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2013年6月17日 (月)

農薬でミツバチの群れ崩壊

 毎日新聞(6/17)から、

 国内外で広く使われているネオニコチノイド系農薬をミツバチに摂取させると、比較的低濃度でも巣箱の中のミツバチがいなくなり、群れが消える「蜂群崩壊症候群(COD)」に似た現象が起こるとの実験結果を金沢大の山田教授らのチームが17日までにまとめた。

<ネオニコチノイド>
 タバコに含まれるニコチンに似た分子構造を持つ物質。有機リン系化学物質に代わり、1990年代から日本を含め世界各地で農薬に使われている。昆虫の中枢神経に作用することが知られ、英仏の研究チームは2012年、女王蜂の減少やハチが帰巣能力を失うことを確認したと米科学誌サイエンスに発表、欧州連合は5月、ネオニコチノイド系農薬3種類の使用禁止を決定した。

 山田教授は「ハチが即死しないような濃度でも、農薬を含んだ餌を食べたハチの帰巣本能がだめになり、群れが崩壊すると考えられる」と指摘。用法への影響を避けるためネオニコチノイド系農薬の使用削減を求めている。

 山田教授らは約1万匹のセイヨウミツバチの群れを使用。ネオニコチノイド系農薬のうち、ジノテフランとクロチアニジンを、糖液と花粉ペーストに加えて投与し、4カ月間、群れの中の成虫と幼虫の数の変化を、写真を使って調べた。

 イネの害虫のカメムシ防除に推奨される濃度を100倍に薄めた比較的低濃度の農薬を与えた場合、巣箱の中などでハチの死骸はほとんど確認されなかったが、投与直後から群れの中の成虫の数が減り始め、2種類の農薬とも12週間後には群れが消滅した。

 濃度を10倍に薄めた高濃度の場合は、一度の投与だけで多くのハチが巣箱の内外で死に、15〜18週後に群れが消失した。山田教授によると、実際の環境中でもミツバチが農薬で汚染されたミツや花粉、水などを巣に運び込むことで、同様の問題が起きると考えられるという。

 ネオニコチノイド系農薬は、欧州連合(EU)がクロチアニジンなど3種の2年間の使用禁止を決めるなど規制が進んでいる。

 指摘に対し、農薬メーカーは「大量死や大量失踪の主たる原因ではない」と反論している。農薬メーカーで作る農薬工業会も「日本国内で行なわれた研究でも明確な結論は出ていない。ネオニコチノイド系農薬でミツバチが死ぬ可能性があるのは事実だが、農薬を適切に使い、養蜂家との情報交換を密接に行なうなど既存の対策で、大きな影響は避けられる」としている。

《古い人間には、苺が店に並ぶと夏の到来を知るサインのような果物だった。それが現在ではいろんな果物や野菜などと同様に、「旬」が不明な食べ物になり、イチゴに至っては、ハウス栽培のハウス中を飛び交うミツバチのお陰で、ケーキ屋のケーキ棚の中は、冬のクリスマスの頃が最盛期かと見紛うばかりに、真っ赤に彩られたショウウィンドウに目を奪われる。しかし、日本の自然の季節の移り変わり、「四季」がなくなったかのような日本の食の一年は、なんとも寂しい限りだ。》

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