国際学力調査
毎日新聞(12/12)カら、
【国際数学・理科教育動向調査】(TIMSS)
算数・数学と理科教育の国際的な動向を継続的に調査する目的で、国際教育到達度評価学会が4年に1度実施。日本は今回、小中とも約4400人ずつが50〜60問を解いた。日本はこれまでほぼ500点台後半で2〜6位を維持している。
国際教育到達度評価学会(IEA,、本部オランダ)は11日、小学4年と中学2年生を対象に昨春実施した国際数学・理科教育動向調査(TIMSS,Trends in International Mathematics and Science Study )の結果を公表した。日本は中2の数学(5位)・理科(4位)は横這いだったが、小4の算数(5位)・理科(4位)は過去最高点で学力が向上した。専門家は「09年度から先行実施された新学習指導要領で授業時間が増えた成果」と「脱ゆとり」教育の効果と分析。一方で、小4、中2とも「勉強が好き」など意欲や関心は国際平均を大きく下回り課題は改善していない。
欧米やアジアの、50カ国・地域(前回比14増)の小学生約26万人と42カ国・地域(同7減)の中学生約24万人が参加。1995年の第1回調査をもとに国際平均が500点になるように調整した。小中ともアジア勢が上位を占めた。中国は不参加。
小4は算数が585点、理科559点となり、ともに過去最高。2007年の前回調査より算数で17点、理科で11点高くなった。中2の算数は前回と同じ570点。理科は前回から4点高い558点だった。小4の算数と中2の理科は前回から順位を一つ下げたが他は前回と同じだった。
一方、「算数が好きだ」と答えた小4は「強くそう思う」「そう思う」を合わせて、国際平均(81・4%)より015ポイント以上も低い65・9%。「数字を使うことが含まれる職業につきたい」と答えた中2は国際平均(51・6%)より約34ポイント低い17・9%。また「理科を使うことが含まれるs著苦行につきたい」と答えた中2は20・3%で国際平均(56・2%)より約36ポイントも低かった。
澤田・東京理科大非常勤講師(数学教育)は小4の学力向上について「算数と理科で観察や実験の授業時間が増えた学習指導要領の効果」、中2は「小学校段階で改定前の授業時数の少ない指導要領だった影響」と分析。さらに、「小4、中2とも意欲や関心が依然低いのが問題。勉強への動機づけが必要」と話している。
ベスト5はフィンランドとロシアを除き、過去の調査でも上位にくい込んだアジアの「常連国」が占めた。文部科学省によると、日本と同じく小4、中3が全てベスト5入りしたシンガポールや韓国など平均得点上位国はいずれも理数教育に力を入れる。
算数と中学理科でトップのシンガポールは、2004年から小学5〜6年で教科別の習熟度学級を編成。理数が得意な児童の能力をさらに伸ばすため、理数教育に特化した中等学校(日本の中学、高校に相当)に力を入れるようにした。
数学と小学理科で1位だった韓国。12年までの5年間、理科教育振興のための計画を策定し、優秀な理科教員の養成に力を入れる。07年まで10年間、抽出で行なっていた小6、中3、高2の統一テストを08年からは全国調査に切り替え、学力把握に務めているという。
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