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2013年5月13日 (月)

道交法改正案「自転車は左」厳守

 毎日新聞(5/13)から、

Th_7 自転車の交通問題に社会の関心が高まる中、今国会で審議中の道路交通法改正案では、自転車の左側通行が徹底される。歩道のない道路の端を白線で区切った路側帯を走る場合「左側通行に限る」と規定した。これまで規定はなく、自転車事故の要因の一つとされてきた。事故の減少が期待されるが、自転車利用者にルールを定着させるのは容易ではない。専門家は、例外規定の多い道交法を根本的に改定するよう求めている。

 主に路側帯は道幅に余裕のない生活道路に設けられている。幅は狭く、自転車が双方向通行すれば、正面衝突やすれ違い時に接触の危険性が高い。だが、現在の道交法は「自転車は、著しく歩行者の通行を妨げる場合を除き通行できる」とするだけで、道路の左右どちらを走るかは決めていない。

 改正案が成立すれば、図❶のように自転車は、道路の左側にある路側帯を通行するよう定められる。ただ、二重の白線で区切られた路側帯は歩行者専用のため自転車は通行できず、自転車は車道の左側通行が義務づけられる。

 国土交通省などによると、2010年の自転車関連の死傷事故は64%が生活道路で発生。生活道路は車と自転車、歩行者の距離が近い上、自転車が無秩序に車道を横断するケースも多い。交差点の見通しも悪く、路側帯を自転車が双方向で走れる状況は事故の危険性を高めていると指摘されていた。

 全国の道路約120万キロのうち、歩道のない道路は約100万キロとされる。このうち路側帯のない道路(車道)では、もともと自転車は左側通行しなければならないため、改正案が実現すれば全国の道路の8割は自転車の右側通行が禁止されることになる。自転車問題に詳しい木内弁護士は「自転車の右側通行は非常に危険。路側帯の規制は左側通行の徹底につながる」と評価する。

 一方、歩道がある道路の自転車通行は従来のままだ。

 「自転車通行可」の標識がある歩道(自転車歩行者道)は、道路の左右どちらも自転車が通行できる(図❷)。こうした道路は全国に約8万キロある。

 この標識がない歩道は原則、自転車は走れない(図❸歩道)。ただし、13歳未満や70歳以上、障害者が乗る場合などは、左右どちらも通行できる。全国で9万キロ余がこれに当たる。

 自転車専用の通行路では,車道と線などで区切った自転車レーン(全国に約200キロ)は車道の一部のため、左側しか通行できない。(図❸自転車レーン)。これに対し、車道と縁石や柵で完全に区切った自転車道(全国に約1300キロ)は双方向通行が可能だが、自転車道のある場所では車道を走れず、道路の片側にしかない場合にも自転車は必ず自転車道を走らなければならない。11年9月、自転車の双方向通行を認めている歩道や自転車道でも、正面衝突の危険がある場所には一方通行規制ができる標識が新設された。

 全交通事故に占める自転車事故の割合が徐々に増え、特に歩行者との事故が急増する中で警察庁は2011年10月、自転車の車道左側通行を徹底する方針を打出した。今回の改正案も、その流れに位置づけられる。

 ただ、改正案が成立しても自転車のルール違反が横行する中、左側通行を定着させるのは難しい。警察庁が設置した有識者懇談会は12年末、成人に対する自転車安全教育の充実を提言。今回の改正案も悪質な違反を繰り返した人に対する安全講習の義務づけを盛り込み、周知徹底を図る。

 一方、道交法の規定そのものが複雑、曖昧なことが、ルール徹底を妨げているとの指摘は根強い。

 自転車の通行方法には数々の例外規定がある。車道や自転車レーンは車と同じ左側通行なのに、自転車歩行者道や自転車道は双方向通行が可能というのもその一つだ。

 道交法は1960年の制定時、自転車を車と同じ「車輛」と位置づけ、車道の左側通行を規定した。しかし、「交通戦争」と呼ばれ交通事故死者が過去最悪の1万6765人に上った70年の法改正で、公安委員会が指定した歩道については自転車の通行が容認された。

 これは「緊急避難的な措置」(81年、建設省道路局長の国会答弁)のはずだったが、その後も元に戻ることはなく、2008年の法改正で13歳未満や70歳以上、障害者や、安全上やむを得ない場合の歩道通行も追認された。

 自転車政策を行政に提言している自転車活用推進研究会の小林理事長によると、欧米の道路交通法はシンプルで例外規定は殆どないという。だが、日本では歩道を歩く人は、どこから来るか分からない自転車に気をつけなければならない。小林は「国民の大半が若く健康ならいいだろうが、直面している高齢化社会には通用しない。自転車が車と道を共有するという道交法の原点に戻る時期だ」と訴える。

《改正法が施行されれば、全国の道路が十分整備されていないことを承知のうえの実施だ。それを承知で決めた上は、自転車利用者のどうせ守らないマナーに期待することなく、違反には厳しい取締りこそ新道交法を定着させることの近道と心得た方がよい。》

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