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2012年10月 4日 (木)

摂食障害センター 設立急げ

 毎日新聞(10/4)から、

 拒食、過食など食行動が異常になる摂食障害が、ダイエット志向とともに若い世代にさらにひろがっている。しかし、医療体制、治療方法は十分に整っていない。このため専門医が中心になって公的専門機関「摂食障害センター」設立を目指している。痩せ願望からだれもが陥る可能性のある摂食障害の現状を調べた。

《いじめと同じ問題のようだ。いじめはいじめる側をなくすることが第1だが、これまでいじめられる側のいじめられた数だけを数え上げ、いじめ、いじめ、と騒ぐだけで、解決の糸口すら掴めないでいる。摂食障害も同じこと、「細い体が美しい」という概念が変わらない限り女性心理は拒食、過食の泥沼から這い出すことは不可能だろう。途絶えることのない患者を収容する入れ物ばかりが必要になるだけだ。
 ビーナスがミロ島で発見されてから、女性美の極致と讃えられてきたが、今では小枝(ツイギー)のような体こそ美しいとなった。モデル界、ファッション界に、このような美に対する価値観が再度戻らない限り、現状のままでは女性の摂食障害は永遠のものとなるだろう。メディアは挙げて「痩せ細った体こそ美しい」の宣伝を今後も繰り返し蒔き散らすだろう。》

 記事は31歳の摂食障害の女性を取りあげているが、高校生時代は55キロあった体重も、大学受験を機にダイエットを意識し、「食べ過ぎたら吐けばいい」という友人の言葉を試したところ、心身ともにすっきりした、という。
 朝食と昼の弁当の量を減らし、夕食はお代わりをするほど食べた後、指を口に入れて吐き出した。大学2、3年で35キロを切り、月経もなくなった。自分への嫌悪感から自殺も試みたこともあった。いろいろな辛さを吐くことで忘れられた。
 心配した母親に連れられ専門医に行き、入院、治療を受けた。大学卒業後は事務職で働き、自助グループへの参加、実社会でもまれ4、5年前から少しずつ体重も増え、月経ももどった。現在でも週に1、2回は吐くが、「自然に必要でなくなる時がくるだろう」と、自分を受け止められるようになった。

《バカな女だと思うだけだ。自分で好んで摂食障害の道に入っていった結果だ。「食べ過ぎたら吐くだけ」とは飽食の時代の代表的な考えだ。自分はひもじくても一つのおにぎりを、二つ、三つに分けてきょうだいで食べ合った時代の人間には、こんな「食べて吐く」奴ははり倒したい思いになるだけだ。どんなに時代が変わったとはいえ、とても同情する気にはならない。》

 摂食障害は著しく痩せる「拒食症」と、衝動的に大量の食品を食べる「過食症」がある。拒食症には、食べる量が極端に少なくなる型と、食べて吐く型の2種類がある。栄養失調などの合併症による死亡率が7〜10%と高く、無月経、成長障害、骨粗鬆症といった後遺症が残ることもあり、リスクが高い。拒食症、過食症とも思春期の女性が発症することが多く、欧米先進国では4〜5%、日本では0・2〜0・5%程度いると推測されている。

 政策研究大学院大学、保健管理センター教授の鈴木真理は、最近の傾向として低年齢化と、慢性化した患者の高齢化を指摘する。

《幼稚園女児の大人びた言動などテレビで面白可笑しく見せるが、すでに思春期の「おんな」を演じている。踊りは腰をくねらせ尻を振りしなをつくり、「キス」を口にし、私たち世代が知る幼稚園児ではない。早々と痩せることに興味を持ってもおかしくはない。高齢化はいう通り、それまでを引きずったままの慢性化したものだ。》

 「以前は中学生以上だったが、今は小学5、6年生にもみられる。専門医に辿り着く人は氷山の一角。ダイエットブーム、ストレス耐性の弱まりから広く蔓延し、長期化する傾向が強い」と分析する。

 発症の要因としては挫折感が大きいとされる。完璧主義、理想への固執、融通が利かない優等生タイプに多く、人間関係のトラブル、ストレスに対処できなくなり、「痩せる」ことに逃げる。10キロ、15キロと痩せると前頭葉が縮小して感受性が鈍くなり、辛さを感じにくくなる。

《逃げ口上は先に準備してくれている。安心して自分が摂食障害だと口にできる。分けの分からない万能薬のようなストレスという便利に使える言葉がある。》

 「社会、親、自分の理想と戦うことがきつくなり、逃避するために痩せ続けます。このため、体重はほんの少しでも増えることに対する恐怖心が強い」と鈴木教授は話す。

 本人は病気を自覚しにくく、治療を拒否しがちだ。生命にかかわる緊急時は、入院して点滴などで栄養を補給するが、効果のある薬、治療法は確立されていない。本人の考え方、ストレスへの対処法をカウンセリング、グループ療法で少しずつ変えていく。個人の状況に応じて最終体重を見極め、少しずつ増やすことが大切だ。

 家族のサポート、学校や職場の理解と協力も必要だ。医師だけでなく臨床心理士、栄養士、就学や生活、職業支援などの部門と協力するチーム医療が効果を上げる。欧米ではこうした専門医療機関が数多くあるが、日本では各科の医師が個別に治療し、しかも施設数が少ない。

《寄ってたかって同情の輪を広げておこう。患者はこれからもどんどん増えるだろうから。しかし、一体拒食症や過食症になるきっかけは何? いじめられる子を減らそうとしても、いじめる子が次々に生まれ、いじめが絶えない現状と同じことだ。》

 千葉県住まいの36歳女性は15年前に拒食症になった。内科、精神科など4、5軒の病院を受診したが、治療法がないと拒否されたという。現在は専門医に通い、少しずつ回復、35キロの体重が40キロになった。「最初の段階で専門医にかかっていればここまで長期化することはなかった。どこに行けばいいかわからず悩んでいる人は多い」。

 鈴木教授は「センターでは全国の情報を集め、必要とする人たちが相談できる場にしたい。また、モデル治療を行ない専門家を養成したい」と話す。

 

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