地震予知ミスに実刑(イタリア)
毎日新聞(10/24)から、
09年に起きたイタリア中部ラクイラの大地震を巡り、地震前に発生のリスクを議論した伊政府委員会メンバーだった地震学者らに、禁固6年(求刑同4年)を命じた現地の判決は、世界最悪レベルの地震リスクを抱える日本の科学者にとっても他人事ではない。
《私は80年生きてきた経験値から、現在科学のレベルでは地震予知などできないと信じている。地震学 2012/10 》
昨年、現地で遺族や被告の科学者らに聞き取りをした大木聖子・東京大助教(地震火山情報学)は、「非常に厳しい判決と思う。(伊委員会の)議論はリスクに触れていたが、行政側はパニックを防ごうと『安全宣言』した。訴追された科学者が利用された印象だ」。その上で「現地では地震が増えれば車で寝る習慣があり、リスク情報が伝わっていれば助かった命もあったはず」と指摘する。
」の
山岡耕春・名古屋大教授(地震学)は「本来科学者の議論は自由であるべきなのに、責任が前面に出るとそれが阻害されてしまう」と話す。
東海地震で予知情報の発信を目指す気象庁長官の諮問機関「地震防災対策強化地域判定会」の阿部勝征会長(東京大名誉教授)は、23日の定例会見で判決への感想を問われ、「地震予知は現時点では非常に難しいが、不可能だと証明されたわけでもない。可能性がある以上は《可能だとも証明されてはいないし、不可能かも知れない。》最善の努力を尽くし、見逃さないようにしたい」とした。
東日本大震災を予測できなかった反省から、地震学者の中には東海地震の予知体制を改めるべきだとの声もある。
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