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2013年3月 8日 (金)

子どもの権利

 毎日新聞(3/7)”社説”から、

 家事審判や調停の場で子どもの意思が尊重されることになった。子どもの権利を盛り込んだ家事事件手続法が今年1月に施行されたのだ。

 晩婚・非婚化が進む中、離婚率は約10年前をピークに高止まり傾向だ。一方で、再婚率は増加し、子連れ同士の再婚も珍しくなくなった。

 家庭や家族を巡る環境が多様化し、家庭裁判所で当事者が争う家事事件が急増している。02年は63万件だったが、11年は85万件と1・3倍以上に増えた。

 少子化の影響もあり、子どもの奪い合いも少なくない。子どもと暮らす監護権者はどちらにすべきか、監護権を持たない親との面会交流をどこまで認めるのかといった内容だ。

 施行された法律では、子どもが審判や調停の手続きに参加できる能力があることを初めて認め、利害関係者として積極的に関与できる権利を新たに与えた。そのための手段として、子ども自身が独自に弁護士を代理人として依頼できる権限も認めた。

 なぜこうした仕組みが必要なのか。例えば両親が離婚し、母親に育てられている子どもが父親との定期的な面会に応じなくなったとする。母親は「会いたくないと言っている」と主張し、父親は「母親が父親の悪口を言うからだ」と反論する。こういった場合、双方の代理人(弁護士)が乗り出しても相手方は納得せず泥仕合になりがちだ、

《毎日の食事を母親が作っていた時代は、子どもの判断基準はどちらの親と暮らすことで飢えないで暮らしていけるかどうか、ということだった。現在のように、生まれてすぐに保育園や託児所に入れられて暮らす子どもたちに選ばせれば、父母のどちらを選ぶかは親二人の人となりが基準となるだろう。犬も食わない夫婦喧嘩も、どちらに非があるかは子どもは見て取っているものだ。》

 そこで、第三者的な「子どもの代理人」が子どもの真意を引き出し、子どもにとって最善の方法を審判や調停に反映させようというのだ。

 日本も批准した国連の「子どもの権利条約」の考え方が根底にある。条約は子どもの基本的人権として意見表明権をうたっているのだ。小学校高学年程度の能力があれば、意思能力が認められる。

 親の都合で環境の変化を余儀なくされる以上、子どもの意思が尊重されるのは当然だ。条約の趣旨を生かし、じっくりと制度を育て上げたい。

 ただし、現行法では弁護士を依頼した場合の費用は子ども自身の負担だ。事情により親に負担させることも可能だが、子どもの大半は収入がなく非現実的な規定だ。運用の実態を見ながら、実質的に利用可能な制度になるよう見直しが必要だろう。

 一度改定された民法が昨年4月に施行され、子どもとの面会交流と養育費の分担については協議で定めるべき事項として明記された。また、協議の際は「子どもの利益を最も優先して考慮しなければならない」と規定された。

 政府が加盟を目指す「ハーグ条約」とも共通するが、婚姻の破綻の子どもへの悪影響を最小限に抑えるよう大人は務めなければならない。

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