米銃規制、廃案に(「恥ずべき日」とオバマ大統領)
毎日新聞(4/18)から、
《期待どおりと言うべきか、やっぱりと言うべきか、アメリカにはまだまだ成熟した民主主義は定着していない。》
参照 懲りないアメリカ 2012/12/
市民の銃所持禁止は違憲 2008/07/
拳銃所有 2008/05/
銃規制 無理だろう 2007/04/
銃社会の民主主義 2006/10/
米上院(定数100)本会議は17日、現在は登録業者だけに義務づけられている銃購入者への犯罪歴などの身元調査をインターネットを通じた販売や銃の展示即売会にも広げる銃規制強化法案を裁決した。賛成は可決に必要な60票を下回る54票で法案は否決・廃案となった。オバマ大統領が2期目の中心課題の一つに掲げる銃規制強化が事実上頓挫し、政権への大きなダメージになりそうだ。
法案は民主、共和両党の有力議員がまとめた。上院で民主党は55議席(無所属2議員を含む)を保持するが、大統領が強く主張してきた殺傷能力の高い銃器の販売を禁止する法案は可決ラインに遠く及ばないと判断。米国民の9割が支持する身元調査強化の法案について、共和党を巻き込んで可決を目指した。しかし、足元の民主党で5人が反対した。
米国では犯罪歴のある人の銃所持を禁じており、登録販売業者は購入希望者の身元調査を連邦政府に照会することが義務づけられている。ただ、インターネットや展示即売会は対象外で、銃販売の約4割が,身元調査なしに行なわれている。こうした販売を規制し、危険な人物が銃を入手しにくくするのが法案の狙いだった。
米連邦議会で包括的な銃規制法案が審議されるのは1994年以来約20年ぶり。昨年12月に児童ら26人が殺害された米東部コネティカット州のサンディフック小乱射事件を受け、オバマ大統領は殺傷能力の高い銃器の販売規制などに取り組む姿勢を鮮明にした。
しかし、米国憲法修正第2条は武器保有の権利を明記しており、全米ライフル協会は規制の動きは銃を持つ権利への無用な侵害だと反発していた。反対の共和党に加え民主党でも14年の中間選挙を意識した慎重論が出ていた。今回反対した民主党5人のうち3人は中間選挙でいずれも苦しい戦いが予想されている。
オバマ大統領は17日、上院が銃規制強化法案を否決したことを受けてホワイトハウスで記者会見し、「ワシントンにとって非常に恥ずべき日だ」と述べ、拒否票を投じた上院議員らを非難した。そのうえで「この取り組みは終わらない。これは1回戦に過ぎない」と語り、引き続き銃規制強化を目指す考えを強調した。ともに会見した米東部コネティカット州のサンディフック小乱射事件で7歳の息子を失ったバーデンは「私たちは失望して家に帰るだろう。しかし、我々はくじけていない」と語った。
《1776年の独立宣言から間もない1791年に、憲法の修正第2条として「人民(民兵)の武装権*」が認められたことで、21世紀の今日にも、この黴の生えたような条文がある限り、アメリカ社会から銃による暴力がなくなることはないだろう。 *・・ 「拳銃所有」を参照。》
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