長寿危うい沖縄
毎日新聞(3/20)”なるほドリ”から、
日本は長生きの国だと聞いたけど、都道府県で1位はどこだ? 平均寿命は、国勢調査の結果を基に厚生労働省が5年ごとに発表している。2月末に発表した最新調査では、2010年は男女とも長野県が1位になった。
Q 沖縄は「世界一の長寿県」と聞いたことがあるけど、今は違うんだね
A 男性は85年は1位だったが、90年に5位に転落、00年は26位へと急降下した。直近の調査では30位だ。女性は75年以来、長らく1位の座にあったが、直近の調査では、長野、島根に抜かれて3位になった
Q 原因は?
A 沖縄の寿命そのものは延びているが、他県ほど延びないのは、食の欧米化が進んだ60年代以後に生まれた世代が、生活習慣病などで早死にする例が増えているためだ。現在も、伝統食を食べる65歳以上の高齢者は、男女とも長寿日本一を保っており、食生活の変化が原因と考えられている
Q 食べ物が原因なんだ
「古来、日本人は、野菜、果物、豆、海藻、穀物などを食べ、魚や肉、卵があればラッキーだった。世界唯一のベジタリアン、日本人が肉を食べれば消化酵素が不足しているため病気になる。遺伝子に逆らい生きているんです」(世界数十カ国の食生活を調査してきた小泉武夫・東京農大名誉教授)。
A 高蛋白、高脂肪、高カロリーの食事が増えている。沖縄で脂肪分の摂取が増えたのは、全国平均より早く、沖縄で今起きている現象が、全国にも広がる懸念がある。また、塩分の使用量も増えている。72年の本土復帰前は、生魚やすしを食べる習慣がなかったのに、今は塩の濃さに気づかずに焼き魚やラーメンを食べるようになったそうだ。国民健康・栄養調査によると、沖縄の塩分
摂取量は、全国平均を下回っているが、世代が若くなるほどその差は縮まり、20歳代は全国平均と変わらない水準にまで高まっている。昆布使用量も88年の1位を最後に、味付けも変わりつつある
Q 対策はあるのかな
A 行政が健康診断を受けるよう住民に呼びかけている。学校では、伝統食を見直す「食育」も始まった。また、一度、都会に出た若者が地元に戻るUターンなどで、食に敏感な住民が増え、これまで食べることへの意識が低かった人たちも変わりつつあるようだ。専門家は「腹七分目で炭水化物を取りすぎないといった話が口コミで広がれば、次第に良くなるなず」と期待を寄せている。
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