欧州に広がる同性婚
毎日新聞(4/25)から、
同性カップルの結婚を認める動きが欧州各国で広がっている。フランスでは23日、下院が同性婚を認める法案を最終可決し、早ければ6月にも発効する。英国でも2月に下院で法案が可決された。家族の形が変わりつつある。
同性婚は2001年にオランダで合法化。ベルギーやスペインばど14カ国に拡大している。米国は州ごとに異なり、マサチューセッツなど9州と首都ワシントンで合法化されている。連邦最高裁では同性婚の是非を争う訴訟が進行中で、6月にも出される判決が注目されている。
フランスでの同性婚法制定はオランド大統領の公約の一つ。社会党はすでに保革共住政権時代の1999年、結婚しないカップルにも社会保障などで結婚に近い権利を与える「パクス法」を制定。パクス婚する同性カップルは年間9000件を超え、世論調査では国民の53%が同性婚に賛成している。
しかし、3月24日、パリ・凱旋門近くで行なわれた同性婚法案反対のデモには、主催者発表で140万人(警察発表30万人)が参加した。「この問題の本質は出産や親子関係の話。生物学的に親は男女でなければならない」。そう語るのは、女性タレントのフリジッド・バルジョー(51)。法案反対運動のリーダーだ。
《ブルジッド・バルドーならぬ奇妙な名の女性だ。しかし、頑迷固陋、偏見の塊の私の持論に近い。同性婚を希望し、そのようになって共同生活をするのは勝手なこと。しかし、バルジョーも言う、生物学的には親は男女婚でなければあり得ない。子の親を名乗りたければ養子縁組みしかない。そもそもが、子どもはできないことを知った上での同性同士の結婚で、子どもを作ろう、持とうなど、大それたことを考えることが甘えでしかない。この先間違って、日本で同性婚が認められることがあったとしても、養子縁組み以外で子どもは持たない、作らないことを条件の許可とするべきだ。それに養子縁組みだとしても、動物に血統書があるように、子どもの出自が明解になる系統図を作成することを義務づける必要がある。極端だが、ギリシャ神話の『オイディプス』のように、母と息子(逆に父と娘)との夫婦の悲劇だって起こりうる危険性が存在するからだ。それとも、人類の発生源を辿って、人類皆親子で兄妹とでも考えればいいのか、》
パクス婚では、養子をとる場合,どちらか一方が独身者として行なう。だが、同性婚が認められると子どもは同性の両親を持つことになる。国民の約7割がカトリック信者のフランスでは、家族など伝統的価値を重視する教会の反発が根強い。
一方、同性愛者は法案に期待する。09年に女性同士でパクス婚したパリ市の会社員、バネサ・バルバ(33)は、ベルギーの病院で精子バンクを利用して子を出産。パートナーの女性も同じ方法で子を産んだ。同性婚法が発効すれば、4人は法的に完全な家族となり、互いの子どもへ遺産を相続することも可能だ。バルバは「同性婚法ができれば同性愛への偏見も変わるはず」と語る。
《これじゃ好き勝手に子どもを産める。こんなことが認められるフランスって一体どうなってんだ。これで偏見がなくなるなんてよく考えられるもんだ。やはり、子どもを生むことは禁じるべきだ。》
吉田徹・北海道大学准教授(欧州比較政治)は「日本の団塊世代に相当する欧州の68年世代は学生運動や性の解放運動にかかわり、新しい価値観を持っていた。彼らとその子ども世代が社会の中心となり、同性婚が受け入れられる土壌ができた。また、経済のグローバル化に伴い保守と革新の経済政策に差がつかなくなり、同性婚のような社会・文化政策が選挙で争点化したことが大きい」と説明している。
日本では、同性愛者らでつくる「特別配偶者法全国ネットワーク」などが、国に法的保護の充実を求めている。だが、法整備へ動き出すほどの盛り上がりはまだない。大阪府議だった05年に同性愛者であることをカミングアウトした尾辻かな子(38)は「日本では同性愛者であることを周囲に打ち明けにくい雰囲気がある。人権問題であり、政治課題として議論することが必要だ」と話している。
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