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2013年5月31日 (金)

公立高 「英語の授業はどうあるべきか」

 毎日新聞(5/31)から、

 文部科学省は2009年3月、10年ぶりに高校の学習指導要領を全面的に改定した。英語はコミュニケーション能力を重視する方針が打出されて、授業は「英語で行なうことを基本とする」と明記された。4年間の移行期間を経て、今年4月から1年生を対象に全国の公立高で「英語による授業」を開始。15年4月に全学年に広がる。

 新指導要領の目的は、生徒が英語に触れる機会を増やしコミュニケーションの道具としての英語を意識できるようにすること。「国際化」を意識し、訳読中心の授業から脱却を目指す。指導する単語数も1300語から1800語に増えた。

 政府の再生実行会議も小学校英語の教科化を提言し、英語教育の議論は高まるばかりだ。高校英語の授業はどうあるべきなのか。

《英語に限らず他国語が必要と感ずる人は学べばいい言葉であって、日本人全員が学ぶ必要は全くないといっていい。加えて英語が話せるから国際人とは噴飯ものだ。日本国の大臣から国会議員たちの何割の人間に、その「国際人」に当てはまる人間がいるだろうか。自国の歴史も世界史の中でまともに評価、認識できないで、「国際化」「国際人」は恥ずかしい話だ。》
 
 松本 茂(立教大教授)、寺島隆吉(元 岐阜大教授)、和田 玲(東京・順天高教諭)の3人が賛否それぞれの立場で標題のテーマで語っている。

 先ず取りあげるのは「全員が話せる必要はない」の寺島教授から。
 高校の新学習指導要領はコミュニケーション能力に目標を特化した。生徒が授業で学ぶ英語は会話が中心になる。しかし、日本のような社会環境で英語を使う機会は限られている。どれだけ詰め込んでも忘れてしまう。「ザルに水を入れる作業」と似ている。

 音楽や体育の授業を受けただけでピアノを弾けたり、スポーツ選手になれたりするわけではない。英語だけが「授業だけで話せるようになる」と思われている。不思議でならない。日本人が英語を話せない理由は日常生活に必要ないからだ。私がベトナムに行ったとき、路上生活の子どもたちが英語で土産物を売っていた。生活の必要がそうさせるのだ。

 中学校の英語教育も会話が中心になったため、生徒の語彙は貧弱だ。だから、高校で一文一文の和訳に手こずる生徒もいる。それどころか人称代名詞の「us」を指して、「先生、このウスは何?」と真面目に尋ねる大学生まで現れたと聞く。

 このように、学力低下は深刻なのに「英語で授業」とは信じ難い。日本語でコミュニケーションをとることが難しい荒れた高校もある。「英語で授業」の押しつけは、生徒にとっても教師にとっても不幸だ。日本語を使わない授業が効果的だというならNHKの語学番組はなぜそうしないのか。

 学校教育で重要なのは、社会人になって必要になったときに活用できる基礎力をつけておくことだ。使わなければ忘れてしまう会話ではなく、まず「四m樹値から」をつける。その方が会話に役立つ。速読ができない限り、「速聴」は無理だ。相手の言っていることが分からない限り、会話にならない。読む力は書く力の基礎となり、書く力は、すぐに話す力に転化できる。英語のリズムで音読ができれば発音も良くなる。聴く力も伸びる。だから、日本語で指導しても十分に会話の基礎は育つ。授業方法の問題だ。

 ところが新学習指導要領を真に受けて、「日本語を使った授業になっていないか」だけを点検している教育委員会もあるようだ。理解に苦しむ。新学習指導要領のいう「生徒が主体となって活動する授業」は日本語でも可能であり、大切なのは生徒が自らの成長を実感できる授業だ。日本語ゼロの授業で質問もできず「顔で笑って心で泣いている生徒」を生み出してはならない。

 英語力イコール研究力という考え方も疑問だ。確かに英語の教科書を使わなければ大学や大学院の講義ができない国もある。だが、今の日本はすべて日本語で済む。ノーベル賞受賞者も英語が先にあったわけではない。知りたいことが先にあり、日本語で読み尽くし、知り尽くして初めて英語の必要性が生まれた。

 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれた1990年代初期に、私はアメリカの大学で日本語を教えていた。そのころ、企業は社員を英会話学校や海外の大学に送って必要な語学力を身につけさせていた。今、その金が惜しくなったから、責任を学校に転嫁しているだけではないか。

 何か一つ外国語を学べば、日本と日本語が見えてくる。「母語を耕し、自分を耕し、自国を耕す」ための外国語だ。日本人全員が英語を話せるようになる必要もないし、義務もない。

 むしろ、英語一辺倒が日本を危うくする。

             ・・・つづく

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2013年5月30日 (木)

女性が働きやすい職場(埼玉)

 毎日新聞(5/30)から、

Photo_3 仕事と子育てを両立する働き方を取り入れている企業や事業所として、県の認定を受けた「多様な働き方実践企業」の約9割が、事業の改善に効果があったと考えていることが、県のアンケートで分かった。認定制度は女性の活躍で経済を活性化する「埼玉版ウーマノミクス」の一環で、県は「多様な働き方の導入に疑心暗鬼な企業もあるが、取り組んだ企業に失敗はない」として、女性の働きやすい職場環境づくりをさらに推し進める。

 アンケートは昨年12月〜今年2月、「多様な働き方実践企業」に認定された314社を対象に行ない、206社から回答があった(回答率65・6%)。

 県は①短時間勤務制度やフレックスタイムなど多様な働き方
   ②女性管理職の積極的な登用
   ③男性社員に対する子育て支援
など男性も含めたワークライフバランス——の三つの取組みについて、効果の有無を尋ねた。

 その結果、
 効果があった  — 185社(89・8%)
 変わらなかった — 20社 (9・7%)
 マイナスだった — 1社 だけだった。

 ①で主な効果があったとされた項目は、
  ▽「従業員が退職せずに定着」(75%)
  ▽「従業員のモチベーションの向上」(62%)
  ▽「企業イメージの向上」(61%)
  ▽「時間管理能力の向上」(50%)などだった。

 「若手職員の結婚、出産、子育てにおけるロールモデルができた」など前向きな評価が寄せられた一方で、「職員の不満が拡大した」といった課題も挙げられた。

 認定制度は、
  出産した女性が働き続けている
  女性管理職が活躍している
  男性社員の子育て支援に積極的
 など6項目の基準のうち、2項目以上に該当する企業や事業所を剪定。「プラチナ」(全項目)▽「ゴールド」(4項目以上)▽「シルバー」(2項目以上)の3区分があり、3月末現在の認定企業数は464社となっている。

《ケチをつけるわけではないが、ここまで成功するのに要した期間は?。調査期間のたった3カ月で飛躍的な効果があったとすれば、県内だけでなく、政策も施策もままならない国全体で見習えばいい。しかしどのように改善されたのか、県内各企業の元々の基礎になっている数字が皆目分からない。各企業の規模、職種、男女構成比、正社員、非正社員、アルバイト比率、男性社員の子育て支援の具体的施策など。アンケートの具体的設問内容が紙面からでは不明だ。全体的には我田引水の空疎な内容だ。》

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2013年5月29日 (水)

夫婦別姓 原告敗訴

 毎日新聞(5/29)から、

 参照 選択的夫婦別姓の賛否 2009/12
    選択的夫婦別姓 2009/10/

《基本的に、私の考えは4年前と変わらない。》

 夫婦別姓を認めない民法の規定は憲法違反だとして、別姓を続けるため事実婚をしている夫婦ら5人が国に計600万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は29日、原告側の請求を棄却した。石栗正子裁判長は「夫婦がいずれも結婚前の姓を名乗る権利が憲法上保障されてるとはいえない」と指摘した。夫婦別姓を巡る国家賠償訴訟の司法判断は初めて。

 2011年2月に提訴した原告側は、「夫婦は結婚の際に夫か妻の姓を名乗る」とした民法750条の規定が、個人の尊厳や両性の平等を保障した憲法の規定に違反すると主張。1996年に法制審議会(法相の諮問機関)が「選択的夫婦別姓制度」の導入を答申したにもかかわらず、法改正されていないのは「国会の怠慢」などと訴え、1人100万〜150万円の慰謝料を求めていた。

 これに対し国側は、憲法の規定について「婚姻で別姓を選択できる権利を保障したものではなく、社会通念上も夫婦別姓の導入が個人の人権に不可欠であると認められるまでには至っていない」と反論。「国会の裁量の範囲内」と主張した。

 訴えているのは、婚姻届けを提出後も日常生活で旧姓を使っている富山市の元高校教諭。塚本協子(77)ら女性3人と、事実婚をしている東京都荒川区の会社員、渡辺二夫(45)とフリーライター、加山恵美子(41)夫妻。

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2013年5月27日 (月)

外来トカゲ 自然遺産食う(小笠原諸島)

 毎日新聞(5/27)から、《》内は私見

 Photo 世界自然遺産の小笠原諸島(東京都)の無人島・兄島で、外来種のトカゲ『グリーンアノール」の侵入が初めて確認された。このトカゲは繁殖力が強く、島固有の島固有の昆虫を食い荒らし、世界遺産としての価値を傷つける恐れがある。事態が悪化すれば「危機遺産」に指定されかねず、専門家でつくる国の科学委員会は、国内の自然遺産で初の「非常事態」を宣言。環境省などが緊急駆除対策に乗り出した。


〖小笠原諸島〗
 東京都心から約1000キロ南の太平洋情にあり、南北約400キロの及ぶ大小30の島々で構成される。2011年6月に国内4カ所目の世界自然遺産に登録。過去に大陸と地続きになったことのない「海洋島」で、動植物が独自の進化を遂げたことから「東洋のガラパゴス」と呼ばれる。

 グリーンアノールは鮮やかな緑色で体長約15センチの北米産トカゲ。米軍占領下の1960年代に貨物に紛れ込んだか、ペットとして持ち込まれて野生化し、有人の父島と母島では数百万匹が生息すると推測される。90年代に小笠原にしか生息しかない貴重なチョウやトンボなどが姿を消した際の「主犯格」とみられる。両島では駆除が進められているが、根絶はできていない。

 父島から約800メートル離れた兄島(面積約8平方キロ)では今年3月末、東京都などによる外来植物の駆除作業中に4匹見つかり、科学委員会が直後に非常事態を宣言した。その後の調査で、島南部に広がっていることが確認された。NPO法人「小笠原自然文化研究所」によると、生息数は万単位の可能性が高いという。

 兄島北部には、小笠原の乾燥した気候で独自に進化した背の低い原生林(乾性低木林)が広がり、遺産の中核として、世界的価値がある固有の生態系が高く評価された。グリーンアノールの侵入域が広がれば乾性低木林を支える昆虫類が減り、島全体の生態系に大きなダメージを与えかねない。事態が悪化すれば、国連教育科学文化機構(ユネスコ)から「危機にさらされている世界遺産」に指定される恐れさえある。国の科学委員会委員長の大河内・森林総合研究所理事(森林動物学)は「時間がない。人的資源を集中し、何にも優先して対策を行なうべきだ」と訴える。

 小笠原が2011年6月に自然遺産に登録された際、「新たな外来種の侵入に対して継続的な注意が必要」と注文がついた。グリーンアノールの兄島への侵入経路は、流木などの自然現象とも観光など人の往来に伴うものとも考えられる。グリーンアノールを食べるクマネズミも外来種で、駆除を進めた結果、グリーンアノールが増えてしまったとの見方もある。一度侵入した外来種を根絶するのは容易ではなく、環境省は拡大を防ぐフェンスの設置や、ゴキブリ捕獲用の粘着シートなどの「わな」を仕掛けるなどして集中的に駆除に取り組む。

《1960年代から侵入の推測もあるということは、遺産登録の半世紀も前から住み着いていたことになる。登録の申請に当たって、外来種問題は問題としての認識はなかったのか。今更ながらのことと思う。それにこれまで外来種問題が話題になるたびに私見を述べてきたが、当面の50年100年の短いスパーンではなく、100万年1000万年でみれば、固有種、外来種を論ずることは殆どナンセンスとなっていることだろう。現在、この流れはすでに止められないところまで来ているとみていい。》

《動物や昆虫、魚類、植物でも全く同じことだ。例えば「動物」である人間で考えてみればいい。漂流や冒険で、小舟から大型船になり、飛行機になり、或いは戦争や植民で、或いは奴隷制度で駆り集めた黒人種の大陸をまたいでの白人種との混血が起きている。最近でも国際結婚と呼ばれる進んで外来種となり種の混合、混血に走る人間もいるくらいだ。人間だけに許されていい問題ではないだろう。》

 参照 生者必滅会者定離 2006/10/

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2013年5月26日 (日)

富士山に登山鉄道を

 毎日新聞(5/25)”みんなの広場”

 ▼短いので全文を。横浜市・佐藤史親(25)から、

 これこそ、本末転倒ではないか。5月17日朝刊で横内正明・山梨県知事,川勝平太・静岡県知事らが、富士山への登山鉄道整備が必要との認識で一致したと報じられた。世界文化遺産登録が濃厚となったことで、観光振興の起爆剤にしたいという思惑だろう。

 私は富士山山麓で生まれ育った。慣れ親しんだ土地が、世界に認められたとしたらうれしいし、それを地域活性化に生かしたいという気持ちもよくわかる。

 しかし、ここで新たな開発を行なうことは、自然や文化を適切に守って行くという世界遺産の本義から外れている。

 知事らは、鉄道整備が自動車の入山規制にもつながるというが、それはマイカー規制の厳格化などで対応すべきだ。これ以上、大切な富士山を切り開くことは許されない。それよりも今議論すべきなのは、大事な資産をどう守って行くかということのはずだ。

《世界遺産を私物化して、登山客、観光客をかき集め、結局は経済的利益つなげようとする話し合いには、山梨・静岡両県の知事と、他にNPO法人「富士山クラブ」の奥島理事長(日本高野連会長)がいた。彼らは5合目付近まで運行する登山鉄道が必要との認識で一致したという、》

《富士山が自然遺産では認められる可能性がなかったが故の鬱憤話か。ここで思い出すのはドイツのドレスデン・エルベ渓谷に架けた一本の橋梁が、景観を損ねるとして登録5年後(2009年6月25日)に登録から外された事実が頭をよぎる。現在でも麓では陸上自衛隊が演習場として砲弾を撃ち、戦車が走り回っているのだが、この先、富士山の麓を登山鉄道が、賑々しく人間を運ぶようになれば、忽ちのうちに登録抹消の憂き目を見ることに思い至らないのだろうか。》

《入山規制がしたければ、第1に入山料は必至。続いて1日あたりの登山人数の制限や、マイカー禁止、大型バスの乗り入れ禁止などをするのもいい。》

 

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2013年5月25日 (土)

「いじめ解決に自信がない教師が中学で74%

 毎日新聞(5/24)から、《》内は私見

《新聞は「いじめ解決に自信」中学26%。となっている。では小学校ではどうか。「解決する自信がある」教師は約4割。6割の教師が自信がないと答えている。》

《いじめ問題の、解決の糸口も見つけられない数字だけを追うメディアの取りあげ方にはいい加減、嫌気がきていたのだが、24日の小さな記事にはその背景、本質とも言える問題が含まれているので、久しぶりに取りあげてみる。》

 いじめ問題の解決に取り組むNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」(川崎市)が、小中学校の教師を対象にしたアンケートの結果を公表した。「いじめを解決する自信がある」教師は小学校で約4割、中学校で3割未満にとどまり、依然としていじめへの対応に不安を抱いている教師たちの姿が浮き彫りになった。

 アンケートは2012年10月から13年4月、ジェントルハートの小森理事が講演などをした13都道府県の23校を対象に実施。296人(小学校113人、中学校183人)の教師から回答を得た。

 小学校で37%、中学校で59%の教師が「1年以内に担任する学級でいじめがあった」と回答した。児童・生徒からいじめの相談を受けた時に「解決の自信がある」という教師は小学校で41%、中学校で26%。解決できるか「わからない」が小学校46%、中学校61%と最多だった。また、小学校で73%、中学校で59%の教師が、いじめへの対応で「他の仕事への支障がある」と感じていた。

 小森理事は「文部科学省がこれまでに出したいじめに対する通知は具体性がなく、教師のスキルアップにつながっていない。学校内にいじめを予防したり、問題を解決できる常設の組織をつくるべきだ」と指摘している。

《いじめは発生源を絶つことができなければ、根絶は不可能だ。根本的な問題として、小森理事もいじめは学校や教師の責任ではないことを理解していない。「子を見れば親が分かる」ものだ。いじめはあくまでも家庭内での幼い頃からの親、保護者の育児教育、監督責任の問題であることを認識するべきだ。それは現場の教師が一番よく分かっていることなのだ。だから、口には出さなくても「家庭でろくな躾けもしないで、すべて学校、教師に押し付けても『時すでに遅し』だろう」、という諦観のようにもなっているからだといえる。その背景、いや本質の部分に切り込まない限り、いじめは相も変わらない数字を追いかけるだけで終わるだけだ。教師の側には、バカ親の攻撃が待ち構えているから子どもが悪いことをしても叱るための厳しい「口」さえも封じられているのだ。いじめが野放しになる最大の原因だ。》

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2013年5月24日 (金)

16歳息子が父のカードでキャバクラ

 毎日新聞(5/24)から、

  16歳の息子が父親から盗んだクレジットカードで支払ったキャバクラの代金550万円を巡り、父親が店とクレジット会社に支払いの無効を求めた訴訟の判決が23日、京都地裁であった。橋詰裁判長は「年齢確認もせず、巧に働きかけて1本38万円のシャンパンを注文させたことなどは暴利行為に当たる。カード会社も本人確認などを怠ったとして、父親の訴えを概ね認め、約475万円分の支払いを無効とする判決を言い渡した。

 判決によると、父親は京都府亀岡市の40代の自営業者。息子は16歳だった2010年12月、父親の財布からカードを盗み、友人と京都市中京区のキャバクラに行き、一晩で255万円を使うなど20日間に4店で計約550万円をカード払いした。サインは父親の名前を書いたという。

《司法サイドは、事件を起こしたのが未成年ということで、父親の財布からカードを盗んだ犯罪も、夜間の外出や、未成年者が入ってはいけないキャバクラでの飲み食いも、場所やアルコールの提供者側が悪いことにして、お茶を濁したかたちで処理したが、この父親は子どもをよくもこんなクソガキに育てたものだ。飲み食いした金は、監督不行き届きの罰として、あらためて親の支払いとして処理させればいいのに。》

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2013年5月23日 (木)

奨学金返済に苦しむ若者

 毎日新聞(5/23)から、《》内は私見。

 「奨学金が若者を潰す」――非正規雇用が広がり、奨学金返済に苦しむ若者が急増している現状を夕刊「特集ワイド」(4月10日東京本社版)で紹介したところ、ツイッターを含め約3000件の反響が寄せられた。「苦しくとも借金は返済して当然」という批判もあったが、大半が「自分も似た境遇」など「返済できない状況」に共感するものだった。問題の根は広くて深いと改めて実感させられた(夕刊編集部・浦松丈二)

《言訳はいくらでもあるだろう。だが、最初から返済しないつもりでなければ、借りたものを返すのは小学生でも知っている「ものの道理」というものだ。返せない心配があれば、最初から借りなければ済むことだ。何でも社会の所為にするのは卑怯というものだし、大学まで行っても、キャンパスライフを楽しむだけで、中卒、高卒レベルのままの卒業が多い学生生活では、借金までして大学に行き、将来を苦しいものにする必要はないだろう。》

 参照 奨学金問題で全国組織 2013/03/
    奨学金延滞問題 2009/11/

 <以下記事の要約>
 今の大学生の半数以上が奨学金を利用している事実に驚いた。日本学生支援機構は大学生向け有利子タイプの奨学金(年利最高3%)として月額12万円までほぼ無審査で貸し付けている。貸付残高は7兆円を超える。だが、大学を卒業しても4人に1人が非正規雇用などで正社員になれない時代、延滞車は2003年度末から11万人増加し、11年度末は33万人にも上っている。

《爪に灯をともして勉学した戦後の苦学生の時代には、手紙やハガキに交えて月に数回、声に接したくて、下宿や寮の廊下に並んで一台の電話の空く順番を待って母や父親に無事の知らせと、心ならずも金子の無心をしたものだ。現在のように使い放題のスマホや携帯で浪費して、苦しい苦しいなど贅沢も甚だしい話だ。》

 九州在住のパート事務職の女性(30)は高校、大学時代に同機構の奨学金を借り、元本と利子計800万円以上の債務を負った。父親が重い病気になったためだった。卒業後、IT企業に就職し、月額3万2000円の20年返済を開始したが、うつ病になって2年で退社。返済を続けられなくなった。

 彼女は同機構の救済制度を利用し、最長5年の返済猶予を使い切り、今年から減額返済(半額)を利用することにした。しかし、返済総額を減額する制度でないため、最長で54歳まで返済期間が延びる。現在の月給は9万円余り、「借りたお金を返すのは当然だが、債務に縛られた一生だと思うと落ち込む」という。

 浦松は綴る。「これは彼女の責任なのだろうか」。

《このようなケースが引き合いに出されるたびに書くことだが、如何にも哀れな同情を買うケースを持ち出して、その他全てがそうであるような文脈を作り上げる。しかし、誰かとつるんでいないと不安なためのメールに、痩せるために、着飾るために、合コンのためにと、無駄遣いは多いはずだ。》

 一部の読者からは上の彼女のことで「高校を卒業して就職すればよかったのだ」との感想があった。一昔前ならそうできたかもしれない。しかし、高校新卒者向け求人はバブル末期・1992年の167万人から12年には20万人と実に87%減になっている。中京大教授のように「仕事が見つからないから無理な金額を借りてでも進学するしかなくなっている」と借り入れを正当化するような意見も出る。

 「自己破産すればいい」との声もあった。しかし、彼女の場合は父親と叔父が連帯保証人になっている。奨学金はほぼ無審査無担保で貸してはくれるが、消費者金融と異なり無保証ではないからだ。自己破産すれば、家族で暮らす自宅を売却することを迫られる。不足分は叔父に請求される。多くの場合、自己破産も叶わないのだという。

 10年度からは3カ月以上の延滞者を個人信用情報機関に登録(ブラックリスト化)するなど回収を強化した。

《食い逃げ然とした人間もおる中、請求、回収しなかった同機構の手落ちとさえメディアから叩かれては(地に堕ちたモラル 延滞増える奨学金08/09)、強固な回収策を講じるのは当然のことだ。》

 12年5月までにブラックリスト化された利用者は1万2281人に上る。登録されると自動車、住宅ローンやクレジットカードの申請が難しくなる。これでは人生設計に影響しかねない。

《そうされても、そうなっても仕方ないものも混じっているのが事実だ。》

 読者からは「教育ローンと改名すべきだ」との意見が目立った。同機構を所管する文部科学省学生・留学生課長の松尾は「奨学金は学生支援を目的として与信審査をせず、担保も取らずに貸与しており、金融事業とは異なる」としている。無論、奨学金に救われる人も多いだろう。しかし、この問題に詳しいフリーライターの三宅勝久は「貸金業と同じことをやっているのに貸金業ではないと言い張って貸手責任を全く問われないところにエセ奨学金事業の本質があるように思います」と反論の手紙をくれた。同機構の奨学金事業はその公共性から貸金業法の対象から外されている。しかし、と浦松は言う。「わたしは同機構の公共性に大きな疑問を持つ。現在の奨学金は、学生ではなく大学の学費値上げを支えているだけではないのか」と。

 「これまでは、自分が多額の奨学金を背負っていることも、返済猶予を受けていることも恥ずべきことだと思い、周りの人にも話せませんでした。私のケースが世の中に知られ、制度の見直しにつながれば嬉しい」。冒頭に紹介した女性は取材を受けてよかったと感想を送ってくれた。

 彼女のように18歳時点の選択に人生を縛られてしまう奨学金制度には問題があると思う。現在の奨学金制度は、毎年給料が上がっていく右肩上がりの時代に作られたものだ。低成長時代にはより安全な制度が必要とされている。

《個人情報の保護だという配慮が過保護とも言える時代だ。奨学金の恩恵を受けて社会に巣立ってきた人たちの、冒頭の女性のような特殊な例は別として、これまでの或いは現在までの苦しい苦しいという同情論ばかりで、実生活がまるで見えない。その実態が窺えないでは「借りたものは返せ」の法治国家としての鉄則を言うばかりだ、》

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2013年5月22日 (水)

「育休」首相のこだわり

 毎日新聞(5/22)から、

 安倍内閣は高支持率を続けているが、かつての自民党長期政権のような安定的な支持を固めたわけではない。「昨年の衆院選で熱狂的な支持を受けた手応えはなかった」(石破・自民党幹事長)と不安を抱え、政権も確かな支持層をつかむ軸を摸索する。

 「子どもは3歳までが大事だ。親の手元で育てるのがいいね」。昨年12月の衆院選前、安倍首相(58)は側近の加藤官房副長官(57)に語った。成長戦略に「育休3年」を盛り込んだのは首相の強い意向。酒年9月の自民党総裁線前には、地元山口県の党女性幹部に「育休を延ばす」と伝えていた。「3年間抱っこし放題」という殺し文句も首相の発案だ。

 策定に関わった今村首相秘書官(54)は周囲に「やっぱり子どもって母親なんだ。父親に母親の役割はできない。3年会社を休んでも戻れる居場所を作る」と説明している。原案では育休3年の主体は女性と明記されていた。

 「子どもは3歳までが大事」という考え方は、1960年代に広まった。女性の社会進出を進める立場の論者が「3歳児神話」と批判し、98年版厚生白書は根拠がないとした。高度成長期には一般的だった正社員の夫、専業主婦、子ども2人という「標準世帯」の存在が背景にある。池田内閣の所得倍増政策に象徴される安定雇用のもとで実現した自民党長期政権を支えた社会的背景でもある。政権は母親が3年間子育てに専念できるような家族の理想像を、有権者を取り込む核の一つに据えようとしている。

 だが、国立社会保障・人口問題研究所によると、80年に全世帯の42・1%だった「夫婦と子からなる世帯」は10年には27・9%まで減った。ひとり親世帯も増え、政権が望む家族像は多様な家族形態の一部でしかない。病児保育などを行なうNPO法人フローレンスの駒崎代表理事(33)は「中小、零細企業の人たちは育休自体から遠い。年数を延ばすよりそういう人たちへ幅を広げるべきだ」と指摘する。

《持論「三つ子の魂百まで」は、ブログを立ち上げた理由の一つでもある。》

 参照 育休3年の掛け声 2013/04
    親に切れる日本の子どもたち 2008/01/
    それでいいの? 2006/01/
    児童虐待 2005/06/

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2013年5月21日 (火)

赤身の肉を多く食べる男性、糖尿病危険4割高く

 毎日新聞(5/21)から、

《赤身の肉とは、牛、豚、羊、鹿、鴨など、見た目の赤っぽい肉全般を指す。また、加工肉とは、ハム、ソーセージ、ベーコン、コンビーフな。》

        <NHKニュースから>
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 肉類を多く食べる男性は、あまり食べない男性と比べて糖尿病を発症する危険性が約4割高いとの大規模調査の分析結果を、国立癌研究センターなどの研究チームが21日発表した。女性の場合は関連はみられなかった。英栄養学専門誌に掲載された。

 1995年と98年に10都道府県に住んでいた45〜75歳の男女6万3849人を対象に調査。開始時は全員、糖尿病や癌、循環器の病気はなかったが、5年後に1178人が糖尿病を発症していた。

 肉類の摂取量別に4グループに分けて発症の危険性を比べたところ、男性は摂取量が多いほど危険性が高まり、最も多いグループ(1日あたりの中央値108グラム)は最も少ないグループ(同23グラム)のⅠ・36倍だった。肉の種類別では、牛・豚は摂取量が多いほど危険性が高くなったが、鶏肉、加工肉(ハム、ソーセージなど)は関連がなかった。女性は肉類全体、種類別のいずれも発症との関係がみられなかった。

 研究チームの黒谷佳代・国立国際医療研究センター臨床研究センター上級研究員によると、肉に多く含まれる鉄分などが、血糖値を下げるインスリンの効きを悪くしている可能性があるという。女性は体内の鉄の蓄積量が少なく、肉類接種の影響を受けにくいと考えられる。黒谷は「男性は魚や鶏肉も積極的に選ぶなど、バランスの良い食生活を心がけてほしい」と話す。

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2013年5月20日 (月)

乳癌に重粒子線治療

 特定の遺伝子に変異があり、遺伝性の乳癌のリスクが高い人に、健康であっても乳癌を防ぐための乳房を切除する手術を行なったとして、米女優アンジェリーナ・ジョリーがニュースになった。早速国内でも実施するとして、聖路加国際病院(東京都・中央区)が病院の倫理委員会に臨床研究として申請、実施態勢を整えている。

 毎日新聞(5/20)から、

 放射線医学総合研究所(千葉市)は20日、60歳以上の早期乳癌患者を対象に、粒子線で癌を狙い撃ちする「重粒子線治療」の臨床試験を始めると発表した。国内では初めて。対象者約20人を募集する。

 重粒子線治療は、専用の加速器で光速の約85%まで加速した炭素のイオンを患部に照射する治療法。X線を使った放射線治療とは違って、癌だけを狙い撃ちするため、副作用が殆どなく、患者への負担が少ない。現在さまざまな癌に適用されて切るが、乳癌は乳房の固定が難しく、導入が遅れていた。

 今回の臨床試験は、60歳以上、大きさが2センチ以下の早期乳癌でリンパ節への転移がなく、癌が局所に限られる「低リスク」の患者が対象。最初の試験では、3グループに分けて異なる照射線量をそれぞれ1週間に4回照射し、適切な線量を決定。次の段階で特定の線量を全員に照射して、癌への有効性を確かめる。

 乳癌は国内で年間約5万人が発症している。このうち今回の対象となるのは推定で約7000人。

 若い患者に比べ、合併症のため手術ができなかったり、患者自身が手術以外の治療を考えたりするケースが多く、負担の少ない治療法の開発が求められている。

 研究代表の唐沢久美子室長(放射線治療学)は「臨床試験を実施して症例を集め、乳癌の重粒子線治療を確立したい」と話す。

 臨床試験に参加するには同研究所による審査があるが、治療に伴う費用負担はない。

《いづれ冒頭のような遺伝性の乳癌の治療にも、重粒子線治療が適応可能になれば、全乳房切除をしないですみ、多くの女性が救われることになるのだが。》

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2013年5月19日 (日)

生活保護法改正案、不正受給の罰則強化

 毎日新聞(5/17)から、

 1 政府は17日午前、生活保護の不正受給防止や就業支援策を盛り込んだ生活保護法改正案と受給手前の人に自立を促す生活困窮者自立支援法案を閣議決定した。8月からの生活保護費減額と合わせて不正受給の罰則強化などで引き締めを図る半面、自立支援も目指す内容だ。生活保護法の抜本改正は1950年の法施行以来初めてとなる。

 同法改正は保護費の抑制と不正受給などに対する国民の不信感を和らげる狙いがある。自治体の調査権限を広げ、就労や扶養の状況などを過去の受給者も調べられるようにする。扶養義務のある親族が「扶養は困難」と回答した場合、説明を求めることができる。不正受給の罰金(現行30万円以下)を100万円以下に引き上げ、返還金についても不正受給額の4割増まで請求可能にする。受給申請の際、本人の資産や収入、親族の扶養状況の書面での提出を義務づけた。事情があれば口頭申請も認める。

 一方で、自立に向けた支援を強化する。同法改正案では、受給者の労賃の一部を積立金とみなし、生活保護から抜けた時に支給する「就労自立給付金」を新設する。

【解説】
 厚生労働省は生活保護法改正案、生活困窮者自立支援法案の今国会での同時成立にこだわる。8月から始まる生活保護の切り下げにばかり注目が集まらないよう、自立支援の要素を入れ込み「最後の安全網を傷めた」との批判をかわす思惑が透ける。田村厚労相は17日の閣議後会見で「自立に向かっていろんな支援を用意した」と強調した。それでも、障害や病気で働けない人にとってはメリットが乏しく、保護費減額だけがのしかかる。

 今回の見直しは、生活困窮者自立支援法案が「アメ」、保護費のカットが「ムチ」にあたり、生活保護法改正案には双方が混在する。働こうとする人に手厚い反面、不正に厳しい内容で、「自助」を掲げる自民党政権の意向が反映されている。

 ただ、先駆的に就労支援を強化している大阪市では必ずしも生活保護からの脱却にはつながっていない。また、子育て世帯は「支給額が高すぎる」とみなされて保護費は減る一方で、就労や子どもへの学習支援は手厚くなる。だが最も受給者が多い高齢者や、働くのが困難な人たちへの「アメ」はない。

 不正受給に対する批判の高まりを意識し、扶養義務のある人への連絡徹底など受給手続きを厳格化したのも大きな特徴だ。しかし、申請者を体よく追い返す「水際作戦」の乱用を招き、申請を自粛しかねない。生活保護は本来必要な人に行き渡らないでは意味がない。厚労省は自治体任せにせず、法改正後の影響を注視する責任がある。
 


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2013年5月18日 (土)

大卒就職率93・9%

 毎日新聞(5/17)から、

 1_2 文部科学、厚生労働両省は17日、今春卒業した大学生や高校生の就職率(就職希望者に占める就職者の割合)を発表した。
 大学生は 93・9%で、 2年連続で改善し、前年比0・3ポイント増となり、2008年以来5年ぶりに女子が男子を上回った。
 短大生は 94・7%で、 1997年春の統計開始以来最高となった。
 高校生は 95・8%で、 前年比1・0ポイント増。
東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の被災3県でも0・1〜1・4ポイント上がった。文科省は「明るい景気見通しに支えられ、学生が諦めずに就職活動をしている結果などが理由ではないか」としている。

 大学生は全国の国公私立62校、4770人を抽出して調査し、卒業生の70・3%が就職を希望した。
 就職率は男女別では
  男子  93・2%(前年比1・3ポイント減)
  女子  94・7%(前年比2・1ポイント増)
 国公私立別では
  国公立 95・3%(前年比0・1ポイント減)
  私立  93・4%( 同 0・5ポイント増)
 分離別では
  文系  93・4%( 同 0・1ポイント増)
  理系  96・2%( 同 1・6ポイント増)だった。
推計で2万4000人が就職できていない。

 地域別では
  北海道・東北 91・4%
  関東     95・8%
  中部     95・0%
  近畿     93・2%
  中国・四国  93・8% と各地で上昇したが、
  九州は前年から2・6ポイント減少して90・6%だった。

 高校生は都道府県教委などを通して全員を調査し、17・5%が就職を希望した。就職率が95%を超えたのは94年以来19年ぶりで、男子96・9%(同0・6ポイント増)女子94・2%(同1・4ポイント増)だった。

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2013年5月17日 (金)

子宮頸癌ワクチンと副作用

 毎日新聞(5/16)から、

 厚生労働省は、4月から定期接種を始めた子宮頸癌ワクチンを巡り、現場の医師が副反応(副作用)だと認めず国に未報告となっているケースについて調査に乗り出す方針を固めた。接種後に重い健康被害に苦しむ中高生らが出ていることを受けた措置で、副反応の範囲についても医療機関の医師向けに症例を詳しく例示して、報告の徹底と接種のリスクを十分説明するよう求める。

 参照 子宮頸癌ワクチンと副反応 2013/04/

《参照でも触れたことだが、性交渉がないと感染の心配はないとされている子宮頸癌の予防に、小学生までも含めることに違和感を持つ。感染してからでは接種の効果はない、と言われてはいるが、それにしてもいくらなんでもと思う。家庭の、特に母親による、或いは学校での性教育も間に合わない、それほどまでに現在は、性モラルは乱れ切っているのだろうか。》

 ワクチンの接種で発疹やけいれんなどの症状が出ることを薬の副作用と区別し、副反応と言う。被害女性の保護者らでつくる「全国子宮頸癌ワクチン被害者連絡会」が先月、接種中止を求める嘆願書を厚労省に提出したのを受け、被害実態を広く調べる必要があると判断した。すでに被害者連絡会を通じて未報告の事例を複数確認しており、専門家による16日の検討会の審議を経て調査を始めるとみられる。

 同省によると、子宮頸癌は性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が原因とされる。感染から癌になるまでは数年から十数年間かかるが、年間約2700人が死亡している。近年、発生・死亡率とも若年層で増加傾向になるため、厚労省は2010年11月から自治体に補助金を出してワクチン接種を推進。予防接種法を改正し、4月から原則無料の定期接種にした。

 薬事法などに基づく医師や製薬会社の報告によれば、子宮頸癌ワクチンの副反応は09年12月の販売開始から昨年末まで計約340万人(推計)が接種して1926人。このうち重い障害が残るなど重篤なものは863人に上る。副反応との因果関係は不明とする報告もあるが、重篤の報告数はインフルエンザワクチンの約40倍とされる。重篤な症例も海外の発生頻度に比べ多いという。

 厚労省の幹部は「ワクチン成分による副反応の他に筋肉に注射するため神経が針で傷ついた可能性もある。副反応の情報を見落とさないよう医師にも呼びかけたい」としている。

 ▼「ワクチンで防げるものなら娘にとっても良いと考えた末の接種でした」とは東京都杉並区の松藤美香(46)。2011年、中学生になった長女(当時12歳)にワクチンの「サーバリックス」を自宅近くの診療所で接種した。決められた接種回数は3回。異変が起きたのは同年10月、同じ診療所で2回目の接種をした時だった。

 左腕に注射をしている時、「手がおかしい」と訴え、直後に左腕が痛み出した。夜には出の腫れや足、肩の痛みを感じた。翌日、同じ診療所を訪れたが「うちでは診られない」と断られた。その後受診した総合病院では10日間の検査入院後、痛みの原因が分からない「慢性疼痛症候群」と診断された。

 その後も薬を服用しながら病院を転々とした。症状が激しいときは足が勝手にばたついたり睡眠中に無意識に起きて歩き回ったりした。1月に症状が改善して登校を再開したが、再び痛み出したため3月中旬から休学。歩行時は車椅子が必要だ。

 全国子宮頸癌ワクチン被害者連絡会代表を務める松藤は「治療法を把握できる医師がおらず、患者は病院を転々としている。こうした患者は増える一方であり、国はしっかり検証をしてほしい」と話す。

《恐ろしいことだが、原則無料を呼び声に、患者を作るために接種することになっているのが現状のようだ。》

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2013年5月16日 (木)

酒 強要の危険性を知って

 毎日新聞(5/16)から、

 正しい飲酒を広めようと、東京大の大学院生、高橋祥子(25)らが同大の学園祭で来場者に無料で「アルコール遺伝子検査」を実施する。アルコールを分解する酵素の働きを分析し、「お酒が飲める、飲めない」の体質を判定。無理な飲酒を防ぐのが狙いだ。大学生の「イッキ飲み」が問題になる中、高橋は「飲めない人への飲酒の強要が危険であることを知ってほしい」と訴えている。

 彼女は、食品の成分などを遺伝子レベルで研究する院生だ。「専門を生かせば、アルコールに対する体質を細かく分類できる。いろいろな体質があることが分かれば飲酒の強要を減らせるのでは」と考え、今月18日、19日に東大本郷キャンパス(東京都文京区)で開かれる「五月祭」でアルコール遺伝子検査を企画した。

 酒が「強い、弱い」は体内の二つの酵素の働きで決まる。酒をアセトアルデヒドという物質に分解する「ADH1B」という酵素と、アセトアルデヒドを酢酸に分解する「ALDH2」という酵素。ADH1BとALDH2の働きが活発な人は「酒が強く」、活発でない人は「弱い」とされる。

 五月祭では、口の中の粘膜からとったDNAを専用の機器で検査し、これら酵素の働きを調べる。バッチテストでは分からない「酒は飲めるが二日酔いになるタイプ」などと九つの型に分けて判定するという。

 遺伝子検査は、通常は5000円程度の費用がかかるが、今回はイッキ飲みの危険性を訴えている洋酒メーカー「ベルノ・リカール・ジャパン」(文京区)が負担して実施する。検査を受けた人にはID番号が配布され、専用のウェブサイトにアクセスすると結果が分かる。両日とも午前10時〜午後4時、本郷キャンパスの農学部1号館で受け付ける。学生以外も検査を受けられる。

《「自分は酒が弱いのに」と、日頃バカな先輩や上司に頭を悩ましている人、いい機会だから念のため、検査を受けておけばいいのでは。》

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2013年5月13日 (月)

道交法改正案「自転車は左」厳守

 毎日新聞(5/13)から、

Th_7 自転車の交通問題に社会の関心が高まる中、今国会で審議中の道路交通法改正案では、自転車の左側通行が徹底される。歩道のない道路の端を白線で区切った路側帯を走る場合「左側通行に限る」と規定した。これまで規定はなく、自転車事故の要因の一つとされてきた。事故の減少が期待されるが、自転車利用者にルールを定着させるのは容易ではない。専門家は、例外規定の多い道交法を根本的に改定するよう求めている。

 主に路側帯は道幅に余裕のない生活道路に設けられている。幅は狭く、自転車が双方向通行すれば、正面衝突やすれ違い時に接触の危険性が高い。だが、現在の道交法は「自転車は、著しく歩行者の通行を妨げる場合を除き通行できる」とするだけで、道路の左右どちらを走るかは決めていない。

 改正案が成立すれば、図❶のように自転車は、道路の左側にある路側帯を通行するよう定められる。ただ、二重の白線で区切られた路側帯は歩行者専用のため自転車は通行できず、自転車は車道の左側通行が義務づけられる。

 国土交通省などによると、2010年の自転車関連の死傷事故は64%が生活道路で発生。生活道路は車と自転車、歩行者の距離が近い上、自転車が無秩序に車道を横断するケースも多い。交差点の見通しも悪く、路側帯を自転車が双方向で走れる状況は事故の危険性を高めていると指摘されていた。

 全国の道路約120万キロのうち、歩道のない道路は約100万キロとされる。このうち路側帯のない道路(車道)では、もともと自転車は左側通行しなければならないため、改正案が実現すれば全国の道路の8割は自転車の右側通行が禁止されることになる。自転車問題に詳しい木内弁護士は「自転車の右側通行は非常に危険。路側帯の規制は左側通行の徹底につながる」と評価する。

 一方、歩道がある道路の自転車通行は従来のままだ。

 「自転車通行可」の標識がある歩道(自転車歩行者道)は、道路の左右どちらも自転車が通行できる(図❷)。こうした道路は全国に約8万キロある。

 この標識がない歩道は原則、自転車は走れない(図❸歩道)。ただし、13歳未満や70歳以上、障害者が乗る場合などは、左右どちらも通行できる。全国で9万キロ余がこれに当たる。

 自転車専用の通行路では,車道と線などで区切った自転車レーン(全国に約200キロ)は車道の一部のため、左側しか通行できない。(図❸自転車レーン)。これに対し、車道と縁石や柵で完全に区切った自転車道(全国に約1300キロ)は双方向通行が可能だが、自転車道のある場所では車道を走れず、道路の片側にしかない場合にも自転車は必ず自転車道を走らなければならない。11年9月、自転車の双方向通行を認めている歩道や自転車道でも、正面衝突の危険がある場所には一方通行規制ができる標識が新設された。

 全交通事故に占める自転車事故の割合が徐々に増え、特に歩行者との事故が急増する中で警察庁は2011年10月、自転車の車道左側通行を徹底する方針を打出した。今回の改正案も、その流れに位置づけられる。

 ただ、改正案が成立しても自転車のルール違反が横行する中、左側通行を定着させるのは難しい。警察庁が設置した有識者懇談会は12年末、成人に対する自転車安全教育の充実を提言。今回の改正案も悪質な違反を繰り返した人に対する安全講習の義務づけを盛り込み、周知徹底を図る。

 一方、道交法の規定そのものが複雑、曖昧なことが、ルール徹底を妨げているとの指摘は根強い。

 自転車の通行方法には数々の例外規定がある。車道や自転車レーンは車と同じ左側通行なのに、自転車歩行者道や自転車道は双方向通行が可能というのもその一つだ。

 道交法は1960年の制定時、自転車を車と同じ「車輛」と位置づけ、車道の左側通行を規定した。しかし、「交通戦争」と呼ばれ交通事故死者が過去最悪の1万6765人に上った70年の法改正で、公安委員会が指定した歩道については自転車の通行が容認された。

 これは「緊急避難的な措置」(81年、建設省道路局長の国会答弁)のはずだったが、その後も元に戻ることはなく、2008年の法改正で13歳未満や70歳以上、障害者や、安全上やむを得ない場合の歩道通行も追認された。

 自転車政策を行政に提言している自転車活用推進研究会の小林理事長によると、欧米の道路交通法はシンプルで例外規定は殆どないという。だが、日本では歩道を歩く人は、どこから来るか分からない自転車に気をつけなければならない。小林は「国民の大半が若く健康ならいいだろうが、直面している高齢化社会には通用しない。自転車が車と道を共有するという道交法の原点に戻る時期だ」と訴える。

《改正法が施行されれば、全国の道路が十分整備されていないことを承知のうえの実施だ。それを承知で決めた上は、自転車利用者のどうせ守らないマナーに期待することなく、違反には厳しい取締りこそ新道交法を定着させることの近道と心得た方がよい。》

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2013年5月12日 (日)

ハーグ条約

 毎日新聞(5/12)から、

 Th_ 国際結婚が破綻した夫婦間の子の扱いを定めた「ハーグ条約」の加盟承認案と国内手続き法案がそれぞれ衆院を通過し、今国会で成立する見通しとなった。早ければ年度内にも条約加盟が実現することになり、当事者の間には期待と懸念が交錯している。専門家からは、子の返還手続きにあたって人権に十分配慮するよう求める声が上がるなど課題も浮かぶ。

 ”なるほドリ”から
 ハーグ条約って、どうしてできたのだろうか。国際結婚がうまくいかなかった夫婦の子をどう扱ったらよいか、「ハーグ国際私法会議(HCCH)という国際機関がルールを考え、1980年にこの条約を作った。当時、一方の親が無断で子を国外に連れ出すことが問題になっており、各国に共通する解決方法を求める声が高まっていたからだ。

 Q どんな国が加盟しているのか

 A 今年3月末現在で89カ国が加盟している。北米や欧州は殆どが加盟国だ。いわゆる主要8カ国(G8)では、ロシアが2011年に加盟し、非加盟国は日本だけになっていた。

 Q 実際に日本人がトラブルの当事者になることもあるのか?

 A 外務省が11年に公表したアンケート結果によると、日本人が外国から子を連れ帰ったケースは18件、国外に子を連れ去られたケースは19件確認されている。また、外国から日本に問題の解決を求められている連れ去り事件は12年時点で、米81件、英39件、カナダ39件、仏33件に及んでいる

 Q 条約加盟後に連れ出された子は元々住んでいた国に戻されることになるんだね

 A 原則はそうだ。08年のHCCHの統計では、取り残された親の申請により、子を連れ帰った親が自主的に元の国に戻すケースが全体の約20%を占めている。申し立ての却下や取り下げなどが約35%。裁判に発展して判断に至ったケースは約45%で、うち3分の2で子の返還命令が出され、3分の1で子の返還が拒否されている。

 ハーグ条約は、子の返還を拒否できるケースを「子の心身に害を及ぼす重大な危険がある場合」と定める。9日に衆院を通過した国内手続き法案は、DVの恐れがある場合や外国での子育てが困難な場合なども、日本の裁判所が返還を拒否できるとしている。加盟国がこうした規定を明示するのは異例で、専門家の間にも賛否両論がある。

《日本国内の争いや裁判で、DVが持ち出された場合、女性に甘く、圧倒的に男性側には不利な結果が言い渡されることが多い。戦前の男尊女卑の反動は凄まじく、現在ではどちらかと言えば男女間の問題では女性側に有利な判決が出されることの多い日本だ。》

 中央大法科大学院の棚瀬教授(法社会学)は「加盟は大変好ましいが、日本が独自に『子を返還しない』運用をしたら、条約の趣旨が骨抜きになる恐れがある。加盟国の中で孤立し、国際的信用が失墜しかねない」と懸念する。

 米国などの加盟国は日本以上にDVの保護制度が整っているとして、棚瀬教授は「被害女性も不法に子を連れ帰るのではなく、まず現地の制度を利用して上で、離婚後に両方の親がどのように子の養育をしていくか取り決めてから分かれるべきだ」と話す。

 一方、日本弁護士連合会「両性の平等に関する委員会」副委員長の長谷川弁護士は(兵庫県弁護士会)は「返還されるのは生きた子であり、その福祉が害されてはならない。家裁は、条約が定める返還例外事由や国内手続き法の規定を踏まえ、元いた国に子を返すかどうか、慎重に判断すべきだ」と指摘する。

 その上で、条約加盟にあたっては
 ①担当裁判官が児童虐待やDVも含め、子どもの人権に関わる専門的な研修を受ける
 ②児童虐待やDVを理由に子を連れ帰った親が裁判でそうした事実を証明できるよう、在外公館が支援態勢を整える ——— ことの必要性を強調した。

《日本独自の国内手続き法が認められた場合、考えられるのは、条約が定める返還例外事由だらけになり、取り扱うその殆どが『例外』扱いとして処理されるだろう。結果として、棚瀬の懸念する国際的信用の失墜となるだろう。》

 また、条約は返還手続きとは別に、加盟各国の「中央当局」(日本では外務省)に当事者間の友好的な解決を促すよう求めているが、日本では当事者間を仲介する「受け皿」の整備が進んでいない。

 このため日本仲裁人協会(東京都)は条約発効後に国際的な家事調停を実施できるよう、調停人の研修などを始める予定だ。同協会常務理事の小原弁護士(大阪弁護士会)は「返還は必ずしも子の最善の利益にはならない。十分な面会が保障されるのであれば、返還まで求めない親もいるはず、連れ去られた外国人の親が利用しやすい調停機関は不可欠だ」と話している。

【ハーグ条約の加盟国】
<アジア>
 中国、(香港、マカオのみ)、韓国、シンガポール、スリランカ、タイ
<オセアニア>
 オーストラリア、フィジー、ニュージーランド
<北米>
 カナダ、アメリカ
<中南米>
 21カ国が加盟(非加盟はキューバやジャマイカなど)
<欧州(旧ソ連連邦を含む)>
 殆どの国が加盟(ロシアを含む47カ国)
<中東>
 イスラエル、トルコ
<アフリカ>
 ブルキナファソ、ガボン、ギニア、レソト、モーリシャス、モロッコ、セーシェル、南アフリカ、ジンバブエ

 参照 ハーグ条約要綱案、「日本特有視」は誤解の危険 2012/02
    娘連れ出し 親権妨害容疑問われた日本人女性を釈放 2011/12
    日本人女性 娘連れ出し 親権妨害容疑で米国で逮捕 2011/11
    国際結婚とハーグ条約 −3− 「離婚」 2009/10

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2013年5月10日 (金)

「お母さんに優しい国」日本31位

 毎日新聞(5/8)から、

 《ここ40〜50年、日本から「お母さん」は消えて行った。残ったのは赤ちゃん言葉のような「ママ」だ。「お母さん」は『死』とつながって戦地で死にゆく兵隊たちの心の中にしまわれて、現在は死語のようになって言葉だけが残ったようだ。現在の家庭環境にはない母の姿だ。》

《言葉もそうだが、日本語の「母」という漢字の象形文字は、女という字に胸の乳房を表す点を二つ加えて出来上がっている、ということを、確か小学生時代「母」という漢字を習う時、先生から教えてもらった記憶がある。長じては「たらちね」や「母なる大河」や母という言葉はいつも傍にいて、子どもを育て、守り、慈しみ包み込む温かい言葉としての印象が強かった。》

 国際的な非政府組織(NGO)セーブ・ザ・チルドレンは7日、世界の176カ国について、「お母さんに優しい国」をランク付けした報告書を発表した。トップはフィンランド。日本は米国に次ぐ31位で、昨年より順位を一つ下げた。

 調査は、今年が14回目。5歳未満の子どもの死亡率や,公教育の在籍年数、女性議員の割合など五つの指標を比べた。2位はスウェーデン、3位はノルウェーで、欧州各国とオーストラリアが上位10カ国を占めた。最下位はコンゴ民主共和国(旧ザイール)だった。日本は、子どもの死亡率の低さや教育年数では上位につけたが、女性議員の比率が北欧の約4割に対し約1割にとどまり、全体のランクに響いた。

 報告書は今回、初めて出生当日の子どもの死亡率を調査。年約100万人が死亡し、ソマリアなどアフリカ諸国で死亡率が高かった。
 

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2013年5月 9日 (木)

「安倍氏は国粋主義」

    I・バーグマン
Th_p5081030 毎日新聞(5/9)から、

米議会調査局が今月1日付で議員に提供した日米関係の報告書の中で、安倍晋三首相について「強い国粋主義者として知られる」と指摘し、首相や政権の歴史認識問題を巡る言動について、「地域の関係を壊し、米国の利益を損なう恐れがあるとの懸念を生んだ」と指摘していたことが8日、分かった。報告書は、歴史認識問題や靖国神社参拝などを巡る言動は「米国や近隣諸国から注視されるだろう」と記した。

 報告書は、首相が前回首相だった2006年から07年に集団的自衛権行使容認に向けた研究会など安全保障問題に取り組んできたことを「日米の安保協力を熱心に進めようとしていた米政府側の大部分が歓迎した」と紹介。一方で、首相の言動について「帝国主義に基づく侵略や他のアジア諸国の犠牲を否定する歴史の修正主義を信奉していることを仄めかしている」と記した。

 また、首相が旧日本軍の慰安婦問題への関与を認めて公式に謝罪した1993年の河野洋平官房長官(当時)の「談話」を政権として見直すことを暗示してきたとし、「このような動きは日本と韓国、他の(アジアの)国々との関係を悪化させるだろう」と指摘した。

 報告書は、議会調査局が議員の活動を支援するためにまとめた参考資料で、日米関係に関係する事実関係などを紹介している。

《アメリカから指摘されるまでもなく、日本国内でも、安倍の狂った歴史認識に危険を感じている国民はいる。毎日紙に購読者からの投稿欄があるが、アメリカの指摘する国粋思想に不安を抱いている意見が次々に投稿されている。タイトルだけを読んでも、その内容は想像できるものだ。
 ▽4/30「過去から学び失敗繰り返すな」(35歳・男性)
 ▽5/5『「甲種合格」名誉の時代ごめん』(81歳・女性)
 ▽5/8「侵略賛美につながらないか」(75歳・男性)▽『沖縄の人々に冷たい「万歳」』(73歳・男性)
 ▽5/9「今、なぜ憲法改正なのか」(72歳・男性)▽「安倍首相の歴史観おかしい」(66歳・男性)など。
 81歳の女性は、シベリア抑留中に死亡した叔父のことを書いている。甲種合格(思想・身体検査等)で招集されたことで国にご奉公できる「最良の日」と見送った祖母のことを。》

 参照 お遊び、 と 命令放送 2006/10
    遂に馬脚を現した 2006/08

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2013年5月 7日 (火)

「北朝鮮 ミサイル撤去」

 毎日新聞(5/7)から、

《拳を突き上げて、北朝鮮怖いぞ、危ないぞ、国家存亡の秋(トキ)だぞ、今こそ男も女も戦える軍隊を持つために、憲法を変えるタイミングだ。と声高に叫んでいた右傾化した政府要人や政治家たち、その振り上げた拳をどう始末するつもりか。二階に誘われていきなり梯子を外された感じだろう。》

 北朝鮮が日本海側から発射する構えを見せていた新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」2基の発車準備状態を解除し、撤去したことが6日、明らかになった。米CBSテレビなど複数の主要メディアが米当局者の話しとして伝えた。7日に予定されている米韓首脳会談を前に北朝鮮が態度を軟化させ、米国と対話の用意があることを示している可能性もある。

 CBSなどによると、2基のムスダンは発射台付き車輛とともに撤去された。ミサイルが別の発射場所に移動された可能性は低く、格納施設などの非作戦区域に戻ったとみられるという。

 ムスダンは射程約2500〜4000キロで、米領グァムを射程に収める。北朝鮮は3月以降、米国に対する核攻撃を示唆するなど挑発的姿勢を強め、4月初めにムスダンを日本海側に移動し、発射する構えを見せていた。米海軍と日本の海上自衛隊がイージス艦を展開して迎撃態勢を強化するなど緊張が高まっていた。

《先の戦争で軍に協力し、敗戦の総括もしない日本のメディアも、国民を煽るためか脅かすためか「日本海側に向けて」と表記するが、日本に向けて準備したものではない。北朝鮮はこけ脅かしのように日本の都市の名を二つ三つ上げてみせたが、都市の名ぐらい北朝鮮の小学生でも知っていることだろう。》

 北朝鮮は3月1日〜4月30日に行なわれた米韓両軍の野外機動演習「フォールイーグル」と、3月に並行して行なわれた指揮所演習「キー・リゾルブ」に激しく反発していた。米韓の両合同軍事演習が終了したことで、ムスダンの発車準備状態を解除した可能性もある。

 菅官房長官は7日午前の記者会見で、北朝鮮が中距離弾道ミサイルを発射場から撤去したとの一部報道について「さまざまな情報に接しているが、政府としてはいかなる事態においても、国民の生命と安全を守るべく万全の態勢をとっている」と述べ、警戒レベルを継続する考えを示した。

《それほど日本が北朝鮮を恐れなければならない要因が、日本のどこに、どのように存在するのか。日本が直接攻撃を受けるほど、悪行のほどを現在北朝鮮に行なっているのか。》

 米韓両国からの情報提供などについては「日本政府治して極めて重大な関心を持って関連情報の収集・分析を行なっているが、個々の情報の具体的内容は事柄上(説明を)控えたい」と述べるにとどめた。

 小野寺防衛相は記者会見で,防衛省などに展開している地上配備型迎撃ミサイル(PAC3)について「今は情報分析中なので、それをもってしっかり対応していく」とし、北朝鮮の動向を踏まえながら今後の態勢を検討する考えを示した。

《政府要人も、あれこれ言訳を考えながら、振り上げた拳の収め場所に頭を抱え込んでいるようだ。》

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2013年5月 6日 (月)

駒大生2人 水死

   かきつばた(杜若)
Photo 毎日新聞(5/4、6)

《常識として、学生たちは水温5度程度の水中で、人間がどれだけの時間、生きることが可能か程度のことは知っていてもおかしくない。飛び込んだ瞬間に心臓麻痺を起こすか、5分も水中にいれば、まず心肺停止することになるだろうことの知識も持たず、過去にも行なわれたというだけで、その日の気温や水温を確認もせず(それとも確認の上でか)、それこそ付和雷同のお祭り騒ぎの勢いに乗って、死に急ぐようにぞろぞろと続いたのだろう。このバカさ加減に同情する気はしない。》

 3日午後5時20分ごろ、長野県信濃町野尻の野尻湖で、合宿中の駒沢大(東京都)の吹奏楽部の学生から「水遊びしていた仲間2人が溺れた」と110番があった。県警長野中央署や長野市消防局が同大3年の矢田拓也(20)=横浜市金沢区=と同大1年の野呂千賀子(18)=千葉県市川市=を午後6時までに引き上げ病院に搬送したが、2人とも死亡が確認された。

 同署などによると、2人は同日午後5時前に仲間約30人とボートで湖岸から約300メートルの琵琶島に渡り、服を着たまま湖に飛び込んでいたところ、水没したまま姿が見えなくなったという。「(飛び込みは)部の恒例行事だった」と説明した学生もいるという。同消防局によると、周辺の深さは約5メートル。水温は5度程度。

 大学関係者によると、2人は、同湖近くの同大の施設に4月29日から部員約70人で合宿をしていた。今月5日に長野市のイベントで演奏する予定だったという。

 この事故で、広瀬学長らが5日、東京都世田谷区の駒沢大で記者会見し、「自由行動の時間に水遊びが盛り上がって(複数が)一斉に飛び込んだ」と経緯を説明。一部学生が「飛び込みは恒例行事だった」と指摘している点については「恒例とまでは分からないが過去にもあった。大学としては事故後に知った」と答えた。

 学長らは「尊い命が亡くなり、痛恨の極み。再発防止に努める」と謝罪。大学の管理責任に関しては「学生の動揺が激しく、詳しく事情を聴ける状態ではない。今後、事実関係を精査し、改めるところは改める」と述べた。

《学生の殆どは大人だ。小学生や中学生ではあるまいし、大学側が手取り足取りで管理する必要などない。あくまでも自己責任の問題だ。》

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2013年5月 5日 (日)

子ども 過去最低の1649万人

《安倍晋三がどんなに頑張っても、産めるのに産まない日本の女たちが50%以上もいては、近い将来、日本という国家そのものが地球上から消えていくだろう。現在、保育所が足りないと騒いでいるが、箱物を増やしたところで、そんなものは直ぐに入れる子どももいない空っぽの箱になるだけだろう。》

 参照 2020年、1人暮し世帯(単独世帯)が34・4%に 2009/12/

 毎日新聞(5/5)から、

Photo  総務省は4日、「こどもの日」に合わせて15際未満の子どもの推計人口(4月1日現在)を発表した。子どもの人口は前年より15万人少ない1649万人で、1982年から32年連続の減少。総人口に占める子どもの割合は12・9%(前年比0・1ポイント減少)で、75年から39年連続低下した。人口、割合とも同じ手法で統計を取り始めた50年以降で最低を更新した。


 男女別では男子が844万人、女子が804万人で、いずれも前年より8万人減少した。年代別では中学生(12〜14歳)が355万人、小学生(6〜11歳)が661万人。未就学の乳幼児(0〜5歳)が633万人。

 都道府県別(昨年10月1日現在)に子どもの数をみると、前年より増加したのは東京都と沖縄県だけで、それぞれ約3000人増の約149万4000人、約1000人増の約24万8000人。最も減少数が大きかったのは福島県と大阪府で、いずれも約1万1000人減少し、約25万2000人、約115万2000人だった。福島については東京電力福島第1原子力発電所事故が影響していると見られる。総人口に占める割合では、沖縄県(17・6%)が最も高かった。

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2013年5月 4日 (土)

改憲派 各地で集会

    ミニスイセン
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《奇しくも日本を取り巻く情勢が、第一次安倍内閣の世情と重なり合う。北朝鮮問題、尖閣に絡む中国問題とうとう、改憲を狙う安倍にとって、両国が騒げば騒ぐほどに力を得、今やらなければ「日本がどうなるか分からないぞ」と煽り、有利にことを運ぶ。まさに、参照にも書いた、安倍にとっては北朝鮮さまさまだ。》


《日本国内では、敗戦後に生まれた戦争の悲惨さを知らない血気にはやる若者たちが、掛け声にそそのかされたように、「そうだ、そうだ、今だ今だ、憲法を変えるのは今だ」と改憲を叫ぶ。結果は火の粉となって、自分たちに降りそそぎ、女も銃を取って戦争の最前線に狩り出されることに考え至らずにだ。1945年、敗戦で終わった先の戦争では、女性こそ応召されなかったが、男の20歳からの兵役は、敗戦濃くなった頃にはどんどん年齢が引き下げられ、敗戦直前には15、16歳の少年が徴兵され、少年兵、幼年兵や神風特攻隊として有無を言わさず国のため、天皇陛下のためと称して死ぬことを求められた。中国の「尖閣」への陽動や、今まで北朝鮮が打上げたテポドンやミサイルは、一つとして日本に向けて撃ったものはゼロであるにもかかわらずだ。それについて曰く、「間違って破片が落ちるかもしれない」と。》

《また、権力に立ち向かう筈のマスメディアは、戦争を「国是」と認めて大いに戦争協力に全力を尽くした。結果はどうだ。敗戦後も日本中のメディアは戦争協力の総括はしないまま今日に至っているのが現実だ。》

 参照 女性自衛官 前線に 2013/03
    北朝鮮さまさま 2006/10

 毎日新聞(5/4)から、
 現行憲法の見直しを訴える団体が3日に開いた集会では、参加者から9条や96条の改正を求める声が多く聞かれた。

 「民間憲法臨調」が東京都千代田区で開いたフォーラムに参加した調布市の自営業、石井(53)は、憲法が戦力を保持しないとうたっているのに自衛隊が存在することに中学時代から矛盾を感じてきたという。「最高法規にうそがあってはいけない。自分たちで作った憲法でもないので、全体を変えた方がいい」。国会の発議要件を緩和する96条改正も「最終的には国民投票で決めること、民意でバランスが取れる」とみる。

《自衛隊を持つことが憲法違反であることは、警察予備隊から自衛隊に名を変えた当時から、姦しく議論されたことだった。改憲派が叫ぶこととは反対に、夢のようだが、スイスのように、永世中立国として存続可能になるような道を探ることも選択肢としてあり得るのではないか。》

 同フォーラムにほぼ毎年参加しているという品川区の会社経営、中川(49)は「現在の改憲手続きでは新しい事態に対応できない。9条も一人一人の精神としてはよいが、日本だけ条文にするのはナンセンス」。ベビーカーに乗せた1歳1カ月の次女を見つめ「娘が暴漢に襲われそうになったら、対抗するのは当然でしょう」と話した。

《「襲ってくる暴漢」を特定することが可能なんだろうか。煽られ、刷り込まれた仮定上の話で、そこに現実味はあるのだろうか。それに対抗して防備することが正しいことなんだろうか。》

 新宿区の「新しい憲法を作る国民大会」には約500人(主催者発表)が参加。埼玉県狭山市の無職、半本(85)は「安倍さんが首相になった今年こそ、改憲の本当の好機」と期待を込めた。戦時中は旧日本海軍の兵学校に在籍し「戦争だけはいけない」と思うが「自国を守る軍が最大の抑止力。戦争を起こさないために憲法9条を変える必要があるし、96条のために憲法を変えられなかったこともおかしい」。中野区の無職女性(66)も「北朝鮮や領土問題などの報道を見る中で、自分の国を守るために9条を変えないといけないと思うようになった。そのために96条改正が必要なら改憲派を支持したい」と語った。

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2013年5月 3日 (金)

運賃「1円刻み」検討(ICカードのみ)

          しらん(紫蘭)
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 毎日新聞(5/3)から、

 先に3月23日から全国の鉄道系ICカード乗車券の相互利用サービス(下図参照)が開始されたのに続いて、

 Th__4相互利用できるようになった交通系ICカード

・Kitaca(JR北海道)
・PASMO(株式会社パスモ)
・Suica(JR東日本)
・manaca(名古屋市交通局)
・TOICA(JR東海)
・PiTaPa(株式会社スルッとKANSAI)
・ICOCA(JR西日本)
・はやかけん(福岡市交通局)
・nimoca(株式会社ニモカ)
・SUGOCA(JR九州)

今回、JR東日本と首都圏の大手私鉄で組織するパスモ協議会は2日、現行の10円刻みの運賃を1円刻みにする彷徨で最終調整に入った。消費増税に伴って増税分を運賃に正確に反映させるのが狙いだという。

 当面は首都圏でICカードに限って実施する。今夏にも国土交通相に運賃の改定申請をする。

 現行の運賃は10円刻みで、過去の増税時には10円未満を四捨五入してきたが、ICカードは1円でも正確に計算できる。

 券売機は10円刻みを継続するため、ICカードを使った場合とで価格差がある「二重運賃」の状態となるが、国交省は大筋で今回の改定を受け入れている。


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