話一本だけだ。我が身に何かあれば、恐らく死後発見となるだろう。だから、これから書くLINEへの懸念も一般論でしかない》。
LINEの仕組みはこうだ。ネットから無料のLINEアプリをインストールして初期登録すると、スマホの電話帳のデータがLINE社のサーバーに送られる。電話帳の中にLINE利用者がいればサーバーが自動的に照合し「友だち」として結びつけてくれる。「友だち」になればスマホの画面に名前や写真が表示され、ショートメッセージの応答や音声通話が楽しめる。メッセージは1対1だけでなくグループ内でもやり取りできる。
不特定多数とつながることを前提にした交流サイト「フェイスブック」や短文投稿サイト「ツイッター」とは違って、LINEは互いに電話番号を知っている人や、登録時に取得できるIDで承認し合った人同士のコミュニケーションが原則だ。このため従来のメールやショートメールのサービスに比べ、知らない相手から迷惑メッセージを送られる恐れは少ない。とはいえ、新しいサービスだけに先ず気になるのがセキュリティー面での不安だ。
例えばLINE社のサーバーに送信される電話帳データ。その中に登録された友人・知人にとっては、個人情報が知らない間に広がっていることになる。これらの情報が悪用されることはないのか。
LINE社の説明によると、電話帳内の電話番号は暗号化され、同社にも番号が把握できない形で管理されている。今のところ、情報が漏れたり、悪用されたりした事例はないとpしている。
ケイタイジャーナリストの石野純也は「それでも抵抗が或る人は初期登録の際、電話帳データを送信しない設定を選ぶことができます。その場合、少々面倒ですが取得したIDを知人らに伝えればサービスは利用できます」と話す。
<LINEのID>
LINE上では電話番号や、メールアドレスと並ぶ重要な個人情報。これを使って検索すれば「友だち」をサーバー内から探し出せる。一度設定すると変更はできない。LINE社は青少年が犯罪に巻き込まれるのを防ぐため、携帯電話会社と協力し18歳以上と確認できない利用者のID検索制限を進めている。
電話帳に登録した友人・知人の中にLINE利用者がいれば、スマホ画面の「知り合いかも?」という欄に名前が表示される。ところが、そこに全く心当たりのない人が現れることがある。
石野によれば、この現象は携帯電話の利用者が増え過ぎて、割り当てる11桁の電話番号が不足していることに由来する。「或る人が携帯電話の契約を解除した場合、その番号はすぐに別の新規契約社に割り振られます。電話機残っている知人の電話番号を受け継いだ人物がLINEに登録すると、自動的に「友だち」として結びつけられてしまうのです。面識のない人とのやりとりは個人情報の漏洩につながり兼ねず、シャットアウトすることが重要だ。LINEにはつながりを持ちたくない相手を個別に「ブロック」する絹がある。
特に注意を要するのが、LINEを使った友だち募集サイトの利用だ。ID交換サイトとも呼ばれ、赤の他人同士でもIDを交換し合うことでつながることができる。ネット上に多数のサイトが開設されているが、いずれもLINE社とは無関係だ。あるサイトの掲示板には「暇してる人メールしない? ID○○○○」「こんな時間でも構ってくれる人募集。ID✕✕✕✕」などと書き込まれ、ほとんど出会い系サイトのようだ。
《普通にみれば、このようなサイトへ連絡して泣きを見ることになっても、連絡した方の自己責任として処理すればいいことだ。その当人が年端も行かない子どもであれば尚更、そのような機器をただ野方図に持たせるだけの保護者の管理、監督責任の問題だから。》
福岡県では先月、LINEで知り合った17歳の少女に性的暴行をし、けがをさせた容疑で建設会社社員の男が逮捕された。被害者の少女は友だち募集サイトを通じて「ドライブしませんか」と呼びかけ、容疑者が応じていたとされる。また4月には児童ポルノ動画を他人に送信していた容疑で男子高校生が京都府警に逮捕される事件があり、連絡手段として友だち募集サイトが使われていた(その後、府警の要請で閉鎖)。こうした犯罪は多発しており、利用は避けるべきだ。
「LINEは未知の他人とつながるためにあるのでなく、知り合い同士がやりとりを楽しむためにある。安全のために、この基本に沿った使い方をすべきです」。ITセキュリティー製品開発会社「トレンドマイクロ」の広報担当、鰆目(さわらめあ)順介はそう語る。
LINEの人気サービスの一つが「スタンプ」だ。動物や人のキャラクターがさまざまな表情やポーズをしている一種の絵文字で、言葉で表現しにくい微妙なニュアンスを伝えられる。無料と有料のものがある。台湾で今年2月、フェイスブックに「LINEのIDを書き込めば無料でスタンプをプレゼントします」とうたったページが開設され、それに応じた20万人以上の個人情報が盗まれる騒動があった。鰆目は「LINEのIDとフェイスブックの情報を組み合わせることで、名前や年齢、居住地などより精度を高めた情報が集められる。こうした情報を使って迷惑メールを送りつけ、金銭を騙し取るサイトに誘導することもできます」と、IDを狙う側の意図を推測する。
フェイスブックのように他人が見る恐れがある交流サイトには、絶対にLINEのIDを書き込まないことだ。セキュリティーを常に念頭に置いきながら使いたい。
《平常、それほど密でもない友だちの数を寄せ集め、その数を自慢げに競い合うようにつるむ姿をよく見かける。そうでもしないと自分の存在に自信がないのだろうか。誰彼なくつるんでいないと不安げで、独立独歩の若者が少ない現実が淋しい限りだ。》
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