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2013年3月 2日 (土)

三原則骨抜きに道開く

 毎日新聞(3/2)”社説”から、《》内は私見

《転落した前の安倍政権時に後戻りするようなことが検討されている。曰く「F35を『例外に』」。敗戦から学びとった三原則を無視し、どこまでも戦う軍隊を持つことにこだわり、「自衛」を掲げて始めた太平洋戦争で、日本全土を焦土と化し、国民を塗炭の苦しみの底に落とした歴史を学ぶことなく、「いま一度」の意気込みで国軍化のための準備の周り固めに血眼だ。》

 参照 武器輸出三原則 2007/05/05
    集団的自衛権  2009/08/06

 政府は、航空自衛隊の次期主力戦闘機F35の国際共同生産に関連して、日本企業が国内で製造した部品の対米輸出を武器輸出三原則の「例外」として認めることを決め、官房長官談話で発表した。

 F35は周辺国と軍事的な緊張関係にあるイスラエルが導入を計画している。政府の決定は、国際紛争を助長することを回避するとの三原則の理念に反し、その形骸化に道を開きかねないものだ。

 談話は、日本の共同生産参画について「防衛生産及び技術基礎の維持・育成・高度化に資する」ほか、「日米安全保障体制の効果的な運用にも寄与する」と意義を強調する。

 しかし、 防衛産業の基盤整備などを。平和国家としての日本の立場を捨てる理由にしてはならない。

 問題は、三原則が「国際紛争の当事国やそのおそれのある国」への武器輸出を禁止していることと、イスラエルとの関係である。

 米国の同盟国・イスラエルは、核開発を進めるイランを先制攻撃する意図を隠していない。また、昨年から今年にかけて、パレスチナ自治区ガザを実行支配するイスラム原理主義組織ハマスやシリアを空爆する軍事行動に踏み切った。日本が部品を製造したF35がイスラエルの供与される可能性があり、そうなれば三原則は有名無実となる。

 F35の第三国移転について談話は「米国政府の一元的な管理の下で、F35ユーザー国以外への移転を厳しく制限する」ほか、「移転は国連憲章の目的と原則に従うF35ユーザー国に対するもののみに限定される」などにより「厳格な管理」が行なわれると強調している。

 だが、そもそもイスラエルは「F35ユーザー国」に含まれているというのが政府の見解だ。イスラエルへの供与が前提になっている。

 日本政府は04年、米国とのミサイル防衛(MD)共同開発・生産を三原則の「例外」としたが、2年後の対米武器・武器技術供与に関する交換公文と実施覚書で、第三国への移転には日本側の「事前同意」が要件となった。また、MDは防衛のための兵器であったが、他国への攻撃能力を備えたF35は防衛的な武器とは言いがたい。

 談話では、これまで政府が平和国家の理念として表明してきた「国際紛争の助長を回避する」との表現が消え、「国連憲章を遵守する」に変わった。過去に比べ、三原則の精神を遵守しようという姿勢が極めて希薄である。

 武器輸出三原則や非核三原則は戦後、日本の国是とされ、アジアや中東における日本外交に大きな役割を果たしてきた。安倍政権はこのことを改めて噛みしめるべきだ。

 参照 「戦闘機」部品製造メーカー20数社撤退へ 2009/10/20

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