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2013年4月19日 (金)

道徳に教科書導入へ

 毎日新聞(4/18)から、

《昭和一桁世代には、道徳「ドウトク」の言葉の響きは懐かしい。小学校に入るまでの成長期、両親から小学入学前に教室に入ったら、先生の言うことはしっかりと聞くこととか、おしゃべりはしないこと、歩き回らないことなど厳しく話して聞かされ、どこの家庭でも行儀作法の一通りは身につけて新入生になったものだった。
 そのような家庭内教育の行儀作法の段階から、系統だった道徳を学ぶのに役立ったのが、当時から現在でも広く見られる小学校を入るとすぐに眼につく二宮尊徳(金次郎)の銅像が象徴する修身の授業だった。
 ”芝刈り縄綯(なわな)い 草鞋を作り 親の手助け 弟を世話し、兄弟仲良く 孝行を尽くす 手本は二宮金次郎”と歌われたが、今どきの屁理屈を言う人には、寝る時間もないほど子どもを働かせて黙って見ているのは、親の子への完全ないじめか、虐待ではないか、と問われそうな金次郎の行動だ。
 併せて教育勅語にある、「親ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ・・・」と続くものだった。敗戦後、教育勅語の言う親孝行も、家族や夫婦愛も、隣人愛も、この一旦緩急(国家の一大事)の時には、(天皇のために)命を惜しまず捧げます、という考えが否定され、道徳の根幹を失うこととなった。》

 政府が推進する「道徳の教科化」について、文部科学省の検討案が17日、判明した。来年度は、現在使われている副教材を同省が全面改定し「教材」として利用。文科相の諮問機関〔中央教育審議会」での議論を経て、15年度以降は、民間が参入した検定教科書を作成、学校で使用できるようにする方針だ。特定の教員免許は創設せず、研修を受けた上でどの教員も教えられるようにする。検討案は今後、有識者による懇談会で審議される。下村文科相が社の取材に明らかにした。

 現在、道徳は学習指導要領の中で「総合的な学習の時間」などと同じ「教科外活動」に位置づけられている。小中学校で週に1時間設けられているが、算数など教科の補修時間に充てられることもあり、教える時間が確保されていない点が指摘されている。

 07年の第一次安倍内閣でも、道徳の教科化が打出されたが、中教審の中では慎重な意見が多く、見送られた経緯がある。

 下村文科相によると、新教科「道徳」は現在と同じ週1時間とし、当面は文科省が作成した副教材「心のノート」を全面改定した教材を用いることとするが、地元教委などが作成した副読本の追加利用も認める。2年目以降について下村文科相は「他教科の教科書と同じように民間が参入する検定教科書も考えられる」と述べ、教科書会社に「道徳の教科書」の作成を促した。

 下村文科相は「特定の価値を押しつけるのではなく、学習指導要領のコンセプトに合った偉人伝等を入れて、親も読みたくなるような教材を作り、家庭でも学べる環境を作りたい」とした。

 また、「道徳の教員養成をやるとすると、大学のカリキュラムも必要となり、10年かかる」と道徳の教員免許創設には否定的な見解を示し「(道徳の)免許が亡くても、研修を受ければ教えられるようにしたい」と話した。

《国歌、国旗の受け入れが浸透していない教員の存在もある中、安倍右傾内閣の狙う「国家」像が、どのように理解されるのか、教育現場に注目だ。》

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