« 鹿肉を食材に、普及目指す | トップページ | 農薬でミツバチの群れ崩壊 »

2013年6月15日 (土)

子宮頸癌ワクチン、中止はしないが勧めもしない

 毎日新聞(6/15)から、

 参照 子宮頸癌ワクチンと副作用 2013/05/

《参照にも書いた、性交渉がないと罹らないとされる子宮頸癌の予防に、小学生や中学生の娘に接種を受けさせる親の心理が理解できない、と。》

 4月から予防接種法に基づく定期接種が始まった子宮頸癌ワクチンについて、厚生労働省の専門家検討会は14日、接種後に身体に痛みを訴える中高生らが相次いでいることを受け、積極的に接種を勧めることを一時差し控えることを決めた。厚労省は定期接種自体は中止せず、原因や症例を詳しく調べる。定期接種の積極勧奨を控えるのは2005年の日本脳炎に次いで2例目となる。

 定期接種を受けることは同法で国民の努力義務となっている。厚労省は接種対象者に対する予診票の郵送を見合わせるよう自治体に通知した。医療機関にも接種を勧めていないことを説明するよう求める。

 子宮頸癌ワクチンは販売開始から今年3月末までに推計328万人が接種している。検討会には全身や身体の広範囲が痛む症例が43例報告され、うち11例は未回復だった。日本より先に接種が始まった海外で、重篤な身体の痛みを訴える副作用が計108例あることも報告された。

 検討会の委員らは
 ▽ワクチンを承認する際、副作用として身体に痛みが出ることが検証されていない
 ▽何が原因でどの程度回復するのかなどのデータがない――などと判断。身体痛む副作用の発症率は低いものの、定期接種には十分な安全確認が求められるため、積極的な勧奨を控えることを決めた。子宮頸癌防止のために接種を希望する人がいることも考慮し、定期接種は継続することとした。

 年間約2700人が死亡している子宮頸癌の防止に有効と期待されたワクチンを巡る方針が大きく変わった。定期接種は継続するが推奨はしないという、一見矛盾した対応に戸惑う声が上がったのは確実だ。

 ワクチンの接種との因果関係が証明された死亡例はない。推計300万人超の接種車のうち問題となった身体の痛みの報告例もわずか43件。専門家の間にも「これまで通り接種を行なうべきだ」と主張する声は根強い。

 だが、厚労省の検討会は接種後に長期にわたって身体の痛みを訴える副作用が承認時に検証されていなかったことを重視。「安全性を確保できない」と結論づけた。

 「長期間の身体の痛みは心身にとって余りに過酷。として勧奨をやめた判断は理解できる。だが、子宮頸癌予防のために安心してワクチンを接種したいという人も多いはずだ。厚労省には、徹底した原因究明とともに、治療法の確立が求められる。

 専門家検討会は、癌予防と副作用の狭間で、委員の判断も割れるなかでの決定だった。被害者の親たちからは「大きな一歩」と安堵の声が漏れたが、「定期接種は中止しないが積極的には勧めない」という分かりにくい姿勢に、医療現場の混乱を懸念する声もある。

 検討会が中盤にさしかかった頃、座長の桃井真理子・国際医療福祉大副学長が、5人の委員に裁決を迫った。「現状のまま接種の継続」「副反応の情報提供体制ができる状態となるまで、接種の積極的な奨励を一時控える」の二択。結果は2対3で「積極的奨励を一時控える」。採択結果に委員の「迷い」が表れていた、

 検討会を傍聴した東京都杉並区の主婦(46)は「とにかく一歩前進」と涙を拭った。中学3年生の長女(14)は11年、子宮頸癌ワクチン「サーバリックス」の2回目の接種を受けた直後に左腕が痛みだし、その後、足や腕などに痛みを感じるようになった。病院を転々としたが、原因は分からなかった。今も歩く時には車椅子が必要だ。

《この子は、中学1年生時に2回目の接種だ。母親はなぜ、そうまで急いで娘の性を心配するのだろう。母親自身に既往症として子宮頸癌の恐ろしい経験でもしたきたのだろうか。》

 検討会の結論に、母親は「親は子どもに接種を受けるように言わなくてすむし、子どもも無理に接種を受けなくていいと思えるようになる」と、ほっとした表情を浮かべた。

《これもおかしい。母親は子宮頸癌の怖さについては教えるべきだろう。接種を受けるか受けないかは別の問題だ。》

 一方、「子宮頸癌制圧をめざす専門家会議」議長の 野田・近畿大前学長は「諸外国では高い安全性と効果が認められたワクチンとして広まっており、信頼してよいと思って国内での導入を推進してきた」と力説。今回の厚労省の決定で「接種できない人が増えることに強い懸念を感じる。国はできるだけ早く結論を出し、因果関係があるなら適切な対応を取るべきだ」と訴える。

 厚労省は14日付で各自治体に対し、積極的な勧奨を控えるよう求める文書を出した。担当者は「数ヶ月接種を待ってもすぐに被害が出るものではない。副反応(副作用)の適切な情報提供体制を整えたいので、迷うときはその機会を待って判断してほしい」と語る。

 だが、前橋市の小児科医は「ワクチンが何らかの副作用を伴う可能性があるのは想定されているが、患者さんに接種を決めてもらうとなると、現場の医師も迷う」と指摘。「副作用のリスクと将来の罹患という二つのリスクを天秤にかけた時、小児科医としてはワクチンを接種した方がいいと思うが、最終的には国に判断してもらいたい」と話した。

<副作用の報告も増加傾向>
 子宮頸癌は、子宮の入り口(頸部)に発生する癌。性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で起こる。日本では年間約1万人が子宮頸癌と診断され、2011年には2737人が死亡しているが、癌の発症率は若い世代で増加傾向にあるという。

 国は10年度から、ワクチン接種に公費補助をする市町村に対し、半額を負担する事業を開始。今年3月の改正予防接種法の成立に伴い、4月からワクチン接種は原則無料の「定期接種」の対象になった。

 一方、接種が増えるのに伴い、副作用の報告も増加した。厚労省によると、ワクチンの販売が始まった09年12月から今年3月までに、重い障害が残るような副作用の報告は878人に上っている。

 改正法が成立する直前の3月にあった厚労省の専門家検討会では、2種類のワクチンの副作用が、それぞれインフルエンザワクチンの38倍、26倍にあたると報告されていた。

 
 

|

« 鹿肉を食材に、普及目指す | トップページ | 農薬でミツバチの群れ崩壊 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/107998/57597820

この記事へのトラックバック一覧です: 子宮頸癌ワクチン、中止はしないが勧めもしない:

« 鹿肉を食材に、普及目指す | トップページ | 農薬でミツバチの群れ崩壊 »