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2013年3月 5日 (火)

加齢黄変性とはどんな病気?

 毎日新聞”なるほドリ”から、

 人口多能生肝細胞(iPS細胞)で作った目の組織を移植して、「加齢黄変性」という目の病気の治療を目指す世界初の臨床研究が計画されているらしいが、どんな病気なんだろう。

 理化学研究所が2月、臨床研究の計画を国に申請した。われわれが物を見る時、目に入ってきた光を網膜で受け取り、その情報を脳に伝える仕組みが働いている。その時大事な役目を果たすのが、網膜の中心部にある「黄斑」という部分。その構造がおかしくなる(変性)のがこの病気だ。年をとると発症しやすいので、こういう病名が付いている。一般的症状として、視野の真ん中にある物が歪んで見えたり、暗くなったりする。進行すると、お金が数えられないなど日常生活に支障が出て、さらに重くなると失明につながる恐れもある。

1Q 患者は多いの?

 A 国内で70万人がこの病気にかかり、10年前の2倍以上に増えていると推計されている。60代以上が多いけれど、50代から注意が必要だそうだ。主な原因は加齢だけれど、喫煙や太陽光の浴び過ぎも関係しているようだ。外見上の変化も痛みもないため「見え方がおかしい」と自分で気づくのが最大の手掛かりになる。人間の目は、片方の異常をもう片方が補う資質があり、診断の際は片目ずつ異常がないか調べる

《「黄変性」ではないが、現在の私の片方の網膜剥離の目を手術した後、まさに片方の目が補ってくれている状態だ。眼科が評判の大学病院での手術だったが、手術は決して芳しい物ではのかった(リ・オペになった)。加えて加齢による進行も加わってきた。そのために運転免許証も早めに手放した。記事のiPS治療も黄斑部分の網膜を切り取って張り替える手術になるのだが、術語の経過がどうなるのか、注目して見ていたい。》

 Q どうやって治すの?

 A この病気のうち日本人に多いのは、網膜の裏側に余分な細い血管ができ、血や水分が溜まる「滲出型」と呼ばれるタイプだ。以前は治療が困難だったが、08年以降、血管ができるのを防ぐ「抗VEGF薬」という薬が登場した。医師によると、この薬の効果は「画期的」だそうで、眼に注射して使う。それでも良くならない人が、患者全体の2〜3割いるという。iPS細胞を使った臨床研究は、こうした治療が難しい人たちが対処になる。将来、iPS細胞による治療が確立されたとしても、薬で治る人たちに適用されることは当分、ないだろう

 Q なぜこの病気が最初に?

 A iPS細胞から作った細胞の移植で最も心配されるのが、移植細胞の癌化だが、目の細胞はもともと癌になりにくいとされている。また、移植細胞の数も、他の臓器の治療と比べて少なくて済み、移植後も医師が経過を観察しやすいなど、有利な点がいくつか揃っているからだ

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