入浴関連死 年間1万7000人
毎日新聞(2/4)から、
高齢者が自宅などで入浴中に意識障害を起こして溺れたり、脳卒中や心筋梗塞を発症したりして急死するとされる「入浴関連死」が、全国で年間約1万7000人に上るとの推計を東京都健康長寿医療センター研究所がまとめた。入浴中の急死は冬場に多発している。温度差による血圧の急激な変化が原因と指摘されるが、実態はよく分かっていない。厚生労働省は具体的な発症要因を探り防止策につなげようと実態把握を進める方針だ。
【入浴関連死】
厚生労働省の人口動態統計によると、11年に自宅の浴槽で溺れて死亡した人は約4500人で、「家庭での不慮の事故による死亡」の中で最も多かった。うち65歳以上が約9割を占めた。入浴中に脳卒中などを発症して死亡した場合は病死に分類されるため、不慮の事故には含まれず、病死も含めた入浴中の急死の全体像は分かっていない。
調査は、寒冷地では入浴中のリスクが高まると指摘されることから、東日本を対象にした。同研究所は昨年10月、北海道や東北、関東、中部地方の23都道県にある440以上の消防本部全てに、入浴中に心肺停止状態となって救急搬送された65歳以上の高齢者に関する調査を郵送。378本部から回答があり、うち365本部で該当事例があった。年代別では80歳以上が2438人と6割近くを占め、75〜79歳の921人が続いた。
《60を超える消防本部からの回答がなかったことになるが、老人の死に関心を持っていないのだろうか。それとも回答がなくても東京都健康長寿医療センター研究所側に正確なデータを採る気がなかったのだろうか。必要なデータであるにも拘わらず、どのような調査にしろこのような回答漏れがあるのだが、いつもながらにもともと調査する姿勢にいい加減なものを感じる。》
同研究所は、救命につながったケースはごく一部と見て 年齢分布を考慮すなるどし、同様のケースによる全国の死者数を推計。一部の消防本部からは発見時に既に死亡していた「不搬送」事例も報告があり、これらも推計に反映された。
同研究所の高橋副所長によると、冷え込んだ脱衣所や浴室では急に体温が奪われ欠陥が縮んで血圧が上がる。湯船に入った直後も熱さが刺激となって血圧が上がり、その後は血管が広がって急速に下がる。こうした血圧の急変動が意識障害の引き金になり、溺れる恐れがあるという。脳卒中などの発症につながるほか「湯に長くつかることで熱中症もあり得る」とする。
厚労省は昨年10月に東京、山形、佐賀3都県で調査を開始した。救急隊や搬送先の医療機関に協力を求め、入浴していた時間や湯の温度など詳細なデータを収集。気候の違いも影響するか調べる。
副所長は浴室や脱衣所を暖房器具で暖めたり入浴前に浴室の床に湯を撒いたりといった予防策を勧める。「可能なら浴室の壁に断熱材を入れ二重窓にするのも有効」という。
《我が家の浴室は夏場はいいのだが、四辺の壁、床もタイルのため冬場は冷たく(簀の子は不潔になりやすいので建築以来使用していない)寒い。特に冬場の入浴時の注意は、早くから毎年のように死亡情報もあり、高血圧の妻もいることから若い頃から注意を払ってきた。入浴時の冬場は脱衣場にガスストーブを据え、隣室の浴室のドアを開いて入浴前10〜15分前にはガスをともす。湯船から上がってパジャマや衣類を纏うまで、ずっと暖めている。廊下へのドアを閉め切るので浴室と脱衣所以外の部屋に蒸気が回るのも防げる。夏場になるとストーブを扇風機に取り替える。いずれにしても、以前から問題になっているのに、今頃調査開始とは片腹痛い話だ。》
また、寒いトイレについても、国立循環器病研究センター予防医学・疫学情報部室長の西村医師(循環器疫学)は注意を呼びかける。急激な温度変化にさらされると交感神経が緊張して血管が収縮、血圧が急上昇する。冬場に暖房の効いた居室から冷え込んだ脱衣所や浴室に移動し、さらに熱い湯船につかる過程で、脳卒中や心筋梗塞になりやすい。入浴だけでなく、寒いトイレも同様の危険があり、注意が必要だ、と。
《トイレにも夏場は小型扇風機、冬場は小型電気ストーブと足元には足温マットを敷いて乗り切っている。》
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