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2013年7月31日 (水)

安分守己

 毎日新聞(7/31)から、

《初めて知る四字熟語だ。最初に、ルビが振ってあるので、ホワイト・タイガー付属の”ことえり”で(あんぶんしゅき)と打って見た。「案分手記」と出た。続いてATOK 2013 for Mac で同じことをやった。結果はことえりと同じだった。寡聞にして文字の上からでは意味も判断できない。そこで1語1語を変換してから意味が掴めた次第だった。解ってみればこれまで私自身のブログで随所に書いてきた”身の程を知れ”或いは、”汝、自身を知れ”といった意味合いの言葉だ。私が普通に使用するのは、思い上がった人間を諭すときにしばしが使ってきた言葉だ。ただ、熟語としては知らないままに。》

 神奈川県小田原市立中学校で、特別支援学級の男子生徒(14)に対し、担任教諭が授業で「身の程をわきまえて生き、高望みしないこと」を意味する四字熟語「安分守己」を書かせていた。両親は入学当初から「読み書きや計算ができるよう指導してほしい」と要望していたといい、学校側は「思慮が足りなかったと担任も反省している」と話している。

 両親によると、生徒は言葉の遅れや自閉傾向がある。2年だった今年3月、「安分守己」と書いた短冊形の色紙を持ち帰り「先生に書かされた」と話した。両親は4月以降、学校側に書かせた理由を尋ねているが、納得できる回答はないという。

 両親は「基本的な訓練を授業に取り入れてほしいと要望してきた。一種の人権侵害だ」と訴えている。

 一方、同校校長は「担任が毛筆の指導で書かせた。できるだけ画数の少ない四字熟語をインターネットで調べたもので、その時点で意味は知らなかったようだ」とし、「保護者を批判するなど深い意図はなかった」と説明している。

《担任は勿論、校長の言い分もおかしい。普通、熟語を見つければ、その意味合いを調べる。まして教育者なら意味を調べてから課題として与える。生徒に書かせる文字の意味の説明もしないなど信じられないことだ。それに画数の少ない四字熟語は他にないわけではない。一番画数の少ない「一(イチ)」で始まる四字熟語だけでも殆ど100前後はある。その中から選ぶことは容易にできたはずだ。意味を「知らなかった」とは無責任に過ぎる発言だ。選りに選って特別支援学級の生徒に課題として与えるに適しているかどうかも見極めないで標題の四字熟語を与えたとは、信じられない話だ。》

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2013年7月30日 (火)

速度違反取り締まり、変わるのか?

 毎日新聞(7/30)から、

 「ネズミ取り」と皮肉られる車の速度違反の取り締まりについて、警察庁は8月1日から、その効果や速度規制のあり方を議論する有識者による懇談会をスタートさせる。直接のきっかけは、古屋・国家公安委員長が6月4日の記者会見で「ややもすると取り締まりのための取り締まりになっている」と発言したことだ。交通事故抑止策の改善につながるか注目される。

《「改善」につながるかとは、現行法が悪いと決めてかかる表現だ。言訳をすればいくらでもあるだろうが、現に、スピード違反の事実があったから反則金を払う羽目になったのだろう。どこの道路を走っていようと、警察官が隠れて待ち構えていようと、24時間見張ることもできず、完璧に違反者を漏れなく100パーセント検挙することは不可能だ。そもそも取り締まりの最初から不公平性は付随しているものだ。それに文句があるのなら、最初から法定速度を守っていれば済むことだ。》

【見直しのきっかけになった古屋委員長の発言の要旨とはどんなことだろう。】
 反則金をとられる時に、納得しましたか? 納得していないですよね。現場の苦労はあるが、取り締まりのための取り締まりになってはいけない。本当に交通事故が多発する地点で、しっかり取り締まることが必要。
 私の選挙区(岐阜5区)で、片側2車線、真っ直ぐの道、歩行者が出てくる危険性もない所で取り締まりをしている。 制限速度が50キロなので、交通の流れに逆らわないように行くと70キロくらい出る。そうすると取り締まりの対象になる。いつも疑問に思っていたし、反則金をとられた支援者からもそういう声を聞いていた。国家公安委員長になり、委員会でもそういう趣旨の話題が出たので、敢えて言及した。

 《事故は対人だけではない。日常、人の通らない高速道路で、或いは一般道で、スピード違反によるどれだけの車輛事故が発生し、人を巻き添えにしていることか。知らないわけではないだろう。そのような慣れが人を人とも思わない運転につながり、傍若無人の運転をすることになるのだ。古屋は、委員長席に座れた嬉しさで、舞い上がっていての発言なのか。》

 懇談会は古屋委員長の主催で、大学教授や自動車評論家のほか、元F1レーサーの中嶋悟ら10人のメンバーで構成される。

 速度規制の見直しはこれまでも行なわれてきた。警察庁は09年、道路整備が進んだことや車の性能向上などを理由に速度規制基準の一部を改正。全国の警察は12年3月までに一般道路4046キロ(2219区間)について最高速度を見直した。

 しかし今回が異例なのは、大臣の主導で議論が始まることだ。伏線はあった。委員長発言の約4カ月前、12年の交通死亡事故数などが報告された今年2月14日の国家公安委員会で、委員から手厳しい意見が相次いだ。「摘発されるのは県外の人が殆ど。地元の人はどこで取り締まりをやっているか解っている」「いつも同じ場所で(しかも)事故が起きるわけがないだろうというような場所で取り締まりしている」。

 警察庁幹部は「違反者を安全に誘導する場所の確保が難しい地域では、結果として同じ場所で取り締まりをせざるを得ない」と打ち明ける。懇談会では指摘を踏まえ、
 ① 国民に理解される取り締まり方法
 ② 速度規制見直しで事故件数や渋滞状況がどう変化したのか ― を検討。
 海外の取り締まり事例なども参考に議論し、半年をめどに提言をまとめる。

 ◎ これを受けた国民の反応はどうか。
 インターネットの掲示板では古屋委員長の発言に賛同する書き込みも目立つが、「北海道交通事故被害者の会」(札幌市、前田代表)や「TAV交通死被害者の会」(大阪市、西浦代表)は「違反を容認するかのような発言」などと抗議、撤回を求めた。

 高校2年だった17歳の愛娘を前方不注意の車にはねられ亡くした前田代表は取材に対し、最高速度違反による事故対策を議論した内閣府の検討会(10年3月)が「車輛の走行速度の低下は、交通事故の低減効果や被害軽減の効果が認められる」と指摘した点を強調。「懇談会の議論によって制限速度が引き揚げられることがあってはならない」と話した。

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2013年7月29日 (月)

出産の翌日に退院、母体は大丈夫?

 毎日新聞(7/27)”なるほドリ”から、

 英王室のウィリアム王子の妻のキャサリン妃に赤ちゃんが生まれた。おめでたいと思う間もなく、翌日に退院したのには驚いた。でも欧米では、2日ほどで退院するのが一般的だそうだ。

 Q ほんと、どうして?

 A 英国では、国営の保健サービスを使えば、出産は無料なんだ。入院が長いほど国の負担が増えるので、病院が早期の退院を勧めることが多いようだ

 Q へえ

 A また、英国などでは助産師が頻繁に家庭訪問をする制度がある。父親の育児参加も進んでいて、早く退院しても、母親は周囲からの支援を期待できるから

 Q 日本は?

 A 入院は5日程度だ。20年ほど前までは1週間が一般的だったが、これでも短くなったんだ

 Q そもそも、翌日に退院して、母体は大丈夫なんだろうか

 A 医学的には、産後24時間を過ぎると、母子ともに命にかかわるリスクは大きく下がるそうだ。日本の参院では通常、産後2時間は分娩室で経過観察し、状態が良ければ授乳を始め、その後病室に移る。24時間経てば、退院してもほぼ問題は無い

 Q なぜ5日も入院するの

 A 日本には、出産3週間後に布団を片づける「床上げ」や「産後の肥立ち」などの言葉が古くからあるように、産後の母親は無理をさせない習慣がる。入院中に沐浴や新生児の世話の仕方を習うなど、病院側が医療以上のことを期待されていることも否定できない

 Q 退院後はどう過ごせばいいの

 A 安静にしている必要はないが、無理は禁物だ。出産は病気ではないけれど、母体へのダメージはやはり大きいものだ。傷が治り、子宮が収縮して、母体が回復するには、3週間くらいかかる。慣れない育児で心身が疲れ、マタニティブルーや産後うつになる人も珍しくない。周囲がしっかりサポートすることが大切だ

《最近話題の高年齢の若くない身体で出産するケースや、不妊治療の末やっと子宝に恵まれて出産する人もいる。若くて健康な身体で出産する人ばかりではない。今でこそ出産を病院で迎えることが普通だが、1948年に助産婦(助産師は2002年から)と改名になるころまでは、町のあちこちに「産婆」と呼ばれる人がいて、自宅出産が普通だった当時の日本では、近所から出産の呼び出しがかかるとその家庭まで介助に出向いていた。産婆の手に負えないケースでは、病院に連絡し、医師の手に委ねていた。我が家の末弟の出産の模様は過去ブロブに記したが、資格の無い祖母が母の出産を介助した。部屋を掃除していた母が急に産気づき、祖母を呼び横になったと思う間もなく、玄関先で登校前だった私の耳に産声が届いていた。母にとって7人目の子どもだった。翌日には母は普通に家事をこなしていた。出産は、その人その人に応じた対応をすればいいことだ。上にも書かれているように出産は病気ではないのだから。》

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2013年7月28日 (日)

育休を取る人が減った

 毎日新聞(7/26)”なるほドリ”から、

 育児休業を取る割合が減ったと聞くが、本当? 厚生労働省の2012年度調査によると男性の育休取得率は過去最高だった前年度を0・7ポイント下回る1・89%、女性も同4・2ポイント下がり、83・6%だった。

 Q 何で減ったのの?

 A 今回の調査は、10年10月から11年9月末までに出産した女性、または妻が出産した男性が対象だが、調査期間中の11年3月に東日本大震災が起きて働く人たちは厳しい雇用状況に置かれた。育休を取ると収入が減ってしまうなどの理由で、小さな事業所で働く人や、正社員ではない非正規雇用の人を中心に、子どもが生まれても育休を取らずに働き続けた人が多かったようだ

《数字の上では男性の取得率の下がり方が大きいが、元々育休を取るのは100人に1人か2人の話。》

 Q 安倍首相が「育休3年」を打出して、積極的に育休を取るよう呼びかけているのに、皮肉な結果だな

 A 実は、女性が育休を取得する期間は、10カ月〜12カ月未満が最も高くて33・8%、12カ月から18カ月未満が22・4%だ。3年以上取った人の割合は、わずか0・7%

 Q どうして長く取れないのか

 A 育休中は、原則として給料が貰えない。「育児休業給付金」といって、休業前の賃金の5割(上限額あり)が、雇用保険から貰えるだけだ。給付金をもらえる期間も、子どもが原則1歳になるまで。長い育休を取ってゆっくり子育てしたくても、収入が減ってしまうので生活が成り立たない

《ここに書いていることは、東日本大震災があってもなくても同じことだ。要因分析には大震災のあった東北の影響がどのように全国に波及して、今回のような結果になったのかを追究するべきだ。「大震災の影響」としてしまえば、集計作業は楽だったのかもしれないが。》

 Q それにしても育休をとる男性の割合は低いね

 A 男性の場合は、育休を取りたくても職場に理解してもらえないというケースが、まだ多いようだ

 Q 何とかならないのか

 A 男性の育休取得率が高い国の現状を見ると。ノルウェーでは、休業中の所得は100%、46週間保障される。スウェーデンも80%を300日だ

 参照 子育て(スウェーデンンの) 2008/02/
    男性の育休 - 3 - 2009/05
    男性の育休が進まないわけ 2011/09

 Q 日本も給付金を高くすれば?

 A 田村厚労相は16日の記者会見で「男性が育休を取りづらいのは、育児休業給付率が低いことも一つの理由だ」として、給付金を増やす方向で見直す考えを示した

 Q 期待できるのか

《あちらを立てればこちらが立たず、こちらを増やせばあちらに皺寄せが必ず発生する。スウェーデンやノルウェーのように、国民が高い所得税や消費税を収めている国だから高福祉の恩恵にもあずかれるのだが、日本の現状では、なけなしの財源をやりくりしても、バラ蒔きには限界があるのだ。》

 A 給付率を変えるには厚労省の審議会で労使の理解を得て財源を確保し、雇用保険法を改正する必要がある。
 

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2013年7月27日 (土)

「がま口」ブレーク

 毎日新聞(7/27)から、

 昔懐かしい「がま口」が人気だ。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のヒロインが愛用していたことで注目された。同じ商品は完売。専門店も増えているほか、8月8日は「がま口の日」とされた。使いやすさやレトロ感が受けているようだが、「あまちゃん」人気が後押ししているようだ。

《連続テレビ小説「あまちゃん」は見ていないので、大きさや柄などが分からないが、昭和一桁人間は子どものころには普通に使っていたものだ。同年代の妻は今もカバンの中に入れて小銭入れとして使用している。今住んでいる町にも京都物品展などがあって、小物類が持ち込まれるが、飾り立てたものばかりで実用的ながま口は来ない。往年のバスの車掌や集金人などが同形状の大きな革製のものをポシェットとして使用していたが、使いやすさは見ていて分かる。》

《ところで、がま口は自作できるようにパーツが売られているが、面白いことが分かった。口金の留め金(噛み合わせる部分の丸い金具)の名前を訊ねたが、訊ねた限りではその名を知っていた店(専門店を含む)、店員、販売人がいなかった。パソコンでも調べたが解らないまま、忘れかけた頃だった、何気なく見ていたテレビ画面でがま口の話が交わされている途中、突然「らっきょう」が口にされ、長い間の胸のつかえが取れた瞬間だった。》

 主人公の天野アキが、首からがま口を下げて初めて登場したのは4月上旬。電車内でウニ丼を売る場面だ。NHK広報は「上京前のアキが時々、身に着けていた。人気という話は初めて聞きました」と驚く。子の製品は、麻織物の生活雑貨を製造・販売する創業300年の老舗「中川政七商店」(奈良市)が昨秋発売した。気づいた社員が同社のフェイスブックに書き込んだところ大反響。5〜7月の売行きは2〜4月の約10倍で、7月初旬には完売した。

 全国で手芸専門店約430店を展開する藤久(名古屋市)は、がま口の材料の売り上げ(2012年7月〜今年6月)が前年比約160%に。7月から、各店に特設コーナーを設けている。

 がま口専門店「あやの小路」(京都市)は、上半期の売り上げが2年前の2倍だ。同店を運営する秀和(京都市)は今年、日本記念日協会に「がま口の日」を申請し、認定された。口金を閉める「パチン」という音と「8」をかけた。

 百貨店のそごう・西武10店舗で展開する雑貨売り場「トランスマーケット」では、ポーチ製品の約15%ががま口。広報担当者は「若者には新鮮で、シニアには懐かしい。幅広い年代に支持されるのが人気の秘密では」と見る。

 

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2013年7月26日 (金)

日本人女性平均寿命 再び世界一に

 毎日新聞(7/26)から、

 厚生労働相は25日、2012年の日本人の平均寿命を公表した。

2012_2 男性は79・94歳(11年79・44歳)、女性は86・41歳(同85・90歳)で男女とも前年を上回った。女性は10年以来2年ぶりに「世界一」へ返り咲き、男性は過去最高を更新した。厚労省は「まだ延びる可能性がある」とみている。

 平均寿命は、その年に生まれた0歳児が平均で何年生きるかを予測したもの。女性は1985年から26年間連続世界一だったが、11年は東日本大震災の影響で香港に1位を譲り、2位となった。12年は自殺者の減少もあって女性は0・51歳延び、0・4歳短くなった香港を抜いた。女性の過去最高は09年の86・44歳で、12年は過去2番目に高い。一方、12年の男性世界一はアイスランドの80・8歳だが、日本の男性も80歳超え目前となった。

 12年の0歳児が90歳まで生きる割合は、男性22・2%、女性46・5%。

《戦争放棄を謳う現行憲法が存続する間は、日本の平均寿命世界一も高い確立で存続することだろうが、衆愚政治で戦争ができるように憲法改正が実現することになれば、先の大戦時のように、戦死者が増え、平均寿命が50最前後になるのにさほど時間はかからないだろう。》


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2013年7月25日 (木)

首相 靖国参拝見送り

 毎日新聞(7/25)から、

 安倍首相は8月15日の終戦記念日に靖国神社を参拝しない意向を固めた。複数の政府関係者が明らかにした。参院選で与党が圧勝し政権基盤を強化した首相は、領土や歴史認識問題などで悪化した中国、韓国との関係改善に取り組む方針で、両国との軋轢がさらに広がらないよう配慮する。

 首相は2006〜07年の第1次安倍政権時代、靖国神社に参拝しなかった。このことを昨年の自民党総裁線の際、「痛恨の極み」と述べており、第2次政権での対応が注目されている。

 首相はこれまで、「国のために戦った方々に敬意と尊崇の念を表し、冥福を祈るのjは当然だ。一方、そのこと自体が外交問題に発展する可能性がある中で、行く,行かないを申し上げるつもりはない」(21日のNHK番組)などと明言を避けてきた。

 首相周辺は「首相は賢明な判断をされるだろう。(政権の)先が短いなら別だが、3年間ある。思いを果たすときは来る」と指摘。別の政府関係者も「8月は参拝のタイミングではない」と語った。与党内にも、8月の参拝を自重するよう求める声が出ている。公明党の山口代表は21日、テレビ朝日の番組で、「外交上、問題を起こしていたテーマなので、賢明に対応することが大切だ。歴史の教訓は首相自身がよくご存知だ」と述べた。

《戦争を知らない安倍は、本質的に歴史の教訓が理解できていないから、『上官の命(命令)は直ちに朕が命と心得よ』との軍人勅諭に反抗することが不可能な兵たちを、死地に送り込み、死ねば名誉の戦死として靖国に祀られた兵士に混じって、死ぬことを命じたA級戦犯14人がのうのうと合祀されているのを同列に、敬意と崇拝の念で冥福を祈ることができるのだろう。中国や韓国のことなどどうでもいい。日本人として、敗戦までの歴史を知っていれば、A級戦犯の合祀は、戦死した英霊に対してあまりにも礼を失することになるだろう。せめて敗戦時、ナチスを裁いたドイツ民族のような知性と叡智を持った心ある知識人が日本にいれば、日本人の手で裁かれねばならなかったのが彼ら戦犯なのだ。それなのに、1978年10月になって、刑死、獄死、未決病死したA級戦犯の14人を「昭和殉難者」など仰々しい肩書きをつけ、こっそりと合祀し、それを朝日新聞が79年4月にスッパ抜くまで隠していたのだ。》

 ただ、安倍内閣は参拝の判断を各閣僚に委ねており、閣僚が終戦記念日に参拝するかの言う制はある。首相は4月の秋期例大祭で眞榊の奉納にとどめたことから、首相の支持基盤の保守層からは10月17〜20日の秋期例大祭での参拝に期待が高まることも予想される。首相は就任前の昨年10月、自民党総裁として秋期例大祭中に参拝した。

 中韓両国は今年の秋期例大祭での首相の参拝も警戒しており、関係改善は見通せていない。

《安倍の取り巻きイエスマンたちは、春(衆参両院あわせて168議員)と同様、麻生をはじめ金魚の糞よろしく、またぞろ三々五々、靖国を訪れるのだろう。》

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2013年7月23日 (火)

靖国と安倍外交

 毎日新聞(7/23)”社説”から

《参院選は自民党の大勝で終わったが、メディアの頭に最初に浮かぶのが、安倍晋三の、日本がなぜ敗戦を味わうことになったのかの現実が理解できない国粋主義的な歴史認識だ。そのため、この先にある日本と諸外国との外交問題が心配されることなのだ。》

 安倍政権は、参院選の大勝で安定的な政権基盤を手に入れ、外交・安全保障などの政策課題に腰を据えて取り組む環境を整えた。毎年のように首相が交代し、国際社会でまともに相手にされてこなかった日本外交を転換する好機だ。安倍晋三首相は歴史認識問題を再燃させるような言動を慎み、外交基盤の強化に全力を注いでほしい。そのためには8月の終戦記念日と、10月の秋期例大祭の靖国神社への参拝は見送るべきだ、

 4月の春季例大祭に麻生太郎副総裁兼財務相らが参拝し、安倍首相が「侵略の定義は定まっていない」と先の大戦での侵略を否定したと受け取られかねない発言をしたことは、中国、韓国だけでなく、米国からも懸念を持たれる結果を招いた。その後、安倍政権は軌道修正したが、政権が歴史認識を見直そうとしているのではないかという、一度広まった疑念を払拭するのは、そんなに簡単ではない。

 もちろん本来は国の指導者が戦没者を追悼するのは、人としても国のあり方としても当然のことだ。だが、それには環境整備が必要になる。最大の問題は、極東国際軍事裁判(東京裁判)のA級戦犯のうち14人が靖国神社に合祀されていることだ。

 現状のまま首相らが参拝すれば、日本は先の大戦について反省していないという誤解を生みかねない。日本は1952年発効のサンフランシスコ講和条約で東京裁判を受諾して国際社会に復帰したが、東京裁判の否定につながる動きと受け取られる可能性もある。

 また昭和天皇が75年を最後に靖国神社に参拝しなくなったのは、78年のA級戦犯合祀に不快感を持っていたからだとされる。昭和天皇が「だから私はあれ以来参拝していない。それが私の心だ」と語ったことを記録した当時の富田朝彦宮内庁長官のメモも明らかになっている。

 靖国参拝問題の解決策を巡っては小泉政権末期、A級戦犯の分祀論、無宗教の国立追悼施設の建設案などが検討されたが、沙汰止みになった。国内外の誰もがわだかまりなく戦没者を追悼できるようにするため、安倍首相は異なる立場の人々の声を広く聞き、答えを出すべきだ。

 首相は秋以降、集団的自衛権の行使容認のための憲法解釈変更など日米同盟強化の安全保障政策に取り組む。全体像はまだよく見えないが、こうした政策を進めるとすれば、国内議論、米国との調整、近隣諸国の理解が欠かせない。

 歴史認識を巡る首相の言動が今後も続き、「右傾化」「ナショナリズム」批判を招けば、政権の外交基盤は損なわれ、安倍外交は思ったような成果をあげられなくなるだろう。

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2013年7月18日 (木)

ぽっちゃり女子が人気になっている

 毎日新聞(7/18)から、

 「ぷに子」「ぽちゃカワ」など、太めの女子が人気になっているとか。彼女たちをターゲットにした雑誌やアパレルの企画が急増。「太め」の読者モデルには延べ1000人以上が応募し、洋服の売り上げもうなぎのぼりという。

《生物教室の骨格見本に洋服を着せたような貧弱なモデルや、枯れ木のような痩身を飾り立てた女性がもてはやされる不健康な時代は、早く終わればいいと思っているのだが。》

 「ファッションを楽しむなんて、別世界のことだと思っていました。参考にならないのでファッションシ誌なんかほとんど買ったことがなかった」。

 3月に創刊した太め女子のためのファッション誌「la farfa(ラ・ファーファ)」(ぶんか社)。読者モデル、Naoさん(27)は「身長159センチ、本日の体重97・8キロ」と書かれた名刺を差し出し、明るく笑った。小さい頃から太めの自分に悩み、過食と拒食を繰り返したが、モデルになった今、日々おしゃれを楽しむ。

 出版不況の中、創刊号は8万部を売り上げた。続く6月24日発売号は1週間で1・1万部に上り、オリコン本ランキングファッション部門売り上げ1位を獲得。読者モデルへの応募は延べ1000人を超えた。今晴美編集長は「新しい読者を開拓でき、アパレルメーカーからの企画の提案も多い」とほくほく顔だ。

《アパレルメーカーはぽっちゃり女性に必要な洋服生地で、痩せ女性より多い収益性が見込まれるため、当然宣伝は惜しまないだろう。》

 モデルの蛯原友里が表紙を飾り、エビちゃんブームの火付け役となった「Can Cam」(小学館)も7月号で「この夏、ぷに子がかわいい理由」を特集した。読者層を広げようと5月後で、「ぷに子」の着やせを取りあげたら大好評だったのがきっかけだ。7月号では身長155センチの場合、体重52〜64キロなら「ぷに子ゾーン」と認定して分析。「パンツにのってるお肉がかわいい」など男性の意見も掲載した。小池正史デスクは「ぽっちゃりさんを肯定的に捉え、等身大で実践的なファッションを提案できた」と話す。夏にはエイペックス・メネジメントと共に「ぷに子」オーディションを開催予定だ。

 Lから10Lサイズを扱う「スマイルランド」を展開するニッセン(本社・京都市)には全国に5店舗の直営店があるが、全店で黒字だ。東京・渋谷パルコ店には地方から女性たちが訪れる。広報担当の浪花は「彼女たちは可愛い洋服に飢えていたはず。需要はもっとある」と語る。

 なぜ、今なのか、電通若者研究部の西井美保子研究員は「雑誌といういわゆる勝ち組の世界の中ですら、ぷに子の立場が認められたことは大きい」と語る。背景には、ぷに子ブームの中心、20代女性の事情があるという。「この世代は非正規雇用が増えて平均年収が下がっている。そのため、低収入で働き続けるストレスをかかえ、『プライベートでは努力したくない』という人が多い」。そんな風潮の中、太めの女子たちも細いモデルのような人に憧れなくなってきたという。「世間の目が厳しくなくなり『太めでも可愛いよね』と前向きに思えるようになったのでは」と分析する。

 コラムニストの辛酸なめ子は「自信に満ちて魅力的な柳原可奈子さんや森三中さんたち女性芸人さんが、明るくて人気者のデブという存在を世の中に出した功績は大きい」と指摘。「ぽっちゃりさんは女性に嫌われないし、スレンダー美人より親しみやすいから男性にもある程度もてる。夏暑い以外は意外に一番いい生き方なのかもしれません」と話す。

 「ぷに子ブーム」はどこまで広がるか。

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2013年7月16日 (火)

続・不妊治療助成に年齢制限

 毎日新聞(7/16)から、

 参照 不妊治療助成に年齢制限 2013/04/

 体外受精などの不妊治療(生殖補助医療)に対する公費助成に年齢制限を設けることを、厚生労働省が検討している。高齢での不妊治療の成功率が低いことなどが理由とされているが、治療を受ける当事者の間に戸惑いも広がっている。

 6月20日、NPO法人「卵子の老化を考える会 umi」(森瞳代表)が主催する「不妊治療助成金39歳で打ち切られる? 大討論会!」が、東京都港区で開かれた。25〜48歳の男女21人が参加。「卵子老化の真実」(文春新書)の著者がある出産ジャーナリストの河合蘭の講演に続き、参加者たちが討論した。

 「男性上位の社風に負けまいと働いてきたが、35歳を過ぎて人生の優先順位が変わってきた」。東京都内に住む36歳の女性会社員は、結婚9年目の今年に入って不妊治療を始めた心情を語った。結婚2年目で、近く体外受精を行なう主婦(37)は「卵子の老化は知られるようになったばかり。年齢制限をするにしても、十分な周知期間が必要」と訴えた。

 一方、神奈川県の女性会社員(39)は「40歳にもなれば十分な収入が得られる。公費に頼らなくても自費で解決すべきだ」と冷静に語った。

 同会が参加者にアンケートをとったところ、回答者のうち年齢制限への賛成は3人、反対が12人。4人は不明だった。「ハイリスクな高齢出産を行政が支援するのはおかしい」「産める可能性を国の制限で決めるのは違う」——。意見は大きく分かれた。

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 体外で卵子と精子を受精させ、受精卵を女性の子宮に戻す体外受精は、健康保険が適用されない。施設にもよるが、費用は1回あたり30万〜50万円程度と高額だ。

 政府は2004年からこうした費用への支援を始め、現在は1回15万円を単年度に2回(初年度は3回)まで、通算5年間で10回までを基本に助成している。所得制限があり、世帯合算730万円以上の人は助成を受けられないが、年齢制限はない。12年度の助成件数は述べ13万4881件で、金額は国と自治体を合わせて約200億円の上る。

 なぜ今、年齢制限の議論が出てきたのか。きっかけとなったのが、厚労省研究班が3月にまとめた報告書だ。

 研究班が日本産科婦人科学会のデータベースをもとに分析した結果、10年に体外受精を受けた患者のうち、約36%を40歳以上が占めた。成功率は32歳までは約20%だが、36歳から急速に低下し、39歳で10・2%、40歳で7・7%、44歳では1・3%だった。

 研究班は「医学的有効性、安全性の観点から、費用助成の対象年齢は39歳以下とし、期間も2年間6回に短縮するのが望ましい」とする報告書をまとめ、厚労省はこれを受け、産婦人科医や,患者団体などで構成する検討会で、助成のあり方などの再検討に入った。

 景気の低迷で雇用環境が悪化するなか、結婚・出産年齢が上がる晩婚・晩産化が進み、体外受精などの不妊治療を始める年齢は遅れる傾向にある。厚労省によると、12年度に不妊治療の費用助成を初めて受けた人の年齢は39歳が最多。40歳以上が全体の26%を占めた。

 「卵子の老化」など、高齢での妊娠・出産のリスクが注目されるようになったが、一方で、学校などでの性教育が避妊一辺倒で、妊娠可能年齢について十分な知識を普及させていないという指摘もある。

 昨年から不妊治療を始め、現在費用助成を受けている東京都在住の女性会社員(37)は「夫に不妊の原因があっても治療ができる、と分かったのが36歳のときだった。急に39歳までと言われても‥‥‥」と戸惑う。

 当事者らでつくるNPO法人「Fine(ファイン)」(東京都江東区)の松本理事長は「治療すればいつまでも元気で妊娠・出産できるわけではない。年齢制限がそのことを知るきっかけになるかもしれないが、39歳という設定はあまりに厳しい」と指摘。「上限の金額を決め、いつでも治療に使える仕組みにする方が、患者にとって使いやすいのではないか」と話している。

《40歳だろうと50歳だろうと産みたければ産めばいい。だが、最初に出てくる神奈川県の37歳の女性が言うように、「40歳にもなれば十分な収入が得られる。公費に頼らなくても自費で解決するべきだ」というのが正しい。本人の人生設計のなかで、40歳、50歳の年齢で妊娠・出産を考えていたのなら、そのための準備は整えていて当然のことだ。国民の税金でもある公費をあてにすることではない。》

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2013年7月14日 (日)

脱法ハウス

 毎日新聞(7/14)から、

《フランスは今日7月14日は1789年、パリの当時バスチーユにあった監獄襲撃が発端となったフランス革命を記念する国民の休日だ。》

Photo 東京都江戸川区の分譲マンションの一室で浮上した「シェアハウス」改築計画で、主導する東京・銀座の業者が都内や近県で手掛けているとする類似31物件の詳しい所在地が、業者作成の資料から分かった。都内区部に28件が集中。繁華街の多い新宿、渋谷両区と下町の台東区に4件ずつあり、区外では多摩地区2件、埼玉県1件となっている。今後これらの物件でも江戸川区のケースと同様、消防法令上の問題が浮上する可能性もある。

《最近の脱法ハウスの報道を知るにつけ、1979年ごろ、当時の流行語となった「兎小屋」というのがあったことを思い出す。EC(ヨーロッパ共同体)が出した『対日経済戦略報告書』の中で、日本人の住宅が兎小屋と形容されていた。報告書では「日本は西欧人から見ると、兎小屋とあまり変わらない家に住む労働中毒者の国」と表現され、狭い家に住みながら狂ったように働いている、といった意味で、日本人自身も自嘲的に使ったものだった。》

 江戸川区のケースでは東京・銀座のシェアハウス運営業者が改築を主導。3LDK(63平方メートル)を共用スペースと12の極小の専用スペース(1・5〜3・2畳)に分割して貸し出す。業者は今年5月、懸念を示す組合に「違法性はない。これまで問題になったことはない」などと主張。「設置義務のある火災報知器は各室に一つずつ付ける」と説明していた。

 ところが、組合が消防に確認したところ、改築されると現在受けている消防法施行例の「共同住宅の特例*」の適用から外れる可能性が高いと分かった。

【共同住宅の消防設備の特例】
 各戸の構造や素材の特性などから家火災が起きても燃え広がりにくいと判断された場合、共同住宅全体で通常必要な消防設備を免除する措置。消防法施行例第32条で定めている。判断基準は約10年ごとに見直され免除の範囲は狭められている。適用の範囲が広がった40年前までの高度経済成長期の物件は8〜9割が特例を受け、最近でもかなりの割合のマンションに適用されているとみられる。

 このマンションは11階建て以上で床面積も1万平方メートルを越えるが、全166戸が耐火構造の基準をクリアし、全居室から2方向に避難できる。こうした構造が特例の要件を満たしているとして、自動火災報知器設備や高層階の消火用スプリンクラーなどの設置義務を免除されている。

 東京消防庁予防課によると、共同住宅で1戸の内部を極小の個室に切り分けて別々に貸すと、個室一つ一つを「1戸」と捉え直すことになる。これらが全て要件を満たさないと、共同住宅全体が特例から外れることになり、江戸川区のマンションも「シェアハウス化」によって消防設備の設置義務が生じる可能性が高い。

 しかも、述べ500平方メートル(都内は耐火構造でなければ200平方メートル)以上の共同住宅に必要な自動火災報知設備は全ての部屋に感知器を設け、管理人室などの受信機で集約する高額なシステム。運営業者が取り付けるとしている簡便な火災警報機とは異なる。

 組合役員の1人は「大変な負担だ。持ち主側が全額負担するとしても改築してほしくない」と不安そうに話した。同庁予防課は「一般論として特例から外れるかどうかはケース・バイ・ケース。改築で間仕切りを変更する場合は必ず消防庁に届け出てほしい」としている。

 ○ 「シェアハウス」化で揺れている東京都江戸川区のマンションで13日、管理組合の理事会が開かれ、3LDKの部屋を「12人が利用するシェアハウスに改築したい」とする持ち主の工事申請を正式に不承認とすることを決めた。組合は「建築基準法例に明らかに違反しているため」としている。週明けにも結果を書面で持ち主側に通知する。持ち主は5月のマンション理事会で「(自分の)専有部分でやることに現行法令で(他の住人が)反論する権限はない」などと主張していた。

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2013年7月10日 (水)

婚外子と遺産相続

 毎日新聞(7/10)から、

1結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子の半分とした民法の規定が、「法の下の平等」を保障する憲法に違反するかどうかが争われた家事審判の特別抗告審で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博充長官)は10日午前、当事者の意見を聞く弁論を開いた。婚外子側は「規定は憲法違反で、直ちに司法の救済が必要だ」と訴えた。今秋にも大法廷が、従来の合憲判断を見直す可能性が高まっている。

 弁論が開かれたのは、東京都に住む父親が2001年7月に死亡し、遺産分割が争われたケース。東京家裁、東京高裁は規定を合憲としたが、婚外子側が不服として特別抗告した。

 規定の目的は「法律婚の尊重と保護」とされるが、婚外子側の弁護士は弁論で「家族や結婚に関する価値観は変化し、国際条約も出生による差別を禁じている。規定の存在意義はない」と指摘。「抜本的解決には速やかな立法措置が必要だが、放置されたままだ」と訴えた。これに対し、嫡出子側は「規定は合憲」と反論した。

 大法廷では10日午後にも、別の家事審判の弁論が開かれる。

 最高裁は新たな憲法判断や判例変更が必要な場合、15人の裁判官前員による大法廷で審理する。大法廷は1995年に初の合憲判断を示したが、今回はこれを見直す公算が大きい。民法を所管する法務省の民事局長を務めた寺田逸郎裁判官は審理を回避し、裁判官14人で担当sる。


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2013年7月 9日 (火)

参院選、育休3年のアドバルーン

 毎日新聞(7/9)から、

 1 《安倍晋三が幾つも揚げるアドバルーンの一つ。アドバルーンの中身はフワフワと浮くためのただのガス》。

 東京都内の広告制作会社に勤める敦子(41)=仮名=は今年4月、育児休暇を終え11カ月ぶりに復帰して驚いた。職場に自分の席がなかった。「組織変更があった」。会社側からはそう説明されたが、配属換えをされたのだ、と直ぐに気づいた。

 妊娠が分かった一昨年の夏。社長に伝えると、返ってきた言葉は「どうすんだよ」。仕事にやり甲斐があったし、長く休んで周囲に置いていかれるのが怖くて「早めに復帰したい」と言うと、「オレだったら妻には育児してほしいけど」。暗に退職を勧められた。

 翌日から社長に仕事の引き継ぎをするよう命じられた。産休まで半年以上あり、まだその職場で仕事がしたかった。追いつめられていった約5カ月後、腹痛に襲われ出血。流産の危険が迫っていると診断された。

 厚生労働省が2010年5月に第1子を産んだ1万8100人に調査したところ、出産1年前に仕事をしていた1万4261人のうち7716人(54・1%)が出産前後に退職していた。フルタイムで勤務していた女性(3881人)が挙げた退職理由(複数回答)は、
 ○ 育児に専念したいため自発的に(40・7%)
 ○ 仕事を続けたかったが両立が難しかった(35・3%)
などで、「自発的」以外の理由も少なくない。

 近年、女性の雇用形態のほぼ半数が非正規雇用になっている。女性ユニオン東京(東京都世田谷区)の渡辺書記長は「『会社に不都合な労働者』になると次に雇ってもらえないという怯えから、権利を主張することさえできない」と指摘する。

 敦子は職場復帰後、以前の上司が「あいつの都合に合わせなくていいから」と話していると耳にした。《「話していると耳にした」、記事を書いたのは町田結子。同性の憐れみとしても文字にすることじゃないだろう。うわさ話で読者の気持ちを惹こうとの魂胆か。》子どもを保育園に迎えに行く日の夕方、会議が入ることも多かった。

 安倍晋三の経済政策「アベノミクス」は成長戦略の切り札として、女性の積極活用を打出す。「3年間抱っこし放題」とうたう育休3年の推進もその一つだが、違和感を拭いきれない。「妊娠・出産した女性社員は、企業には煙たい存在でしかない。企業側の意識を変えるような働きかけの方が大事だと思うう」。

 敦子は7月末で会社を辞めることにした。自分の1票で何かが変わるという期待はまだ持てていない。

 《企業内保育所の併設を考えてみたい》。
 参照 子育てと企業内保育所 2007/09/
    キャノンなど企業内保育所開設 2007/11/

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2013年7月 5日 (金)

LINEの落とし穴

 毎日新聞(7/4)から、

 便利なものには落とし穴がある。近ごろ「便利さ」で話題のものといえば、何といっても無料通話・メールアプリ「LINE(ライン)」だろう。日本発のスマートフォン(スマホ)向けサービスで、世界中に1億8000万人の登録者がいる。安心して使うために、知っておくべきことを探った。」

 LINEとは「携帯端末上で、登録した者同士が無料のショートメッセージや音声通話を交わせるサービス」だ。運営するLINE社(東京都渋谷区)が提供を始めたのは2011年。主にスマホを対象にしているが、従来の携帯電話やパソコンでも使える。

《私のブログへのコメントを下さる方や、トラックバックに対しても、殆ど応対していない。加えてツイッターやココログで言えば「ひろば」への投稿もしない。昔から、職場を離れては、特別の人以外の大勢と関わることが好きでないことが一番の理由だ。勿論、携帯電話も、スマホの必要も感じていないし不便もない。自治体などが老人家庭対象の緊急連絡にメールなどを使っているが、我が家への連絡方法は家庭電話一本だけだ。我が身に何かあれば、恐らく死後発見となるだろう。だから、これから書くLINEへの懸念も一般論でしかない》。

 LINEの仕組みはこうだ。ネットから無料のLINEアプリをインストールして初期登録すると、スマホの電話帳のデータがLINE社のサーバーに送られる。電話帳の中にLINE利用者がいればサーバーが自動的に照合し「友だち」として結びつけてくれる。「友だち」になればスマホの画面に名前や写真が表示され、ショートメッセージの応答や音声通話が楽しめる。メッセージは1対1だけでなくグループ内でもやり取りできる。

 不特定多数とつながることを前提にした交流サイト「フェイスブック」や短文投稿サイト「ツイッター」とは違って、LINEは互いに電話番号を知っている人や、登録時に取得できるIDで承認し合った人同士のコミュニケーションが原則だ。このため従来のメールやショートメールのサービスに比べ、知らない相手から迷惑メッセージを送られる恐れは少ない。とはいえ、新しいサービスだけに先ず気になるのがセキュリティー面での不安だ。

 例えばLINE社のサーバーに送信される電話帳データ。その中に登録された友人・知人にとっては、個人情報が知らない間に広がっていることになる。これらの情報が悪用されることはないのか。

 LINE社の説明によると、電話帳内の電話番号は暗号化され、同社にも番号が把握できない形で管理されている。今のところ、情報が漏れたり、悪用されたりした事例はないとpしている。

 ケイタイジャーナリストの石野純也は「それでも抵抗が或る人は初期登録の際、電話帳データを送信しない設定を選ぶことができます。その場合、少々面倒ですが取得したIDを知人らに伝えればサービスは利用できます」と話す。

<LINEのID>
 LINE上では電話番号や、メールアドレスと並ぶ重要な個人情報。これを使って検索すれば「友だち」をサーバー内から探し出せる。一度設定すると変更はできない。LINE社は青少年が犯罪に巻き込まれるのを防ぐため、携帯電話会社と協力し18歳以上と確認できない利用者のID検索制限を進めている。

 電話帳に登録した友人・知人の中にLINE利用者がいれば、スマホ画面の「知り合いかも?」という欄に名前が表示される。ところが、そこに全く心当たりのない人が現れることがある。

 石野によれば、この現象は携帯電話の利用者が増え過ぎて、割り当てる11桁の電話番号が不足していることに由来する。「或る人が携帯電話の契約を解除した場合、その番号はすぐに別の新規契約社に割り振られます。電話機残っている知人の電話番号を受け継いだ人物がLINEに登録すると、自動的に「友だち」として結びつけられてしまうのです。面識のない人とのやりとりは個人情報の漏洩につながり兼ねず、シャットアウトすることが重要だ。LINEにはつながりを持ちたくない相手を個別に「ブロック」する絹がある。

 特に注意を要するのが、LINEを使った友だち募集サイトの利用だ。ID交換サイトとも呼ばれ、赤の他人同士でもIDを交換し合うことでつながることができる。ネット上に多数のサイトが開設されているが、いずれもLINE社とは無関係だ。あるサイトの掲示板には「暇してる人メールしない? ID○○○○」「こんな時間でも構ってくれる人募集。ID✕✕✕✕」などと書き込まれ、ほとんど出会い系サイトのようだ。

《普通にみれば、このようなサイトへ連絡して泣きを見ることになっても、連絡した方の自己責任として処理すればいいことだ。その当人が年端も行かない子どもであれば尚更、そのような機器をただ野方図に持たせるだけの保護者の管理、監督責任の問題だから。》

 福岡県では先月、LINEで知り合った17歳の少女に性的暴行をし、けがをさせた容疑で建設会社社員の男が逮捕された。被害者の少女は友だち募集サイトを通じて「ドライブしませんか」と呼びかけ、容疑者が応じていたとされる。また4月には児童ポルノ動画を他人に送信していた容疑で男子高校生が京都府警に逮捕される事件があり、連絡手段として友だち募集サイトが使われていた(その後、府警の要請で閉鎖)。こうした犯罪は多発しており、利用は避けるべきだ。

 「LINEは未知の他人とつながるためにあるのでなく、知り合い同士がやりとりを楽しむためにある。安全のために、この基本に沿った使い方をすべきです」。ITセキュリティー製品開発会社「トレンドマイクロ」の広報担当、鰆目(さわらめあ)順介はそう語る。

 LINEの人気サービスの一つが「スタンプ」だ。動物や人のキャラクターがさまざまな表情やポーズをしている一種の絵文字で、言葉で表現しにくい微妙なニュアンスを伝えられる。無料と有料のものがある。台湾で今年2月、フェイスブックに「LINEのIDを書き込めば無料でスタンプをプレゼントします」とうたったページが開設され、それに応じた20万人以上の個人情報が盗まれる騒動があった。鰆目は「LINEのIDとフェイスブックの情報を組み合わせることで、名前や年齢、居住地などより精度を高めた情報が集められる。こうした情報を使って迷惑メールを送りつけ、金銭を騙し取るサイトに誘導することもできます」と、IDを狙う側の意図を推測する。

 フェイスブックのように他人が見る恐れがある交流サイトには、絶対にLINEのIDを書き込まないことだ。セキュリティーを常に念頭に置いきながら使いたい。

《平常、それほど密でもない友だちの数を寄せ集め、その数を自慢げに競い合うようにつるむ姿をよく見かける。そうでもしないと自分の存在に自信がないのだろうか。誰彼なくつるんでいないと不安げで、独立独歩の若者が少ない現実が淋しい限りだ。》

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2013年7月 4日 (木)

参院選、ねじれは必要

 毎日新聞(7/4)”参院選に望む”哲学者・木田 元 から、《》内は私見

 《22日の投票日まで17日間の選挙戦がスタートした。安倍晋三はねじれをなくそうと躍起のようだが、捻れがなくなると、この先の日本はどんなことになるか分かったものじゃない。今でさえ数を恃んだ好き勝手をやろうとしているが、参院で与党が過半数を獲得すれば、調子に乗った歯止めの利かない暴走が始まる。》

 喫茶店の一角、哲学者は窓からの差し込む明るい陽光の中に腰掛けていた。傍らには歩行器。「最近、足腰が痛くなってね」。少しかすれた声だった。

 この参院選に、私たちはどう向き合うべきなのか。素直に尋ねると、一つ大きく息を吸い込み、振り絞るように語り始めた。「時代には勢いがあります。今ならば、ちょっと右翼寄りの方がかっこいいとか、そろそろ憲法改正が必要だとか、昔日の日本の威光を取り戻そうとか、そういう動きですね。それらに安易に同調したり勝ち馬に乗ろうとしたりすると、とんでもないことが待っているかもしれない。戦前、日本の孤立を決定づけた国際連盟からの脱退*に国民は拍手喝采しました。その愚を繰り返さないように立ち止まって考え、『勢い』をチェックして、場合によっては抑えることが必要でしょうね。賢さと言い換えてもいい」。

《 * ・・ 関東軍の策謀で前年に作り上げた満州国が、1933年2月24日、国際連盟の総会で不承認・日本軍の満州からの撤退を求める勧告案が42対1、棄権1で可決される。松岡洋右(ようすけ)日本代表はこれに抗議し、席を蹴り退場する。3日後、政府は声明を発表、国際連盟脱退について詔書が発令された。以降、日本は外向的孤立の道を歩み出すことになる。この一連のニュースは当時のメディアも同調的に報道し、国民は小躍りして喜んだ経緯があった。》

 政治家の言動にきな臭さを感じている。「彼らは自分たちが兵士として戦場に赴くことはないと思っているから、勇ましいことを簡単に口にする。国防軍などと言うが、軍隊を持つことの意味が分かっているのか。群とは単に自衛隊を拡張させたものではない。そんな生易しいものではないんですよ」。

 青年時代、「死は身近にあった。戦争中、広島・江田島の海軍兵学校に進んで何より驚いたのは「成績が卒業後の寿命にかかわることだった。成績の順に海軍省、戦艦、巡洋艦などと配属先が決まっていき、下位の学生は「人間魚雷「回天」の搭乗員など特攻要員にされた。(中略)

 広島に投下された原爆の目撃者でもある。水泳訓練のため浜辺で服を脱いでいる最中だった。「ピカッと光り、辺り一面が紫色になって10秒か20秒後、爆風に飛ばされそうになった。しばらくして広島の方を見ると真っ白な煙の柱が空に突き刺さっていてね。学校に戻り、後者の二階から見たら、煙の柱が巨大なキノコ雲になっていました」。

 自衛隊の名前が変わっても国民の多くは無縁の話だと思っているかもしれない。「でも、少子化で、若者の数が減れば軍を維持するために志願制から徴兵制に変わるかもしれない。他人事ではないのです」。

 「何かと言えば経済成長。しかも株価の上下に一喜一憂して転‥‥‥。近ごろの日本人、目先のことばかりにとらわれて、少しおかしくなっていませんか」(中略)

 「少子化か進めば労働人口が減る一方、増え続ける高齢者をささえるために社会保障費は膨れ上がる。そうなれば経済成長の維持が困難になることは自明の理だ。「だが、社会の在り方そのものを見直そうと勇気ある呼びかけをする政治家は少ない。お金の使い方を見れば分かります。高度成長期に造られたインフラの多くが耐用年数の期限を迎えているにも拘らず、解体や補修といったもうからない事業よりも、新しい公共事業を進めようとしている。謙虚さを失っている証拠です」。例えば橋。国土交通省によると、地方自治体が管理する全国の長さ15メートル以上の橋のうち、必要とされる修繕を実施した割合は15%にとどまる。
 
 「謙虚さ」の対極にあるのが原発の最稼働だと憤る。「東日本大震災で福島第1原発事故が起き、危険さは十分に分かったはずです。その原発を使ってまで便利な生活にこだわる理由がどこにあるのか。ドアは自動でなくても手で開ければいいし、誰も使わないエスカレーターなど必要ない。福島では炉心はもちろん、汚染水さえ制禦できていないのでしょう。まるで技術が人間のコントロール下から抜け出して、自らの意思で動いており、人間の方がその部品になってしまったようです」。

 敗戦後、東京に辿り着いた木田が目にしたのは一面の焼け野原だった。上野でのホームレスのような生活をしていた時、テキ屋にスカウトされ、闇市で毛布や軍服の生地を旧軍の倉庫から調達した。満州から引き揚げてきた家族と暮らし始めたが、糊口をしのぐために週末になると夜行列車で東京に闇米を運び続けた。

 明日をも見通せない時代を必死生き抜いたからこそ、今の豊かさが実感できる。

 話を冒頭に戻す。有権者に求められる「賢さ」とは何なのだろうか。「政治家の言うことをまず疑ってみることです。調子のいいことを言っているが、本当なのかと。哲学では分からないのに分かった振りをしないことが大切だったから、特にそう思うのかもしれませんね」。哲学の道に進んだのはドイツの哲学者ハイデッガーが著した「存在と時間」を理解したいという一心からだった。コツコツと原書や辞書に当たりながら33年を費やしてハイデッガーに関する論文を書き上げた人の言葉ゆえに、「まず疑うこと」「分かった振りをしないこと」の重みが伝わる。

 政治の停滞の一因になっている「ねじれ国会」の解消を望む声がある。「ねじれていたっていいじゃないですか」と言い切る。「スピード成立が求められる法律は別ですが、即断即決がすべて正しいとは限らない。政治家は大それた変化を言い募るより、10年、20年先を見据えた政策を打出すことが大事です。ましてや憲法をどうするかという問題はもう一度立ち止まって、時間をかけて考えるべきではないでしょうか。それには与野党のバランスが取れていることが重要だと思うのです」。

《私より3歳年長だ。敗戦の事実を真剣に考えた世代には、疑うことの大切さは生きるすべとして骨身に沁みているのだ。浅学の私とは頭脳のできは月とスッポンだが、私も「我疑う、ゆえに我あり」で生きてきた。》

 きだ・げん 1928年生まれ。31年、旧満洲(現中国東北部)に移住。終戦後、山形県鶴岡市に家族と居住。東北大文学部哲学科卒。中央大名誉教授。独仏の現代思想に関する研究と翻訳を続ける。「反哲学史」「反哲学入門」「ハイデガーの思想」「新人生論ノート」「闇屋になりそこねた哲学者」など著書多数。

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2013年7月 2日 (火)

世界の絶滅危惧種

 毎日新聞(7/2)から、

 国際自然保護連合(IUCN)は2日、世界の絶滅危惧種は2万934種に上るとした最新版の「レッドリスト」を発表した。生息状況を評価した計7万294種の約30%に当たるという。

〖レッドリスト〗
 絶滅の恐れがある野生生物の種のリスト。植物や動物など個々の種の絶滅の危険度を評価し、剪定している。IUCNは絶滅危惧種を「ごく近い将来に絶滅の危険性が極めて高い」「危険性が高い」「危険が増大」の3ランクに分類し、国際交渉などで保護の優先順位を決めるために利用されている。

 参照 生者必滅会者定離 2006/10/

 IUCNはニホンウナギを絶滅危惧種に指定するかどうかの検討を始めており、5日まで英国で開かれる専門家を集めた会合で議論する。決定すれば、次回以降のレッドリストに掲載される。

 IUCNによると、今回は中国の揚子江に生息する淡水イルカの仲間「ヨウスコウスナメリ」が「ごく近い将来に絶滅の危険性が極めて高い種」に分類された。1980年代から年5%のペースで減少し、2006年の生息数は約1800頭と推計されていた。

 また淡水に生息するエビの全種を評価し、28%が絶滅危惧種と判明した。98年に全種を評価したスギの仲間についても再評価し、絶滅危惧種が34%に達した。乱開発などにより評価が悪化した種もあるが、保全活動の効果で回復している種もあるという。

 米アリゾナ州の川に生息していたメダカの仲間があらたに絶滅種に認定された。水の枯渇が原因という。

 ほかに淡水エビの仲間と、1912年に最後に目撃されたトカゲの1種も追加され、絶滅種は799種となった。

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