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2012年12月28日 (金)

専業主婦志向復活の背景

 毎日新聞(12/28)から、

 参照 内閣府調査「妻は家庭」が5割超える 12/12

《16日に報道された参照の記事を取りあげた際、上っ面報道では分析のうえその背景には何があるのかコメントのしようもない、と書いた、ところが中央大教授・山田昌弘が内閣府の調査内容のどこまでを入手したのか分からないが、「私の社会保障論」で取り上げている。しかし、その内容は16日の本紙に公表され、私も眺めたもの以上のデータが基になったものとはとても思えない内容だ。山田がいうには、働く女性の労働環境が背景にあるとした、これまでもある同様の固定観念をもとに書いているものだ。》

 同様に男性からの専業主夫志向も強まっている。
 参照 男性の専業主夫志向が強まっている 2011/02
    (プロの視点欄)WLB 2011/02

《主婦も主夫も平べったく言ってしまえば、「辛い仕事がいや」ということに過ぎる。特に女性の場合、煌びやかな化粧に服装、手にはスマホに指にはマニキュア、女子会、温泉に旅行、これでは幾ら「稼いでも足りない」と言いたくなるだろう。口をついて出るのは、男女差別に劣悪な職場環境だ。》

【閑話休題】
 内閣府は15日発表した男女共同参画社会に関する世論調査で、「男性は外、女性は家庭」という性別役割分業意識に賛成する人の割合が大きく増えたことが、注目を浴びた。特に20代の賛成割合が急上昇して50%となり、30、40、50代よりも高くなっていた。

《この傾向は理解できるだろう。世の中が、家庭が、女の子を甘やかす風潮が浸透し、会社に入っても直ぐに辞めていくことも珍しいことではない。自由とは責任が伴ってこそ自由であることを学ばず、大人になるための制約も学ばず、贅沢に慣れて我慢することや堪えることができない世代なのだ。これで専業主婦とは呆れる。専業主婦が彼女たちが考えているような生易しい仕事ではないことを知らない。会社で決められた時間だけ働いていれば済む程度のものではない、寝る間もないことも知らない。専業主婦が会社務めに堪えられなくなった女性の逃げ場所ではないのだ。その程度の考えで、専業主婦が務まると思っていては専業主婦に申し訳ない。》

 2000年以降、若い女性に専業主婦志向が強まっているという傾向は、さまざまな調査で指摘されてきた。大学でも、専業主婦になりたいという女子学生が相当増えている印象だ。

 この背景に、若者の劣悪な労働環境があることは間違いない。就職活動に疲れ果てた男子学生の一人が「専業主夫になれるものならなりたい」とこぼしていた。

《専業主婦志向の女性以上に見下げ果てた男だ。中には主婦仲間で寄り合いを楽しんでいる主婦もいるが、多くの専業主婦は一円でも安い品物を探して走り回り、日々の暮らしに追いかけられて生活しているのだ。》

 苦労して正社員として就職しても、世界最高レベルの長時間労働が待っている。家で専業主婦が待っていることを前提とした働き方が日本企業の標準である。たとえ仕事は面白くても、残業や休日出勤を断りにくい状況では、専業主婦がいなければやっていけないと考える男性と、結婚し子どもが生まれたら働き続けるのは無理と思う女性が増えるのは仕方がない。かといって、低収入の非正規雇用では仕事のやり甲斐もなく、やらないで済むならと考える女性も増える。

 この専業主婦志向には大きな落とし穴がある。現在、若年男性の雇用も不安定になっている。特に未婚男性の3分の1は年収200万円以下。年収400万円以上の未婚男性はわずか25%に過ぎない(20〜39歳、明治安田生活福祉研究所2009年調査)。

 そもそも、ゆとりのある生活が送れる収入を得ている未婚男性は1割程度だろう。結婚後も同様である。今は正社員男性でも収入の増加が見込めない。山田教授の分析では、昔は専業主婦が当たり前だった夫の年収8100万円クラスでも、妻がパートで働く割合が大きくなっている。子どもの教育費を出すために、共働きせざるを得ないのだ。

 専業主婦になりたいという女子学生がいたので、この話をしたら、「私はその1割の高収入男性をつかまえる自信がある」と答えられてしまった。そんな男性と結婚できた1割の女性はいいが、残りの9割は、結婚してもゆとりのある生活を送るためには共働きが必要である。それが嫌となれば、結婚せずに親元にとどまるしかない。その結果、専業主婦を求めて、結婚できない男性が残される。

 専業主婦でいさせてくれる高収入男性との結婚を夢見る未婚女性が増え、メイドカフェで、一時的に専業主婦に世話されている気分を味わう未婚男性も現れる。専業主婦願望の増大とともに、日本の少子化は深刻化するのであると結ぶ。

《豊穣の世、平和ぼけの世に生きる男女には、『好きな人と一緒になれるのなら、手鍋下げても、苦労も厭わない』など、笑い話の世界なんだろうか。》

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