ディスレクシアって何?
毎日新聞(10/30)”なるほドリ”から、
《長く生きて草臥れてきたオツムには、難しい横文字は知らないままで過ごしたいものだが、難しくても「死ぬまで勉強」を標榜する身のつらさだ。こういう時はできるだけそれに代わる易しい日本語はないのか、と探すことにしている。なんのことはない、記事の中にちゃんと日本語で示してあるじゃないか。『読み書き障害』というらしい。日本語で目にするとすっと入ってくる》。
米国の映画監督スティーブン・スピルバーグ(65)が、子どものころいじめを受けていたと話していた。「ディスクレシア」という障害があったそうだが、どんな障害なんだろう。ギリシャ語の「できない」(dys)と「読む」(lexia)に由来する言葉だ。読み書きの滑らかさと正確さに困難があり、文字を読んで内容を理解するのに時間がかかる。「読み書き障害」と呼ばれ学習障害(LD)の約8割を占めるとされている。スピルバーグも「教室では、皆の前で教科書を読むのがつらかった」と告白している。
Q 勉強ができなかったの?
A 知的な遅れではない。語学の教科書が上手に読めなくても、ラジオ講座で難なく語学を習得した人もいる
Q どれくらいの人がそうした障害を持っているの?
A 使う言葉によって出現率は異なるという。複数の論文などのデータによると、日本語(漢字)の場合は6・0〜6・9%。ほかに、英語5・3%〜11・8%、タイ語6・3%、オランダ語3・6%、イタリア語1・3%、アラビア語1・0%----となっている
Q そんなに違うんだ
A 一説には、言語の「音」と「文字」が一致するかが、障害の出現頻度に影響すると言われる。日本語の場合、ひらがなやカタカナは一つの文字にほぼ一つの音が当てられているが、漢字は異なる。英語のアルファベットは、単語によっては読みが違う
Q ところで、スピルバーグが診断されたのは5年前ということだ。遅くないか
A 文字の学習が終わる小学校低学年にならなければ、診断の確定は難しいという現実がある。成人後に診断される人は少なくない
Q 発見してもらえないと、勉強する時に困るだろうな
A 早期発見や適切な支援は大切だ。スピルバーグは「一生付き合うものだが、対処の仕方はある」と語っている。日本でも、パソコンによる音声読み上げや、電子メモ帳などで読み書きの部分を補って勉強する支援が進んでいる
Q そうなの
A ディスレクシアの教育的支援をしている団体の関係者は「スピルバーグのような才能ある著名人が障害を公表することで、発想が豊かなディスレクシアの人たちへの理解が広がってほしい」と期待している。
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